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春さら [さらの木]

「さら行くのに化粧しなくていい?」
ジャン妻はこの台詞がクセになってきている。
このGW中、上大岡や河より低いBARへ行く時も「化粧しないで行っていい?」って。
私がいきり立つ反応を見てるのがオモシロいんだって。こっちは「マジでノーメイクで行く気か?」と思うじゃないか。
「しなくていい訳ないだろっ。しなさい」
「だってさらだもん。誰にも会わないし」
「Mさんともうひと組のお客さんと会うだろうがよ」
「だって化粧しなくったってアタシ美しいモン」
よくヌケヌケとよくそういうことが言えるよな~。
何だって?ノーメイクでも美しいってか?
ここで全否定したらタイヘンなことになるので、言葉や比喩を慎重にしないと。
「だいたい旅行というのはイベントだよ。ノーメイクはイベントに連れて行く私に対しても失礼だよ」
それにトシを考えろって。
ところが。
出迎えてくれたMさんは・・・。

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14時半に着いてチェックインを待っているところ。
「まだかよ~」(プチ)
プチ公はブツクサ言ってる。ドライヴの御守この子を載せてから違反はあるけど無事故なのだが。口が悪い。私より悪い。
「ちっと着くのが早かったんでないかい?」
平日空いてた。渋滞無かったし。
連休前の(金)です。退位、即位の儀で、祭日の間の平日を休日にする前から押さえておいたのです。結果11連休になっただけです。
実はこの時、隣にもう一部屋のお客様がいてMさんに電話したらしいのだ。「休憩中だそうです。ちょっと出てきます」と言い置いてくるまを出されてどっかへ行かれた。
しばし待った。
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15時少し前になってMさんが出てきた。ノーメイクじゃないか!!髪もバサバサだし。
何やってたか。休憩してたのです。Mさんは仕入れから戻ってきてから、チェックインの15時までは休憩中で横になっているのです。
「お電話いただいたもうひと組の方は?」(Mさん)
「どっか出てっちゃいましたよ」
「プチはくるまの中にいる」(プチ公)
「来なさいっ」(ジャン妻)
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同世代の女性2人が宿敷地内を歩いているところ。
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今日の伊豆高原は曇り空。夜半には雨も。
贅沢で退屈な時間が流れて行く。外が薄ら寒いだけに宿の中の灯が暖かく感じる。
少し眠った以外は何もしないで、何もすることもなくディナータイムになった。
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野菜の種類が多いですね。
前菜だけで、蕪、アスパラ、エンドウマメ、白菜の芯(チーズが載ってるヤツ)、赤ピーマン、パブリカ、ズッキーニ、シイタケ、ニンジンスライス、オニオン、カリフラワー、角っこにある葉っぱ、刺身のツマの大根、紫蘇、パセリ・・・。
仕入れ、買い出し、仕込みがタイヘンそうだ。
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前菜のお気に入りから、白ワインや日本酒の肴になるものを小皿へ移したとこ。
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もう年齢がここまできたので、パエリア、ブイヤベース、アヒージョといったスーパーヘビー級の海鮮料理は避けてもらって、ホタテのグラタン、ホウボウの焼き物とか。
ホタテ、ちと食べ難いのはくるくる回転しちゃうんですよ。
「これ、貝殻がクルクル回るんだけど」(ジャン妻)
貝殻の下に塩を盛るのももったいないしな。セロハンテープで留めましょうよ。
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和の肴の数々。あれ?いつもの木目調のタイルじゃない。お盆になっちゃった。
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山菜、フキノトウ、デっかいタラの芽は船山温泉の山菜を凌駕するものであった。こんなデカくて長い山菜をよく均等に揚げられるものですね。
菜の花グリーンソースも美味しい。
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ステーキの下にはスライスした蕪、そして私がうるさく出せ出せ言うキャベツは千切り以上に小さく細かく切り刻んである。鼻息でフッとやったら吹き飛びそうである。
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ステーキ&ローストビーフに添えられた菜は、サラダ菜、菜の花の茎、スライスしニンジン
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でもやっぱりさらは動物性蛋白質の宿なのです。Mさんお肉好きだし。
野菜の種類は多いね。でも1日に必要な野菜を摂取した感は薄いな。それは私が野菜炒め、鍋、野菜たっぷりタンメン、野菜トッピング、そういう路線で野菜を家畜のようにワシャワシャ喰ってるからだと思うが。
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両手に空いた皿を持って、後ろ足で引戸を開けて入ってったところ。
Mさんが厨房へ消えた後で、
「足癖の悪いオンナだなぁ」
「引戸のどっかに取っ手をつけて、さりげなく開けれるようにすればいいのよ」
「ピタゴラスイッチでいうところの、こんなのところにこんなものが、かい?」
「そうそう」

ジャン妻のPadで、昨年の今日何処で何を食べたかをチェックしてたら、何と昨年の今日もさらに来ていたことがわかった。
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ビール1本、生ビール1杯、白ワインボトル1本、日本酒正雪4合か。飲めなくなったな。
40代後半はこれに赤ワインフルボトル1本空けてたんですがね。

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ドライヴの御守であり、このBlog公認キャラのプチ公は、デザートと酒肴を運んで来たMさんに例の如く突っかかった。Mさんにアタマをギューッと押されたからです。
「おのれ女将め。いつもいつも男の面体を」
「コレッ女将とは何ですっ、Mさんと言いなさいっ」
「子供扱いしやがって」
実は成人した大人なのです。小さいから子供に見えるだけ。酒も少し飲めます。でも小さいからすぐに酔って寝てしまうのです。
「詳しく解説せんでいい」
Mさんはプチの相棒、犬のヴィー(TOYOTAVISTAが長年のディーラーで、そこで手に入れたから)にも声掛けしてたな。
「この子(ヴィー)はプチの子分?動じないのね」
プチはムッとした。子分は動じないのね、イコール、自分はすぐにカッとなると言われたようなものだからである。そpれが癇に障ったらしい。
「うるさい子だのう」(ジャン妻)
「ムカッ」
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給湯が停まったら眠りに落ち、給湯が始まったら目が醒める。すぐ外が明るくなる。
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朝も野菜の種類が多い。
サラダ菜、クレソン、トマト、レタス、アボガド、スライスニンジン
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ニンジンのポタージュスープだったかな。
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「このキッシュ、ボロッボロ崩れて喰い難いんだけど」
「アタシはフワフワよりキッシュの方が好きなのよっ」
ビジホの朝食バイキングにあるバターたっぷりスクランブルでいいのに。
キッシュにトマト、ピーマン、
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グリル野菜にジャガイモ、ニンジン、オニオン、菜の花
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御殿場ソーセージに自家製燻製ベーコン、
このソーセージ、チョリソーだったんですよ。当然、辛いわけでさ。
辛いねこれ。でも朝からチョリソー?
「チョリソーだね」
「これはビールだよなぁ」
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自家製パンの中にそれかひとつ、餡パンが混じっています。
朝から餡パン?持ち帰りました。
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ヨーグルトとデザートが苦手で、デザート不要論の私は、グリルプレートとリゾットを平らげたら部屋に戻りたいんだけど。
「鍵かせ」
「ダメッ」
「先に部屋に戻る。デザート要らない」
「Mさんの気持ちを何だと思ってるのっ。これなら食べられるかな、食べてくれるかな、って考え考え出してくれてるんじゃないっ」
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ヨーグルトは苦手なのです。美しい内容ですみませんが、前夜のディナーで、肉、ソース、ガーリック、それらが効いて、いい意味で自然に押し出そうとするのをヨーグルトが抑制しちゃうんですよ。逆にお腹が痛くなっちゃうのだ。
「身体にいいのに・・・」(哀しそうなMさん)
身体にいいったって、苦手なものは苦手なんだよ。
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「そろそろ出立か?」
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ムクリと起き上がったプチ公(ドライヴの御守)
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今回のさらの収穫はスッピンのMさんを見れたことかな(笑)
次回はおそらく灼熱のさら。去年は暑かった。外気温より湯の温度の方が低かった。
今年も暑そうだな。
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冬さら、寒いぜ [さらの木]

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引戸を閉めて湯に浸かってます。
冬場のさらは寒いのです。外が寒いので、ベランダにある風呂場に外気が流れ込んで寒い。
シャワーのお湯は吹き込む外気で一瞬にして水になるし。
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「宿に改装するときに思ったのです。目の前の森を見ながらお風呂に入っていただきたいなぁって」
目の前の森、改装前のCafeの頃、Mさんは2階、現在のゆづりはに居住していた。その頃の窓辺から森を見て暮してたからそう思った。
実際他に湯を設置する場所が無かったのもある。部屋の中に風呂を入れたら家庭と同じだし「ゆずりは」「やまもも」は1LDKサイズになってしまうだろう。
宿内に大浴場なんて絶対に無理だし。だからベランダに風呂はいいアイデアだと思う。でも目の前の森を見ながら湯に浸かるったってこの寒さじゃそうはいかない。完全に内湯です
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ジャン妻は室内にノートPCを持ち込んでいるんですよ。先日成功したプレゼンに関して各社から質問事項が来るかも知れないというからさ。
行く前に「今日はアタシはPC持ってくからね。アナタは?」
「持ってかないよ」
さらに仕事しに行くと言っているようなものだ。だが携帯が鳴らない。
「オカシイわねぇ」
「???」
「何処からも問い合わせが来ないのよ」
「・・・別にいいじゃないか。上手くいってるか、皆、各社わかってるるんだろ」
「そうかなぁ・・・」
その後、週明けてからも問い合わせが来なかったそうである。
「それが逆に怖いんだよね。アタシが配布した説明書がわかりやすくて質問するまでもないならいいんだけど。そんなに甘くないと思うんだけどな」
その内容について私は門外漢なので理解できないし理解するつもりもない。私が言いたいのは、さらに来て仕事すんなよってこと。
「まさかディナーにまで携帯持って行くんじゃないだろうな」
「置いてくわよ」
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今日の宿入りは15:30だった。陽の入りが早い季節なので、17時には薄暮が蒼く忍びよってくる。すぐ暗くなる。
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前菜はメインディツシュのようにも見えます。それだけ手が込んでいます。
いつものサーモンタタキ(これを外したら怒るよ)いつも朝に出るのところを無理言ってディナーに出して貰った御殿場ソーセージグリル、赤蕪ブルーチーズ・・・他、忘れました。
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ジャン妻は御殿場ソーセージではなく海老と野菜のグリル、食べ終えたら海老の尻尾が残っていたので私はこう言ってしまった。
「海老なんてあったか?」
「アタシはあったよ。アナタはMさんにお願いしてソーセージにしたんでしょ」
「あ、そーだった」
「・・・」
バリエーションの多い前菜だが、お隣にある刺身4種盛りは、まぁ、その、いつものネタだね。メジマグロ、アジ、カンパチ、イサキだったかな。
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刺身2イサキ.jpg刺身3メジマグロ.jpg
刺身4アジ.jpg刺身5カンパチ.jpg

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サザエのパイ包み・・・いや、包んではいないね。パイで蓋した焼きもの。
サザエの大きさの割に皿がデカ、長過ぎやしないか。
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「肝はどこだ肝は?」
ジャン妻はサザエの身そっちのけで肝を探し引きずり出そうとしている。
「あ、あったぁ」
「・・・」
何を嬉しそうに。私はサザエは肝より身の方が好きなんだけど。
「前から肝好きだった?」
「お酒飲むようになってから。子供の頃は肝なんて食べないわよ」
いつも通り私の肝はジャン妻にあげました。
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エビのアヒージョにはミニキャベツが入っている。
ちぎったパンも添えてくれました。このパンは朝に出される自家製じゃなくて市販品か?
エビもキャベツも美味しいけど、エビの殻もバリバリ食べたいけど、体内の消化器系が油まみれにいなるな~。
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和の肴が登場、蒸し者、酢のもの、そして恵方巻は節分の前だから?
「この恵方巻きは自家製?」
「そうです・・・」
Mさんはまた何か言われるのかしらと固まった。私は悪態をついた。
「どっかのコンビニで(廃棄する前のを)貰ってきたんじゃない?」
「まぁ、できあいのなんかお出ししたことないのにぃ」(Mさん)
「何でそういうことを言うのっ」(ジャン妻)
「業界で余ってるっていうからさ」
「!!!」
そして椎茸と挽肉のコロッケ、これは北鎌倉の「こころ」という店の定番にあるな。
「でも何で半分にカットしちゃったんだろ」
「1個まるまるだとお腹膨れちゃうでしょ。それと中を見せたいのよ」
で、和の料理が出されると日本酒が飲みたくなるので、いつもの「正雪」をいただいた。
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定番のステーキ、サイズは小さいですがもう私らはこれぐらいの大きさ、量でいいですね。
付け合せの野菜、白いのは?
「白菜です」
白菜の芯です。鍋の残りかな(笑)
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だがこの日はいつもの超スライスローストビーフではなく、前に食べて感動した「〇〇でいちばん美味しいハンバーグ」が出てきたのです。
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美味しい!!
ステーキが霞んでしまった。
ハンバーグは昨年9月末にUpしていますが、まさか再び食せるとは。
「さすが〇〇でいちばん美味しいハンバーグだな」
〇〇の意味は?
世界?
伊豆?
日本?
それとも私の圏内で?
さらでいちばん美味しいですよ。(笑)
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Mさんが二次会のお酒、アテをいろいろ持ってきたところ。
「あらプチちゃん」
「!!!」
プチはムッとした。
「また子供扱いしやがったなっ!!」
プチはテーブルの上をダンダン飛び跳ねて怒りを露わにしたが、所詮はチビたペンギン。小さい抵抗もMさんは歯牙にもかけなかった。
Mさんが出てった後、プチ公は、
「だからくるまの中にいたかたんだ」とブツブツ。
「よかったね今回もMさんに見て貰って」(ジャン妻)
「るせぇっ」
「これっ!!」
「フンっ。酒よこせっ」
「止めなさい」
一応は成人したオトナなのですが、如何せん身体が小さいのでちょびっと飲んだら寝てしまった。
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デザー、夜食のおにぎり、寝酒、そして久々の塩辛は切れてないのが笑える。
Mさんは去り際だったか、廊下での立ち話だったか忘れたけど、どうも今宵のもうひと組のお客はこのBlogの読者さんで、私が当人だというのがバレたらしい。
こりゃ明日は口を(暴言を)謹んでご挨拶せにゃならんな。
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「もう出立か?」(プチ)
「まだだよ。朝ごはん食べてくる」
「フンッ」

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サラダに薄い生ハムも添えてある。
野菜の種類がトテモ多いですね。だけどさらで野菜をたくさん食べてヘルシーな健康的気分になったことは一度もない。やっぱりMさんは肉食で、お客に出す料理は肉類や魚介類といった動物性蛋白質が多いのだ。
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スープは何だったかな。市販の。。。じゃなくて・・・忘れた。赤カブだったかな。
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「またそんなにバター自分だけつけて」
「いいじゃねぇかよ」
その私を咎める毎度の台詞はいい加減に止めろと言いたいね。家ならともかく何で滅多に来ない宿の朝にそんな注意をされなきゃならないんだと言いかけたら、
「アタシのバターは?」
え?そういうこと?使うの?
「普段バターつけないじゃないか」
「貸してアタシの分」
ジャン妻はバターを分捕って自分のパンに半分ちょこっとだけ塗った。バターが必要なのではなく、私にバターを全部摂取させたくないだけらしい。
後ろにいるもうひと組のお客にまる聞こえじゃないか。恥ずかしいヤツめ。
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昨夜も御殿場ソーセージ、今朝も御殿場ソーセージと何とか豚の自家製ベーコン、自家製の燻製仕込みは普段食べてる肉屋のベーコンとは違うな。これは夜、酒のツマミの方が合うんじゃないかなぁ。
他、グリル野菜。
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フワフワしたオムレツですが、ジャン妻はやや固めの「キッシュの方がいいなぁ」・・・
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サラダ、スープ、パン、プレートを腹中に収めて満足して、
「部屋の鍵貸せ」
「ダメっ」
「・・・」
早く部屋に戻りたいのだ。
「せっかくMさんが甘いもの酸っぱいもの苦手なワガママなアナタの為に、これなら大丈夫かな?これならイケるかな?っていつもいつも毎回考えて出してくれてるのよっ」
そうかぁ?考えてるぅ?
別に考えなくっていいのに。誰もそんなのお願いしてないよ。
私は腰を下ろした。これからあの甘くて酸っぱい拷問のようなデザートが来るのか。
「果物とパンケーキをお出ししますね」
「パ、パンケーキ・・・(汗)」
「去年大阪で食べてたじゃない」
「あれはフレンチトースト。間違ってオーダーしちゃったんだよ。塩辛でも出してくれりゃいいのに」
「昨夜食べたでしょ」
デザートはマジで後ろにいるもうひと組のお客様にあげちゃおうかと思って腰を上げたらジャン妻の眦が釣り上がり眉間に縦のシワが何本も刻み込まれた。
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先に珈琲がきた。珈琲カップが変った。大きくなった。
私はパンケーキ無しです。果物をちょこっと摘まんであとはジャン妻にあげちゃった。それでもお腹いっぱい。
ジャン妻は「アナタがデザート食べないから・・・ブツブツ」
この後帰ってから測る体重が気になるようだ。だいたいさらに来て体重を気にする方がおかしい。増えてるに決まってるんだからさ。
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前夜もうひと組のお客に私の正体がバレたことはMさんから聞いているので(っていうか、Mさんがハイそうですって言っちゃったのかも。)
「何でわかったんです?くるまですか?」
「奥様が、宿のお客にしては珍しい色の作務衣を」
ジャン妻の作務衣の色でバレたのか。
その方は船山温泉にも行かれたって。。
紀尾井さんにも行かれた?あの店の入り口が粗大ゴミ置き場になってるような店へ。でも美味しかったそうです。
確かに味は美味しいですよ。店の中が〇ロだけに余計に料理の素晴らしさが引き立つんだけどねあの店は?
えっ?どんた久にも行かれたの?
そのお客さま、チェックアウト時にかちあったのでMさんと2人でお見送りしました。これからもさらの木をよろしくお願いします。
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蕎麦宿で1回、船山で1回・・・これは館長がガードしてくれたけど、ここ、さらで2回めにバレたか。
「まぁさらは2室だし、俗世から隔離されてるから別にいいけどよ」
「・・・」(ジャン妻)
「そっちのその作務衣のせいだぞ」
「アタシのせい?」
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さら・ベランダ改装後 [さらの木]

くるまを駐車場に停めて、垣根越しに見る宿のベランダは・・・
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???
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敷地内に入ってみる。
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やまもものベランダは横の長さそのままで、ゆづりはさくら側のベランダが無くなり、スッキリしている。
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見上げてみる。暗さが少し薄れたように見える。
柱をコンコン叩いたら木じゃなかった。スチールのような。
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部屋入りして、ベランダに出てみる。確かに部屋までのスパンが短くなった。
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「これは木じゃないですよね」(ジャン妻)
「木の柱で木目にすると、また5年後には取り換えることになるよって言われたんで」
1枚1枚斜めにカットされてるので、外からは見えないという。
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私は言いたい放題。
「なんだかますます普通の家みたいになっちゃったね」
「宿って感じがしないよ。物干しや洗濯物が似合うぜ」
「いっそのこと物干し竿置いて洗濯物干しちゃったら?でもってご新規のお客さんが、あれぇ?何でベランダ側にお風呂があるのぉ?って意外に思うかも」

ウエルカムは紅茶とプリン。
プチ公はMさんにからかわれるのがイヤで背を向けている。失礼な子だ。
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ウエルカムをいただいてから再度、外に出て見上げてみた。
やまももです。
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ゆづりはです。
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12月初旬、朝晩昼の温度差があり、長くベランダにいると寒いくらいである。
日の入りが早くなった。17時にはもう太陽は伊豆の山々の向こうに沈んだ。
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まだ年内にUpしなくてはならないネタ、記事がたまっているのでディナーも一気にいきますね。例によっていつも殆ど同じディナーですが。
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刺身はマグロ、アジ、カンパチ、炙りカマス
「ビンチョウマグロかこれ?」
「さぁ・・・」
「イロが薄いぞ」
「・・・」
「コストカットしやがったな」
これ、文句じゃなくって単なる毒舌、ジョークですからね。ビンチョウにしては脂のノリが強くて、モッチリ、ネットリしたマグロだったのですよ。
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さらのウリでもある前菜盛り合わせは、マリネ(そんなに酸っぱくない)、熱川豚中華風ソース、サーモンのタタキ、ソウダガツオのタタキ、牡蠣とプチトマトを串に刺したもの、安納芋のチーズ焼・・・
大好物のサーモンタタキは山の上(赤沢)にいた頃からの定番だそうです。
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別皿にお引越し。ジャン妻より私の方が気持ちブ厚いのだ。これだけは絶対に取り換えないでくれって。
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小さいサザエを普通に焼いたもの。
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キモを引きずり出したところ。
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そのキモを食べるジャン妻であります。彼女キモが大好きでしてね。私は貝のヒモ(赤貝、ホタテ)は好きですが、キモにそれほど執着はないのでジャン妻にあげちゃったのだ。
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カオを隠してありますがすっごく嬉しそうに食べてるの。そんなにキモが好きかね。そのうち私の生きギモも食べられてしまうんじゃないか。
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当初の予定では牡蠣のアヒージョだったらしいのだが「もうパエリア、ブイヤベース、アヒージョとかそういう類はお腹に重たいので勘弁してください」って言ったの。そしたら「結局パスタになりました」
ウニソースのパスタ、カンパチの何とか焼ホワイトソース・・・
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大根の何だったか忘れた。前回も出たぞこれ。こういうのを合間に入れて、白ワインと別に日本酒を飲ませて売上を稼ごうという戦略である。次の和の肴もそう。
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何処かの部屋のタイルを引きはがしてそれに和の肴を乗せたもの。椎茸のパン粉焼、蒸した蕪、穴子の天ぷらがウマウマですが、タイルの左上の一画が空いてるジャン。そこにもう一品欲しいよな。
「塩辛が出なくなったな」
「言わなかったの」
「言わなかった。おそらくイカが不漁なんだと思うな」
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いつものステーキにおっそろしく細かく刻んだキャベツが添えてあった。水菜のように細く刻んだキャベツ。
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これまたおっそろしく薄切りのローストビーフ。どんな包丁を使ってるんだろう。Mさん自ら研いでるのかな。彼女が夜な夜な包丁研いでる姿を想像したら背筋が寒くなってきたぞ。
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館内のBGMはクリスマスソング一色だったのが途中からAORに変わった。
庭のイルミネーションも派手。
「早いね。もう1年経ったんだと思うと」(ジャン妻)
「昨年の今頃は会社辞める筈だったのにな」
あれから1年、ジャン妻は私の上の会社にいます。ウチらに指示する側になってしまった。
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光煌くさらの庭、木々、草木たち。
しかし今年はハデだな。眩しいくらいだ。
反面、前の森は漆黒の闇です。そこの対比が凄いの。高い生垣を境にして光と闇、影が道路を挟んで対峙している感じです。
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アルコールが入って身体の中から温まったからこんな写真撮ってますが、程よい酔いと光の洪水に幻惑されそうだ。
館内に戻ります。
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Mさんが夜食とお酒を持ってきたところ。
プチ公のアタマを指先でビーッと押したもんだからプチ公はカンカンである。
「おのれぇ女将め。よくも男児の面体を。だから部屋に来たくねぇくるまん中にいるって言ったんだっ」
「まぁまぁ。よかったね宿公認になって」(ジャン妻)
「るせぇっ。撮るんじゃねぇ」
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腹立ちまぎれに酒を飲むプチ公。
子供のクセに飲むんじゃないっ。(実は20何歳の成人ですが。)それは俺の酒だぞ。
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飲むだけ飲んだら後は寝るだけ。
寝た後でいつの間にか給湯の音も止まっている。
給湯再開は早朝5時ぐらい。
目が覚めたのは7時過ぎ、私にしては遅い方。
さらの前の森から伸びる散策路に分け入り、城ケ崎の海を見に。
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木々の合間から蒼い海と白い波が見える。
およそ4000年前の噴火で大室山が噴火、この辺り一帯の海岸線が2km埋め立てられた。さらの木のある八幡野一帯もぜ~んぶ溶岩流です。庭にある巨石もそう。
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海岸線には無数のギザギザな岬が形成され、波の浸蝕で絶壁になった。
以上は受け売りです。自分は地質学に疎いので。
日蓮が置き去りにされた岩礁(漁師に助けられた)や幕末の砲台跡ぐらいしか興味が湧くものが無いのです。
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彩鮮やかなサラダ、何種類の野菜が入っているんだろ。仕入れがタイヘンだ。
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里芋のスープ。。。
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「あ、さも当然のようにバター自分だけ取って」
「使う?」
「使わないわよ。味付いてるのよ」
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メインプレート、スパニッシュオムレツ、ニンジンの何とか、ジャーマンポテト(ジャガイモ)御殿場ソーセージグリル、さつまいものリゾット。。。
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スープが里芋、ジャーマンポテト、さつまいもリゾット?
イモ、イモ、イモかい??
イモが好きだなぁMさんは。Mさんが若かったら(失礼)「イモねーちゃんにはイモがピッタリだ」って悪態をつくところだが。
「芋は野菜じゃない」
「・・・」
「デンプンと糖分の塊だ」
「・・・」
ジャーマンポテトは夜ビールのアテの方がいいんだけどね。
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「これは前に言ってた殺人珈琲か?」
「違いますよ。普通の珈琲です」
Death Wish Coffe(デス・ウィッシュ・コーヒー)のことです。Mさんから聞いたの。そのまんま訳したら「死にたいコーヒー??」凄いインパクトあるネーミングだ。
私は珈琲をひとくち飲んで「ウッ」心臓の辺りを押さえた。(ジョークですよ)
そういう珈琲は旦那さんに飲ませてください。そういえば最近旦那さん見ないな。まさかデスウィッシュを密かに飲ませてるってことない?(これもジョークだよ。)
Nes Cafe(ネスカフェ)にひっかけたのか知らないが、死について語り合うDeath Cafe(デスカフェ)という世界があるらしいですね。
ったく朝っぱらから何の話をしてるんだか。
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そして私にとっては苦行Timeである。
まるい黄色いのは何よ?
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これぐらいならまぁ何とか食べられるかな。
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ご満悦のジャン妻である.jpg
デッキの妖精たちに朝日が当たる。
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この子たちはMさんが前にいた赤沢の山からお引越ししてきたらしいぞ。
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出立前にもうひと風呂浴びたりする。
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「そろそろ出立か?」
ムクリと置きあがったプチ公(ドライヴの御守、決してぬいぐるみではない)
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2018年さらに6回来ました。
Blogの冠たる船山温泉を遥かに凌駕してしまったじゃないか。
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さらの前身 ビーンズCafe [さらの木]

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ビーンズ、さらの木の前身だったビーンズカフェ、その営業期間は僅か1年と短かったので、現存する写真は僅か4枚だけだそうです。
「伊豆の人は新しもの好きなので、もう忘れ去られていると思いますよ」(さらの木、オーナー、Mさん)

-ビーンズの営業時間って覚えてますか?
「当初は頑張って9時から21時まで、中抜けなしのとおし営業でした。半年後夜に予約ベースに切り替えました。9時から17時までで、予約があれば夜も18時から21時まで。」
-ラスオーダーは
「夜の営業があるときは20時、17時までの時は17時まででした」
-定休日は?
「火曜日です。他の伊豆高原の店は水曜日定休が多かったので。」

写真を見ると、ビーンズ時代の方が解放感がある。
垣根がないし。庭もすっきりしているし。
現在は道路側に垣根をズラッと植え、2階にベランダ風呂を設置したことで前にせり出し、木々や草木も繁殖したのでやや薄暗くなった感が否めない。宿の前に森があって、庭にも小さい森があるようなものだからね。
(今秋の改装でベランダが手前に短くなったので、暗さはやや払拭された。)
「宿にする時、道を歩く人から客室が見えてはいけないので垣根を植えました。Cafe、レストランだと逆に中がある程度見えた方が入りやすいのですが・・・」
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-庭入口にあるデカい岩はそのまま残ってますね。
「ハイそのままです。あの岩はうごかせませ~ん」
この岩は大室山かの溶岩流だと思う。
この火山弾は不動のまま.jpg
火山弾拡大.jpg
さらの庭は、樹木が生い茂っているスペースと、駐車場2台スペースの境目でクランク上に垣根で仕切ってあるが、ビーンズ時代は4台停車できたようです。駐車場と庭の地面が同じ色で残っているからわかる。
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公道から駐車場の跡1.jpg
歩道に出てみる。右手の2台駐車スペースに並んで、垣根の辺りの歩道にもくるまが出入りするスロープが残っている。
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垣根は仕方がない。宿泊しているところが通行人から見えるようではいけないし。
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Beensとカフェ名を銘打ったボード、昔の駅ホームにあった駅名を記すようなボードは、外枠と柱を活かし、宿名を打った中板だけ替えたらしいぞ。
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メニューボードを置いた3つの椅子は、各室の2階テラス、喫煙所で現役です。
メニューボードの椅子はベランダに.jpg
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-この3つあるメニューボードは今も何処かにあるのですか?
「いえ、ないです~。他へあげちゃいました」
ボードにはメニューが手書きで書かれているようです。
-ビーンズのメニューは?どんなのをお出ししていたのですか?
「ビーンズは1年しか営業しなかったので覚えている範囲ですと・・・980円の日替わりランチ、内容は前菜2品、スープ、ご飯、メインはステーキだったり、丼ものだったり、ロールキャベツ海老入りとか。チキンステーキや地魚のポワレとか。意外かも知れませんが麻婆豆腐とかも。コーヒー付きです。他はパスタ各種980円、ドリア980円、カレー980円・・・」
-カレーですか。Mさんのカレー食べてみたいな。
「今はちょっと・・・カレーは難しいと思います」
カレーを出してしまうと、食事処にずーっとカレーのニオイが残ってしまうからです。
-キャベツの千切りは出してましたか? 
「どうしてもそこですか?(笑)人気のランチメニューのステーキランチの時はステーキの後ろ盛にキャベツ千切りでしたよ。あとは毎日くるご常連さんがいて、その方向けに言われたものを作る・・・ハッシュドポテトとか前菜の盛り合わせとかです。夜はセットで1480円で同じようなものをお出ししていましたね。」

-ドリンクはどんなのをお出ししていたのですか?アルコール類は?日本酒はまだ無かったですよね。
「コーヒー、紅茶、ソフトドリンク各種、生ビール、焼酎、ウイスキー カクテル種類沢山、日本酒はなかったと思います。お酒は・・・あまり飲んでくれるお客はいませんでした。皆さんくるまでお見えになるので無理ですね。」

現在のさらのデッキと定点対比してみる。今は2階のテラスがデッキにせり出し、木々や草木の繁殖で往時との定点対比が難しいのだが・・・。
アップした後で気付いたのですが、写真右にある木はやまももの木ではないかい?      [バッド(下向き矢印)]
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さらCafe1デッキテラス定点対比.jpg
-構造上のことですが、現在のデッキテラスはビーンズのままですよね?その上に現在の2階ベランダ、丸い露天がせり出しているというか。
「そうだと思います。デッキテラスはほぼ同じ状態です。一度取り外していますが。」
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-前の写真を見ると、カウンターと厨房が左手にあって奥まで伸びているようですが。現在の厨房と位置は合ってますか?
「厨房は同じ位置のように思います。厨房の手前、現在のダイニングの奥の2席は家の者のダイニングや休憩場所として使っていました。
そこから出るとすぐにカウンター席があって、そこからがお店のスペースです。現在の自分の部屋が昔の玄関で、今の玄関ホール階段下までがビーンズの店のスペースでした。」
-カウンター席数とテーブル席数を覚えておられますか?
「カウンター席が6席くらい。テーブル席が2席×4つ、4席xひとつ、テラス席が6席ありました」

後日「図面が見つかりました」と連絡をいただいたので借用しました。
-店内に入って右側、カウンター席の後ろに、店舗・みやげ・・・売り場のように明記してありますが、
「あ、それは〇〇〇対策です。笑」
これだけの広さを全て飲食店として申請すると衛生面で厳しくなるのでしょうね。
「申請する前の相談時に指導を受けたんですが、最大25人処理できる浄化槽を設置するように言われたんです。これが結構な金額で。そんな一度に25人もお客さん来ないよって。だから現在も25人規模の浄化槽なんです。2部屋しかないのに。笑」
図面1.jpg
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-その頃は2階が居室だったのですかね?
「はい3室ありました。豪華な住まいでした(笑)」 
現在の居室より遥かに広かった?そりゃそうでしょ。もとは3部屋あった2階の現客室がそのまま自分の部屋だったのだから。
「現在の奥の部屋、ゆづりはに私が住んでいて、やまももに母が住んだりしていました。無くなりましたがさくらにいろいろ置いたりして・・・」
さらはもとは3部屋で、真ん中に小さい部屋、さくらがあったのです。ドアと部屋名の札だけ残っています。Mさんは2階の図面で見るところの洋室4をひとりで占拠していたらしいよ。
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-現在のダイニング(食堂)のデッキ側のラインは前と同じのようですが、ビーンズ時代は正面を向いていたのですか。
「そうなんです。入口が正面を向いていたので風の強い日は吹き付けてタイヘンでした。だから横向きにしたのです。」
ドアはビーン時代のものをそのまま転用した。
ドアは横向きに.jpg
海風が森を通って木々の葉っぱが店内に入って来ちゃうんだと。だから現在の垣根は海から吹いてくる風除けの意味もあるらしいんだな。
「廊下からお庭に出る扉と、そのラインは前のままです。」
玄関は前に押し出した1.jpg
旧写真に写ってるなかで幾つか現在もある備品をチェックしてみた。
傘立は玄関の隅で現役です。
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デッキテラスにある黒い・・・何だろ?現在は庭の隅の垣根で仕切った駐車場側にあり、植木や植木鉢を置く台になっている。
花台で現役.jpg
テーブル上にデザート、ケーキ類がたくさん置いてある。
「〇〇さん(私のこと)が苦手なデザートセット680円でコーヒー付きです。ケーキの類は常にたくさん作ってました。買って帰られる方もいましたので。」
手前の・・・何ですかこれ?ケーキの一種?それが載っているヘンな角をした白いお皿は現在でも時折使われている。
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-この角っこヘンなカタチしたお皿、ビーンズの写真でケーキが載ってた皿でしょ?
「そうですそうです。よくお気づきになしましたね」
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デザート類が置かれている丸いテーブルはその後どうなったか。
ひとつはダイニング隅にある生ビールサーバの置き場になっていたが、最近、別の家具に置き換えられた。
デザートが載っていたテーブルCafe4その後1.jpg
もうひとつ。客室の和室もどきの畳の上にある丸い卓袱台がそうです。
デザートが載っていたテーブルCafe4その後2.jpg
「あの丸いのがそうなの?」(ジャン妻)
「足を切って短くしたんです」
「Mさんがノコギリでギコギコ切ったの?」
「業者の方が(笑)」
デザートが載っていたテーブルCafe4その後3.jpg
ビーンズはスタートから割と順調な営業、滑り出しだったらしい。
-OPEN時はどうやって集客したのでしょう。何かに載せたとか?
「集客しませんでした。伊豆の人は新しもの好きな方が多いので、まだ建築段階でご近所などからいろいろ聞かれて、それこそほんとの口コミ頼りでしたよ。
インターネットにも出していなかったです。それでも最初のオープン2日は満席でしたね」
-遠方からのお客と地元のお客、どちらが多かったのでしょうか?
「圧倒的に地元が多かったです。」
-客筋や年齢層は?
「30代から70代。一番多いのが60代以上でした。最期の頃にはカフェビーンズなのにスナックビーンズのようになってました。カウンターに常連さんがずらっと並んでいずれも妙齢の男性ばかり。(笑)順調な滑り出しでそれなりに常連さんも来てくれてましたが・・・」
半年経ってMさんはジレンマに直面する。ランチカフェは基本昼だけの営業なので、宿とは違った拘束時間に縛られって意外に長引き、宿とはまた違う面で一人では出来ないことがたくさんあったという。
「特に仕入れの予算ですね。ランチで1000円以下の料金で、自分が好きで出したいお料理を作るには仕入額に限界があったのです。ずいぶんと妥協しなければいけないことがありました。アップルパイ一つ作るのもよいりんごが高すぎて提供できないのです。」
「それと、ランチカフェはお客様と接する時間が短いじゃないですか。赤沢の山の上で宿をやっていた時に経験したのですが、お客様が宿にお着きの時に多少はお気に召さないところがあったとしても、せっかく来ていただいたのですから来てよかった~と思っていただけるよう、滞在時間内で必死に挽回努力をさせていただくことで、翌日お帰りになられる際は笑顔をいただけるときがよくありました」
「レストランでは拙い私の食事がお気に召さなかったとき、他の点でまあこれでもよかったかな~と思っていただけるように持って行く(挽回する)のが難しいんです。
宿は少なくとも12時間はありますから、その間にお風呂やお部屋その他、できうる限りのその方にあったサービスをさせていただくことで、総合的な満足をご提供できる可能性がありますからね。」

飲食店は食べたら終わり、そこで出されるものが合わなかったら終わりである。滞在時間も短く限られているので下手をうっても挽回するチャンスが無い。
だが宿は滞在時間は長いので、最初は意に沿わなくてもチェックアウトまでに他のもので挽回できたというんだな。
「やはり私には宿のほうが合っているのかと、気づくのに半年ほど時間がかかりましたが、すぐに決断してさらの木への転業に踏み切りました。建ててオープン1年で宿に変えることにしたんです。」
(原文では、Mさんは転業ではなく転職とありましたが。笑)
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-さらって、ビーンズ時代から持ち家でしょう?借家じゃないですよね。
「持ち家です。ビーンズから新築で作りました。最初の時点では殆ど持ち出しで借金はなかったのですが、その後にほぼ全面改築してさらの木を作ったので・・・」
-意外にせっかち?
「ハイ。せっかちですから決めたらどんどん進むのが好きです。」
おそらく宿を畳む時が来たら、その決断も早いに違いない。
「〇〇さん(私のこと)のお陰で赤沢の山にいた頃と、ビーンズ時代のことを思い出しました。
あの頃の気持ちに戻って、もっともっとやれることがあるかな~と見直す機会をいただきました。
終わってから反省するより、こうして10年岐路で立ち止まることも大切ですね。」
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さらの履歴書 https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22
山の上にいた頃 https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2018-05-07
そしてビーンズカフェ、これにてさらの木史家?シリーズは終了です多分。
だが、宿は修繕、改装が繰り返される。
この晩秋にさらのベランダが変った。
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ゆずりはの謎(少し写真追加) [さらの木]

横浜市中区の阪東橋から伊勢佐木長者町界隈で、ランチ開拓をしてた際に発見したCafeです。
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さら??
さらの木・・・ではないこのCafeは、神奈川県総合医療会館の1階にあった。ビル内には他に医師会、看護協会、病院協会があるので何だか入り難そうなんだよね。
障害者さんの社会復帰を支援している施設のように見えた。
メニューは少ない。カレー、パスタ、ピラフ、ドリア程度。昼のみで夜は営業していないようです。
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これは高崎市内檜物町で見つけた薬局さん。
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別に自分の処方箋を持ってたんじゃないですよ。あるんですねこういう名前が。

これは東武線梅島駅から足立区役所に向かう途中の路地にあった施設です。
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「ユズリハの名は春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから。その様子を、親が子を育てて家が代々続いていくように見立てて縁起物とされ、正月の飾りや庭木に使われる。」(ウイキから)
ゆずりは?
どっかで聞いたことがあるな。あ、そうだ。さらの木の部屋名だ。
さらの階段上がってすぐの部屋です。
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東葉高速線沿線にあった邦画ポスター。
新谷亜貴子さんの同名小説を物真似お笑い芸人のコロッケさんがお笑いを封印し、本名の滝川広志で映画初主演、葬儀社の営業部長役を演じた作品。
主人公は長年、死と向き合う仕事に従事し続けていたのと、彼自身の過去が要因で感情の起伏を失っていしまっていた。
心の感情を閉ざして生きることに慣れてしまった自分が、葬儀社にそぐわない新人、若手を採用、教育する過程で、それまで封印していた心に変化が生じていく。
主人公が勤務する葬儀社にはゆずりはの樹が植えられている。見に行こうとは思わなかったが、何かで配信されてたら観ようかなと。

次は東京都大田区大森地域庁舎に行った帰り、徒歩で大森駅に戻ろうと歩いてたらバテちゃって、この辺りでバスに乗ろうとしてみつけた。学習塾らしい。
塾、学ぶ、学ばせる、イコール「親が子を育てる」に繋がるのだろうか。
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2019年2月17日追記。柏市の某福祉行政の廊下にあったパンフです。
柏市のゆづりは.jpg

では伊豆高原八幡野・さらの木の部屋名のひとつ、ゆづりは(ゆずりはではなくてゆづりはです)にはどういう意味が込められているのだろうか。
さらの木は現在2室。玄関の上がやまももで、階段上がってすぐの部屋がゆずりはです。真ん中にあった部屋、さくらはもう無いが、ドアに表示だけ残っている。
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-何でゆづりはって名前にしたんです?
「3室だったころ、ゆづずりはの部屋の前には大きなゆづりはの木が、さくらの部屋の前には今もある桜の木、そしてヤマモモの部屋の前にはヤマモモの木がありました。」(さらの木・オーナーMさん)
伊豆高原ではよくある木だそうである。
「ヤマモモもゆずりはも枯れてしまいました。さくらの部屋は無くなりましたが、大島桜だけが今も残っています。」
-もしかしってこの切株がヤマモモ?
「そうです。宿に改装する時に」
玄関とデッキの間を繋ぐ壁の前にあります。
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ゆづりは、切株すら今は無いようです。

今だからもう時効だろうから書いちゃうけど、最初に泊まった部屋はゆづりはだったのですが、夜半に天候が荒れたのね。
翌朝雨はあがったのだが、夜半に吹き付ける風雨とそれに揺さぶられる木々の葉がこすれ合う音がもの凄くて、うるさくてなかなか眠れなかったのだ。今だったらイヤホンで耳栓しちゃって寝るけど。
私の写真フォルダ見たら2回の写真フォルダに「さらの木リベンジ」となってるぐらいだから、ホント初回は印象がよくなかったのよ。夜だけだよ。料理とかじゃなくてね。もちろん後になって挽回したけど。
3室を2室にしたことでMさんは大分、身体の負担が軽減されたそうだよ。
入り口には3部屋時代に大量に作ってしまった宿のパンフ(3部屋時代)がまだ在庫しているけどね。

炎天下の茅ヶ崎市内で見つけた看板。ビーンズ?
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Broad Beans(大豆、ソラ豆、インゲン豆、エンドウ豆)ではない。珈琲焙煎屋とあるから、Coffee Beans(コーヒー豆)
喫茶店ではないと思う。コーヒー豆を量り売りしてるか、ウチみたいにペーパーフィルター用に挽いて売って貰うかでしょう。ウチは地元の珈琲屋でマンデリンを買っています。
別に私は珈琲なんかなくても生きていけるけど、ジャン妻が珈琲無いとブツクサ言いよる。
私の日常圏内で見つけた同名異種なものを列挙しましたが。
ビーンズといえば・・・。
「以前はビーンズという名前で、なんでも作るランチカフェをしてました。」(Mさん)
-ビーンズ?その意味は?
「特になんの意味も込めなくてネーミングした店で・・・」
-流行ったのですか?
「それなりに常連さんも来てくれてましたが・・・」
宿に転業する前のCafeです。
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さらの木の前身、ビーンズカフェは1年間という短い営業期間だったせいか、残存する写真はこの4枚だけだそうです。
(写真提供、さらの木 オーナーシェフ Mさん)
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雨上がりのさら改装前 [さらの木]

深夜、午前2時頃だったと思いますが、滝のような雨音で目が覚めてしまった。
道路に降る雨音ではなくて、天井全体がバチバチ鳴っていた。屋根に叩きつける大粒の雨音は部屋じゅうに響いていた。
うとうとしながら、この大雨が降り続いたら海沿いの道は1時間当たりの降雨量を超えて通行止めになるのではないかと思った。
しばらくしたら止んだ。
また叩きつけるような雨音が。どんな素材の屋根なんだい。
また止んだ。そのくり返し。
幸い風は吹いていない。雨音だけ。私らが今いる部屋は「やまもも」ですが、はじめてさらの木に泊まった部屋は3部屋時代の「ゆずりは」は裏に木が生えていて、風雨になるとその木の葉がザァザァバサバサ動いて凄い音になったのを覚えていますよ。そのせいで初回の宿泊時の印象はあまりよくなかったのだ。
凄い雨音は正味1時間ぐらいだったかな。横でジャン妻はスーピー寝ている。スゲーわ。

寝なおして、また雨音に起こされて、また寝て、繰り返してたら夜が明けた。
給湯も始まった。(夜中は止まっています。)
雨は小雨になっていった。
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「そろそろ出立か?」
起きあがったプチ公。(くるまの御守です。この子をくるまに置いてから無事故。違反はありますけど。)
「まだだよ。これから朝飯だ」
「フンッ」
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庭が濡れている。
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南瓜のクリームスープ。
今年はハロウインのグレートパンプキン(南瓜大王)はやらなかったそうです。用意してもすぐ虫がついて傷んじゃうので。
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パン2.jpg
今日のパンは全体的に甘いパンが多かったな。菓子パンみたいだった。
私は普通の食パン、バターロールでいいのだけど。
パン3.jpg
バタージャム岩塩.jpg
パン4.jpg
「またそんなにバター塗って」
「・・・」
「味ついてるでしょう」
「バター足りないよ」
この言い争いも毎回ですね。バター付け過ぎは悪と決めてかかられても。嗜好が違うんだから。

プレート1.jpg
プレート、4種盛り。キッシュ、大好物の御殿場ソーセージ&リゾット、焼き野菜、朝から焼き鳥も。
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すっぱい焼き野菜.jpg
キッシュ.jpg
大好物のリゾット.jpg
リゾットを摘まむ.jpg
パリッパリでジューシーな御殿場ソーセージが美味しい。
家で出されるシャウエッセンは生みたいなもんだからね。
「家でもこれぐらいパリパリに焼いてくれよ」
「フライパンじゃ無理よ。オーブンで焼かなきゃ」
白いのは焼き鳥、鶏肉のササミか。ホント、Mさんは朝から肉が好きだな。
オーブン焼き.jpg
御殿場ソー.jpg

珈琲2.jpg
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で、毎回繰り返されるこのパターン。
「果物をお持ちしますね」
「要らねぇよ」
ボソッと言った。後ろのもう一組のお客にも聞こえただろう。Mさんは哀しそうな顔をした。
「鍵くれ」
「ダメッ」(ジャン妻)
「部屋の鍵くれ。もう戻る」
「!!!」
そんな恥ずかしいことしたら二度と来ないわよと脅された。
うぇ~1.jpg
うぇ~2.jpg
うぇ~3.jpg
「このパンケーキにふってある白い粉は何だ?」
「・・・」
「さては砂糖だな。塩でもかけたろか」
「・・・」
「後ろの客にあげてくら」と席を立ちかけたらまたまたジャン妻の眦が釣り上がり口元が裂けそうになった。
披露宴でもディナーでも、デザートは食べません。誰かにあげちゃいます。
しょうがない。苦行だと思っていただきました。ズシツとキタよ。これで今日の昼はなくなったな。
五十路女性2人.jpg
ジャン妻がMさんに自分が撮った写真データのアプリを説明しているところ。
さらの木Blogがちっとも更新されてないので「BlogよりInstaの方が向いてるんじゃない?」とススメている。写真1枚貼って適当なコメント書けばいいんだから。
「年に2回しか更新してないので・・・」(Mさん)
それじゃぁBlog(日記)じゃないじゃん。
Merry ChristmasとHappy New Yearしかないんだもん。あっても桜の記事とか、ローズの記事とか。
私もMさんはInstaの方が向いてると思う。新作の料理を貼ってコメントつけるか、11月の工事期間中はご迷惑をおかけしますとか、工事中の写真だっていいんだし。
だけどジャン妻の説明が長過ぎである。後ろのもうひと組のお客さんに珈琲が出せないじゃないか。お客様すみませんでした。「Mさんを長く拘束するな」と叱っておきましたので。
雨上がりのさら1.jpg
雨あがりのさら2.jpg
朝風呂.jpg
晴れそうだが.jpg
西の空に青空が。八幡野は晴れそうで晴れない。
さらの木に泊まった翌日は体重が増加するので、チェックアウトした日の昼は抜いて、夜に湯豆腐とかにして、さらの木で出ない葉野菜を摂取するのが毎度のパターンになっています。
実はさらの木、年内にもう一度、行くかもです。
その時は2階のベランダが施工されて変っている。現在待機中の「さらの前身ビーンズCafe(仮題)」は改装前の建物がベースになっているので、ベランダが変わる前にアップしないと。
だけど年内にUpできるかなぁ。これから公私多忙でハイテンションになるので。
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口うるさい客 [さらの木]

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「生ビール飲んでいい?」
「・・・」
ジャン妻は、旅館の夕餉で最初の乾杯に生ビールを認めない。差し向かいで瓶ビールをさしつさされつでないと認めない。
「じゃぁハートランドビール1本で乾杯して、2杯めに生ビール飲んでいい?」
これにOKが出ました。私はハートランドビールを乾杯の1杯しか飲んでません。生ビールも1杯だけ。すぐ次は白ワインに切り替えました。

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刺身2.jpg
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脂がのったカンパチが美味しいです。
「アジが小せぇな」
聞えるように悪態を放ってしまった。
「さらに刺身は要らないかもって言ってたのに」(ジャン妻)
お寿司屋さんのような高級なネタではないけどキレイな刺身です。
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刺身4.jpg
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前菜3.jpg
さらの醍醐味である前菜も美味しいけど。
「タルタルが小せぇな」
いつもより薄いし直径が短いぞ。それと、酸っぱいのがあって。
「アナタこれで酸っぱいの」(ジャン妻)
「頬が痛くなら」
どうしても酢の物っぽいのがダメなのです。
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前菜9タルタルお引越し.jpg

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「次はちょっと重たいんですけど・・・」(Mさん)
パエリアか~!!食べ切れるかな~。
胃がキュッと縮んだ気がした。
この段階でもうご飯ものじゃないですか。これはちと重そうだな。でもまずは海老、貝、白身の魚、小さいアサリから片付けます。
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「アサリが小せぇな」
これにはジャン妻も否定しなかった。
「確かに随分小さいアサリね」
「これ、シジミじゃねぇの?」
「シ、シジミじゃないですよぅ」(Mさん)
それら海産物を除けたらご飯が敷き詰められている。この段階でご飯もの食べたら他のが入らなくなりそうなので、
「この赤いご飯、お握りにお願いしたらMさん手ぇ火傷するかな」
結局夜食のお握りに追加されたのです。これを今食べてたらこの後がキツかったと思う。
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前にパエリア、アヒージョ、ブイヤベース、そう重たいのはもう勘弁って言ったんだけどMさん忘れたな。でももうひと組のお客に合わせて出されたんだろうね。
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でも前菜、パエリアは白ワインに合いますね。今日のワインのラベルにはプチ・シャブリ(プティ・シャブリ)と明記してあった。
シャブリとはフランスの地名ですが、そこは牡蠣の化石が埋もれる土壌なのですが、そうではない新しい土壌の土地で生まれた白ワインのことらしい。プチ、小さい意味かと思ったらそうじゃないらしい。
「ウチにもプチ公がいますが・・・」
いつものドライヴの御守のペンギンです。さらの木公認マスコットになってしまった。あれをくるまに搭載しているせいで、宿なんかで「ジャンさんですよね」と正体がバレる始末である。
「あれはプチなんですか?ブチじゃないんですか」(Mさん)
「ブチじゃなくてプチ。商品名だったんですよ。そういう名前でブラ下がってたの」
後でプチ公は「下の食事処で話題にするんじゃねぇ」ってムッとしていた。
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サザエのパイ包み焼き。
「小せぇサザエだな」
さっきから小せぇ小せぇ言ってますが実際そうなのよ。身があまりないし。
「肝、入ってるかな」(ジャン妻)
ジャン妻はサザエの肝が大好き。身を少し摘まんだら中から肝が出てきたのでジャン妻にあげた。
ニコニコしながらキモを喰らうジャン妻である。
ジャン妻1キモを探す.jpgジャン妻2キモを見つけてほくそ笑む.jpg
ジャン妻3キモを摘まむ.jpgジャン妻4キモをパクリ.jpg
いつか私も生き胆を取られるかも知れない(怖)
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次にさらの木らしくない料理が。
大根に餡とそぼろがかかっている。秋の新作らしい。
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そしてどっかの部屋の床を引っ剥がしたタイルに載せた和の肴たち。
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紙で包んだのは秋刀魚の蒸し焼き。
「これは紙ごと喰うのか?」
「紐を解いて紙の封を開けてください」
開けてまたしても「秋刀魚が小せぇな」と口から出かかったのだが。だいたいさらの木の料理は全体的に種類が多くて少量なのです。素材が多過ぎるので仕入れがタイヘンらしいよ。
この時点で私は日本酒も追加しています。由比の正雪です。さらに常備している日本酒は「正雪」と、何故か和歌山市末広町(井手商店の近く)にある田端酒造の「羅生門」が置いてあります。
そういえば最近、塩辛が出なくなった。甘くて酸っぱいデザートより塩辛の方がいいのだが。
イカが獲れないのかな。
日本酒も追加.jpg
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定番、ローストビーフとステーキはいつも安定した安心の肉質、味であります。よくこれだけ薄く切れるものだ。
キャベツがちょこっとだけ出て来た。
「キャベツが少ねぇな」
「キャベツもう少しございますよ」
「ください」
でもこれぐらいしかない。
「もっとないの?」
「すみませんもう無いんです・・・」
無いってぇ??
キャベ1.jpgキャベ2.jpg
ロ4サラダ菜.jpgロ5さつまいもゴルゴン.jpg
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もう一組のお客が、「お水をください」
「あ・・・!!!」
いつもテーブル上に最初から置かれている氷水が出てなかったのです。今更ながらに出された冷水の美味いこと。
「美味い水だぜ」
「ごめんなさい」
「そこに2時間置きっ放しで熟成された水は美味いぜ」
「・・・」
敢えて水を出さないでおいてドリンクで儲けようとしたでしょMさん。
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五十路の同世代オンナ同士は何を会話してるのかい?
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二次会、さっき喰い切れなかったであろうパエリア、朱色のご飯がお握りで出されました。
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こらこら、子供のクセに日本酒飲むんじゃない。
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お前まで止めろよ。
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身体が小さいので僅かの酒で酔って寝てしまったところ。
ねんね.jpg
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給湯がいつ止まったか覚えていない。
朧月夜だったのに。夜半から叩きつけるような豪雨になったのだ。
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秋のさら(現在は補修工事中) [さらの木]

あー、しっかし、いっつも同じ宿ばかりしか行かない私らですが。
家からだいたい100km、国府津PAに寄らなければホントに100kmで着いてしまう。家を出るのが12時なので朝飯は家食で、それからも自室でしばらくグダグダしてるし、ジャン妻は洗濯器を廻して室内に干してから出るので、さらは旅行という気が全くしないよ。
温泉付のレストランに泊まりに来たような感覚しかない。
たまたま平日金曜日を予約取れたので行ってきました。
プチを連行するジャン妻1.jpgプチを連行するジャン妻2.jpg
さらのパーキングに停めたくるまからプチを引きずり出しているところ。
プチ公はむずがっている。くるまにいる、くるまの方がいいって。
「来なさい」
「ヤダ」
「部屋に入ってMさんにご挨拶なさい」
「ヤダヤダヤダ」
ムンズと掴んでバッグに押しこんだ。
プチとは車内マスコット、ドライヴの御守、この子を搭載してから無事故なのです。(違反はありますが。)いつからかさら公認のマスコットになった。
プチを連行するジャン妻3.jpgプチを連行するジャン妻4.jpg
宿の前をズイズイ歩くジャン妻である。
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宿の敷地内をズイズイ歩くジャン妻である。
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玄関口に向かうジャン妻である。
玄関に向かうジャン妻.jpg
階段を上がって部屋に入るところである。
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Mさんは細身だな。ジャン妻も群馬から戻って大分スリムになったが。
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部屋入りして聞いたのですが、今年の度重なる台風にやられ、さらの木は11月中に客室のベランダの工事に入るそうです。(現在工事中)
私らのいる部屋「やまもも」ではなく、もうひとつの部屋「ゆづりは」のベランダが風に煽られて破壊された。内側から支えて応急処置されているとか。
修繕というレベルではなく「だったら全部取り換えちゃおう」になったとか。工事施工後は庭に張りだしている幅が全体的に30cmほど手前に短くなるという。なので今月11月の何処かで2週間か3週間か休業です。
「じゃぁゆっくり休めますね。おでかけでも?」
「それがでかけられないんですよ」(Mさん)
Mさんは工事中はここにいなきゃならないそうである。何か不具合が発生したらその場で指示、決定しなくてはならないから。
ウチらの業界もそうですが、マッサラの状態でゼロから作るなら図面通りに施工すればいいので業社に任せきりにできるが、そこに既にあるものを修繕する、壊して新たに取り換える方が意外と手間や不具合が多いのだ。そこにあるものをオーナーの判断無しに壊せないからです。
今回は水回りや電気系統の工事ではなく、部屋から出っ張ったベランダの施工なので、特に不具合が発生するとは思えないが、何処にでかけるのでもなく、何事も無ければ自室で寛いで、寝てりゃいいのだろうけど、経営者ってのは誰もが「何もしないで寝てる」なんてことをしないものです。
「おでかけできないんだ」(ジャン妻)
「そうなんですぅ」(Mさん)
私は突っ込んだ。
「だったらその間にBlogの更新でもされるんですな」
「!!!」
「今年は正月の記事で止まってるジャン」
Facebookが17で、Blogはたった2つしかない。
Mさんは逃げるように部屋を出ていった。

「何処が壊れたんだろうね」(ジャン妻)
「前の森から枝とかいろいろ飛んでくるんじゃねぇのか」
見たところ何処も割れてはいないようだが。「やまもも」のベランダは1径間で板を打ってあるが、「ゆづりは」はベランダが2径間になっているんです。
これは3部屋→2部屋にした際に、真ん中にあった部屋、「さくら」が無くなったからなのだが、その名残で途中に柱があり、2径間で板が打ってある。そこで折れ曲がっているように見えるが。
もうすぐ修繕.jpg
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蕎麦宿も船山温泉も何処もそうだが、さらも前身であるビーンズCafe、さら3部屋、さら2部屋、そしてベランダ改装、改装に次ぐ改装の繰り返しなのです。昨年か一昨年にはボイラーが壊れたそうだし。
これが大都会のBHならともかく、さらの木って森の前にあるし、森の先は海岸線だから、強い海風に乗っていろいろトンで来るんだろうね。
湿気や海水の塩分による錆、板壁の剥離、塗装しなおし、そして水回りや動力部の故障、照明等・・・自分の家、部屋なら、これぐらいならまだいいやって放置もできるが宿はそうはいかない。他所から来て泊まられるのだから常に安全快適が求められるのです。
幸いにさらは大型旅館ではないし、部屋数が極端に少ないのもあって、団体旅行客や企業旅行客は対象にならないので、個人客や小グループの旅行客しか対応できないのが逆に強みになっている。顧客ターゲットは個人客が少数のグループ客だから、Mさんひとりの判断で小回りのきいたサービスや、思い切ってやっちゃえの修繕が可能なんだと思う。
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ウエルカムデザートでございます。
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他に作る場所がなくて、ベランダ側に作った部屋風呂でございます。
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何を検索しとるかジャン妻よ。
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連れて来られてベッドの上でふて寝しているところ。
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涼し気な庭です。
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エアコン無し。扇風機も無し。あの今年の酷暑が嘘のようだ。日本に秋は無くなりつつあるのに。
そして陽が西に傾くのが早くなった。
葉が落ち、木々から洩れさす陽が眩しい。
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明日も晴れるか。これは16:40頃ですが、17:30には西の方がアヤしい空模様に。
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日付が変わった頃には滝のような大雨になるのだが。その前にディナータイム。
昨夜、大船でビーフシチューを3皿も喰ったので。まさか今夜、牛肉の赤ワイン煮なんぞが出たらどうしよう。
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朝からピザと生ビール [さらの木]

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サラダ、スープ(この時期は冷たいスープ)、パン、メインプレート、食後のドリンク(珈琲、紅茶とか)、要らないけどデザート・・・は変わりませんが、1泊明けの朝にピザが出たんですよ。
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メインのプレートの白いお皿に空きスペースがあってスカスカだからオカシイな?と思ったの。そこを突っ込んでやろうとしたらMさんが、
「今からピザをお出しします」
「ピザァ?」
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「そういえばさっきバイクの音がしたな」
「??この辺りはバイクで走られる方は少ないので音が目立つんです」
「そうじゃなくて出前のバイクだよ。ピザーラとかドミノとか・・・」
この心無い侮辱にMさんは眦が釣り上がりかけたが、Mさんに言わせると伊豆高原には宅配ピザチェーンは無いそうです。伊東市にあるけど距離制限を超えてしまい宅配はできないとか。
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「じゃぁこれはMさんの手作りなんだ」
「だからそうだって」(ジャン妻)
「散歩して見つけたんだが、ローズカフェの前にピザを出す店があったぞ」
「・・・」
伊豆高原にはピザ、パスタ、洋食系は幾らでもある。17時までの営業が殆どだが。さらの隣にあるどっかの国旗が掲げてある店もパスタやピザがウリらしいし。
「その辺りから取り寄せたんじゃないの」
(-“-;)←いい加減にしなさいと無言で睨むジャン妻である。
「隣のレストランにもピザが・・・」
(-“-;)
手造りのピザは宅配ピザとは全く違う食感なんだね。惜しむらくはサラミやベーコンが載ってなかったのだ。
大好物のリゾットも出なかったしさ。(翌朝に出ました。)
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もうひと組のお客さんは電車で来られたので朝から生ビールを飲んどったのです。ジャン妻は「昼ならともかく朝にビール飲んでも美味しくないよ」と言ってたが、何しろ朝から暑いし私は朝から散歩してるし、今日も泊まるけど日中は何処にも行かないで終日部屋(やまもも)に引きこもるので、御殿場ソーセージグリルをアテに生ビール飲んじゃってます。
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昨夜、御殿場ソーセージが出なかったのは、朝に出して朝ビールをオーダーさせて儲けようという戦略に違いない。
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御殿場ソーセージの塩加減で口の中が気持ちいいところへ珈琲を飲んで、甘~いフルーツが出されます。
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フルーツ・・・ねぇ。
あまり食指が湧かないな。ブドウなんかかなり高級なものらしいけどよくわかんない。種とるのめんどいし。
オレンジ色のメロン、カボチャに見えたよ。スイカとリンゴ以外殆どジャン妻にあげてしまいました。
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2泊めの朝です。今朝も早くから散策して腹ペコで、いつもは2つ3つ持って帰る手造り(らしい?)のパンを全部食べてしまった。
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サラダにアボガドが入っている。
昨日も今朝も何だか贅沢なサラダである。普段はアオムシのようにキャベツの千切りを喰らい、カブトムシのようにキュウリやトマトだけを強制的に喰わされている私には、さらのサラダに入っている具、食材が豪華に見える。数はそう多く無さそうだが仕入れる食材の種類は多い。
日頃あまり食べない高そうな食材が多いな。
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私的にはアボガドはマグロのブツ切りと、わさび醬油で和えたのが好きなんだけど。
甘いアボガドは生ハムの塩気で何とかいただけた。
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今朝も御殿場ソーセージグリルとベーコン、大好物のリゾットも。
ベーコンはちょっとギリギリ焼き過ぎかな。
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珈琲が出されてからしばし間が空くのですよ。
「部屋の鍵くれ」
(-“-;)
「デザート要らねぇから先に部屋に戻る」
(-“-;)
ジャン妻は鍵を渡してくれない。
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デザートはパンケーキ。甘々です。お腹にズシッと来た。
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さらをチェックアウトした日は昼抜きです。毎回そうです。
何処へも寄らずに真っ直ぐ帰宅して、洗濯機を回しながらジャン妻はすぐ体重計に乗るの。
そして呟く。「2kg増えてる・・・」って。
いつも2kg太るそうです。増えてるに決まってるじゃないか。
自分の体重を見て愕然としておいて、その日の夕食はショボくするんですよ。「さらで体重増えたから」という理由で。
「アナタが食べないデザートをアタシが食べてるからよ」
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コクヨの領収書には、宿泊料と入湯税の他に、
生ビール5杯
ハートランドビール3本
白ワインフルボトル2本
日本酒、正雪2合が4本
飲み物合計14240円!!

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いつまで経っても印字された領収書にならないのは、コクヨの領収書の在庫がまだた~くさんあるかららしいぞ。

さらの木になる前のビーンズCafeについても取材済みですが、意外と纏めるのが難しいのでしばし時間を下さい。年内には。
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八幡野Night [さらの木]

「今からお散歩ですか?」
「そう。その辺をね」
軽く腹ごなしに。でもMさんは心配そうだ。
「まさか海の方(森を抜けて自然散策路)へ行かれないですよね」
「そんなん行かないですよ」
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八幡野の夜です。
静かだな。
私の足音と虫の音だけだ。
くるまも走らないし。誰も人がいないのです。
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暑いせいか蚊も飛んでいない。
犬の遠吠えも、遠くでサイレンも鳴らない。
あ、踏切の音が聞こえる。伊豆急がきたんだ。
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何かの施設の入口です。関係者以外を拒むかのようにガードしている。
この入口から母屋、棟は遠いので、路上で事件に遭遇して大声を上げても届かない
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そこかしこに灯が点いてる別荘もあれば、暗い闇に沈んでいる別荘もある。
窓を開けている家々からは微かに生活音が聞こえた。
この界隈にお住まいの方はこの時間、家ん中で何して過ごしているのだろう。
TV?
ネット?
ゲーム?
人と人との繋がりはあるのだろうか。
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誰も歩いてない。
誰かに出くわしたらお互いギョッとするだろう。
撮影する被写体が無いのです。
眠りにつくのが早い場所なんだな。
この地で何かを営むならともかく、住むだけなら退屈だろうな。
生臭い私には別荘地に住むのには向いてないようだ。
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虫の音に混じって、森の木々の上から梟の鳴き声が。
宿に戻ろ。Mさんが気を利かせてか、ビーンズ時代からのウッディな看板に珍しく灯が点いていた。
ダイニングの灯は消えていた。
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部屋での二次会でまたこんな甘いものを。
ディナー(初日)には出なかったサーモ、ンタルタルがある。タタキ加減が粗いけど。
出し忘れて後で慌ててタタイたのかな。
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問題はケーキの真ん中にある血がにじんだような生クリームと、何なんですかこの緑色の物体は?
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翌日に聞かれたのですが、
「昨夜のケーキご主人(私のこと)お食べになりました?」
「そういえば食べてましたね」(ジャン妻)
「カステラだけ?真ん中の部分は?」
「それも抵抗なく食べてましたね」
「食べてくださったんだ~」
我ながら何で食べちゃったんだろ。酔ってもいたし、何がなんだかわかんなくって食べちゃったんだよ。
口直しにサーモンのタタキの塩味と、既製品のチーズの塩加減で救われたけどね。
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以下は2日めの夜です。同じような夜写真ですが。
この晩は宿の外をほっつき歩きませんでした。別荘地は真っ暗でロクな被写体が無いのが前夜、わかったので。
彷徨い歩く店もないし。むしろロードサイドに夜遅くまで営っている店があるのだろうな。
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2泊め、夜の風呂です。朝にかけてベランダに撒いてある防虫剤が少なくなってしまい、多少の虫がおじゃましてきた。翌朝、蘇生したゴ〇〇リと格闘するハメになったよ。
連泊する時はそれらもお願いした方がいいです。
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二次会の酒肴をMさんが持ってきたところ。
プチ公は「また子供扱いするんじゃねぇ」と背を向けてフテ寝しています。
Mさんの装いが可愛らしいですが、実は接客衣装で、部屋着になると年甲斐もなく大胆なカッコになるのですよ。
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またこんな甘いものを。生クリームが載っかったショートケーキと、何ですかねもう1品は?
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生クリーム&ショートケーキで日本酒を飲むハメになった。
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「飲ませろやい」と酒を喰らうプチ(ドライヴの御守で、さらの木公認のマスコット。)
でも身体が小さいのでちょっとの量で酔っ払って寝てしまった。
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今回は連泊なので、朝夕と午後と併せて4回もデザートが出されたんですよ。
私は殆ど食べないけど。その分をジャン妻が食べるから、さらから帰ったら増量するそうです。
高カロリー、高タンパク、高脂質、高糖分を摂取させる罪な宿なのです。
でも日常と比べちゃいけない。ここは宿なんだから。
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〇〇でいちばん美味しいハンバーグ [さらの木]

連泊のディナーをUpします。
まず初日から。
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「さらって刺身の鮮度がいいな」
「そりゃぁその日のうちに仕入れてくるんでしょうよ」
「何処かの昼の刺身なんかより全然いいよ」
「他所と比べたりしないのっ」
高級インドマグロじゃないけど脂のノリもいいし。
小さいけどサザエは肝もついてくるし。
惜しむらくは白身の刺身が少ないんだよな~。鯛とか。ヒラメとか。
写真はないですがカマスが2きれあった。皮を炙ってある。
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暑いので今日は生ビール解禁です。「宿では瓶ビール」と譲らなかったジャン妻も、あの8月11日の東北道大渋滞以降は宿でも生ビール解禁になったようです。
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あ、サーモンじゃない。何だこの白いのは?
「ホタテのタルタルです・・・」
(-“-;)
「お隣がカツオのナメロウです・・・」
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焼津のどんた久で食べたカツオのナメロウはヘビィだったな~。
アジ、サンマ、イワシよりズシッとくる。このカツオはソウダガツオだそうです。アシがつくのが早いので、水揚げされてからすぐでないと生食に向かない。
八幡野港水揚げ?
Mさんから「釣りが趣味なので」と聞いたことがある。その時は意外に思った。でも釣りは短気じゃないと釣果が上がらないって。納得。
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何かのホワイトソースのパスタとカマスのグリルです。
「カマスぅ?さっきの刺身の残り物か?」
「ち、違いますよっ」
「あっちのお客様に聞こえるでしょっ」(ジャン妻)
悪態ついてますが美味しいですよこれ。前回もベタ誉めしました。こういう料理を待望してたのですよ。もうアヒージョとか、ブイヤベースとか、コッテリズッシリしたシーフードはちょっと。
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次はどっかのへ部屋の床のタイルを引きはがした板に載せた和の肴盛り合わせ。
あ、また枝豆が茎にくっついてブラ下がったまま出てきた。
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口には出さなかったが、枝豆はビールだろうって。
もう白ワインに移行しているのにぃ。
もっと早く出してよじゃないが。ここで生ビールをオーダーするのもノーセンスだしなぁ。
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そういえば塩辛が無いぞ今回は。明日は出るのかな。
どうもイカが不漁らしいですこの時は。
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あ、キャベツがある。ちょこっとだけ。
「仕入れたのかな」
「・・・」
「価格が落ち着いたのかな」
「・・・」
なるほどキャベツの千切りは、旅館料理に添えるにはイマイチ冴えないね。
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ステーキの次はいつもの超薄型ローストビーフ。
「どうやってこんなに薄く切ってるんですか?スライサー?」(ジャン妻)
「Mさんの腕だよ腕。細い腕」
スライサーだったらジャン妻でも上手くカットできるのでは。ジャン妻は一昨年の正月にローストビーフにTRYしたが、普通の家庭包丁では薄くスライスするのが難しく、どうしても厚切りになってしまうんだと。
「包丁のせいにするなよ、腕が悪いの腕が」
「いえ、細い包丁をよ~く研いで研いで・・・」(Mさん)
スライサーなんぞの文明の利器ではなく包丁だそうです。
Mさんが包丁を研いでいる姿を想像すると背筋が寒くなりそうだ。
ジャン妻は白旗を掲げた。もう家でローストビーフはやらないって言ってる。
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ローストビーフにおまけのように添えられたサラダ菜。
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次に2泊めの夜。
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今宵めも生ビールOKです。
生ビールは儲かるんだよねMさん。
刺身盛りのルックスはそう変わらないが、アジが刺身になった。(前夜はタタキ。)
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さらの前菜は普段の日常では食べたことないのが並ぶのだ。
よしよし、大好物のサーモンタタキ、タルタルソースがでたぞ。
昨日今日と連続して出して欲しかったな。
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「あ、間違えました」
「何を?」
「(タルタルの)小さい方をご主人の方に出してしまいました」
わざとじゃねぇだろうな。
ジャン妻がそれだけ取り換えてくれた。
「あ、取り換えたんですね」
やはり最初はわざと小さいのを私に置いたんだろ。
他はカルパッチョ、熱川豚の肉巻、トマトのスムージィ、生春巻・・・
熱川豚なんて知らない。熱川温泉にジャン父(私の義父)が別荘を持ってた時期があるが、あの辺りの何処にも豚なんていなかったけどなぁ。
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今日のパスタはトマトソースのやや辛いヤツ。
グリルの魚はシイラだそうです。東伊豆でよく釣れるそうだがどんな魚なのか。
「シーラカンス?」(ジャン妻)
笑!!
なわけないじゃん。
日頃数字やパソコンに没頭しているからだよ。実はこのパスタ&グリルをどうするか、部屋で打ち合わせがあったのだよ。
「今日のお料理ですけど」
「昨夜と同じでいいよ」
「笑、昨夜はパスタと白身のお魚のグリルをお出ししましたが・・・なんか如何でしょうか?」
・・・は何かというと、パエリア、ブイヤベース、アヒージョ、のようなズッシリ系のシーフードをすすめられたのだ。
「う~ん・・・」
ジャン妻も私も難色を示した。重たくてズシリとくるものはちょっと。
「・・・ちなみにメインは何なの?」(ジャン妻)
「ハンバーグです」
それまで畳の上の卓袱台に置いたAPLEに向かって原稿を打っていた私はハンバーグにビクッと反応した。
来る前に「肉肉でいいですよ。牛肉の赤ワイン煮とか。ハンバーグでもいいな」と本気と冗談で言ってあったのです。
「今、仕込んでます」
へぇ。初めてじゃないかな。これは楽しみですね。で、メインはバーグとして、その前のシーフードはどんなんがいいかなという話に戻って、
「鮎の塩焼き」
どこで仕入れるんだい。山を越えた狩野川辺りで釣ってくるとか。
「おでんとか」
「止めなさい」
「白身魚のフライ」
それだと家庭料理になってしまうじゃないか。
「ロールキャベツでもいい。キャベツを使わなきゃ」
「!!!」
結局は昨日と同じ路線になったのです。ええっと、何て魚だったか忘れました。
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またまた床のタイルを引っ剥がした台のものでは、魚君が横目でギロッと私を睨んでるぞ。
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秋刀魚寿司、今年最初の秋刀魚、何の魚か忘れたが南蛮漬け、茄子の味噌田楽、相変わらず素材の種類が多いです。どんな冷蔵庫、冷凍庫になっているんだろう。
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本日のメインディシュ、ハンバーグがキタ!!
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いやぁ美味しいです。これは素晴らしい。肉のジューシーさ、きめ細やかな叩き方、こね方、つなぎとのバランス、程よいソースの味加減。完璧です!!
思いっきり誉めました。〇〇でいちばん美味しいハンバーグ!!
どのファミレスにも、ステーキ&ハンバーグ専門店にもないだろう。
(比べるなって。ジャン妻)
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このバーグはMさんから「UPしないで」と言われたのですが強引に拝み倒して押し切りました。これを載せなきゃ今回の連泊の意味がないって。
ただ、これは、連泊であるが為の相談の上でかなり無理を言って出していただいたものなのです。定番ではありませんので念の為。他と併せて仕込みがタイヘンなんだと。
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哀しいことに、この後に出されたステーキがしょぼく見えてしまったのはまぁ仕方がないよな。ハンバーグはそれくらいのインパクトがあった。
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「タイトルの〇〇でいちばん美味しいハンバーグ、〇〇は何だと思う?」
「さぁ」(ジャン妻)
「〇〇イコール、世界でいちばん?日本でいちばん?伊豆でいちばん?・・・」
「そうなの?」
「さらでいちばん美味しいハンバーグ」
(-”-;)
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灼熱のさら [さらの木]

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高カロリー、高タンパク、高脂質、高糖分のモーニングをいただいたらもうそこで9時になってしまい、チェックアウトの10時まで時間が無いのだが、今日は時間を気にする必要がない。
「何処かへお出かけに?」(Mさん)
「何処にも行かないですよ」
こんなクソ炎天下に何処へ行くんだって。それに私は伊豆のそこらにあるヘンな展示館に全く興味がない。人形とか猫とか、オルゴールとか何かの工房とか。趣味じゃないです。
「ずっと部屋に引きこもってますよ」
「お布団は?」
「変えなくていいですよそのままで」(ジャン妻)
「バスタオルだけ替えて貰おうかな」
10時以降もMさんとこのさらの中で「同居」することになるのだ。

お客を見送った後の10時過ぎ、Mさんがフロントで何かに目を通していた。
「何してんですこの時間帯は?」
「今後の予定を組んで、仕入れの計画を立てて・・・ですかね。で、遅めの朝ごはんにして・・・」
「ええっと、何時頃でしたっけお昼寝するのは?13時から?」
Mさんは午睡、シエスタの時間があるのだ。部屋にいて特に呼びつける用事もないのだが、その時間帯はなるべく音を立てずに静かにしていようと。
その間Mさんは横になり、電話も訪いも出ないそうである。そりゃ寝るのも遅いし、朝はパンを焼くから5時には起きてるそうだし。
(いちど、Mさんが寝ぼけ眼の髪ボサボサで出てきたことがある。直前まで寝てたらしいのだ。)
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部屋で何してたか。作家気分でBlogの原稿を打っていた。
傍らにあるのはCafe時代のさら(ビーンズ)の写真とその頃の図面です。さらの前身であるビーンズCafeの記事はもう大方できているのですが、もう少し加味したいのでUpはまだ先になります。
他、私を撮り巻く人間ドラマの下書きとかを打っていた。旅館の一室でこういう作業をしていると何だか作家気分である。
ところが機種が厄介でして。ジャン妻が持ってきたApleの最新機種なのですが、Apleは使い勝手がイマイチヘンでイライラさせられるね。キー操作が独特なのだ。
やってる最中にそのApleのPC、Windowsが壊れたのです。Windowsが起動しなくなった。
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ジャン妻が修復しようとしているところ。
修復中2.jpg
結局は修復できず、持ち帰ってアンインストールするハメになった。
「何でApleにしたのさ?」
「いちど使ってみたかったのよ」
仕方がないのでWindowsのWordは諦めて、テキストデータで打ち込んだよ。
暑そうだな.jpg
入力に飽きると昼湯に入るのだが。湯船に触れたら熱いのです。
湯船が熱い.jpg
ベランダの床、サンダル、Cafe時代からのチェアやテーブル、そこにある全てが熱いのです。
いちばん熱かったのが引戸のレールです。焼け火箸のように熱々でさぁ。
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気温上昇中.jpg
ご覧のようにさらの湯船はベランダにあります。Cafe時代にMさんは2階の3室を占拠して優雅に?暮していたのだが、宿に鞍替えする際に「前の森を見ながらお風呂に入っていただきたいわ」と思い立って、耐震性を計算したうえで建物の躯体に湯船と配管を設置して、Cafeの頃には無かったベランダを追加施行した。大浴場を作る場所もないのでそこ(ベランダ)しか無かったのもある。
だけど家々でも別荘でも2階のベランダは南に面しているじゃないですか。それは布団や洗濯物を干して乾かすから陽が当って当然なのだ。
今年は例年になく暑かったが、真夏の熱い日差しと熱が、ベランダやトタン屋根を通して注いできたから熱いに決まっている。湯に浸かっている身体よりも、湯から上に出ている首、カオ、アタマの方が熱いんだもん。
湯温を測る温度計を湯船に老いといたら42度だった。その温度計を湯の中に入れたら33度に下がったから笑えるよ。笑うしかない。
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湯の温度.jpg
ギラギラ.jpg
私はこのネタを拾って1階に下りたら、Mさんと御主人がくるまを入れ替えていた。Mさんは仕入れにでかけるところかな。トテモ大胆で開放的な服装だったね。
「どうされましたか?」
「上は暑いなんてもんじゃねぇ。外に温度計を置いといたら44度で、湯の中に入れたら34度に下がったよ」
「ええっ」
「湯より外の方が暑いんだぜ」
どうも日中に湯に長く入ってたらヤバそうなので、サッと入るに留めたですよ。
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近所2.jpg
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止せばいいのに木陰を歩いてみたが、無風で暑いのですぐ逃げ帰ったですよ。
その前に、せめてお隣のジュピターのメニューを。
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ジュピター2.jpg
ジュピター3.jpg
まぁさらに連泊して、ここでランチを摂る意味はないかな。被るし。
あ、メニューにピザがあるじゃないか。
さては朝のピザはここから出前したな?(笑)朝にピザが出たんですよ。
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ランチはこれ。朝のパンの取り置きです。ハートランドビールも。
パンにビール?
ビールは「液体のパン」ともいいますが。
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で、原稿打って、飽いたらサッと湯に入って、寝てを繰り返す。

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「そっちは何してるん?」
「日記を付けてるのよ。それと今後の計画」
どうも仕事から100%抜けられないジャン妻である。

何もしなければ贅沢で退屈な時間が過ぎていく。
時間が経つのは早く、もう午後のチェックインの時間になった。そろそろMさんはシエスタから起きた頃だろうか。
「そろそろウエルカムデザート・・・」
「出ねぇさ。昨日チェックインした時に出てるんだから」
「でももう一組のお客が来た時に」
「図々しいオンナだな。そのお客のおこぼれに預かろうってか。まさかMさんに要求してないだろうね」
そしたら3時頃に出されたんですよ。
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「このロールケーキは?」
「ご主人がカステラなら大丈夫って仰るから」
買ってきたんだって。
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買ってきたんかい。Mさん無駄な金を使うなよと言いかけてさすがにやめたけど。
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4時過ぎて陽が西に傾きかけてきた頃。また外に出てみた。
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Mさんとお茶を飲んだCafeです。
あの時、ジャン妻はこのCafeでMさんに異業種への転職を相談したんだった。
それが今はどうだい。伊東甲子太郎の手下になっちゃった。あの時のあれはなんだったんだろう?って思う時がありますよ。
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リンクしている春夏秋冬、みみんさんが停まられた花雪吹という宿ですな。
みみんさんは海岸の自然遊歩道を延々歩いて出口がみつからず、ようやく見つけたインフォメーションに沿って公道へ出たら、さらの前に出たらしい。そしてこの宿へ。
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宿の控室から和服を着た男性スタッフと鉢合わせした。
向こうは和服(袴のようなものを履いてたな)こっちは作務衣です。目が合って相手は同業者のように身構えた。私をどう思ったかはわからない。
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既に陽は西の梢の向こうにあるのに、まだまだ暑い。
風が吹いてないんですよ。
首筋、背が汗に濡れてきた。
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水撒き中?.jpg
宿に戻ったら霧吹きのように水が撒かれている。
ご主人が庭に水を撒いていた
彼は滅多に表に出てこない。初めてお会いした時Mさんは「むさくるしいのが出てきてすみません」と毒を吐いたのを今でも覚えている。
言っちゃぁ悪いがこの程度の水を撒いても焼石に水だよ。庭にスプリンクラーを設置するほどの規模じゃないしなぁ。
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陽は西に2.jpg
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連泊して思ったのですが。さらってね、猛暑日に部屋でゴロゴロする宿じゃないです。館内は空調Offして暑いし、猛暑の昼間にあのベランダの湯にはそうそう長く浸かれないですよ。夕方ようやく落ち着いて浸かれたからね。
なるほど船山温泉の露天が川の前や山の陰を意識してか陽の当らない場所に設置してあり、敢えて暗くしているのが改めてわかったよ。
(これは批判じゃないですよ。個人宅なんだからさらは。)
連泊するお客もいるでしょうけど、おそらく日中は外に観光に出ているでしょう。まぁMさんも私らみたいに宿から出ないで部屋に籠るなんてバカな客は想定外だったんだでしょうね。
これが涼しくなればまた違ってくると思います。ウチらの部屋は空調ONしっ放しだった。それだけ今年の夏は暑かったってことだよね。
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さらは避暑地にならず [さらの木]

ウチから伊豆八幡野高原さらは丁度100。0kmの距離にある。
途中でWC休憩をしなければドンピシャ100kmなのです。
100km?それだけだと短く感じる。距離があまり短いと旅にならないが、この100kmの距離を旅とするか、生活圏内の延長と位置付けるか微妙なところ。僅か100kmの所要時間は2時間半から3時間かかるのだ。
今回も出がけにいきなり渋滞した。地元の藤沢バイパス。新湘南バイパス藤沢入口に、横浜環状南線から分岐した道路が繋がる工事を施工中で、2車線だったのが1車線になるからです。
8月11日に経験した東北道渋滞47kmと比べればマシである。
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盆明け最後の(土)だから道が空いてるかと思ったが甘かったな~。
世間のおとーさんたちはお盆でお金を使い果たし、夏休みの疲れをこの最後の(土)(日)で鎮めるもんだと思ってた。
今回は(土)(日)(月)と初の2泊、連泊なのです。(日)は終日滞在することになる。だから焦って15時に入らんでもいいのだ。
地元の渋滞を過ぎたらスイスイ流れた。
早川、石橋、熱海辺りで多少の渋滞はあったけど、概ね普通走行といっていい。
多賀、網代、宇佐美を過ぎて、伊東市内の途中から海沿いの県道109に逸れて、川奈ゴルフ場経由で伊豆高原へ。
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城ケ崎海岸手前、富戸港の海。
青い空と海を眺めるジャン妻。
「ちょっと音楽止めてよっ」
「・・・」
「自然の波の音だけでいいじゃない」
ジャン妻は自分の横顔が撮られているのに気付いてくるまから外に出た。
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こうして遠くを見ている蒼くてキレイな海ですが、眼下の岩場はゴミだらけなんですよ。
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オモシロいもので、誰か1台停めていると、後から走行してくるくるまが「停めていい場所なんだ」とばかりに次々停めようと減速するんだな。

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ここから宿までは10分足らず、今からリスタート出れば15時前に到着する頃合い。
今回は初の連泊なのです。
「明日のお昼は?」
「無し!!」
「えぇ?」
下手にそこらで昼を喰ったら、夜のディナーに影響するからヤダ。
「朝に出されるパンを取り置きしておけばいいさ。Mさんが焼き損なった下手っぴなパンとかでいいんだ」
その悪態には応えず、
「ウエルカムケーキ出るよね」
「明日も?出ないよ」
「えぇ~出るでしょ」
「あれはチェックインした時のもので、2日めはもうインしているんだから出ないさ」
「・・・」
「まさか出してくれなんて無理な要求するんじゃないだろうな」
「絶対に出るモン」
さて、出されるかどうか。
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風が吹いていない。宿の前の森が海風を遮っている。
暑いな。庭に生えてる木々の梢たちも「暑い」と言っているようだ。蝉すら泣いてないもの。
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宿という感じがしない。同世代が営む友人の家に泊まりに来た気分。
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ベランダは熱気でモワ~ッとしている。開けたら熱射が凄いのだ。
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Mさんがデザートを持ってきた。
プチ公はMさんに背中を向けてフテ寝ている。
Mさんはプチのアタマを人差し指でビーッと押した。
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あれ?前回と同じじゃねぇか?まぁ私は殆ど食べないからいいけど。
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「湯の温度はぬるめで」
「かしこまりました。ぬるめですね」
「水じゃないからね。水は勘弁してくれ」
さらの温泉は源泉から遠いので沸かし湯ですが、熱々の湯なんて入ってられないよ。でもそう言わないとMさんはホントに水にしかねないからね。
ところが湯の温度をぬるくすることでどうなったか。外気温よりお湯の温度が低くなるという逆転現象が起きた。湯に浸かる身体の熱さより、湯から出ているカオやアタマに照らす陽射しの方が熱いのだ。
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今年は6月7月8月9月前半まで猛暑が続いた。
いつが夏のピークなのかわからず、ずーっとピーク時だといっていい。
この日も太陽と青空が恨めしくなるぐらいだった。
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伊豆高原は別荘地だが、この気候だと避暑地とは言い難いな。山の上だと涼しいのかな。
さらも避暑地にならないね。避暑地ってのはエアコンに頼っちゃ避暑じゃないし。
暑過ぎて蚊も飛んでないのだ。蝉もあまり鳴いていない。夕方17時半頃、ようやく蝉が鳴き出した。
2泊の贅沢で退屈な時間が始まった。
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デザート攻防 [さらの木]

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「さらって根野菜や実野菜、香味野菜が多いよな」
「そうだね。Mさんそういうの好きなんだろうね」
朝サラダには葉野菜が出るけど。
肉も入っている。鳥ササミとか。ホントMさんは肉が好きだな~。
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キャベツじゃないのか。昨夜キャベツ出たのにちょっとだけ。絶対まだ冷蔵庫に余ってる筈なのにさ。
サラダ菜、ニンジンスライス、オニオン、キュウリ、ミニポテトサラダ。
言っちゃぁ悪いけど、1日の野菜摂取量350gだっけ?足りない気がするね。
まぁ1泊2日の限られた滞在だから、日常と切り離してみりゃいいんだけどね。
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サラダには薄く切った鶏肉(ササミ)
ポテサラにもハムがまざってアクセントになっている。
でもポテサラは夜にいただきたかったな。日本酒に合うのに。
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「ズッキーニとジャガイモのスープです。冷たいスープ」
「冷たい・・・?」
「そう。冷たいです」
スープ美味しいよ。今日も暑くなりそうだしね。
でも器がイマイチ好きじゃないの。持つ柄がヘンだし。器の底がデコボコざらざらになっているので、スプーンで擦るとガリガリ音がするのだ。結構大きい音がするの。
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自家製のパン。
「あ、食パンがある」
「ヤマザキの食パンじゃねぇだろうな」
「何てことを。ったく・・・ああ言えばこう言うんだから」(ジャン妻)
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既にバターを2個強奪している私はバターをトーストに力で押し潰すように塗りたくった。
「バターが足りないよ」
「そんなことない」(ジャン妻)
「味噌ラーメン専門店のトッピングバターの方が大きいぞ」
「・・・」
「何故無視するか?」
「何で反応しなきゃいけないのよそんなネタに」

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プレート。ジャン妻は御殿場ソーセージ、昨夜ソーセージグリルでビールをグビグビ飲った私はベーコンだった。
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前回の御殿場ベーコン、焼き過ぎてミイラみたいにカサカサだったのを今日リベンジしたMさんは得意満面鼻高々である。
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リゾットが美味しい。薄味だけどコクがある。
「・・・の店のバターライスより薄味だな」
「アタシ、あの店のバターライスは苦手で。」
https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2018-07-11

「ベーコンどう?」
「これぐらいでいい」
「誉めてあげたの?」
「いや、何も言わなかった。ベーコンを誉めても彼女(Mさん)を称賛することにならないよ」
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スパニッシュオムレツの隣にある赤いソースは鶏もも肉?
朝から肉肉である。
これだけで充分充分充分過ぎるほど満足するのですがこれからがタイヘンなのだ。Mさんにも意地があって、私に何が何でも己のデザートを喰わせようとするのである。
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珈琲が出てから少し待ち時間がある。
Mさんは厨房でデザートの準備にかかっている筈だ。私は別にいらないんだけど。
「部屋の鍵くれ」
「だめっ!!」(ジャン妻)
「こうして自分の好きでもないものを待ってるのってヤダ。部屋に戻りたい」
「Mさんが哀しむでしょっ。果物だけでも食べなさい」
果物だけって何だよぉ。バナナとかブドウとか酸っぱいもんばっかりだろ。いらねぇよぉ。
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抵抗しまくったのでさすがにヨーグルトは入ってなかった。
(ヨーグルトが苦手なのは酸味が嫌いなのと別に理由があるのです。ディナー編で述べましたが。)
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ブドウ、キウイ、リンゴ、バナナ・・・。
見てるだけで胃が重くなってきた。この赤紫入りのソースは何だ?
「果物だけにしました。果物だけでも」(Mさん)
「いらねぇ」
「これっ!!」(ジャン妻)
「お家ではニンジンとリンゴジュース毎朝飲まれてるんでしょ?」
「毎朝作ってますよ」(ジャン妻)
「毎日続くって凄いですわね~。ジュースにレモン入れると美味しくなりますよ」
「レモン入れないんですよ」
「お入れにならないんですか?」
「酸っぺぇからだよ」
「・・・」
私は皿を取って立ち上がろうとした。背後のテーブルにいらっしゃるもうひと組のお客に「よろしかったらどうですか?」と廻そうとしたのだが。
(-”-;)
ジャン妻の眦が釣り上がった。
しぶしぶ腰を下ろした。
ぶどう、キウイはジャン妻にあげちゃった。
「さらにデザート無しプランってないの?」
「無いんですよぉ」
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「次から彼はデザート無しでいいですよ」(ジャン妻)
Mさんはそれでも食い下がった。
「夜は?」
「夜は私が食べました」
「じゃぁ夜はお出ししていいのですね?」
と言ったそうである。
「えぇ~、まだMさんは諦めてないのかよ。まるで・・・」
このまるで・・・の後、私はMさんが聞いたら120%傷つくだろう心無いことを言っていますがさすがにここでは書きません。ジャン妻はこんなカオになったからね。(-”-;)
「そういうことをBlogに書かないのっ。後ろにいたもうひと組のお客様がアナタのBlog見たら・・・」
「っていうか見てくれてるんだろ昨夜の反応からしたらさ。それにもうこうして書いちまったよ。よろしかったら食べてくださいって廻そうとしたらアナタ(ジャン妻)の憤怒の形相で思いとどまったって」
(-”-;)
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そこに住むとなると・・・ [さらの木]

5時半に目覚めた。
前夜寝たのは22時半頃だったと思う。
湯を注ぐ音がする。給湯も始まっている。
ジャン妻は眠りの中。最近ジャン妻は深更に起きてしまったりするそうです。起きていろいろ今後のことを考えたりするらしい。
昨夜は眠れたのだろうか。
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下でもゴソゴソ気配が聞こえる。Mさんも起きているらしい。
Mさんは「5時に起きて朝ごはんの仕込みとパン焼き」をされるそうです。
最初にそう聞いた時は「5時!!早いね」と返したものだが。私も目覚まし時計無しで5時半に普通に起きるようになった。この年齢になると朝早く起きてしまうようになるもの。
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今日も暑くなりそうだ。
首回りの胸元が汗でびっしょりだった。背も汗でぬれている。夏場の布団にしては厚手だったのです。昨夜もそこそこ飲んだのですが、汗で昨夜の酒が抜けて気分爽快だよ。
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さらを出て左へ。
さらの裏手の道へ廻ってみた。その辺りは別荘地です。全ての家々(別荘)に人が常時いるのでもないらしい。
人の息吹がする家々は何となくわかるものなのだ。
個人の所有なので撮ってませんが、シャッター雨戸が締ったままの別荘や、トタンが錆び、庭や駐車スペースも草ぼうぼうで、明らかに近年利用された形跡がない別荘もあった。
あまり近所付き合いは無さそうな界隈だな。
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あくまで仮定のことを考えてみた。
自分がもし定年後、この地で隠遁するとしたら?
前にMさんに聞いたことがある。https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2018-01-22と被りますが。

-例えばですよ。私が八幡野温泉別荘地に家を建てた(借りた)として、温泉を引くにはどういう手続きが要るのでしょうか。
「温泉を引くには権利金を払って権利を別荘管理会社から買います。あとは温泉使用料と商標使用利用も。権利金以外に5年おきの更新料もあります。別途1年に2回の温泉管理費用もかかりますね。」
土地や建物の購入費用以外にもいろいろ費用がかかるらしいのだ。
そこに毎日定住するか、ある一定の決まった時だけ住むのか、いない間はどうするのか。
人がいないとガタがくるものなのだ。
ここで何かを営むのか。自分には何もできないし。

バブルの頃、ジャン父(私の義父)が熱川に別荘を持っていた。不動産会社を営んでいてその保養所も兼ねていた。
そこは岩風呂の温泉だった。熱川駅や麓から遠く、くるまが無いと行けない場所だった。
別荘は日常に住むのとは違ってたまに利用するからいいのであって、そこに住むとなるとちょっと考える。
スーパー、コンビニ、病院、たまには居酒屋、そういうのが無いと。
熱川には無かったような気がする。
今は手放した。会社も整理したし。

八幡野にはスーパー(カインズ伊豆高原店。)観光客対象とはいえ飲食店(一汁三菜とか。)歩いて行ける距離圏内に生活基盤はあるにはある。(距離より別荘地の坂が難ともいえる。)
でもルート135は渋滞するしなぁ。
大雨が降ったら通行止めになるし。
最寄駅は伊豆高原駅だが、まぁ歩いていけるけど。伊豆急は単線だしなぁ。
日常と非日常を比べてしまった。たまに来て「いい場所だね」と思っても、そこに永住するとなるといいことばかりでもなさそうだ。ある程度以上に肚を括らないと成功しないのではないか。
無理しないで現在の生活圏にいればいいだけのことである。ジャン家からさらまでは僅か100kmでしかないが、旅は日常からの脱却であって距離とは関係ないともいう。還る場所があるからこその旅である。
そこに住むとなったら何か目的がないと。Mさんのように。

私が八幡野に住んだとして何か楽しいものがあるだろうか。
あまり近所付き合いも無さそうだし。ウチの地元みたいな町内会自治会とかあるのかな。やはり何かを営まないと日常つまらないかもしれない。
都会暮らしに疲れた人で経済的余裕がある人が「都落ち」するようにこの地に来るのだろうか。でも私は別に都会暮らしに疲れていないし。
私は田舎暮らしは向いていないようだ。
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猫が寝ている。
警戒している。
「ここは私の場所よ。近づかないでよ」とでも言いたそうである。
朝この時間で日陰に寝ている。それだけ暑いのです。
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「住民はいるのか?」
「いないわよ」(猫)
「・・・」
「何よ?」(猫)
「じゃぁ誰がお前に餌をあげているんだ?」
「人がいる家々の裏手を漁るのよ」
「・・・」
「あっちへ行きなさいよ。じゃましないでっ」(猫)
「・・・」
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ジャン妻の好きな(逆の意味)紫陽花が咲いている。
「・・・」(さら敷地内の紫陽花を見て眉間が険しくなるジャン妻)
「この時期は何処にでも咲くんだよ」
「・・・」
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さて、デザートとフルーツのせめぎ合いが待っている。
ベーコンは上手に焼けたかな。(笑)
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Night Museum [さらの木]

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不思議なことに、私は夜にさらの庭を歩いていて、蚊に刺されたことが一度もない。
建物の周囲、床には防虫剤が撒かれているからだろうか。
-あれは虫よけですかね。
「はい虫よけです。あれは食べてしまうといけないですが、人体に触れても全く害のない、ペットが 口にしても大丈夫の粉です。」
「森がすぐ目の前にあるので毎日が虫との闘いです」(Mさん)
何ていう防虫剤か今度聞いてみよう。
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ちょっと剃れますが。
ソネブロさんから毎月、拙Blogの記事ランキング情報が送られてきます。

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Night Museum がTopだと??
何でまたこんな記事ともいえない写真のヤッツケが?
「洋画と被るんじゃない?」
「夜の博物館を舞台にしたあれか?」
ベン・スティラーさんが主役のあれね。恐竜の骨格標本やミニチュア、はく製や石像といった展示物が動きまわるあれですよ。3で完結、4は無いと思うけど。
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さらの夜って目の前の森は真っ暗だし、星空に月が出ていると深更の頃、森からガサガサ、モダーンな妖精が出てきそうだけどな。動物とか。
館内もMさんの趣味?人形たちがたくさんいるから夜な夜な動き回ったりしてないか?伊豆八幡野のナイトミュージアムだったりして。
このランキング上位記事を知ったウチのマスコット(無事故の御守)プチがオカンムリである。
プチを運転席と助手席の真ん中に鎮座しているおかげで、これまで違反切符はあっても無事故な私ですが。
「オレを出すなっ」
「部屋に持ち込むなっ」
「くるまん中に置いとけよっ」
前は持ちこんだりしなかったんですけどね。いつの日かジャン妻が部屋に持ち込んで、Mさんの目に留まり、Mさんのお気に入りキャラになった。
ぬいぐるみという位置づけではない。あくまで御守、マスコット。
「よかったね~、皆に見て貰えて」(ジャン妻)
「るせぇ。Night Museumなんてタイトルにするの止めろっ」(プチ)
「ホントは嬉しいクセに」(ジャン妻)
「とーちゃんはバカのクセに英語使いやがってっ」
「これっ!!」(ジャン妻)
生意気に怒るプチ.jpg
ムッとしたプチ.jpg
おかんむりのプチがチビの分際で酒を飲んでいるところ。
プチはチビで生意気な口を叩いているが、実は成人したオトナなのです。
酒を飲むプチ.jpg
「それは私の酒だぞ」
「るせぇたまには飲ませろ。いつも自分らだけで飲みやがってからに」
「さっきからその悪態はなんですっ」(ジャン妻)
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デザートは全てジャン妻が平らげました。私は塩辛の残りとおにぎりだけ。
「これでまた太る・・・」
明日もデザート出るんだよ。
「さらに来ると2kg太る。落とすのがタイヘン」
そりゃ私のせいかよ。
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夜31.jpg
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でもプチ公は身体が小さいので、少しの酒で酔いが廻って寝てしまった。
コテンと寝ている。
「チビのクセに飲むからよ」(ジャン妻)
そのうち給湯も停まる。あとは闇に鳴く虫の音だけである。
酔っ払ったプチ.jpg
夜7.jpg
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口うるさい客 [さらの木]

まだ明るい.jpg
まだ外は明るい。
何故かヤマサ醬油のボトルが鎮座している。
家庭的な醬油である。
ウチで使ってるのと同じじゃないか。開封して日にちが経つと底に溜まった醬油が黒くなり、味が濃くなるヤマサ醤油です。
家庭的.jpg

痩せたジャン妻.jpg
自室で湯上りにハートランドビールを1本飲んでいるので、この日2本め、3本めです。
「生ビール」
「ダメっ!!」
ジャン妻はこの宿でも生ビールを飲ませてくれない。宿の夕餉は瓶ビールを注いで注がれてが大原則だと譲ろうとしないのです。
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メジマグロ、アジ、カンパチ・・・だったかな。それとメダイ。
白身の刺身は例によって2枚しかないぞ。残りはあとで出てきますけど。
「連泊する時2夜連続して刺身でいく?」
「カルパッチョでもいいかもね。交渉してみてよ」
「カルパッチョなんてできんのか?」
「簡単だよ。オリーブオイルと・・・」
でも家では出ないなと言いかけて止めた。
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刺身3.jpg
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前菜1.jpg
前菜盛り合わせに御殿場ソーセージグリルがあるぞ。
「ということは明日の朝はベーコンだな」
前回の朝に出されたベーコンが干からびてカリカリ過ぎたのでMさんはリベンジを期している筈だから楽しみではある。
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サーモンのタルタルは小皿に移しやすいようにスライスしたキュウリで巻いてあった。これはいいアイデアですね。
その状態で小皿にお引越し。いつもは移す時にカタチが崩れてしまうのですが、今日は巻いたキュウリのおかげで上手くいった。
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お引越し1.jpg
お引越し2.jpg
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この蒸し鶏も塩加減が良くて美味しいぞ。ホントMさんお肉好きだよね。自分がいいと思うもの、食べって美味しいと思うものを出すコンセプトなら、Mさんはいい意味で肉食だといっていい。
でも肉や魚介類が嫌いな人は宿はレストランに向かないと思いますけどね。
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サザエ2.jpg
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サザエ壺焼き。ガーリックじゃなかったけどそれでいいです。私はガーリック焼き(サザエ以外でも何でもそうなのですが)だと翌朝お腹の調子が良すぎるのですよ。
上大岡の煮込み、大船のサザエガーリック&空芯菜炒め、紀尾井さんのカルパッチョ(スライスガーリックチップ)他ガーリックをふんだんに使ったパスタ、藤沢イタマエダイニングのカツオ塩タタキでもそうなるのです。
腸の調子が良くなるところへ整腸作用もあるヨーグルトを摂取するとタイヘンなのだ。抑えようとするから逆に腹が張って苦しくなるのです。ヨーグルトは酸味が苦手なのもあるけど、そういう作用(禁忌?)でヨーグルトを避けている理由もあるのですよ。Mさんはヨーグルトを忌避する私に哀しそうな表情で「身体にいいのに」とか言うけどさ。そういうヘンな意味で身体に負担なのだよMさんおわかりかな?
ハナシが逸れた。サザエのキモはジャン妻にあげた。
ウチらはあまり料理に変化を好まないのですが。この日の新もので最大ヒットがこれ。
ウニソースのパスタ。
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パスタはそこらで売ってる麺かもしれないが、ソースとの絡みがメチャ美味だった。それに焼いた白身魚にホワイトソースをプラスした焼き物。赤いソースと白いソースの妙。絶品です。
こういう料理を待っていたのです。もう年齢が年齢なのでブイヤベース、パエリア、アヒージョのようなアブラアブラしたズシッとくるものよりこういうのがいい。
そうやって誉めておいてまた悪態を放つ私。
「この白身魚はなんだっけ?」
「メダイです」(Mさん)
「さっき2枚だけあった刺身の残りか?」
「の、残りじゃないですようっ」
「こっちが本命でさっきの刺身が残りかもな」
ジャン妻は「いい加減になさい」という表情をする。

何だか餃子に見えるぞ
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誉めたり悪態ついたりがひと段落したところで。
「で、この次は何が出されるのかな?」
「次は・・・いつもの・・・そう変わらないものです・・・」
床のタイルを引きはがして台にしたいつものいつもの和の料理ですが。
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枝豆がある。茎付きで。
茎からブラ下がってる。
「ってことは冷凍じゃないな」
「!!!」
「まさかどっかの畑から引き抜いてきたんじゃねぇだろうな」
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茎からブラ下がった枝豆は、向いてないせいか塩加減が薄かったけど。
「ビールで摘まみたかったな」
「・・・」
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これは誰がどう見ても南蛮漬けだが、Mさんは南蛮漬けを敢えて何だかワカラン洋語で説明していた。カルピオーネとか何とか。Mさんは日本語より外国語の方が詳しいんじゃないかな。
「この南蛮漬は何て魚?」
「メダイです」
やはりさっきの刺身の残りじゃねぇかってなるわけですよ。
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アジフライがウレシイぞ~。タルタルソース付き・・・でも何でピンク色なんだ?
「これは何でこんなイロしてるの?」
こういう色をした蕪を混ぜたとか何とか言ってた。
「市販のタルタルソースでいいのにって思ってるでしょ」(ジャン妻)
「そうは言わない。自家製の方がいい」
でもイロつきじゃなくてもいいんじゃないの?って。ああ言えばこう言うと一緒で、あれが出されればまた何か言うの繰り返しでディナータイムが過ぎていく。ウルサい客である。
でも珍しいなこの宿でアジフライなんて定食のおかずみたいなものが出るとは。アジがたくさん釣れて余ったのかな。
イカの塩辛とそれに枝豆を混ぜたところ。
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「何やってんの?」(ジャン妻)
「だって今更、枝豆でビール飲めないし」
枝豆はビールだよね。このタイミングで枝豆が出されるのはビールを飲みなおさせて売上を上げようとする魂胆に違いない。2部屋しかないのに意外と商魂たくましいMさんである。
ところが後で聞いた話だと、このイカの塩辛は毎晩出されるのではないらしい。この日出されたことで、もうひと組のお客に私の正体がバレたフシがある。部屋に戻られる際に何か言われたんだよな。
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ようやく薄暗くなってきた。
でもまだイルミネーチャンを点す暗さじゃない。
涼しくなったかというとそうでもない。風が吹いてないから。
少し暗くなってきた.jpg
白いワインと由比の銘酒・正雪を飲んでますが。この正雪の酒蔵の隣町にウチの社員が住んでるんだよ。https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2018-06-04に登場した子だけど。
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そしていつもの肉肉になるのです。
Mさんお得意で宿のウリでもあるキンメの煮付けはもう何年も食べてない。
やはり肉ですよ。
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「このキャベツ、うめーよ。最高だぜこれ」
「・・・」
Mさんはジト目で私を見た。
「でもちょびっとだな。まだ高いのかな」
そうでもないそうである。「キャベツは旅館業ではあまり出ない食材だと思います」と言っていたのは船山温泉のT館長だが、この宿ならロールキャベツの何かその独特なオリジナルティーで用意できそうだがな。
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「ステーキが小さくなったな」
「そう?ちょうどいい大きさじゃない」
小せぇななんて悪態放ってますが、私もこれぐらいでいいというか。全体的に程よい量でしたね。
お酒もそう。数年前はこれに赤ワインフルボトル1本をプラスして空けてたが、齢を重ねて飲めなく食べなくなってきたのもある。
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「こうやって薄く切るのはタイヘンよ。技だよ」(ジャン妻)
「いい包丁を使ってるんじゃないの?または肉屋で切って貰ってるとか」
またまた悪態を放ってますが、内心ではどうやったらこんなに薄くスライスできるのかと驚嘆した。
私はさらの牛肉は和牛だとは思ってません。和牛でなくてもいいと思う。丁寧に下ごしらえ(筋を切るとか)されているし、ソースや焼き加減が絶妙だから。
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五十路の女同士、何を語らっているんだ?
矛先は私か?社内で50代女性の対応は慣れてるつもりの私だが、2人いて共闘されると敵わない。
デザートと夜食は部屋で。
部屋ではさら後任のマスコットキャラクターが待っている。
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長い夏のさら [さらの木]

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さら前の森で鳴く蝉の音がかしましい。
ミーンミンミンミン・・・
シャワシャワシャワシャワ・・・
蝉の音を聞いてると余計に暑くなってくる。

日本の夏は長くなった。6月からガッツリ夏になった。
-夏が長くなりましたね。私らが若い頃は夏は儚くて短いもので、誰かの歌じゃないけど、去りゆく夏を残念に思ったものでしたが。
「仰るとおりです。思い返してみると若い頃(笑)の夏は短くて名残惜しいものでした。
子供の頃などは、プールに行ける夏という時期は20日間くらいで、8月の終わりには既に秋の気配がありましたね。
祭りの後の何とも寂しい気持ちを初めて味わったのもこの頃だったと思います。今は太陽が恨めしい気持ちです。」(Mさん)
夏が長くなっても蝉の寿命は延びない。
7月半ばから力尽きた蝉たちが路上に転がってたりするし。
「アタシ蝉嫌いなんです」
「うるさいから?」
「それもありますけど。ふと気付いたら道路に転がってたり、いきなり家ん中に飛んできてそのままバッタリして動かなくなったり・・・」
上大岡の焼き鳥屋のおねいさんがそうボヤいていた。そうは言っても地上に出てからの蝉の寿命は短いんだよ。
だからせめて鳴かせてあげようよ。
でもウルサいな。暑いし。
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湯はぬるめにして貰った。
「ぬるめですね」(Mさん)
「水は止めてね」
「笑」
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あまりの激暑に。
湯上りに禁断の昼ビールを。
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「珍しいわね。昼は飲まない人なのに」(ジャン妻)
「この暑さに自分が負けたのだ・・・」
ウエルカムデザートよりも、ウエルカムビール&ナトリウムが欲しいナ。
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部屋で作家気分の私です。
昔の著明作家、先生って言われる人は旅館に長期滞在して原稿書くでしょ。それは日常をシャットアウトして原稿書きに集中する為だよね。
リゾートで温泉に浸かって、Blogの原稿を書くのが夢だったのだ。そんなんすぐ実現できそうだけど。そういうことをしないと贅沢で退屈な時間が過ぎていくだけだしな。
傍らに置いてある写真3枚は、さらが宿になる前、Cafe時代のものです。Up済みの「さらの履歴書シリーズ」「山の上(赤沢)にいた頃」そして今回の取材、さらの前身であるCafe、それが何で宿になっただろうか。その原稿、下書きを打っているところ。
原稿を書き終えたら湯に入って昼寝。目覚めたら夕餉。いいですねぇ。たまには自分への褒美もあってもいいじゃないと誰も言ってくれないので自分で自分に言う私です。
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陽が傾いてもちっとも涼しくならないぞ。
結局は館内のエアコンに頼らざるを得ないのだ。
ビル群に囲まれた東京もヘンに暑いが、ここ伊豆も暑い。
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斜日を浴びる窓辺の人形も暑そうである。
この夏、いつまで続くんだろうね。
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デザートのせめぎ合い [さらの木]

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給湯が止まった。
部屋を出て下に下りる時は、空いたポットを私が持って、部屋の鍵はジャン妻が持つのですが、私は部屋を出る時に部屋の鍵を強奪した。
「あ、鍵!!」
「渡さない」
「返して!!」
「ヤダ」
同じ部屋なのに何を諍いしているのか。デザートが出される前に私だけ先に部屋に戻ろうと離脱作戦を敢行しようとしたのですよ。
私は年々甘いもの、酸味があるもの、柑橘系がますます苦手になってきている。もともと別腹もないし。酢の物やヨーグルトなんか超苦手。
(ヨーグルトが苦手な理由は酸味と別にもあるのですが。)
サラダ、スープ、パンとバター、プレート3種盛り、それらを片付けたらサッサと部屋に戻って寝そべりたい。デザート要らない人間なの。だから鍵を強奪したのです。
船山温泉のように鍵が2つあればいいんだけどな。
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サラダに鶏肉(ササミ)が載ってるぞ。
ホントMさんは肉が好きだな~。どっかの髭を生やした館長と一緒で肉食なんだな。宿の経営者は肉が好きな人が多いのかな。
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何のスープだっけ。蕪のポタージュだったかな。
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「手前の丸いのは餡パンです」
「餡パン?」
甘いもの、アンコが苦手な私に言ってくれたのだろうけど。
この餡パンとベーグルは家に持って帰った。おやつに食べたジャン妻は、
「餡パンは朝ごはんに合わないわよねぇ」
「アナタに対するウケ狙いかも」とも言ってましたよ。
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いつも朝に出される御殿場ソーセージは、私のたっての願いで昨夜のビールに合わせて出された。もう一組の方たちもそうだったのかな?
となると朝はベーコンかハムで・・・だったのだが。
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(-“-;)

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で、珈琲が出されて、食べたくもないデザートを待ってなきゃならない。苦手なものが出るのをわかっていてこうしてじーっと待ってるのってツラいよ。
この待ち時間と、苦手なデザートを省略してサッサと部屋に戻ろうとしたのだよ。だから鍵を強奪したの。そろそろ戻ろうと腰を上げかけたら、
「鍵返しなさい」
「ヤなこった」
「今席を立ったらアタシが恥かくし、Mさんを傷つけるでしょう」
ジャン妻に静かに猛反対された。
Mさんに失礼だというのである。
Mさんが哀しむというのである。
「そこに座ってなさい」と凄まれる始末である。
私は折れた。
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料理って何でも塩が必須、肝心要じゃないですか。私はいただいた料理の塩加減をドリンクで消した余韻が好きなんですよ。そこへデザートやフルーツを無理して押しこんだらその余韻が消えちゃう。別世界へいってしまう。
居酒屋のメニューにデザート、本日のアイスとか載ってるとゾッとするね。
甘いもの、デザート系は普段から避けてます。披露宴なんかでも女性にあげちゃいます。会社でも女性社員が差し入れの甘いお菓子を配ってるけど私のとこには持って来ようともしないです。
それは、要らねえ、俺がそんなん喰うと思うか、そういう心無い発言の積み重ねなんだけど。さらでもデザートを「後ろの(テーブルの)客にあげてくら」とやりかけて眦吊り上げたジャン妻に制止されたことがあります。
前夜の素晴らしいディナーの後でMさんが、
「デザートはお部屋にお持ちしますか?」
「要らねぇ」
これ、フテ腐ってるのでも意地悪言ってるのでも何でもないです。ホントに要らないから言ってるだけ。もったいないじゃないですか。
さら滞在中にデザートが3回出されます。ウエルカム、ディナーの後、そしてモーニングの最後に。いずれもジャン妻は私の分もひとりで食べてます。食べざるを得ない。
「さらに行くと2kg体重が増えてる」(ジャン妻)
そりゃ私のせいか。
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ジャン妻のデザート.jpg
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「ご主人にはフルーツだけにしました。お載せしたアイスクリームはそんなに甘くも酸っぱくもなくて・・・」
「・・・」
それでも私は固まった。目と目の間が険しくなったかもしれない。
「みかんなら平気でしょう。メロンだって湯神で出されるし」(ジャン妻)
「・・・」
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予約の難しい人気のこの宿で「デザート要らねぇ」派は私だけだろうけど。
さすがに会計の時にジャン妻は、
「この人(私のこと)ホントダメみたいなので、次回からは」
無しにしてくれって。でもそれでもMさんは食い下がる。何かかろうじていけるものはないかと。完璧主義なのかも知れないね。
「文明堂のカステラか何かでいいのよこの人は」(ジャン妻)
「ぶ、文明堂??」
「ああいう生クリームが載ってないものなら」
だがそれだと既製品になってしまう。
「マフィンとか、パンケーキなどは如何?」
「マフィンってMACで朝に売ってるあれか。ぱんけぇきぃ?ガムシロップとか載ってなければ。塩でも振っといてくれないかなぁ」
願わくば塩味のスナック菓子、煎餅なんかできないかな?
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「ベーコン焼き過ぎましたかね?」(Mさん)
「ちょっとね」(ジャン妻)
ちょっとどころじゃない。あれは肉の脂が全部落ちてパリパリになってた。御殿場ソーセージは包まれた中に肉の旨味と脂が詰められてるから「カリカリに焼いてね」だったのに。今朝のはベーコンの干物だった。ミイラ化してた。
「じ、次回、リベンジします」
次回ヨロシクです。明日はさらの原点に迫ります。それは山の上にある。
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Night Museum [さらの木]

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ドライヴの御守りプチ(プチペンギン)が相棒のヴィー(ToyotaVistaの景品)とふて寝をしているところ。
すっかりこの宿で認知された感があるが、例によってMさんに子供扱いされたのを怒ってる。
前回は「あらプチちゃん」
今回は「プチちゃん、ちゃんとお風呂入ってるの?」
それまで部屋の入り口側に背を向けて寝てたプチはムッとして起き上がった。テーブルの上でダンダン音をたてて撥ね飛んで怒りを露わにしたがMさんは動じない。
「風呂ぐらい入ってらい」(プチ)
そして二次会、夜食、寝酒、塩辛の残り、デザート類が並んだ隅に憮然とした表情でミニ仁王立ちのプチ。
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二次会スタート。これだけ載ったお盆をMさんひとりで1回で持って来る。
あの細腕で!!
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Mさんが出てったあともプチはオカンムリである。
「あの女将め」
「女将とは何ですっ。Mさんと言いなさいっ」(ジャン妻)
「いつもいつも子供扱いしやがって。風呂ぐらい自分で入れるワ」
度々述べるがプチ公は小さいだけで成人したオトナのペンギンなのです。子スズメではない。
「男子の面体を指で押しやがってからに」
「今夜もかまって貰ってよかったね」
「るせぇ。だから部屋に来たくなかったんだ。くるまの中にいりゃぁよかったんだ」とムズがるプチをムンズと掴んでポケットにねじ込み、部屋に持ち込んだのはジャン妻。
「いつまで寝酒とデザートを喰らってやがる。早く明日に備えて寝ろよっ」
「今寝たら朝早く起きちゃうでしょ」
かと言って私らは宿でTVを見る訳でもない。さら専用のBGMを流しながら飲み食いした後は横になるか寝そべっているだけです。
「先に寝てなさい」(ジャン妻)
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ホゥ、ホゥ、ホゥ・・・
梟の鳴き声が聞こえた。
さらを覆った夜の帳の向こう側、森の何処かにいるらしい。
おそらくその梟はMさんが遣わした宿と森の番人であろう。
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夜の御殿場ソーセージ [さらの木]

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さらの朝に出される御殿場ソーセージグリル。
表面パリパリで、中から肉汁がジュワッとにじみ出る。
家でジャン妻が作る炒めたシャウエッセンは焦げ目が付かない生焼けだらけ。
「家でもさらみたいに焦げめを付けてくれよ」
「ウチはフライパン、さらではオーブンで焼いてるのよっ」(ジャン妻)
で、この御殿場ソーセージ、夜にビールと合せたらいいな~とずーっと思ってた。
さらの前菜に加えて貰ったのだ。
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マスタードは酸味があるので避けて熱いソーセージにそのままかぶりつき、冷たいビールで喉を鳴らす、ビール飲み至福の瞬間である。これでサワークラフトがあれば本場のドイツですね。
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マグロ、アジ、サザエ(肝はジャン妻の腹中へ)カンパチ。そして鯛・・・。
白身の鯛だけ2枚なのは寂しいが、鯛の残り身はこの後で焼き物に出された。
「さらって刺身要ると思う?」
「あってもいいけど。アタシは別に盛り合わせでなくてもいいな」(ジャン妻)
「カルパッチョとか?サザエ早く喰えよ」
「サザエは日本酒がいいのよ」
最初に来た2011年頃に比べると、今は前菜も刺身もかなり豪華になっている。
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海老の香草焼き。アタマ、殻、尻尾も食べられますが無理しないように。歯が丈夫じゃない人は自己責任でお願いしますよ。
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鯛を使ったポワレ。何とかオリジナルソース。
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鯛は皮カリッ、身はアッサリ、そこをソースでカバーするのだが、やや酸味が強いソースだった。白身にはクリームソースの方が合うよ。
前はこの辺りでアヒージョとか、ブイヤベースとか、アブラまみれの魚介類が出されたが、私らも齢を重ねてそういうのがキツく重たくなってた。
飲む酒量も減った。数年前はビール、赤&白ワインフルボトル、そして寝酒に冷や酒、軽くいったのだが今はもうこれぐらいです。
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私らは由比蒲原にある神沢川酒造場「正雪」を飲んでいます。さらには二合入れる器は無いらしい。1合の器が2つ、あれ?3つ並んでいますね。
3つめはMさんがプラーベートで飲んでる何処かの大吟醸。それを少し分けてくれたのだが、感想を聞いたら、
「正雪に比べるとどうかしら」
飲んでみたら甘かった。
「甘いねこれ」
「そう。甘いんです。いつも飲まれてる正雪の方が美味しいかな」
そう言いながらもう一組のお客のテーブルへ歩み寄っていかれた。
「美味くない酒を俺らにススメるか普通」
聞えないように言ったつもりだがMさんはすぐ戻って来られて、
「あ、今の聞こえた?」
「き、聞こえました・・・」
Mさんは日本酒をいろいろ飲んでいるらしいがいつ飲むんだろ。客が寝静まった頃か休みの前の日か。
部屋でひとりブツブツいいながら手酌で飲っているのだろうか。
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床のタイルを引き剥がしてきた台に載せた和の肴の数々。焼き空豆、大好きな塩辛、タケノコと野菜の煮物、あ、私の嫌いなカボチャが入っている。
桜海老てんこ盛りの軍艦巻き、桜シウマイ。
「崎陽軒のシウマイじゃないっですよ」
割ってみた。
「あ、崎陽軒だ」
違います。全て手作りです。
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メインは肉肉です。ではステーキとローストビーフどちらを先にするか。
「ステーキが最初がいい。逆だと入らないかも」(ジャン妻)
という訳でステーキが先に出されたのですが、ステーキに添えられた野菜は・・・
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あ!!キャベツだ!!
「キャベツが出ないって仰るから・・・」
箸で摘まんでみる。ちょっとだけしかないぞ。まぁキャベツはキャベツでしかない。トンカツ屋や生姜焼のように山盛りで出されるわけじゃないし。
「キャベツは旅館ではあまり出ない食材だと思いますね」と言っていたのは船山温泉のT館長だが、Mさんも「前いた山の上(赤沢)の時代はキャベツの千切りがお肉の付け合わせでした。キャベツは本当に使わないですね。何となく定食屋さんぽくって使ってないのかもしれません」
「キャベツ高いからだろ」
「違いますっ」
「最近やっと値が落ち着いたから仕入れたんだな」
もう一組のお客に聞こえるように悪態を放った。
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このローストビーフの薄さ。何か技、極意があるのだろうか。よほどいい包丁を使ってるに違いない。
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ビールに合う料理。
白ワイン、赤ワインに合う料理。
日本酒に合う料理。
全て叶うのがさらの凄いところです。それらを殆どMさんひとりで。
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御殿場ソーセージにビール、ついにその念願が叶った。言ってみるもんだな~。
いつか船山でもジビエソーセージをグリルでお願いしてみよう。さすればビールの売上が上がるというもの。
では翌朝はソーセージでなく何が出されたのだろうか。(笑)
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さら~冬の朝 [さらの木]

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寒い朝、空気が澄んでいる。
さらの湯がベランダにあるのは斬新だが、Mさんいわく「目の前の森を眺めながらお風呂に入っていただきたかったのです」
でも素っ裸のまま身を乗りだすわけにいかないじゃないか。
要はそこしか場所が無かったからでしょう。
露天ともいえない。半露天です。この時期はシャワーから出る湯が外から吹き付ける寒風で水になってしまうのだ。水を浴びているようなもの。
戸を締めました。
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ジャン妻がポットを持ってドスドス階段を下りていくところ。
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深夜に生命が宿り、そこらの庭を駆け巡っていた妖精たちも、朝とともにもとの定位置に戻っている。
前夜と比べてみてください。微妙に位置が違うかもです。
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「このトマトスープ飽きてきたな」
「・・・」
この記事見たらMさんは眉をしかめるんじゃなかろか。私は「飽きた」ものと「あれとあれとあれは毎回必ず出してよ」が混在しているのです。自分でも勝手だと思うが、お客ってそういうものだろ。
「あれとあれとあれって?」(ジャン妻)
「サーモンのタタキ、塩辛、ローストビーフ、ステーキ、これから出るだろう御殿場ソー、リゾット・・・」
「Mさんは本当は変えたいんじゃないの」
「それは前に言ってた。基本は変えるんだって。船山のT館長は、希望を言って下さる方が助かりますとも言ってたけどね」
「あそこ(船山)は路線が決まっているからでしょうよ。あそこでしか獲れないものや、山のものに特化してるから」
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トマトソース、チーズと餅?が入ってる?
そのうち固まってくるので、スプーンでゴリゴリ削って口に運んだ。
洗うのもタイヘンそうだね。旦那さんが洗ってたりしてね。
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あ、食パンがある。小さいけど。
子供の頃は家で山崎食パンしか出なかった。学校給食でコッペパンを知り、バターロールなんぞを知ったのが中学生の頃ですよ。
戦後に米国がススメたパン食ですが、日本人って勤勉で努力家じゃないですか。自らパンを焼くようになり、それはパンを製造する企業だけではなくこうして個人でも作るようになった。
「その辺で買ってきてんじゃないんだね」
「またそんな失礼なことを。Mさんの手作りなのに」
「だって伊豆ってそこらにパン工房あるんだろ。そっから仕入れりゃいい。したら負担も軽くなるだろ。私みたいな客はそこらで買って出したってわかりゃしないさ」
「・・・」
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大好物のリゾット!!
これぐらいの量でもお腹にズシッときます。
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これまた大好物の御殿場ソーセージ!!
「家でもこれぐらいコンガリ焼いてよ」(私)
「Mさん、これってオーブンで焼いてるんですよね?」(ジャン妻)
「そうです。オーブン焼きです」
「だったらウチもオーブンで焼いてくれ。ウチのシャウエッセンなんか殆ど生焼けだぜ」
「!!!」
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デザートが出される前に、
「部屋の鍵貸してくれ」
「ダメっ」
「デザートいらねぇ。部屋に戻る」
「この宿のウリなんだから食べなさいっ」
「鍵」
「ダメっ」
ジャン妻は部屋の鍵を懐に隠してしまった。
御殿場ソーセージグリルとリゾットで満足感充実なのだが、苦手なデザートをいただくことで余韻が変わってしまうのだよ。
Mさんがお持ちしてからも、
「いらねぇ」
ジャン妻は眦を吊り上げた。Mさんは哀しそうな困ったような表情に。
「後ろのお客にあげちゃってよ」
この放言が後ろにいるもうひと組のお客に聞こえたかどうかはわからないよ。私は別腹が無いのだ。披露宴なんかでもデザートは余人にあげちゃうし。
ヨーグルトや生クリームなんぞが載っていたらタイヘン。
仕方がないので果物だけ少しいただいた。苦手なイチゴとかはジャン妻にあげちゃった。
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ディナーの最後の方でも述べましたが、この垣根の下の土に旦那さんが菜の花を植えていたのです。でもここで菜の花が成長しても、伸びたら垣根にぶつかってしまい曲がってしまいそうだが。
「ここしか植えるとこなかったんでしょ」(ジャン妻)
「菜の花は食材になるからいいんですけど・・・」(Mさん)
Mさんは菜の花を食材として見ているようだが。
「でも旦那さんは菜の花が咲いたのを見たいんじゃないかなぁ」(ジャン妻)
花を取るか、食材として葉と茎を取るか、どちらに軍配が挙がるだろうか。
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部屋を出る時にもうひと部屋のお客様と2階廊下でかちあったので、私らはチェックアウトをその方々に先にお譲りした。前日にその方々のくるまのナンバープレートを見たら遠国から来られていたからです。前にもお見かけしたことがある。
少しだけ間をおいて私らも下りたら、Mさんはその方々を外でお見送りのようで受付にいなかった。
私はジャン妻を受付に残して「先に荷物をくるまに置いてくら」と表に出た。
Mさんがその遠国からのお客をお見送りしていた。いつものように大きく手を振ってバイバイしている。
傍らに旦那さんはいない。Mさんはひとりで手を振っていた。
私も左腕に自分らのバッグを持っていたのだが、何だか右腕が自然に上がり、Mさんと一緒に見送りの手を大きく振った。
走り去る彼らのリアウインドに私も写っていたかどうかはわからない。
Mさんは私が背後で一緒に手を振っているのに気付かない。
その方のくるまが木々の向こうに去って見えなくなった。Mさんは背後に気配を感じたのか、振り向いたら。。。
目を見開いた。振り向いたそこには、旦那さんではなく私が手を振っていたからです。
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あらプチちゃん [さらの木]

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「撮るなっ」
ディナーをたらふく平らげたジャン妻が、重たい身体で大儀そうにズシズシ階段を上がっていくところ。
それを見送って夜景の写真を撮りに外に出たのですが。
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寒いなさすがに。酒が入って身体が温まっているとはいえ、5分もいらればいですね寒くて。
これは風呂に入って、軽く飲み直さなきゃだめだな。
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部屋で二次会前、普段はドライブの御守りでくるまのボード上に鎮座しているプチ(プチペンギンという商品名だった)とヴィー(貰ったカーディーラーがVistaだったのでヴィー)が寝ているところ。
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ヴィーは我関せずだが、プチはやや落ち着かない。
そろそろMさんが寝酒他を持って現れるからである。
「またあの女将にからかわれるのかよ。いつもいつも子供扱いしやがって。」
「だって子供でしょっ」(ジャン妻)
ノックの音がする。
Mさんが来た。
「きやがったな。」
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「これプチ、置きなさい」(ジャン妻)
「ヤダ」
「Mさんにご挨拶なさい」(ジャン妻)
「ヤナこった・・・」
と言いながらもムックリ起き上がった。
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「あらプチちゃん」
プチはムッとした。
子供扱いされたからである。
(実は成人したオトナなのだが。)
「プチちゃんだとぉ?」
プチはテーブルの上でダンダンダンと撥ねて怒りを露わにした。
「いつまでも子供扱いするんじゃねぇ」(プチ)
デザート、お握り、寝酒と紅茶をエーブルに置いたMさんは、指先でプチのアタマを押しつぶした。ムギュ~ッ!!
プチはスズメの丸焼きのように真っ赤になった。
「てめぇっ!!」
「何怒ってるのプチちゃん?」(Mさん)
「おのれ女将め。よくも子供扱いしやがったな」
「だって小さいモン」(ジャン妻)
「プチは小さいだけでとっくに元服も済んでやがんでぃっ」
「もうすっかりプチもこの宿公認のキャラになったわね」(ジャン妻)
プチは不本意そうな表情で夜食とデザートに向き直った。
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さらの敷地内には、室内にも外にもこういうキャラクターが多い。そこらじゅうにある。
プロが作ったものと、食堂の外、デッキにあるキャラはMさんのお母さんが作ったってホント?
私は伊豆高原にやたらと氾濫している人形たちはあまり好きじゃない。
宿にある人形もあまり見ない。目と目が合うとドキッとする。
さらに置いてある人形たちは、深更になるとナイトミュージアムのように動き出すそうですよ。夜な夜な徘徊しているか、踊っているそうです。
そして夜明けとともに(給湯が始まったら)もとの定位置に戻って動きを止めるのです。
だからMさんは、私らが持ち込んだ御守りプチにまでお友だちのように接するのでしょう。
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さらにキャベツが出ない理由 [さらの木]

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さらの湯は、ここから1km離れたどっかにある八幡野源泉から引っ張って沸かす湯なので、コアな温泉ファンはお湯には惹かれないかも知れない。
その弱点を補って余りあるのが素晴らしい手造りの料理でさ。フロム・ザ・スクラッチというそうですよ。
伊豆だから刺身盛りも出ますが。
「さらって刺身なくてもよくね?」
「アタシも別になくてもいいかな~って感じもするけど。やっぱりそういう場所(伊豆)だからMさんも出したいんじゃないの」(ジャン妻)
「前菜が出されると刺身が霞んじゃうんだよな」
「盛り合わせにしなくてもいいかもって思うね。前菜と混ぜるとか」
「カルパッチョとか」
「まぁね」
「カワハギが出ないのは何故だ?」
「今シーズン散々食べてたじゃないのっ」
Mさんは釣りもできると仰っていたが、カワハギとか釣らないのかな。
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さらのディナー真骨頂は前菜にアリ!!と私は思う。
殆どの常連さんそう思ってらっしゃるのではないかな。初めて来られたお客は度胆を抜かれるだろうし。大袈裟かな。
刺身も脇役になってしまうのだよ。
でも伊豆だからね。あったらあったでいいや。
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サザエのキモです。生では出さないみたい。
ジャン妻がこれ好きでしてね。身よりキモが好き。
私も生き胆を食べられたりして。
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ドーンと出たパエリア!!
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ライスが美味!!
エビはアタマ、尻尾、殻も食べられます。
でも私らは日頃パエリアなんて食べない。めんどくさいから。
「だけどめんどくせぇなこれ」
「・・・」
「エビは剥かなきゃならねぇし。貝は殻をこじ開けなきゃならねぇし」
「・・・」
「具(海老、貝)はいらねぇよ。ライスだけでいい」
パエリアでもカニでも剥く料理は無口になるものだが、ブツクサ言ってたらジャン妻が眦を吊り上げ、
「さっきから何言ってんの。海老や貝から旨味が出るんじゃないの」
中盤前でこれが出されるとお腹にズシーッときた。
「このライス、お握りで部屋に持ち帰れないかな」
「それは無理。アブラで握れないわよ」
熱々だから握ったら火傷するかも。次にイサキのポワレ・・・だったかな。白ワインにも酒にも合う。
前はブイヤベース、アヒージョ、そういうのもペロリだったのですが。年齢を重ねてこういうアッサリ系洋風焼き魚を好むようになりました。
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床のタイルを引きはがした台の上に、和食が盛ってこられる。
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大好きなMさん自家製の塩辛。
これは部屋に持ち込んで二次会のアテになるのだ。
ケーキなんかのデザートよりこういうのがいいです。
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「この後でマンボウの酢味噌和えが後から出されるのでは?」
「今日はないんですゴメンナサイ」
マンボウってバカな魚だからな~。さらで出ないってことはマンボウも賢くなったのかな。そしてここから肉肉に!!大好物のローストビーフ!!
「うっす~いねぇ」
「薄過ぎないかこれ?」
別にもっとブ厚いローストビーフを塊で喰いたいって言ってんじゃないよ。
「1枚ビロ~ンとなってるぞ。ひとくちで口ん中に入れろってか」
「ナイフで切りなさいよ。ここまで薄く切るのって難しいのよ。技が要るんだから」
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どっかの銘柄牛かわからないけど。ステーキ。
うしろの遠方から来られたお客さまにはキンメの煮付けがまるごと1匹ドーンと出ていましたね。2部屋、2組とはいえ、異なる料理をお出しするんだからタイヘンだ。
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食材の種類が多いさらですが、野菜、特に葉物は少ないですね。
タイトルにあるキャベツなんて絶対に出ない。見たことないモン。
さらでキャベツ食べた人っています?実はキャベツが出ない理由があって、前回の「さらの履歴書」シリーズ取材時に聞いたの。
-さらでキャベツや白菜が出ないのは何故でしょうかね。
「そうですね。キャベツは本当にないですねー。
ここ八幡野に来る前、赤沢の山上にあったペンション時代はキャベツの千切りがお肉の付け合わせでした。でも今はなんとなく・・・」
-なんとなく?なんです?
「定食屋さんぽくって使ってないのかもしれません」
キャベツの千切りはトンカツ屋か定食屋さんのイメージか。
「白菜は、白菜といかの蒸し物や朝のサラダで刻んで使うこともあります。」
白菜といかの蒸し物?朝にそんなサラダなんて見たことないぞ。
Mさんのいないところで私はジャン妻に「さらでキャベツが出ないのは、昨今葉野菜が高騰しているからだろ」と悪態をついていたのです。
でもお気づきの方もいると思いますが、前菜にミニキャベツがあった。
「珍しいな。キャベツがあるぞ。それもこ~んなちっちゃいのがさぁ」とあげつらうように、イヤミのように言ったらMさんが逆襲してきた。
「ちっちゃいキャベツって、大きいキャベツ1個分の栄養があるんですよ」
栄養学に疎い私はそう言われたけどアタマっから疑った。大きけりゃ大きいほど栄養分の含有量が多いんじゃないのって。
だがMさんが言われたのはホントです。これを見てください。
http://xn--n8j9do164a.net/archives/2111.html
でも葉野菜が少ないな。そうブーたれていたら、Mさんがまたしても逆襲に転じてきた。それがこれ。
「白菜が出ないっておっしゃるから・・・」(Mさん)
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白菜の芯をアジのタタキみたいに薄く切ってチョンと盛ってあるだけだぞ。
キャベツ、白菜以外にまだある。長ネギも絶対に出ない。春菊も出ない。ニラやホウレンソウも見た記憶がない。朝に出されるオムレツやキッシュに混じってるかも知れないがその程度であろ。
何故だろう。Mさんはネギや春菊が嫌いなのかな。
「やっぱり高いからだよ。だから仕入れられねーんだ」
私は買いものする主婦のようなことを言ってますが、ジャン妻はそれには応えず、
「香味野菜やハーブ野菜とか多いよね」
根野菜が多いな。私の苦手なカボチャの煮物とかあったぞ。要は普段家で食べてる普通の野菜より、日常の食卓と差別化した野菜が出される訳ですな。
さらでキャベツの千切りなんか出たら出たで興ざめするだけかも。トンカツ屋じゃないんだから。
さらで鍋なんか絶対に出ないのではないか。ブイヤベースやアヒージョを鍋と位置付けるかどうかわからないが、伊豆だから「キンメのしゃぶしゃぶ」でも特注する客がいたら、白菜やネギも添えられるだろうか。

そうういえばディナーの前、さらの旦那さんが垣根の下に菜の花を植えていた。そこで成長すると菜の花が伸びて垣根にぶつかって曲がってしまいそうだが、
「なの花は食材になるからいいんですけど・・・」
アタマの中でレシピを考案していたようです。サスガ!!
「旦那さんは菜の花が咲いたのを見たいんじゃないかなぁ」(ジャン妻)
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Mさんが日本酒に開眼しようとしている。
「森本酒造の炸裂というお酒を飲んだんですけど。すごく美味しくって」
強くアピールされるので、てっきり今から私たちにススメてくれるのかと思ったらさぁ。
「アタシ全部飲んじゃったんです」
「飲んじゃったぁ?」
「今から出してくれるんじゃないの?」(ジャン妻)
「すみませんアタシひとりで飲んじゃったんです」
「一升瓶だよね」
「ハイ、一升瓶で」
「え?Mさんてそんなに飲むの?軽く一升ってか?」
「え、一晩で飲んだんじゃないですよ」
そこで厨房に引っ込んだのは、これ以上話してたら突っ込まれてBlogのネタにされると警戒したに違いない。
「Mさんいつ日本酒なんか飲むんだ?」
「寝酒でしょう?」
「夜な夜な自室でナメナメ飲んでんのかな。妖怪か」
それには応えず、
「アタシたちにススメてくれるのかと思ったわよねぇ(笑)」
炸裂純米は菊川市の森本酒蔵です。後で調べてみたら静岡市の廃屋居酒屋「紀尾井」に置いてある小夜衣の蔵元だった。紀尾井の店主はあの辺りの国人衆の末裔だからね。
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これはMさんが厨房に入ってすぐの様子ですが、隙間が空いています。
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両の手にお皿を持って現れたり下げたりするから、両手が随時ふさがっています。
「足で扉を開けたり閉めたりしてるのを見たぞ」
「・・・」
眉をしかめるジャン妻だが、それって今に始まったころじゃなくて前からでしょうと言いたげである。
「意外と足クセが悪いよなぁ」
「仕方がないでしょ!!」
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Mさんに何て言うんだ? [さらの木]

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前回の「さらの履歴書」シリーズに続いて今年最初のさらです。日曜日の昼前に出て、地元を出る国道、新湘南バイパス茅ヶ崎海岸出口、西湘バイパスの早川~石橋出口、3箇所で渋滞した。
車中時間が長いので車内でいろいろ話した中では、
「まだ伊東が書いた稟議は通らないのかぁ??」
「まだみたい」
「何か不具合でもあるのか?まさか否決されるなんてこたぁないだろうな」
「それは無いと思うけど。伊東さんの稟議が通らないとアタシの後任の求人がかけられないってウチの部長が言ってた」
その稟議が回覧されることで、ジャン妻が今いる部署からいなくなることが公になるのだ。メール誤爆部長、私とソリ合わないオンナ、最近ナマになった後輩たち、日頃ジャン妻を便利屋扱いしている連中はジャン妻がいなくなるのを知ったらどんなカオするかね。
「そっちの部下の連中はまだ知らないんだろ?」
「まだ知らない」
否決される可能性も無きにもあらず??
「そうなったら当初の通りに動くしかないよね」
「まだ104、麦とろ、紀尾井には断りを入れていないからいいけどさ。で・・・」
ひと呼吸おいて、
「今日Mさんに何て説明するんだ?」
「う~ん・・・3年延期になりましたって言うしかないよね」
「3年ね」
「・・・」
「3年後に104、麦とろ、紀尾井、さらが存続している保証なんてないぞ」
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Mさんにあれからその後を説明しているジャン妻である。
私も大袈裟に言った。
「私まで会議室に呼ばれてさ。彼女はあっちこっちで修行する段取りをつけたと言った中で、伊豆高原のペンションでも修行するって話つけたんですけどって言ったんですけどねぇ」
これは大嘘です。Mさんには相談しただけ。
Mさんは感嘆していた。
「でもそこまで引き留められるって凄いですね。お仕事おできになるから・・・」
私じゃそこまで慰留されないかのように聞こえたのは何故だ?
「まぁこちらが思ってたよりも上のクラスに評価されてたということですよ」
と言いながら私は何だか釈然としない。前回ローズカフェでMさんに相談した手前、少し悪しざまに言った。「初志貫徹しない」「うそつきめ」「すぐ転ぶ」「あの決意表明はどうした」って。言い過ぎた感はある。
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Mさんがウエルカムを取りに厨房に下がった後、
「あれ?プチたちは?」(ジャン妻)
「くるまの中」
「何で持ってこないの?」
チェックインする時にドライブの御守りプチは、
「今日は部屋にはいらねぇ。ここ(くるま)にいる・・・って言い張るから置いてきた」
「連れてきなさい」
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ジャン妻が「連れてきなさい」と強硬に言い張るのでポケットに入れて持って来たら、ちょうどMさんがウエルカムデザートを持って部屋にインしたところだった。
「くるまの中に置いといたんですがね・・・」(私)
「あら、プチちゃんブーブ(くるま)の中にいたの?」
(ブーブだとぅ?)
プチはムッとした。
(こども扱いしやがってからに。)
プチは私のポケットから飛び出し、テーブル上でダンダン飛び跳ねて怒りを露わにしたがMさんには通じない。
この子らはぬぐるみというカテゴリではなくあくまでも御守りです。くるまのボード上に置いてから無事故なのだ。違反はありますけど。
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Mさんが下がった後、プチは憮然としたカオで横になってフテ寝している。
夜はチョコケーキになるそうだが。
「チョコレートケーキだとぉ」
「バレンタインだから」
「ああ、バレンタイン?」
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「甘いなぁこれ」
「これぐらいならまだ甘くない方よ」
「そういえば〇〇(ソリの合わないオンナ)が私に義理チョコならぬ義理塩煎餅をくれたな」
「塩だけの煎餅がなかなか無くってって言ってたわよ」
「探したのかアイツ?塩だけってあるよ。探し方が下手なだけだ」
私は塩しか喰わない。醬油も海苔巻いたのも、チーズやらヘンなものが添加してあるのもNGで、塩味しか喰わない。詰め合わせが回ってると「塩だけ全部くれ。他はいらねぇ」になる。
ソリの合わないオンナがくれたのは、ハッピーターンとかソフトサラダじゃなくて、しっかしした和菓子の煎餅だった。
「そうか。でもそれ探し廻ったのかアイツ」
「みたいだよ」
「そこまでせんでいい。お返ししなきゃならないじゃないか」
何を返せばいいのかわからない。ソリの合わないオンナの苦手なものって何だ?
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陽が西に傾くのが早い。
敷地内が日陰になって写真が撮り難い。
すぐ薄暮に包まれ、ディナーの時間が迫ってくる。
今日もし早く着いたら、Mさんが以前いた赤沢の山の上まで行ってみたかったんだけどさ。オチは予想できる。こんな山奥で暮らしてたのかって。
給湯が止まる前、5分前に下りた。
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もうすぐ10年 [さらの木]

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まっこと失礼ながら、私はさらで出されるパンとデザート類(ウエルカム)は既製品だと思っていた時期がある。それもかなり近年まで。
「Mさんの自家製よっ」(ジャン妻)
「そうなのか?何でわかる?」
「見ればわかるじゃない」
見てもわかんない。では聞いてみましょう。

-パン、デザートも自家製ですよね。
「そうです」
-いつ焼くんです?
「パンを焼く日は5時頃からセットして・・・」
ここで私は遮るかのように、
-えっ?5時から?Mさんて何時に起きてるの?
「5時半から朝ごはんの仕込みなんですよ~。」
-そりゃ早いな。
「パンは20分こねて1時間発酵させて焼くのは10分ですね。
いろんな種類のパンを作るので、休みの日に沢山作って半焼き状態で保存します。(土)(日)は朝からパンをたくさん焼いてます。
それと併せて朝ごはんの準備をします。」
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-私は御殿場ソーセージとリゾットが大好きなのですが、あのソーセージは何処で買えるのでしょうか。わざわざそれだけの為に御殿場まで行くのもね~。
「御殿場ソーセージという名前で近くのスーパーで売っています。あとは御殿場ソーセージではなく、やはり近くのスーパーで、米久のソーセージもよく使います。美味しいです。買っておきましょうね今度。」
御殿場ソーセージ以外にも朝から焼き鳥が出たことがあるし。やっぱりMさんは肉がお好きなんだな。
でも普通のハムエッグやベーコンエッグだと家と同じになっちゃうから、そこは意識して変えてるんだと思うな。
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-ウエルカムと食後のデザートは?
「デザートは1日おきくらいに作ってます。連泊の方、常連のお客様がいらっしゃるのでいろいろな種類が必要です。今日はパイ、明日はプリンと作っていきます。もちろん全部手作りです。」
-もしかして私の大苦手なあの拷問ヨーグルトも自家製なのですか?
「拷問・・・(笑笑笑)身体にいいのに・・・。あのヨーグルトの種は15年以上の強者です。自家製です。一日おきに作ってます。」
15年以上の強者とはどういう意味なのだろうか。私がノーサンキューですよ。

-だけど僅か2部屋とはいえ、夕食・朝食・デザート・パン、それもALL手作りとなると、やはり仕入と仕込みがタイヘンそうですね。
「お客様がチェックアウトされた10時過ぎから仕入、昼過ぎから仕込みですね。
休みの日や予約が無い日は一日中仕入れと仕込みです。遠方まで仕入れに行きます。普通往復40km以上はかかります。」
女性が一般道で往復40kmだと結構な距離だと思う。
「仕込みも休みの日は普段作れないソースやジャム、いろいろな料理の素を仕込みます。結構一日中やってます。気が付くと夜9時頃まで仕込みをしていたりするので、普段の日より働いてしまいます。」
いるんだよな~仕込みが好きな料理人って。
静岡市内の廃屋酒場の主人も「接客より仕込が好き」とか平気で言ったりするしな~。

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ここで食べるものと関係無い小質問を。
-2階のベランダが解放されている足元と、1階デッキ出入り口の足元に白い粉のようなものが撒かれていますが。あれは虫よけですかね。
「はい虫よけです。森が近いので毎日虫との戦いです。あれは食べてしまうといけないものですが、人体にふれてもまったく害のないもので、ペットが口にしても大丈夫の粉です」
前に森があるから虫との戦いか。虫以外にも蜘蛛とか。2階のデッキテラスを支える柱にクモの巣が張って、Mさんが庭に仁王立ちしながら、物凄い形相で見上げてたのを見たことがある。
「何してんです?」
「あ、ごめんなさい、このクモの巣をどうやって取ろうかなぁと思って」
敷地内や宿内に襲来する虫、蜘蛛には容赦ないらしい。私は蜘蛛は害虫を捕食するものと思っているので家の中に蜘蛛がいても全く気にしないが宿ではそうはいかないのだ。
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-ひと月に何回くらいお休みされているんですか?(ジャン妻)
「2017年から月に5回は休むようにしてます。殆ど会社員時代と同じくらいお休みいただいてます。忙しい時はその限りではありませんが。」
さらはクリスマスイブの辺りから正月の連休明けまで無休だったそうですが、ここへ来る前にいた赤沢のペンションでは8室をひとりで切り盛りしていたので、その頃はもっとキツかったらしいのだ。
現在も朝は早いが、中休みは必ず取るそうです。可能な限り必ず午睡をするか眠れらなくても横になるとか。
一度、寝過ごされたのか、チェックインしたら寝起きの表情で、髪ボサボサで出て来たことがあるからね。

-過去に今回のようなブシツケな質問されたことってあります?旅行会社、雑誌社の取材とか。
「ブシツケではないですよ~。こんな小さな宿に興味を持ってくださってありがたいです。
以前、じゃらんネットで宿大賞とかに選ばれたことはあります。取材が来ました。写真を撮って記事にしてました。でも最近はじゃらんのお客様が殆どいないので、そっちでの口コミもなくなりましたね。」
-民放の温泉番組に出ませんか?のようなお誘いは?
「一度ありましたがお断りしました。宿をやっている先輩たちに聞いたのですが、一度出ると何度も声がかかるのですが、その時だけ騒がれても常連様に迷惑がかかるとか。」
-まぁ2部屋ですからこれ以上ブレイクしようがないしね。
療養され、部屋が3部屋→2部屋になったことで、ひと段落したのかも知れない。
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今回の一連記事に挿入したインタビュー形式はMさんの了承を得ています。
Mさんは遠慮深いようでアピール上手で、こちらが聞きたいポイントを押さえて理解され、裏付けまで丁寧に回答して下さった。
オフレコの内容もオモシロかったんだけどね。

-あとどれくらい宿を続けられます?
「出来る限り続けたいです。ようやく10周年。でも10年ぐらいじゃこの業界じゃヒヨッコなんですよ」
-でもよう頑張りましたね。
「笑、そうですね。気が付いたらきてしまいました。
私のできることは何かしらと考えたとき、昔から大好きだったお料理と、お客様に喜んでもらいたいとう気持ち、そしてどこか自然の豊かなところに住みたいという夢がひとつの道につながったのかな~と思ってます。」
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何故2階ベランダに風呂があるのか? [さらの木]

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さらの風呂は2階の客室ベランダにある。
インタビュー続く。
-風呂を2階のテラス、ベランダに設置したのが斬新です。あれはMさんの発想?
「アイデアを私が箇条書きにして設計士に頼みました。あとは昔からの友人でもある設計士が形にしてくれました。」
-他に設置する場所もないですしね。大浴場なんか無理だし。
「それもあります。正直言いましてそこしか場所が無かったんです。それとカフェ時代に2階に住んでいたので、2階からの森の景色に見て、お客様にはこの景色を見ながらお風呂に入っていただきたいと思ってました。」

-2階テラスに配管や浴槽を設置するとなると、それ相応の強度が必要かと思いますが。
「温泉が満水の時、そして地震の時と全ての強度を計算しています。」
前は3部屋で丸湯が3つあったわけし。伊豆は地震多発地帯でもあるので揺れによりガタがくることもあるので、補強工事や修理工事の繰り返しになるという。

-温泉は何処から引いているのですか?
「八幡の源泉です。八幡野のウチからすぐ近く、1km以内に温泉タンクがあり、八幡野の別荘地の各家にパイプで供給しています。
-源泉は何℃くらいですか?
「源泉は60度くらい。冬は宿まで引いて来る間に供給される温度は40℃くらいに下がります。夏はすごく熱いです。
さらでは一旦タンクに入れて、また温めて適正温度にして客室に送ってます。ですから2度刻みくらいで温度調整が 可能です。」
-沸かす燃料は重油?軽油?
「灯油です。温泉の温度は高いですが、今言ったような理由で一定に保つためボイラーが必要なのです」

灯油か。船山温泉と同じだな。あの宿には小型のタンクローリーが出入りしていたが、さらもタンクローリーで運んでくるという。
-でもさらの裏方にタンクローリー入れないでしょ。私はMさんがGSまで出向いてポリタンクで購入するのかと。
「私がポリタンクで入れてたらそれは大変な量です(笑)。 業者が定期的にタンクローリーで入れに来ますよ。長~いホースで入れてます。」

八幡野一帯に温泉を引くパイプラインが通っていて、全ての別荘で使えるそうだが、使用するにはクリアしなくてはならない条件が幾つかある。あくまで仮定の話で聞いてみた。
-例えば私が八幡野温泉別荘地に家を建てたとして、温泉を引くにはどういう手続きが要るのでしょうか。
「温泉を引くには権利金を払って権利を別荘管理会社から買います。あとは温泉使用料と商標使用利用も。権利金以外に5年おきの更新料もあります。別途1年に2回の温泉管理費用もかかりますね。」
審査とかもあるのだろうな。毎日定住するのか、別荘だからある一定の決まった時だけ住むのか、そこで何かを営むのか、のように。

-私の中で、小さいけれど最大の謎がこれ。夕方18時に給湯が止まるでしょ。「夕食ですよ~下りてきてくださ~い」の合図のように。あれはMさんが手動で止めるのですか?
「そうです。すみません(笑)」
-あれ最初の頃「なかなかやるな~」って思ったの。あのアイデアは刻限が来ても下に下りてこないのに業を煮やしてわざとそうしたとか。
「燃料節約のためです(笑)ですが手動で止めるとお客様も気が付いて降りていらっしゃいますね。」
-まぁ確かに食事中は誰も使わないし。船山温泉も夕食の時間帯は掃除しているしね。では夜の24時に給湯が止まり、朝の4時頃かな?またチョボチョボ給湯がスタートするのもまさかMさんの手動ってことはないですよね?
「タイマー機能があります。お客様によって時間が変えられます。お客様によっては12時には止めてくださいと言われるし、注ぐ音で寝られないという方にも希望時間に応じて設定しています。
〇〇さん(私のこと)のように何もご希望が無ければ、お休み中の1時過ぎから4時ころまで止めさせていただいてます。」
(2018年1月25日追記 Mさんが以前いた赤沢の宿には、現在のさらの湯のモデルとなった?ま~るい露天風呂がある。それをパクったな?)

さらの湯は私が上がった際にジャバジャバ勢いよく注がれる。そのセンサや仕組みは船山温泉(静山の露天、渓流の露天、清水、二人静と同じような仕組みだと思います。

-余談ですが、船山温泉のT館長はさらの木をとても高くかっていますよ。うち(船山)とは路線が違うけど、あれだけの料理をひとりで生み出すのが凄いって言ってた。
あそこ(船山)は源泉が低いので、同じ沸かし湯なのも親近感があるみたいです。「さらの木さんも原油が値上がりすると厳しいと思いますね」とも言ってたな。
「船山温泉様の恐れ多いお言葉ちょっと恐縮です。でも確かに船山様の仰るとおり、原油と金目がこれ以上値上がると大変です。」
ただ、同じ沸かし湯でも船山とさらとでは事情が違う。船山は源泉が低い(17℃)からだが、さらの場合は源泉から引っ張ってくる距離が長いのと、季節によって温度が上下するので客室では一定の温度を保つためだという。
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森を眺める為に湯から出たら全身が曝け出してしまうことになる。湯船から木々や空を眺めるだけでも充分だが、惜しむらくは電線がジャマだな。
その森、稀に目の前の森からふくろうの声が聞こえたりする。
生き餌を好むふくろうがいるということは小動物もいる訳である。
-宿の敷地内に大型の動物が迷い込んだことってあります?鹿とか。
「敷地内にはリスぐらいでしょうか。前のペンションの時は、鹿や猪も来ました。可愛かったですね。」
リスは見たことがある。大室山から下りてくるそうである。

-何かこの宿で不思議な体験をされたとか、現象があれば教えてください。
例えばある常連客がお泊りになると何処からか必ず決まった動物が現れるとか。何かが起きるとか。こういう怪現象は山の宿、それも夜におきるそうですが。さらの木では無いかな。
「さらでは無いですね。怪現象は大好きなのですが。興味深いお客様はたくさんいらっしゃいますけど。私もお客様に取材したいくらいです。お話今度聞かせてくださいって。」
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フロムザスクラッチ [さらの木]

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-食材の種類がたいへん多いようですが。
「そうですね。それでいて家庭料理のような料理で食べる場所も小さいし。もしかすると皆様のご自宅よりずっと小さくて。自宅のほうがずっと大きいとよく言われますよ。笑」
-仕入が大変でしょう。何処まで行くのですか?
「本当にあちこち行きます。野菜は熱川、下田、伊東、大仁まで。魚は大体は伊東や地元の魚屋さん、河津、下田漁協まで。
お肉は伊東のスーパー、大仁の伊豆牛肉とか。それ以外に冷凍の海老などは冷凍食品の業者さんから仕入れます。
お刺身やサザエは近くの魚屋さんから仕入れて貰ってます。このお魚屋さんは小さいけれどとっても信頼のおけるお店です。種類は少ないですが新鮮さは間違いないです。」

-お料理は自己流と伺っていますが、修行したことないのですか?
「自己流なんです。本当に修行したい気持ちはあるのですが。
さらの料理はすべて手作りなのです。フロムザスクラッチといいます。材料から最初からすべて手作りで作ります。
自分が食べたいものを、安心できる材料を使って食べていただく方のことを考えながらメニューを作ります。
毎日のメニューブックもつけています。技術は拙いのですが、心を込めてすべて手作りということ。それがさらの 唯一の得意なことかな~と思っています」

ブレーンストーミングに続いて今度はフロムザスクラッチか。
Mさんて日本語より外国語の方が得意なんじゃないかな。

-ご自身で作られる料理で何が得意で自信がありますか?
「金目の煮付かしら。」
キンメか。意外なお答えだな。
「ブルーベリーポピーシードケーキかな。全ての出汁の基本になるハッポウダシかな。」
ブルーベリーポピーシードケーキ?
(ハッポウダシは何故かカタカナだった。)
「私のは薄目に仕上げていますから、最近のお客様のお好みに合うようですね。金目は10年間毎日煮てきました。金目の鮮度も産地もすぐにわかりますよ。
〇〇さん(私らのこと)は召し上がることがあまりないですけどね。」
キンメの煮付、まるまる一尾だとそれだけでお腹一杯になってしまうのだよ。飽きちゃうんだよね最後の方は。

-では中華はどうです?春巻以外の中華料理は出たことないような気がしますが苦手じゃないですよね。ホントは得意なんでしょ?
「家庭では中華は得意なほうでしたが、店を始めて中華を作る機会が減って、もうあまり上手ではないかしらと思ってます。
自分のために作る時間があまりないのですが、マーボー豆腐やチンジャオロース、八宝菜、チャーハン程度の家庭料理は作れます」
でもそういうのは他所でも食べれるしね。前菜に活かせるものを少量でお願いしたい気がする。次に突拍子もない質問をしてみた。
-手打ち蕎麦とかどうですか?
「蕎麦はまったくできません。ごめんなさい。」
そこまでやっちゃうと路線逸脱かな。

-いつの頃からか、時折お裏方(厨房)から女性の声が聞こえるようになりましたが。影のスタッフがおられるとか。
「毎日ではないのですが、近所にお住まいの女性に手伝って貰ってます。仕込み、盛り付け準備、皿洗いなどです。ほどほどに手伝ってもらってます。」
-そのスタッフも調理するとなると、今のMさんは料理を監督する立場になりますかね。
「監督ではなく一緒に仕込みをしたりしてます。手早い方なので助かってます。」
年配の女性?
洩れ聞こえる声を聞くと確かの年配の女性のようだが、私は1泊した翌朝、若い女性がのっそりダイニングに現れて、ボソボソッと「ありがとうございました」と言われたことがある。
あの女性は何者だろう?

-お酒はどっから仕入れてるの?
「伊豆高原の酒屋とインターネットで仕入れてます。〇〇さん(私のこと)がお飲みになる「正雪」は地元では入らないので、ネットで仕入れてます。」
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-今の私らには程よい量ですが、最初の頃から来ているお客さんも、今後は少食になっていくのでしょうね。
「そうなんです。私もあれも出したいこれも食べていただきたいと思っていつも料理が多くなりすぎて、結果お客様が多すぎると最近よく仰いますね。
私も少食の方なので。残すのは嫌なものです。そのお気持ちを考えて今後はもう少しメニューも考えていきたいですね。美味しいと仰っていただいても、あまり多いとね。」

Mさんが少食ぅ?
そうかなぁ。崎陽軒のシウマイをひとりで全部食べちゃったじゃないか。
私はMさんは肉食だと思ってます。動物性蛋白質が多いディナーだからね。
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さらの履歴書 [さらの木]

今から10数年前。
ひとりの女性が人生の転機に差し掛かり、今しかないと決断をされた。
「都会で日々会社の業務に追われ、休日に旅行に行っても帰りが哀しいの。そういう日々を、自分の置かれている環境を変えたいわ。」
日々会社業務に縛られて休日に楽しみを求めるよりも、その休日の楽しみそのものを自分自身で実践できないかと思ったのです。
休日の旅行は楽しいがそれには必ず終わりが来る。旅行前の日常に、現実に戻らなくてはならないのである。
だったらいっそ、その休日に訪れる世界へ飛び込み、そこで働けばいいのではないか。
「でも、自分に何ができるかしら。
自分の得意なものを活かして、働きながら喜びに浸れるものって?」

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ではさらのオーナーシェフ、Mさんにご登場いただきましょう。
「若い頃、ホテルの観光業(接待)に携わっていたことがあります。お客様に喜んでもらうことが本当に楽しかったのです。私はこれが向いているのかな~と」
-だったらそのままそのホテルで働いて業界にいれば良かったのにさ。
「でも、そのホテルって日本ではなく海外だったんですよ」
-へぇ、海外だったんだ。
何処の国かは伏せます。Mさんご本人の希望です。
それと、子供の頃から料理が好きだった。
「お料理は子供のころから好きでした。小学生の頃からピーチパイなど外国の香りのするものに憧れて作っていました。両親ともに働いていたので、子供のころから弟のお弁当も作っていましたね。他にあまり得意なことがない自分でしたが、料理は子供ながらに得意かな~と思っていました。」
Mさんは決断した。会社をお辞めになった。
そして海外も含めて自分の次の居場所を探した。いろいろ見て廻り、伊豆高原を選んだ。
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-さらってOPENして何年になります?そろそろ10年?
「2008年5月オープンですから、今年が10年目になりますね。」
-ここ(八幡野)以外にも候補地があったのですか?
「京都、那須、軽井沢も自分の中では候補でした。食材が豊富で暖かい土地を選びました」
-那須は冬は寒いかもね。でも伊豆高原には他にもた~くさんライバル、競合があるじゃないですか。
「八幡野はペンション激戦区ですが、それはそれで逆に励み、強みになると思ったのです。〇〇さん(私のこと)から見たら、伊豆ってどう見えます?」
-伊豆ねぇ。何処も同じかなぁ。
私は観光地としての視点で言った。
「伊豆のこちら側(相模湾)って、〇〇さん(私のこと)のような都会の方から見たら熱川も稲取も下田も伊東も八幡野も全部同じと思いがちですが、熱川から先は買い物も大変なのですよ。
雨が降ると交通規制があるし、土砂崩れもするし。最初はそれがわからずに、ここから反対側にある赤沢という地区の、山の上にいたのですが・・・」

赤沢はさらの最寄駅、伊豆高原駅から先の右手、山の上の別荘地です。

-赤沢ですか。前にご主人から、山から下りてここへ来たって聞いたことがありますが。
「ハイ。そこで3年ほど頑張りました。赤沢の山の上は人里から離れていいところでしたが、山を下りて日々の仕入れに行くのが大変だったのです。
夏は毎日満室で山から一歩も降りられず、仕入れを店に頼んで持って来て貰っていたのですが、やはり自分の目でその日の品物、魚とかを見ないと好きな料理が作れないのです。」
-赤沢の宿はどれくらいの規模だったのですか?
「8室でした。その頃はまだ若かったのもあって3年できましたが、終わりの頃には体力的に限界でしたね」
-で、山を下りたと。
「はい。赤沢の山を下りて八幡野に来ました。八幡野はいいところです。自然も豊かで利便性もあり、住んでいる人も都会から来た人ばかりなので干渉もないし。」

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-さらは以前喫茶店だったと聞き及びますが。
それも前にご主人から聞いた。現在、さらの庭に往時の駐車場の跡が残っている。
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「以前はビーンズという名前で、なんでも作るランチカフェをしてました。」
-ビーンズぅ?
「特になんの意味も込めなくてネーミングした店で・・・」
-流行ったのですか?
「それなりに常連さんも来てくれてましたが、宿よりも一人では出来ないことがたくさんありました。好きな料理を作ろうとしても仕入れの予算に限界があって妥協しなければいけないのです。例えばアップルパイ一つ作るのもよいりんごが高過ぎて提供できないのです。」
-それが何でカフェがお宿になっちゃったんですか?
「赤沢で宿をやっていた時に思ったのですが、お客様がお着きの時に少しお気に召さないところがあったとしても、せっかく来ていただいたのですから来てよかった~と思っていただけるよう必死に挽回の努力をさせていただくことで、お帰りには笑顔をいただけるときがよくありました・・・」
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Mさんが仰る「お気に目さないところ」「挽回の努力」の意味について私の想像で言わせていただきます。赤沢という場所は山にあるので、宿入りする際に道がわかり難いとか、狭くて細いとか、伊豆高原駅への送迎の不具合のことを仰っているのかと思う。
レストランと違って宿へ着いてしまえばそこでの滞在時間は長いから、最初は意に沿わないところがあっても、チェックアウトまでには他のもので挽回できたということではないか。
だがカフェやレストランだと、お客が口にするもの、食事、料理、味付けには合う合わないがあるし、限られた滞在時間の中では挽回するチャンスが少ないというのでしょうな。

「レストランでは拙い私の食事がお気に召さなかったとき、他の点で、まあこれでもよかったかな~と思っていただけるように持って行く(挽回する)のが難しいんです。
宿は少なくと12時間はありますから、その間にお風呂やお部屋 その他できうる限りのその方にあったサービスをさせていただくことで、トータルで満足をいただける可能性がありますからね。
やはり私のような者には宿のほうが合っているのかと気づくのに半年ほど時間がかかりましたが、すぐに決断してさらの木への転業に踏み切りました。」

(2018年1月25日、2月12日追記。さらのMさんが以前いた赤沢の宿は、赤沢別荘地のドン詰まり奥にあった。
ただでさえ赤沢別荘地は最寄駅から遠く、伊豆高原駅と伊豆大川駅の真ん中にあるといっていいぐらいの位置で標高差もある。カーナビにも表示されないそうである。
この宿は現在も現役だが、いつかMさんのご迷惑にならない範疇で触れたいと思います。)

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-さらって、ビーンズ時代から持ち家でしょう?借家じゃないですよね。
「持ち家です。ビーンズから新築で作りました。最初の時点では殆ど持ち出しで借金はなかったのですが、その後にほぼ全面改築してさらの木を作ったのです」
ということは最初に新築して宿に改装となると、最初から2度連続して工事をしているのか。結構な金額らしいな。3部屋→2部屋に改装してるし。
伊豆は地震が多く台風も来る。2017年も台風で「ゆずりは」のベランダ板がフッとんだそうです。
以前も割れて水漏が発生したことがあるそうで、今後も宿のメンテナンスを含めて補修、修理、改装の繰り返しになるという。
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-ではさらの木、このネーミングはどなたが?
「ネーミングは前のカフェレストラン時代に、お店のお客さんや家族でブレーンストーミングして決めました。」
ブレーンストーミング??
初めて聞いたな。要は結論を先に出さないで複数であーだこーだと意見を言い合うスタイルらしい。
自分で決めるより、第三者に委ねて決めるようなもの。
会議とも違う。先に結論ありきでもないらしい。
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-例えば、松の木、モミの木、じゃなくて、さら(紗羅)の木なのは何故です?
「私はコヨーテや小さな魔女という名前に憧れていたのですが・・・」
-コヨーテぇ?魔女ぉ?
「でもコヨーテや魔女だともうすぐ中年になって・・・もうなってますけど(笑)ホントに魔女やコヨーテになるよと言われました(笑)
-そうだね。もうなってるかもね(笑)いやいや冗談ですよ。
「笑、他にもミッシェルとか、さくら、とかが挙がって、その中にさらの木があったのです。さらの木って伊豆の多くの家庭で育てていますよ」
-へぇ。で、コヨーテや魔女でなくて、さらの木になった理由は何です?
「私は自分の趣味や信念、理念をお客様に押し付けるのが苦手でして。真っ白な、まっさらな、これから来てくださる お客様の色にしたい、いろんな虹色に染めていきたいと思っていました。そこでいちばんさらっとした、あまり押しつけがましくない名前にしたのです。ひらがなにしたのもそうです。
さらっとした、さらの木です(笑)」
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-玄関にあるパンフはまだ3部屋当時のものですね。
「そうなんですごめんなさい。たくさん作っちゃったので・・・」
-やはり3部屋と2部屋とでは負担が全然違いますか?
「全然違いますね。2部屋になってチェックイン時だけでもずいぶんと楽にはなりました。宿の女将としての役目を果たす時間がほとんどないのです。」
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-何処か他の旅館や料理店修行されたことは?
「いえ、修行したことはありません。旅館の修業は今後も行けないかもしれません。お料理の修業は将来少しお休みして、行きたいと思ってますが・・・」
-いやぁ、もう修行に行く必要ないんじゃない?今だってそれなりに女将さんしてるでしょ。
「いいえ、女将としてよりも仕込みに時間がかかるのです。なので3部屋ではおもてなしをさせていただく時間がほぼなくなってしまします。今でも足りていませんが、走り回らなくてもよくなりました。そして最近はとてもよく休ませていただいてます。」
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-宿を運営するにあたって、困った時にどなたか相談されるブレーンの方はいるのでしょうか?
「宿をやっていた先輩がいます。一般的なことは母が強い味方です。」
(旦那さんの名前は出ないのかな。)
-じゃぁ風邪ひいた時ってどうするんです?
「基本は私ひとりなので極力ひかないようにしてます。引いてしまったらマスクをしてお客様にウツらないよう気をつけて。後は風邪をひいてもひいていないつもりで普通に日々のお仕事をさせていただいてます。お腹が痛くても何があっても同じです。」
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3部屋が2部屋になって売上は減ったが、Mさんは営業するうえでの年間予算なんかを組んだことが無いらしいのだ。1年後の出来高だけらしい。
宿のシェフとしては成功者だが、
「経営者としては失格かもです。でも食べていければいいのです。結果は後から付いて来るし。いくら儲けたいと設定する商売ではなくてライフスタイルという形の仕事、生活だと思っています。」
発端はそれまでの都会での日常を変えたかったわけだからね。
また、こうも言われる。
「会社勤めをしていた頃は自分に自信を持てず、仕事より仕事以外のところに生き甲斐を求めていました。今はもちろん仕事以外の楽しみもありますが、仕事が人生の殆どになりそれを楽しんでいます。
拙い技術ですが、自分で考え、ものを作り提供し、そして皆様の大事なお金をいただき、ありがたいことにその対価以上にお客様によろこんでいただけることがあるということに、やりがいや自分の生きている意味を見つけられた気がしますね。」(続く。)
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