So-net無料ブログ作成
歯医者 ブログトップ

オヤシラズを抜く [歯医者]

私は左右上下にオヤシラズが完全に生えきっていてこれまで何ともなかったのだが、7月3連休前の(水)未明に、インプラントを入れた側の下の歯茎の激痛で目が覚めた。口を開けると口内の半分に激痛が走り、そっち側だけ喉も痛んで食事すらできなくなったのです。プラス発熱した。
風邪かと思って内科に行ったら、熱が下がっても顎から上の痛みが引かなかったら歯科の領域なのでそちらに行って診て貰いなさいという。
(金)にデンタルクリニックに行ったらインプラントに問題はなく、その奥のオヤシラズの歯茎が腫れて炎症を起こしていた。
原因は風邪じゃなかった。
オヤシラズを30年以上放置していたツケが今頃きたか。

で、インプラントを入れた馴染のデンタルクリニック(4月から3ヶ月ほどサボって行かなかった)に行ったら、歯茎が腫れてると麻酔が効かないので今すぐ抜く訳にはいかないと。腫れるのを待って抜きますと。
方針は固まったが、そのまま7月の要らない3連休に入ってしまった。
この3連休はツラかった。痛いばっかりで何もできない何も喰えない。ジャン実家で出された切ったスイカも食べられなかった。口が開かないのである。無理に開けると奥に激痛が走るから。
痛むのは、①オヤシラズの奥の歯茎、②そこから繋がっている喉、③そして歯茎の腫れのせいで上下のオヤシラズが頬の肉、口の中の内壁を噛んでしまうからです。①②③トリプルXの痛み。
固形物は全く食べられない。辛うじてスープは飲めます。
スープたち.jpg
口を開かないで摂取できる薄いものというと、普段はそんなに食べちゃダメよと止められているビスケット、ルヴァンが喰い放題になった。
ラバン1.jpg
ラバン2.jpg
薄いスライスチーズも何とか喰えます。
でも野菜、葉物、根野菜、全くダメだった。
うどん、そばなんかもダメ。箸が口の中の肉にぶつかるので痛むのです。
肉類や魚もダメだったが連休後半になってキーマカレー(挽肉と刻んだタマネギ、ピーマン、トマト)、これらは大口を開けないでスプーンで何とか入れられた。
冷奴もスプーンでOK。
液体のパンとも呼ばれる生ビールも大丈夫だけど喉に浸みた。
飲むサラダとか。
飲むサラダ.jpg
毎朝定番のMIXジュース。
朝の定番1.jpg
朝の定番2.jpg
他、下手に無理して食べようとしても痛むので全然楽しくないのだ。ジャン妻に八つ当たり気味になったよ。

次の予約は3連休明けの週末(金)、3連休(土)(日)(月祝)・・・(火)(水)(木)・・・長くて辛い連休だった。
処方された鎮痛剤(カロナール300mg)、抗生剤のジスロマックはすぐ飲み終わってしまった。ジスロは副作用で後になってお腹がユルくなるのです。
家にストックしてあった痛み止めを飲みまくった。ロキソプロフェンを1日にMAX5回、飲み過ぎてアタマが重く倦怠感に覆われた。
集中できないのでハンドルも握らなかった。
このまま流動食になるのかと悲嘆・・・そこまでしなかった。歯茎の腫れが引けばいいのだろうけど。

ダメもとで救いを求めた。デンタルクリニックのHPにメール予約ボタンがあり、そこに私の名前と患者ID、連絡先を明記して送信してみたのよ。
「腫れてる側のオヤシラズが口の中の内壁(腫れている?)を噛んでしまうので痛くて食事が取れない状況です。
腫れが引けば摂れるものなのでしょうか。次回は金曜ですが私はそれまで絶食??」
後半の文言は恨み言を述べたようなもの。これを送信したの。送信イコール確定ではなく、「このメール送信しだけでは予約確定になりません。こちらから返信があって確定になります」という船山温泉やさらの木と一緒のシステムだね。

どうせ院長はこの3連休はどっかで優雅なバカンス中だろうと思ったが、ところがどっこい意外に早くその日の夕方に返信が来たのですよ。
「連休明けの火曜にお出でください。オヤシラズ(片仮名ではなかったが)の歯肉を切開するか、噛み合う上の歯を削るか抜くかで、当たりは回避できます。お見えになれる時間を教えて頂けますか?」
すぐ返信した。
「昨日緊急で入る前は連休明け(火)午前中予約だったのです。受付嬢さんは、取り消さないで火曜日も残しておきますねと言っておられましたが。
出社すると捕まってしまうので開院早々に待合に待機しております。
眠りに落ちても噛んだ痛みで目覚めるので、今はリンスキンLを口の中に突っ込んで遮蔽しておりますが、奥まで届かないようです。
食べられない辛さ、痛さを痛感いたしました。この治療が済めば今より他人に優しくなれるかも。」

最後の行はホンネで言ったつもりだが、こうして書いていて、その時より他人に優しくなったかどうかはわからない。あまり変わんない気がするけど。
「連休明け(火)の朝イチで何とか対応します」と返信が来た。週明けは私みたいなフリーランス社員でも、朝礼、打ち合わせ、連絡会報告会があるのですが、それらは無視して出社拒否してデンタルクリニックに直行。
デンタルクリニックの入っているビルに入って、エレベーターに乗った途端にクリニックから着信があり、
「あ、〇〇さん(私のこと)の携帯でしょうか?」
受付嬢だった。
「院長から伺っております。今日お見えになりますよね。何時頃に・・・?」
「っていうか、今まさに・・・」
ここでエレベーターの自動ドアが開き、私と受付嬢は携帯を持ったまま鉢合わせするハメになった。
受付嬢はニコニコしてやがる。こっちは痛いんだぞ。満足に食事できてないんだぞ。どうも受付嬢は私がインプラント入れてからもメンテナンスに通ったものの、3月か4月からしばらくご無沙汰だったのを、「カモが戻ってきてくれた」とヨロコんでるフシがある。金づるか私は。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないですよ。この3連休ツラかったぜ」
「ですよね。お辛かったですよね」
受付嬢も先のメールの遣り取りは見てるんだよね。
待つことなくいつものアンニュイなねーさんの案内ですぐさま処置室に通されました。診察台に寝て口の中を簡単に覗きこまれ、「院長呼んできますからしばらくそのままお待ち・・・」
寝た状態で記念に撮ったのがこれ。
見上げる.jpg
院長が現れた。
「お世話になります」
「ああどうも。お辛かったようですね」
辛かったなんてもんじゃないよ。食べられないんだよ。食べようとすると激痛が走るからさ。
「では中を見させてください」
私は大口を開けようとするが、腫れてる側が痛くてあまり開かない。
「これを軽く噛んでください」
何やら布の塊の小さいのを噛ませられた。
院長は特殊部隊がするようなレンズを目に装着して私の口の中を覗き込んでいる。
「まだ腫れが引いていないので、腫れていない側の上のオヤシラズを抜きます」
だったら3連休前の前回に来た時にそうして欲しかったな。ここまで来たらもう任せるしかない。どちらかを抜くことで、頬の内側の肉を噛んでしまうことはなくなるという。
あれ?院長は何処かへ行ってしまったぞ。急患とはいえ私が割り込んだことで順番がズレたかな。あちこちの処置室をウロつき廻っているみたい。

白衣着た別の女性が現れた。私が初めて来院した時のねーさん、歯石を削ったガリガリガール。
まだいたんだ。しばらく見なかったので辞めたんかと思っていた。
「奥歯を抜いたことございますか?」
何を言ってんだ?忘れてんのか?
「昨年ここでインプラント入れたですよ」
ぶっきら棒に言ったがそれでも幾分弱気になっている私は、
「抜く時って痛む・・・の・・・か?」
ケースバイケース.jpg
港区の某デンタルクリニックのHPから拝借。
事前にジャン妻から、「オヤシラズは根が浅いから痛くないわよ」と言われている。ジャン妻がオヤシラズを抜いたのはまだうら若き20代の頃だという。その頃の花は何処へいっちゃったんだろうね。
私は一度抜いてるのにその時に痛かったかどうかを忘れている。確か痛まなかった筈。
「麻酔するから痛くはないと思います」
ああそうか麻酔ね。
その為の麻酔だからね。
「麻酔塗りますね」
軟膏のようなものを塗られた。でもそれだけじゃ効かない。院長が再度現れて、麻酔の注射2本、チクッ、チクッ。
(ウガァ~)
私は声に出ない声を上げた。
30何年付き合ってきたオヤシラズの1個を抜く瞬間がついにやってきた。切開しているらしい。麻酔が効いてるので痛みは無い。
前にインプラントを埋め込む前に奥歯を抜く時もそうだったが、技で抜くのではなく力で抜こうとしているようだ。まげて捩じってグイグイ引っ張られた。

このクリニック、院長の口から「終わりました」があまりないのだが。
「どうですか?」
あ、気が付いたらもう噛んでも痛くない。上を抜いたことで頬の内側の肉を噛まなくなったのである。これなら喰える喰える。
「噛めます噛めます。大丈夫そうです」
いつもは横柄だたりする私ですが、さすがに院長にアタマ下げましたよ。
傍らにいた助手のガリガリガールから処置後の注意書きの紙を渡された。それには、麻酔が切れるまで食事はダメ、抜いた側は歯磨き厳禁、うがいもなるべく避ける、固いものを食べない噛まない、食事で噛むのは反対側とか書いてあり、「本日は飲酒は避けてくださいね」
「飲酒・・・」
ビールぐらい飲むよ。
「何針縫ったの?」
「ひと針です」
そんなものなのかな。
金額は5000円超だった。保険が効いてこの金額ですよ。
まだ麻酔が効いているので自分の歯茎じゃないみたいである。痛み止めが少し出された。

左がガリガリガール。
処理済~ガリガリガール.jpg

その後で社に戻った。社では熱冷まシートを貼って作業してた。これが功を奏したか腫れなかったです。
だけど熱冷まシートなんぞを頬に貼って作業してたらいちいち誰何されるに決まっている。
「どうしたんですか?」
「オヤシラズを抜いたの」
「え?生えてるのですか?」
「そうだよ」
「若い頃抜かなかったんですか?」
若い頃だと?
「抜いた方がいいらしいね。私の場合誰もそういうこと言ってくれなっかったよ。もっと早く誰かが言えっつーの」
ジャン妻の部下の男性がジャン妻に「片側だけで噛むとヘンな噛みクセがついて・・・」
バランスが悪くなるという。だがそヤツ、その貴重なアドバイスを私に直接言ってこないでジャン妻に言うんです。私を避けてる。だけどそういうアドバイスをすることで間接的におもねっている。
そヤツは過去に私に怒鳴られたことがあって。何だったかな?そうだ私語が長かったんだった。「こっちの部署に来て仕事中に呑み会の話なんかすんじゃねぇ」だったと思います。
子供の頃に口腔外科で4本抜いたんだそうです。

また別の者が。
「どうしたんですか?奥さん(ジャン妻)に噛まれたんですか?」
「噛まれた?」
張られた、殴られたのならともかく。ジャン妻は毒蛇かっつーの。

それからしばらくは血がにじんだ。
朝起きたらシーツに血が付いてたりしましたね。寝涎でも垂らしたのか、それに血が混じってた。
血で滲んでポタッと落ちるのは仕方がないそうである。そばらくはそういうものなんだって。
3連休明けの(火)に処置して、血が完全に止まったのは(土)だった。
抜いた日の晩飯です。食事が摂れるようになりました。
その晩の夕食.jpg
ビールだけ飲みました。普通に食事が摂れる有難味を痛感したよ。

翌日の晩です。しっかり焼肉です。抜いてない側で噛みます。
更に日本酒少し飲んじゃってます。
焼肉.jpg
週末にはこの店に行ったし。
でも肉は避けました。魚介類だけ。
処理済~オヤシラズを抜いた週末.jpg

院長から連絡が来た。
「治療後の痛みは如何ですか?便りが無いのは大丈夫な証拠と思いましたが一応ご連絡させて頂きました」
丁寧なものである。
処置して1週間後に抜歯した。その日に下も抜くのかなぁと思ったらさにあらず。いつもの慣れた女性スタッフに、
「今日は下は抜かないの?」
「ハイ今日は抜きません。次回ですね」
口の中をジーッと見られた。抜いたオヤシラズの跡は当然奥歯の更に奥なので、身を乗り出して覗き込んでいる。この女性いつもそうなのですが、そのやり方だと彼女の胸が私の肩にブニュなんですよ。このクリニックの隠れたサービス??
今の時期は薄手だし。胸の谷間なんかモロ見えですよ。
ジャン妻上司さんもさしたる症状もないのに私と同じクリニックにきてはいろいろメンテナンスだけして貰い、目の保養とブニュを楽しんでるらしい。
「オヤヂ」(ジャン妻)
「・・・」
悪かったな。私だって木石ではない。
この日は抜糸だけだった。次回、下を抜きますって。
ところがその次回が8月末なんですよ。その間にまた腫れて痛みだしたらどーすんだろ。
抜糸の料金はワンコイン以下だった。どうも相変わらず歯科の支払い明細はよくわからないところがる。
処置室.jpg
ウチの会社、毎週(月)朝に朝礼があるのですが、3連休明けの(火)にオヤシラズを抜き、翌週明けの(月)に抜糸、いずれも週初めの朝イチなのですが、その次の週の(月)京浜東北線の遅延で遅刻してしまい、3週連続で朝礼に出ていない。
〇長に呼ばれて注意された。
「毎週月曜の朝礼にちゃんと出てください」
「・・・」
(-”-;)
コメント(2) 

アクシデンタル [歯医者]

おはようございます。
今日も続きになりそうです。ツマんないと思ったらトバしてください。
熱は下がりましたが、昨年インプラントを埋め込んだ側の歯茎が痛いのだ。
インプラントの歯茎と、それと前後した奥歯の歯茎、オヤシラズの歯茎までが痛むのです。
私はオヤシラズが左右上下4本生えているのですが、インプラント奥のオヤシラズの噛み合わせが悪くなり、口の中の皮、肉を噛んでるような。
その奥の喉も痛い。
激痛で口を大きく開けられない。無理に開けると顎元に激痛が走る。飲み込む時も。
固形物が喰えないのです。
欠伸しても痛む。痛くて鼻もかめない。
インプラントが原因か。オヤシラズが原因か。
ただ、インプラントと反対側の歯茎、顎、喉は全く平気なのです。

昨夜、ジャン妻が早く帰宅する前の夕方、痛みでヤキが廻り、「今度は歯茎が痛い。なんなんだろうこれ?」 ← この弱音を吐くようなメールをジャン妻に送信するつもりが宛先を誤り、このBlogに時折登場する私と普段からソリの合わないオンナに送信してしまい大慌て。
ジャン妻と私とソリの合わないオンナはイニシャルの先頭文字が同じなので会社携帯では前後して並んでるのです。過去にそんな間違いメールしたことないのだが、私は相手崎を誤って嫌いなオンナにメール送信したのに全く気付かず、そのオンナから「明日大丈夫ですか?無理しないでくださいね」・・・真面目な返信が来るまで全く気付かなかった。
あ、しまったと思い、慌てて訂正メール送った。
弱音を曝け出して恥ずかしいったらありゃしない。
このミスをジャン妻に説明した。
「間違ってアイツに送信してしまったよ」
「ま、甘えちゃってクスッ」
そういうつもりはない。ミスだよ。

「今夜は冷やしうどん?冷やし中華は無理なんでしょうね」
「冷やし中華でもいいけどね」
「きゅうりが食べにくいでしょう?」
「細く切れば大丈夫かも」
結局うどんになったけど、そのままだと口を開いた時に痛くてうどんをすすれないので細かく切って貰ったが、痛くて全部は食べ切れなかった。
今はこうして書いてますが、昨夜は痛くて痛くて写真撮る気力もなかったですね。口を開くのが痛い、噛むのが痛い、飲み込むのも痛いでさ。
「痛々しいわねぇ(><)」
しばらくスープ系かお粥系しか食べられないさそう。食べる痛み、食べられない辛さ、こういうのは初めてですね。
カロリー不足を日本酒で補おうとしたが出してくれなかった。歯茎をアルコール消毒はダメなのか。
「しかし困ったな。こんな状態がいつまで続くんだろ・・・ってまだ一昨日からだけど。取材ができやしない」
「しゅざいぃぃぃ(@□@;)」

一昨日と昨日と今日、アポを数件キャンセルしました。幾ら自由人の私でも、このままだと業務に支障が出るし、何しろ飲食ができないのがツラいので、昨日の内科さんの言っていた、「顎から上は歯科の領域だから、痛み腫れが続くようならそちらも診て貰いなさい」・・・
細かいことに気付いたのですが、内科ドクターは歯科の領域と言っている。
歯科医、とは言っていない。ウチらは医者、歯科は医者ではない。歯科の領域は医療とは別世界のように表現、言い切っていた。実際、歯茎の辺りは全く診てくれなかったのだ。

デンタルクリニックに駆け込むしかないのだが、今週は(土)(日)(月祝)今日金曜にデンタルクリニックに滑り込めるかどうか。
私が通ってるデンタルクリニックはOffice街にあって完全予約制なので、昨夜のうちに、「インプラントを埋め込んだ側の歯茎が痛む、オヤシラズの噛み合わせが悪い、口が開かない、食事が摂取できない、完全予約制なのは存じ上げてるが、早い時間帯に滑り込めないですか?」とメール予約の備考欄に入力、留守電メッセージも入れておいた。
「インプラント側って入れといたから、相手も慌てると思うよ」(ジャン妻)
船山温泉やさらの木と一緒で、予約メールを送信しただけでは確定にならない。返信があって確定、成立になるそうです。
このデンタルクリニックはジャン妻から紹介してもらったのですが、ジャン妻本人はhttp://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2016-09-06以来、含むところのあるので通うの止めちゃったみたい。アタシが付き添って朝イチバンで電話するか、乗り込むワと息巻いていた。
付け刃.jpg
昨日飲んだ痛み止めはTotal5錠で、添付文書にある1日の許容範囲ギリギリ。
過去にこんなに痛み止めを呑んだ・・・飲んだことないです。そして顎から頬にかけて冷えピタを貼って寝てました。
早く寝たので未明に起きてしまい、今も頬に冷えピタ貼って薬で痛みを散らしてPCに向かってます。痛み止め効果は切れてるのでズキズキ痛む。
あ、デンタルクリニックの院長から深更にメールが来てた。朝イチで何とか対応するって。
ジャン妻が言う「相手も慌てると思うよ・・・」・・・別に慌てさせないでも一定の効果はあったようである。
しばらく行かなかったので、金ヅルが戻って来たとほくそ笑んだに違いない。
朝イチ?
9時30分か。
一旦、出社するか?いや、社にカオ出そうものなら打ち合わせやら何やらで捕まる可能性がある。出社しないで9:30前にデンタルクリニックに直行することにした。

院長からのメールにはこうあった。
「初めまして〇〇様。お辛いでしょう。朝9時半~何とか対応致しますのですぐお出でください」
初めまして?
何回も面識はあるぞ。だってアナタにインプラント埋め込んで貰ったんだモン。
「無理言ってすみません。朝いちで伺います。でも先生、私、先生にインプラント埋め込んで貰ったんだけど」と返信した。あとになって「出先なので新患かと思いました。失礼いたしました」と返ってきたけどね。
朝9時20分にジャン妻とクリニックのビルで待ち合わせたの。2人でエレベーターに乗ろうとしたら携帯が鳴って、出たらクリニックの受付嬢からだった。
「今エレベーターに乗ったとこですよ」
「えっ?・・・ハイ?・・・」
「もうすぐドアが開きます」
私は携帯を耳に当てたままエレベーターから出てクリニックに入った。受付嬢も受話器を耳に当ててお互い鉢合わせ。
「昨夜遅く院長からメールいただきましたよ」
昨夜、メールに打った状況を受付に説明するハメになった。
「9時半になったらご案内いたします」
受付嬢は私らを見て「金づるが戻って来た」と満面の笑みである。
しばし待合で待った。
「これを機会にアナタもまた診て貰ったら?」
そういう気はないらしい。財布の中をゴソゴソ見ながら、
「幾らかかるかわからないわよ。アナタ金持ってるの?貸そうか?」
確かに幾らかかるかわからない。ジャン妻がこのデンタルクリニックをやや不信に思ってるのは、前述の過去記事でもそうだが、歯科って保険が効く効かないの境目がいまいち不明瞭で、出来高をバンと請求されてもすぐ支払えるかどうかわからないじゃないかと。そういう事前説明が全くないという理由らしい。
見知った女性が私を案内にきた。
「じゃぁ終わったら連絡くれる?」と言い置いてジャン妻は会社に向かった。
処理済~受付2.jpg
私を診察室に案内したのは過去に私の歯をいじくりまわしたアンニュイな女性衛生士ねーさんだった。夏なのでユニフォームの下は下着、黒か紺のブラ・・・キャミが見えてるんですよ。胸元の谷間もクッキリと。
このクリニックの女性たちは受付嬢も衛生士も技工士もALL美女揃いだが、悪い意味ではなく院長の趣味だと思う。だけど薄着過ぎやしないか。そういうものなのか。
「久しぶりだよ」
「そうですね。ご無沙汰しちゃって」
今の状態を説明した。発熱、風邪かと思って内科へ、熱は下がったがインプラント側の歯茎が痛む、顎と喉が痛くて口を開けられない、食事ができない、困ったもんだと。
「お口開けてください」
痛むのを我慢しながら大口を開けた。
彼女は私の右に立って斜めに屈んで口中を除いている。奥を覗こうとすればするほど前屈みになるので胸元が見えるし、しまいに彼女の身体が私の上にのしかかるようになって、身体の一部がブニュって触れた。この辺りがこのクリニックにオヤジ患者が多い理由ではないか。ジャン妻の上司さんなんかもたいした症状ないのに定期的に来院してるそうで「ちょっと歯医者いってくる」「また美人に会いに行くんでしょうこのエロオヤジ」のようにつっこまれておった。
私?私だって木石ではないよ。
そのうち彼女は何か棒?金具?のようなものを取り出し、
「痛かったら言ってください」
金具で歯茎をツン、ツン、ツン・・・。
インプラントの歯茎は痛まないのがわかった。そしてそのツンツン金具はインプラントの先、オヤシラズの方へ、
ツン・・・ツン・・・ズキーン!!
「ガァ!!」
私は奇声を上げた。激痛が走ったのです。
「痛みますか?」
「脳天突き抜けた」
「院長呼んできますからお待ちください」
もしかして。。。オヤシラズか???

インプラントが無かった頃の個人歯科医の治療は、虫歯を抜く、削る、被せる、入れ歯、なので、院長自ら診るので時間がかかったが、ここでは院長は滅多に現れない。
Office街にあるので患者数が多く、患者層はサラリーマンか壮年期の男女が多くて、子供は見たことない。
診察室が幾つかあって、院長が廊下を歩きまわっている姿が曇りガラス越しに垣間見える。あちこち廻って診るべき人だけ診ているのである。
私にも最初から院長は現れない。治療方針を決める時や治療そのものの時にしか現れない。メンテナンスは歯科技工士さんで対応できるので、院長自らは現れないのである。
女性の衛生士さん、技工士さん、受付嬢他スタッフは船山温泉のようにインカムを装着しているので、指示、依頼、問い合わせはその通信で行われる。
院長呼んできますからお待ちくださいと言われたが、「院長ぉ、ちょっと来てくださぁい」みたいに絶叫調で呼ぶのではなく、「院長何番お願いします」・・・小声で呟いていた。

現れた院長に今の状態を説明するハメになった。発熱、風邪かと思って内科へ行きました、熱は下がったがインプラント側の歯茎が痛むと、顎と喉が痛くて口を開けられない、食事ができない・・・。
同じことを何回説明せにゃならんのだろ。電話、メール、受付、衛生士、院長。こっちは痛くて上手く喋るのさえ苦痛なんだぜ。
そのクセ私はいつも以上に饒舌になり、顎から下の喉が診てくれたが、顎から上は歯科の領域だから診てくれなかった、とも言ったね。
「ではレントゲンとCTを撮ってみましょう」
私はズルッとコケそうになった。最初っからそうすりゃいいと思ったのである。
レントゲン室に案内された。初めてじゃない。3回め。
鉛が入ったチョッキを着せられた。
「防弾チョッキか・・・」
「(笑)重いですよね」
この防弾チョッキ?これは前部分しかなく、マシンに座った状態で女性の衛生士さんが着せてくれるのだが、その着せ方が男心をソソルもので・・・、
「両腕を前に上げて出してください」
相手も防弾チョッキを持ち上げて両手を伸ばす。相手が両腕を伸ばして着せてくれる。自然、お互い今にもハグし合うカッコになるのである。ホントに引き寄せたらタイヘン。セクハラになる。
防弾チョッキを脱がす時も互いが両腕を伸ばすので、ハグしないまでもそれが2回バーチャル体感できるというもの。
私はマシンの座席に座っているので、着せる、脱がす、その際に相手の胸の谷間がモロ私の目の前に。
これらのネタをジャン妻に話したら白い目で見られたが、Office街とはいえこれも壮年期の男性患者層が多い要因ではないだろうか。
オヤジの妄想はさておき、レントゲンとCT撮ったら今日の診療費がハネ上がるなと思った。

ここから先は閲覧注意。
初公開.jpg
これが私の歯です。数えたわけじゃないが、オヤシラズが左右上下4本生えきっているので、常人より4本多い筈です。原始人といっていい。
60万円したインプラントが煌々と光っていますね。
院長が言うには、
「○○さん(私のこと)の場合オヤシラズが生えきっています。そこの根っこの部分(写真を指して)、ここですね。ここが化膿しているののとオヤシラズの奥も腫れているのでおそらく・・・」
炎症が治まるのを待って、切開、抜く、んだって。
「今日は抜かないんで?」
「今は腫れてるから麻酔が効かないです。腫れが治まってからですね」
麻酔が効かないで抜いたらさぞ痛そうだな。
「下を抜いたら上のオヤシラズも抜かなきゃいかんのですかな」
この質問には「ハイそうです」という明確な答えはいただけなかった。上下どちらかを抜くと残った側が伸びて抜いた跡の歯茎を傷めるので、おそらく後日、抜くことになる・・・らしい。
ってことは時間をかけて左右上下4本のオヤシラズを全部抜くことになるのだろうか。
院長も衛生士の女性も内心では「金づる金づる」とほくそ笑んですのではないか?

発熱の原因もオヤシラズらしい。ってことは「じゃぁ内科に行く必要無かったのか・・・」と損したかのように呟いたら、院長は「そうですねぇ」と少しだけ笑い「炎症を抑える抗生剤、強めのをお出しします」といふ。
その薬を見せられた。ジスロマック錠250mg。。。
ジスロマックだと?
成人用SRドライシロップを飲んだことがある。あれは副作用で下痢するんです。抗生剤はそういう傾向があるが、私も成人用ジスロマックSRドライシロップとフロモックス(ピンク色の錠剤)で下痢したことがある。痛みは無かったけど突然モヨオすんですよ。緩下剤のように。

「普段お飲みになってるお薬はありますか?飲み合わせをチェックしますので」
飲み合わせとは、薬を複数服用することによる相互作用、禁忌のチェックのこと。私はかかりつけのエロ女医のとこで3種処方されています。これらの調べに意外と時間がかかった。10分くらい待たされましたね。
そんなんウチの社員に聞きゃぁすぐわかるのに。
結果、飲み合わせOKだったのだが、内科で貰った薬の服用はSTOPさせられた。確かにメイアクト錠はガタイが大きければ子供でも飲む薬だからね。
インプラントを埋め込んだ辺りの歯茎は問題なく、話出なかった。
薬.jpg
これがその薬。
ジスロマックは1日1回2錠服用だが、3日分しかない。今日の金曜今から服用するとして、(土)、(日)で飲み切ってしまう。
頓服のカロナールも5回分しかない。これで治まるものだろうか。

風邪なら休むがオヤシラズで休む訳にいかない。その足で出社した。外勤は全部キャンセルして、定時で内勤だけしてた。
先に戻っていたジャン妻が「お会計幾らした?」
「それがさ・・・」
私は左手の掌を出した。

熱冷まシートを頬に貼って業務に勤しんでたら、訝しげに見るヤツ、視線を逸らすというか見なかったフリをするヤツ、何事かと聞いてくるヤツにはいちいち説明するのがめんどい。
「オヤシラズですか?」
「まだ抜いた訳じゃねぇ」
騒ぐなっつーの。
普段、私をコワゴワしてる子には「私に日頃の復讐するなら今日だぞ」
弱音を吐いたメール、「今度は歯茎が痛い。なんなんだろうこれ?」これを宛先間違えて送信してしまったソリの合わないオンナは、
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃねぇけど。風邪ならともかくオヤシラズじゃぁ休めねぇさ」
「無理しないでくださいね」
いつになく優しい声音であった。
「ああ、そうそう。昨日間違ってあんなメールしちまって・・・恰好悪いったらありゃしねぇ・・・」
「い・い・ん・で・す・よ・・・(笑)」
予定キャンセル先にも数ヶ所電話を入れて事情を話したら、「オヤシラズゥ??」
呆れるか笑われるかであった。殆どが「まだ抜いてなかったんですか?」って言われた。「自分は成人前に抜きましたよ」とも。
だったら成人前に言えよ。そんなの知らねぇし。
ディナー1.jpg
ディナー4.jpg
昨夜のディナーです。
口を開けられない、噛めないのです。ツラいです。今朝も同じようなものです。
まだ加筆するかもですが、それはそれとして、今日の記事をUpしなきゃ。
しばらくグルメ取材はお預け。この3連休は安静にしてます。
コメント(0) 

歯科医に通う理由? [歯医者]

マスコット.jpg
2015年に37年振りにデナルクリニック(歯医者)にかかり、60万円のインプラントを埋め込んでから1年経った。
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07
今でも1ヶ月に1度、メンテナンスの為に通院していますが。
インプラントそのもののメンテナンスは殆どしていない!!
クリニックはインプラントでGETした患者(私のこと)を他所へ逃がすものかと、上から下からオヤシラズから、全部の歯をジロジロとチェックしています。

歯垢、歯石を取る、これは行くと必ず定期的にやってくれる。散水しながら超音波を発してキューキュー磨くのが嫌い。爪でガラスを引っ掻いたような悪寒がする。
歯茎に何かを塗り込んだりもする。衛生士のねーさんが言うには、「こちらの歯が下がってます。歯茎に〇〇〇を塗ってもよろしいですか?」
「いいけど」
何だかセメダインのような、ボンドのようなものを塗られた。
何を塗ったのかわからんがこれだけでも治療費がハネ上がるわけですよ。ところが半年後に、
「前に塗ったのが剥がれ落ちたようなので再度塗ってもいいですか?」
「いいけど。前に塗ったのが剥がれた?」
「ハイ。落ちてしまったようです」
「それって自分の磨き方が荒いのかな?」
「普通は落ちないものなんですが・・・」
セメダイン?ボンドをまた塗られた。
他にも奥歯とオヤシラズの隙間とか、インプラントと全然関係ない箇所を突っつくようにケアしている。これが1年続いた。これって1ヶ月に一度来なきゃいけないものなのかな?必要なのかな?と思ったりする。
私の上着.jpg
診察台.jpg
ゆすぐコップ.jpg
私の歯.jpg
無機質な診察室内.jpg
そしたら昨年の暮れに、
「CTで撮影してから1年経ったので、新たに撮影してもよろしいですか?」
「いいけど」
いいけどいいけどと安易に頷く私もどうかと思いますが、このCT撮影も検査の点数が加算されるのでバカにならない金額になる。会計時に、あ、随分かかったなと思わせることが度々あった。
でも会計時に、「次回はいついつがよろしいですか?」
必ず次回の予約をさせられるのです。是が非でも離そうとしないのだ。

60万円インプラントのデンタルクリニックはジャン妻の紹介でご縁ができた。他にも通ってる人がいて評判がいいという。
そこで謳うキャッチコピーは、
『インプラント手術1000人以上の実績があり、満足度が高く、他院で断られたインプラントも当クリニックでは治療可能です。
寝てる間に終わります。痛みは感じません。』
確かにそうだった。麻酔医まで付けたからね。
評判がいい理由に受付嬢や歯科技工士さんや衛生士さんたち、スタッフが若くて美人揃いだというのがある。
私は自分がいる会社も女性社員数が多いので、見た目がどうこうはあまり気にならないのだが。
1年以上通ったので私も顔馴染になり、馴れ馴れしくない地度に軽口を利くようになった。
同じような業界人同士なのもバレた。
「〇〇さん(私のこと)って、私たちと同じ業界の方だったんですね」
「そう。こう見えても固い職場なんです。うん?これまでは何してる人に見えたんです?」
「ふふふっ(笑)」
応えてくれなかった。
1年通ってたら中で働いている人も変わったりした。私もいつも同じ女性、衛生士さんだったのだが最近は別の子に変わった。お辞めになったのかも。
「〇〇さん(私のこと)ちゃんと毎日磨いてますかっ?」・・・切り込み口調で言う生意気なオンナもいつの間にか見なくなった。やはり待遇面でいいところへ移るんだろうか。

だが、私にクリニックに紹介、斡旋したジャン妻はここ半年ほどそこへ足が向かなくなった。
「そういえばクリニックからアタシの携帯に電話があったんだよね」(ジャン妻)
「電話が?」
ジャン妻は一度キャンセルして再予約していないらしい。
「あれから行ってないのよ」
あれから?とはこれです。
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2016-09-06
私の前歯は二列に重なっている美しくない箇所があり、その間には歯ブラシが入り難い。そこに黒っぽい歯垢がついてるので取り除こうとしたら出血してしまい、しばらくお顔を見なかった院長が急遽現れて2針縫ったのです。歯茎に塗る麻酔だったのが、注射器でブスッと指す局部麻酔に変わった。
もちろん出血した。ありゃぁ処置をミスったんじゃないかなぁと今でも思ってる。ロキソニンとバナン(抗生剤)まで渡されたからね。
事前にそういうリスク説明がなく、3割負担とはいえブッとんだ金額を会計時にアタリマエのように請求されたので、私もジャン妻もこの時は不信感が募った。
それ以来ジャン妻は現在まで行ってない。私の「突然2針縫いました」事件で不信だって。事前説明もないのにそんなの請求されたってハイわかりましたと払える金額じゃないというのである。私はクレジットカードを持っていないしね。
「地元で歯医者見つけたからって言おうかな」
「私が(受付嬢から)聞かれたら何て言えばいい?」
「聞かれないよ」
もさすがに受付嬢から、「奥さま最近見えられてないのですが・・・」、旦那さんからひとことおススメして下さいとは言われていないね。

そしたら昨年12月、クリニックからジャン妻宛に一枚のハガキが届いた。
裏面にこうあった。
『Smile
笑顔のあなたがいちばん素敵
あなたの大切な歯を守るために
定期的な健診をおすすめします』
そして表面には・・・
『治療を終えられてからだいぶ経ちましたが、治療後の様子はいかがですか?
歯や歯肉の状態を調べ、必要なケアをすることによって、お口の健康を守ることができますので、そろそろ検診をおすすめいたします。
ご都合の良い日をお電話でご予約ください。』
それでは飽き足りないのか、受付嬢の手書きまであって。
『お久しぶりでございます。お忙しくていらっしゃいますか?
年末になりますのでクリーニングをおスススメいたします』
これは私宛ではない。営業努力なのか何なのか。まさかDMが届くとはね。内科医だったらこういうことはしないでしょう。
ここまではまぁマトモですが。その後がいただけない。
『ご来院時にこちらのハガキをご持参いただいた方にはプチプレゼントを差し上げています。』
プチプレゼント??
これって自費診療ならともかく、保険治療だったら値引きに受け取られかねないよ。やっていいのかな。
「プチプレゼントって何くれるのかな?」
「歯ブラシ1本じゃない?」
「何で私にはくれないんだ?」
「・・・」

受付嬢の営業努力は実らず。ジャン妻は行っていない。でも私はインプラントの件があるので行かない訳にはいかない。
インプラントそのものはノーチェックというかサッと診て終わり。他の箇所をジロジロみられている。
穿った見方ですが、私はインプラントを埋め込んだのだから、そのメンテナンスという大義名分に隠れて他の虫歯予備軍を探してるんじゃないか?
そしたら昨年最後の診療日に小さい小さい虫歯が見つかったのである。奥歯に針先ほどの穴が空いていた。
初めて見る女性衛生士さんが嬉しそうに、
「〇〇さんこれを見てください。ここに・・・」
「あ?」
いつの間に。
1ヶ月に1度来てるのに気が付かなかったのかなと。
「またインプラントにするの?抜くの?」
「いやいやこれくらいだったら抜きませんよ。詰めるか。院長が診てどう判断されるか」
何をニコニコしてやがるか。儲ける材料が見つかったとカオに出てら。(苦笑)
処理済~左がガリガリガール.jpg
会計時、受付嬢にもニコニコ顔で言われた。
「次回は来年ですが、虫歯はその時に」
虫歯虫歯言うなよ。
「で、次回はいつになさいますか?」
「そうだなぁ」
ⅰ―Phoneのカレンダーで予定チェック。まだ新年の群馬や静岡出張が見えないのだが。
「お仕事いつからですか?」
「4日から」
「当医院も4日からです。では4日の・・・朝9時半頃はご都合如何ですか?」
「く、くぢはん??」
私は大声を出してしまった。年始早々開院してすぐの時間帯である。
「そりゃ無理だよ。仕事始めの初日って朝礼とか年頭の訓示とかあって、その後すぐに中抜けはできないですよ」
「あ、そうですね。会議とかありますもんね。アハハハハハ(笑)」
私だってそこまでヒマじゃない。アハハハじゃないっつーの。
「ではその日の午後は?」
是が否でも初日に来させたいらしい。そんなに年明け早々私の顔が見たいのかね。
「じゃぁ夕方なら」

「9時半って言われたの?」(ジャン妻)
「私をヒマだと思ったらしい」
「おそらくその時間帯は空いてるんでしょうね」
「そこだけ空いてるのか、穴埋めが難しいのか」
この虫歯は詰め物するだけで済んでます。久々に院長が現れ、助手の衛生士さんか技工士さんとタッグで、口の中に水が出る管、吸い取る管、削る何かの危惧、詰め物を焼きつける先が蒼白く光ったペンライト、そして歯茎に麻酔2本をブスリ。
虫歯の治療そのものは全く痛まない。麻酔の方がチクリと痛い。

まぁ正直言って、デンタルクリニックが患者を何度も来させるのは儲ける為だなと思い、疑ったのは否定しないよ。
ただ、今日来てるのに、それって今できないんかな、やって下さいと希望しても、他の患者さんが立て込んでいたらそれは無理で、長くいても結局は待たされるし、診察台に寝てられるのもいいとこ1時間が限度だと思うのだ。
こっちも会社員だし、1時間以上も抜けられるわけない。
なので、いきなり2針縫った一件を除けばこのデンタルクリニックはまぁ妥当だろうなと。1時間内で最前を尽くそうとしているのは見えるからね。
コメント(2) 

歯茎を縫った夜 [歯医者]

歯医者の後1.jpg
歯医者通いは続いています。もうインプラントは装着され、メンテナンスと他の歯と歯茎の部分、歯垢何とかのクリーニングに入っています。
もうインプラントはくっついたんだからお役御免かと思ってたのだが、なかなか解放してくれないのだ。インプラント以外の他の部分、例えば虫歯予備の場所とか歯垢何とか(歯茎に付着して歯ブラシでは取れない箇所)とかをあーだこーだ指摘してされ、「いついつ来てください」を繰り返してカモにされてる私です。歯医者って顧客を金ヅルだと思って離そうとしないようですね。

その歯垢何とかですが、いつも私の歯をいじくりまわすアンニュイな女性衛生士ねーさんが言うには、上の前歯の左右と真ん中に歯茎が腫れてる箇所があると。
私は自分の素人目で見てもわからないのですが、その部分を2回に分けて表面麻酔を塗って掃除するというのである。
注射ではないです。塗るだけ。
左と真ん中は上手くいった。だが私の前歯の右は二重に生えており、裏の歯の部分は歯茎に歯ブラシが当たらないらしい。そこもついでに掃除しちゃいましょうとなったのだが。。。

いつものアンニュイな女性の歯科衛生士さんが掃除してたのだが、突如として院長が現れ、特に説明もなく注射麻酔をプスリ。(これは院長がやしました。)それからゴシゴシやっていて、ふと目を開けたら糸が目の前に浮いてた。
院長と助手(衛生士?)はその糸を私の二重前歯に巻き付け何やらプチプチとやっている。これはもしかして縫っているのではないか。ガーゼは血で滲んでいた。ゆすいだ水も血で滲んでいる。
そこでようやく説明があった。
「〇〇さん(私のこと)。二重になっている前歯の歯茎に黒い歯垢があって、そこは切らないと取れないので院長にお願いしたんです」
「切ったの?」
「ハイ」
「何か糸みたいなのが宙を浮いていたが・・・もしかして縫ったのか?」
「ハイ縫いました。事前にご説明しないで申し訳ございません」
「何針縫ったのさ?」
「ふた針です」
「ふた針ぃ??」
「1週間後に抜糸するのでまた来ていただけますか?」
来るしかないだろうがよ。
「前歯には歯茎を保護する何とかのようなものを塗ってありますので、あまり強く前歯を磨かないでください」
事前に説明を聞いてビビらせるのと、まな板の鯉よろしく予告なしでブッた切るのとどっちがいいか。やってしまったからには仕方がないが、受付に戻って会計金額を見て愕然とした。
10000円.jpg
10100円!!
これで自費でなく3割ですよ。
さすがにジャン妻も、「それはクレーム入れた方がいい。何の事前説明もなく切って縫うなんて」
「・・・」
私は歯茎に麻酔が効いているのですぐに言い返せない。自分の歯と歯茎じゃないみたいである。
「しかも1万円超えたぁ?」
「・・・」
「お昼食べられるの?」
「それは大丈夫。お昼食べた後で抗生剤(バナン錠)飲んでくださいって渡されたから。痛み止め(ロキソニン錠)もあるし」
でも昼だから腹は減っている。憤懣やるかたないジャン妻は私を外へ連れだした。
「肉とかは止めようね」
出血したから肉でもいいんじゃないかと思うが。ジャン妻の上司さんも私と同じ歯科医に通っている。それは衛生士のおねーさんたちが若くてキレイだというだけの理由らしいが、虫歯か歯茎か何かの手術をした後に、止せばいいのに今流行りの「いきなりステーキ」という店で、歯応えのあるステーキをガツガツ噛んだら出血したそうである。
「白いライスが血だらけになったっていうからね。ステーキ屋さんに、『何だこの血が混じったライスは?』ってクレーム入れようとしたら自分の歯茎からの出血だったっていうからさ」
「その時も食事の注意事項は無かったのか?こういうものを食べちゃいけないとか」
「なかったらしいわよ。いきなりステーキって歯応えのある肉らしいのよ。で、うどんにする?」
「うどん??ヤダよ」
歯と歯茎に優しい?パスタにした。
パスタ1.jpg
ナポリタン。サラダとコーヒーゼリー付き。これで1000円しなかった。
「やはりショボくてもいいからサラダぐらいつかないと女性客はこういう店に来ないよね」
同じパスタの店でもこの店は高かった。↓
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2016-07-24
サラダ.jpgパスタ2.jpg
パスタ3.jpgパスタ4.jpg
「アルデンテは180gのパスタだけで1000円超えるからね。でも今日は1000円超えどころか、10000円を超える治療費をいきなりその場で払わせられたんだぜ。一桁多いんだからさ」
「そんなん急にキャッシュで払えって言われても払えない時があるわよ」
「受付嬢もやや俯き加減だったけどな。よほどアナタに電話しようかと思ったモン。クレジットカード持って来てくれって」
「カード貸してもいいけど、アタシだったら絶対に文句言うわよ」
「文句を言ったところで切って縫ってしまった後だからなぁ」
「歯のどの部分よ?」
私は上唇をあげて見せた。
「わっホントだ!!黒い糸で縫ってある。いつ抜糸するの?」
「来週の今日。また行かなきゃならん」
「今日飲み会とかあったらどうするのよねぇ」
「それは問題ないって。ビーフジャーキーとか手羽先とか固いものを前歯で齧らなければいいんだからさ」
「痛むの?」
「まだ麻酔効いてるけど。もう痛まないと思う。痛み止めも出たけどな」
「もう歯医者変える?インプラントは高いとは思わないけど。その後はちょっとカモにされてないアナタ?」
「カモ?」
そうかも知れない。
でもここまで来て変えるつもりもあまりないのだ。慣れたしね。
「何しろそれまでねーちゃんだけだったのが突然あたふたと院長が現れたからな。目の前で縫い糸が浮いてるんだぜ。あ、切ったな、縫ったなってそこでわかったんだモン。血だらけのガーゼも見たし」
「もしかして失敗したんじゃないの?まぁ歯茎ってすぐ出血して止まるけど」
ワーファリン錠とかを服用してるとマズいです。下手すると出血が止まらなくなります。そういう確認すらしないからね。
パスタで悲憤慷慨のランチの後、ジャン妻が言うには、
「アタシ今夜は遅いけど・・・」
今夜は・・・ではなく、今夜も・・・だろうがよ。
「ああ、そうだったな」
「アナタまた上大岡?」
「たぶん・・・」
「そんな歯茎で大丈夫??」
「・・・」
歯医者の後2.jpg
なるべく歯茎に刺激のないもの、固くないものを選びましたが。
それでも気になる。舌で歯茎を触ると糸に触れるのでおそるおそる食べなきゃならない。
酒飲んでるし、うっかり切ったら出血が止まらなくなるだろう。今頃になって何だか腹立たしくなった。インプラントと関係ないところで手術されたのがね。治療ミスの疑念が消えないのだ。
カツオ1.jpg
カツオ2.jpg
アジ.jpg
ツクネ&ピーマン.jpg
ジャガイモ.jpg
毎度トンヅケ.jpg
ナメロウが無いのでツブ貝にした。
「釣りアジがあるじゃねーか。それでナメロウできないの?」
「すみません。味噌を切らしちゃって・・・」
調味料を切らしちゃイカンな。お隣さんから借りてきたら?いっそ私がひとっ走り行って買って来ようか?と言いかけたが止めた。でも店の向かいにコンビニあるんだぜ。そこに味噌売ってないのかな。
ツブ貝1.jpg
ツブ貝2.jpg
ツブ貝、2皿めのアンコール。
「貝もお好きなんですか?」
「こういう歯応えのある貝が好きなの。赤貝とか。サザエとか。アワビは高いけどね」
「じゃぁ苦手な貝は?」
「トリ貝みたいにフニャフニャした食感の貝は苦手。ホタテは好きだよ」
歯応えのある貝?
ジャン妻上司さんのネタが脳裡に浮かんだ。歯茎から出血しないだろうか。ツブ貝に己の血が混じってないだろうかって。
ツブ貝3.jpg
ツブ貝4.jpg
このトウモロコシを縫った歯茎の前歯で噛み切れってか?
モロコシ.jpg
このトウモロコシは勘定ついてなかったからお店のサービスらしいが、何でこの状況下、タイミングで出されるかな~。
縫った歯茎から遠い左の前歯にトウモロコシを当てて、トウモロコシを回転させて身を削りながら喰った。
その時の私はエサを与えられた野良ネコのような形相だったに違いない。
トウモロコシに血が付いてないか気になったが平気だった。
タクアン.jpg
このタクアンも前歯で齧らない方がいいだろうか。
こういうことをいちいち気にしなきゃならない。
焼きお握り.jpg
歯医者で予定外の出血、縫合、パスタに焼き鳥屋、何だか慌ただしい1日だった。
夜も更けて.jpg
この1週間後に抜糸しています。現在もメンテナンス中でもう何の支障もないです。
でもまだ疑念が残っている。内科や外科と違って歯科は医療ではないというが、私の中では、「あれは治療ミスだったのではないか」
だって涼しいカオでさも当然のように切って縫ったからね処置は早かったとはいえホントにそこまでしなきゃならないほど早急に必要なことだったのか。
そしてバンと渡された高い請求金額。ちょっとなぁって思う。
そうなる事前に説明をして欲しいものです。
コメント(2) 

インプラント手術後あれこれ [歯医者]

師走に向けて飲み喰い記事、宿記事をUPする前に、インプラント手術以降の模様を纏めて綴ります。
手術後1週間は断酒でした。抜糸予定日の3日前に私の携帯が鳴って出たら歯医者の受付嬢だった。
「あれからどうですか?」と訊かれた。
「どうだろ。特に出血もしてないようだが。あ、治療した奥歯じゃなくって前の歯茎に何か黒いカサブタのようなものがくっついてるんだよな」
「オペした奥歯ではなく前歯ですか?どの位置でしょう」
「下の前歯の奥から、ええっと3番目かな。歯茎に黒いカサブタが付いてる」
「痛みますか?」
「いや、痛まない。だんだん小さくなってるような気はするけどな」
私はその前歯のカサブタはオペ途中に傷つけたと思い込んでいる。
「そうですか。大丈夫だと思いますが、院長に聞いてからまたお電話致します」
しばらくして再度、着信があって、
「院長に聞いたところ、おそらく何か傷が付いてしまったのではないかとのことでしたが、出血も痛みもないようでしたら大丈夫で、次回、来られた時に診てみますとのことでした。今週末に抜糸でお見えになるんですよね?」
「そうですよ。その時でいいやって自分も思ってたんで。診察台で暴れたかな私?」
意識が戻った後で麻酔医さんが、「○○さんって右横に寝るクセがありませんか?寝返りうとうとするんですよ」って言ってたからな。
「笑」
「さては何か覚えがあって電話して来たんだろ」
歯科医の受付嬢に随分と伝法な口調で返してしまったが、「い、いえっ、インプラント手術をした方には術後にお電話で様子を聞くことにしているんです」
「ああ、そうなの」
その前歯の歯茎のカサブタは抜糸に出向いた日には溶けてなくなってしまっていた。

インプラント手術からおよそ1週間、手術址には何やら糸のようなものがピロピロ生えていて舌で触れるとヘン。
「抜糸って痛いのか?」
痛みに弱いオヤジだと思っただろうな。
「いえ、ちょっとだけチクッとするかもですが」(受付嬢)
「チクッと・・・」
私はイヤ~な顔をした。
名前を呼ばれ、診察台に寝かされ、若い女性の衛生士さんが私の口中を覗き込んでいる。
「院長呼んできますね」
そこからの待ち時間が長い。だったら最初っから院長を呼んで来いって。
院長は目に小さい双眼鏡のようなレンズを装着して現れた。特殊部隊が暗闇でも敵を補足できるスコープみたいなもの。これで細部を拡大するらしい。
「では抜糸しますね」
「アイ」
先の尖ったハサミのようなものを口中に突っ込んで、プチプチ切り始めた。ピンセットで取り出してる。時折チクッとする。糸を抜く時のひっかかりだと思う。
プチプチしてた時間はそう長くないが、2針や3針程度じゃないようである。静脈麻酔で眠ってたから全く記憶にないのだ。
起き上がった。
「何針縫ったんですか?」
「ええっと、八針です」
「ハ、ハチハリ?」
「埋め込んだ巾は小さいんですが、だいたい2mmから3mm間隔で細かく縫いましたんで」
「ふぅ~ん」
「これからしばらく様子を見て、2~3ヶ月経ったら義歯をどうこう・・・」
「2~3ヶ月ね」
「そうですね。まだインプラントを入れたばかりなのでアゴの骨に馴染んでいませんから。完全にくっつくまでは・・・」
私は歯の無い状態で年を越すわけか。

若い女性の衛生士さんが私の歯石をガリガリ削り出した。時折超音波で磨く。何ともイヤな感じ。歯を擦る音と振動が脳天を突き抜ける。ブルルルッと震えた。
「大丈夫ですか?」
「背筋にガラスを爪で引っ掻いたような寒気が走るんだよな」
「ああ、そうですよね。笑、あの、○○さんって歯間ブラシお使いになってますか?」
「前回もそうススメられたけどまだ使っていない」
「鏡を見ながら磨いてみていただけますか?」
またかよ。前回やったじゃんか。
「歯茎にブッ刺さりそうでイヤなんだけど」
「○○さんの場合、歯と歯の隙間が小さい箇所があるので、入るところだけでいいんですよ」
鏡で見たら歯茎に針金がブッ刺さってるようにしか見えない。
「受付にも置いてあるので使ってみていただけませんか?」
「・・・」
買えってかい。不承不承頷いたら次に何か小さいメジャーホルダーみたいなのを出してそっから糸を引き出し、歯と歯の隙間に入れて擦り始めた。デンタルフロスである。
衛生士のねえーさんはまた怪訝そうにに言う。
「こういうのをお使いになったことってありませんか?」
「ある訳ないじゃん。40年近く歯医者と縁が無かったんだよ。そういう商品があるってことすらここへ来て初めて知ったんだもん」
実は半分はウソである。ウチの現場にだってK製薬か何かの歯間ブラシやデンタルフロスは売っているよ。
「1日に何回くらい磨いてますか?」
何回磨こうと大きなお世話である。この衛生士さん若いけど古株らしく指導口調になってきた。
「2回か3回。会社にいる時は昼も磨くけどね」
「15分は磨いてください」
「ジュウゴフン!!」
「ハイ」
そりゃ現実的じゃないな。
「この間の子(ガリガリ娘)から5分磨いてくれとは言われたが、5分でも長ぇのにその3倍??」
「1日に何回も磨くよりも、1回で長く丁寧に磨いた方がいいんですよ」
「ふぅ~ん。朝の15分ってのは大きいな」
「朝は簡単でもいいです。夜寝る前に15分磨いて下さい」
この後も、歯間ブラシやデンタルフロスをお使いにならないと歯垢が完全に取れない、そうするとインプラントを埋め込んだ周囲から腫れてどうこうなる可能性云々というお説教じゃないけど講和が始まった。私はだんだんウルサくなって来た。別に説教聴きに来てんじゃねぇって。
「○○さんの場合、唾液の質によるものかと思うんですが、それとオヤシラズが全部生えきっているせいか奥までなかなか届かないと思いますが、歯ブラシの先が小さいものがあるのでそれを使って奥まで完全に磨いてください」
要求が細かい。決めつけるように言われたよ。15分丁寧に磨かないと許さないと言わんばかりである。仕方がない。ハリガネの歯間ブラシと毛先の小さい歯ブラシ、2種類の小道具を購入するハメになった。(デンタルフロスは買ってない。)
小道具.jpg
洗面台にあるもの.jpg
終わって起き上がり、上着に袖を通しながら、
「院長さんは2~3ヶ月って言ってたね。このままの状態で年を越す訳か」
「そうですね。歯の骨と歯茎と完全に馴染むまでは」
私はその説教じみた衛生士さんと受付に向かって歩いた。衛生士さんは受付嬢に「次回、2週間以内にもう一度」とか耳打ちしてる。
「朝の15分は長ぇよ」
「夜がありますよ」
ピシャッと言い切って奥に引っ込んでしまった。

この時は抜糸だけで歯茎ムキ出しのまま帰宅している。その10日後にメンテナンスに来た時、院長が現れてまたまた暗視スコープのようなメガネを装着して口中を覗いて言うには、
「まだ歯茎の表面上が完全に塞がっていませんね」
歯茎というものは抜いてしまうと自然と盛り上がって来るとジャン妻が言っていたが。「ウチのお爺さんなんか歯茎だけで噛んでたからね」
では自然治癒の進行が遅いのだろうか。
「今日は仮の義歯を被せましょう。そのうえで向こう2~3ヶ月は治療した側の奥歯だけで噛んで治療した側の奥歯では固いものは噛まないでください」
仮の義歯を被せる?
あくまで仮の義歯である。どうやって被せるんだろう。
「また切るのですか?」
「いや、切りません。インプラントの蓋の部分をこう取って(ネジを回すような仕草)、そこに義歯をこうやって(ネジを回して埋め込むような仕草)入れるんです」
院長は私の歯茎に埋め込んだネジ、いや、インプラントのネジをクルクル回している。次に今度が逆回転で仮の義歯をクルクル廻して埋め込んだ。
これはすぐに終わった。ネジ込む時に歯茎に響くとかそういうことは全く無かった。で、固いものは噛むなってか。
「ビーフジャーキーとかスルメとか、そういうのを齧らなければいいんだね」
「そうですそうです」
「そんなの喰わないから大丈夫だけど。野菜とかもダメなの?」
「野菜は大丈夫です。固いものは避けてください」
この後はお決まりのガリガリコースに入るのだが、前回、私に説教じみた講和を聞かせてくれた古株女ではなかった。もっとホンワカした穏やかな子だった。手術の日に傍らにいたな。
「調子はどうですか?」
「隙間にキャベツの芯やら白菜の芯とか、モヤシやニンジンがすっぽりハマって取れなくなることがある」
「笑」
舌で触ってみたらなるほど仮の義歯が被さってた。でもこっち側では噛まないようにしないといけない。それだと仮義歯とはいえ何の為に被せたって思うよね。
私は起き上がって上着に袖を通しながら、「これから鍋の季節だから、片側だけ噛んで鍋を喰ってると片側の上顎を火傷するんだよな」ってブツクサ。
「院長は固いものは避けろって。野菜は構わないらしいが、スティックサラダなんかもダメなのかな?」
「スティック?」
「キュウリとかニンジンとか」
「固いものは避けてください。固くなければいいです」
衛生士さんも私の幼稚な質問に答えるのがバカバカしくなって来たようである。

それにしてもインプラントって金も時間もかかる治療法ではある。今日のネタを読まれて、何故、仮の義歯を入れるのか、仮ではなくホントの義歯を被せないのかと思われたでしょう。私も「何で仮なんだ?」って思ったモン。
歯科医さんがあまり教えてくれないので自分で調べてみた。まず歯を抜いた痕の治療は3種類あって、義歯(取り外し可能なもの)、ブリッジ、そしてインプラント治療とある。
私は取り外し可能な義歯は選択しなかったと思う。これってホントの入歯ですからね。
義歯.jpg
ブリッジも最初は考えた。この場合は保険が効くそうである。でもブリッジは残っている歯を傷つける手法だし、私の場合はブリッジの奥向こうがオヤシラズなので躊躇したのもある。(私はオヤシラズが上下左右4本完全に生えきっているんです。抜かなかった。原始人といっていい。)
ブリッジ.jpg
インプラント治療の利点はネジでもって義歯をしっかりと固定できること、残っている歯に負担をかけないことが挙げられる。
義歯.jpg
ただ、金と時間がかかる。
工程についてようやくわかりかけて来たのだが、①インプラント埋め込み手術、②メインテナンスを兼ねてインプラントが顎骨に結合するのを待つ、③義歯の作製と装着、④メインテナンスと続く。
チタン合金でできているインプラント(ネジ)が顎骨にくっついて安定するまでは上顎だと4~6ヶ月、下顎では2~3ヶ月の期間を要するという。
私の世話になってる歯科医院はそういう説明がなく、ただ、「2~3ヶ月経ったら・・・」なんですよ。
だがまだ歯科医に聞いてないことがある。インプラント治療は1回法と2回法とあるらしいのだ。1回法だとインプラント顎骨に埋めた後に、インプラントの上部が歯茎の粘膜の上に露出する。何か金属製のものが突きだしているのである。
私の場合はそんなものは突きだしていない。歯茎の粘膜云々と言っていたし、何か消毒するゲル状のものを塗ったくっていた。
どうも2回法らしい。既に私はインプラントを顎骨に埋めたが、その上を粘膜で完全に覆い、私の場合は下顎だから2~3ヶ月かかるのですが、おそらく後半になってから形取りをして義歯を作成する筈。そしてインプラント上部の粘膜を再度切開してその上に装着するのだと思う。
その後も定期的にメインテナンスの為に通う。
まだまだ長くなりそうである。私は歯医者さんが儲けられる上客ではないかい?
受付嬢に次回の予約、おそらく年内最後になると思いますが、その予約を入れて会計に入ろうとしたら、
「計算にお時間かかるので次回でいいですか?」
「いいけど」
どうも院長が突然思い立って「仮の義歯を入れましょう」なんて言い出したから計算に時間がかかるらしい。未払いはこれで2回めですよ。もしかしてインプラントって保険適用外の自由診療だから受付嬢の裁量で値段を決められないってことではないかなぁ。
私の場合奥歯1個60万でもう先払い済みだが、ジャン母は80歳にして全てが自分の歯で、壮年期の頃には県か市から表彰を受けたことがある。だから愚息が60万もかけて歯1本インプラントで治療しているのが理解できないらしい。「もったいない」って。
「たかが歯1本にそんな高いお金」って吐き捨てるように言う。「何でそんなにかかるの?」とも言われた。
そのクセにジャン母は愚息がそういう治療をしているのをネタに知人に吹聴して廻った。そしたらさる知人が、「3本のインプラント治療で120万かけたって言ってたわよ」
その知人さんも相当なおトシなので、4本めからは止めてしまったそうである。
3本で120万ってことは1本あたり40万か。私より安いね。ではインプラントの相場って幾らなんだろう。
聞いた話ですが、インプラントでなくブリッジだと、隣同士を傷つけるから3本分の歯の治療になる。聞いた話だと歯に被せる自由診療の場合、歯1本10万円という相場でスタートしたので、それをインプラントにすると約30万円~になる。
自由診療だし、歯科医さんは自分の技術に自信があればあるほど高い価格を設定する訳だな。やれやれ。
で、年内ラストに行った時は。。。
「では見てみましょう」
暗視スコープを装着した院長が私の口ん中を覗き込んでいうには、
「順調ですね」
それで終わりである。3秒か5秒。またまたメンテナンス、クリーニングに入った。
以前よりは歯磨き時間を増やしているのでさすがに前ほどガリガリグキグキではないが、ガリッ、ガリッ、プチッと引っ掛けるように削っている。
ガリッ、ガリッ、プシュ~が30分ほど続いた。
衛生士のねーさん(15分磨けと説教口調で言った古株ではなく、手術時に私の傍らにいたホンワカした女性だった)がアタマの上から覗き込むと彼女の胸が私のアタマにブニュブニュあたるんだよな。これは何かのサービスかい?
時折、置きあがって口中をゆすぐ。
「では歯磨きの指導をしますね」
またかよ。またお説教口調じゃないだろうな。最初の質問は、
「○○さん、歯間ブラシってお使いになってますか?」
「普段は家で何分磨いてますか?」って聞かれたら、「15分って言われたけど15分なんて磨けるかよ現実的じゃない」って言い返してやろうかと思ってたんだが。
「前々回ここで買ったよ。これは(リールから糸が出てくるヤツ)他で買ったな」
「お家でやってるんですね?」
「いやそれがさ。歯間ブラシはまだしも、この糸がビーッって出てくるヤツは操作が難しくって。これって糸を適当な長さに切るんだよね」
「そうです。ここにカッターがあって・・・ここでピッってあてれば切れます」
「カッター?」
「ハイ」
見たら小さいカッターが装着されてるじゃないか。
「そうとは知らずに私はハサミで切ってたよ」
「笑、その状態で糸を中指に巻きつけて、親指で抑えて、ピンと張って・・・」
それを口の中で自分の歯に直角にあてるのが上手くいかない。大口開けても私の親指と人差し指が太く、手先指先も不器用なので、フロスをピンと張った状態で口の中に入らないのだ。
「難しいな」
衛生士ガールも内心で、「コイツはブキだな。無理だわ」と思ったに違いない。別の小道具を出してきた。ホルダータイプです。
「ええ。ではこういうのはどうですか?」
小さい小さいくまでの柄の先がサスマタみたいに2つに分かれていて、その先に糸、フロスが張ってある。
「これなら」
やってみたらこれなら割と簡単に歯間に入るのだ。
デンタルフロス.jpg
「これは受付で売ってるの?」
「いや、このタイプは受付には置いてません。薬局さんにあります。使い捨てタイプで数が多いのがあると思います」
「こう言っちゃ悪いけどさ。どうせ1ヶ月に最低1回来なきゃならんのだから、そん時に削ってもらえばいいやって思ったりもするよ」
「でも・・・お家でもきちんと磨かないと・・・今は歯が無い状態での仮歯ですから。その隙間に炎症が起きてしまうとまずいので・・・」
年内最後のクリーニングが終わった。受付で領収書ともう1枚紙を渡された。
お会計して領収書を見たら初・再診料が45点、さっきの歯磨き指導とこのお手紙で医学管理等190点、口中を覗き込んだ程度の目視検査で400点、歯石削りで処置100点、総計735点、7350円の3割で2210円とある。
領収書.jpg
フゥ~ン。まぁ金額はいいです。次にもう1枚の紙っぺらは「口腔ケア」とあって、歯の磨き方が女の子文字で書いてあった。
レクチャー.jpg
何だこれは?
私は固まった。「口腔ケア指導」とある。
「歯間ブラシは左右の歯の根本にあてて磨きましょう。
指巻タイプのフロスは人差し指または中指に巻きつけましょう。
ホルダータイプの方が磨き易いかもしれません」
私は受付で目つきが険しくなった。
会計のねーさんがおそるおそる私を見ている視線を額に感じる。
しばし眺めて、「年寄りに説教しやがって」って呟いてしまった。
「あ、いえ、ちゃんと磨いてくださいねって・・・笑」
「わかってますよ」
「もう年末です。早いですね」
ムッとした私の気を逸らしやがったな。
もうすぐ師走.jpg
8月末に歯科医に30数年ぶりに歯科医に来るようになってから早や4ヶ月経った。
歳月が早くなったような気もする。
コメント(2) 

インプラントXデー [歯医者]

インプラントを埋め込んだ左頬が腫れている。
ポッコリ膨らんでいる。

60万円のインプラントを埋め込む日がやって来た。平日の午後からである。その日は朝っからユーウツで、昨夜は石川町でしこたま飲んだのだが、術後のアルコール厳禁や食事制限とかもあるから余計にユーウツである。
「痛むかもよ」(ジャン妻)
「・・・」
「誰だっけ?ハンマーで叩かれたような衝撃だって言ってた人?おかーさん?」
「(勝山の)おかーさんじゃなくってyossyさんの奥さんだよ。おかーさんとこは(田舎だから?)インプラントの看板が見当たらないらしいぞ」
「頑張ってね」
「・・・」
何をどう頑張れというのか。
「終わったらメールね」
「うん」
痛むんだろうな。男って痛みに弱いからな。
予約15分前に行ったらまだ午後診受付前で待合にも受付にも誰もいない。保険証と診察券をポンと置いて待合でフンゾり返ってたら、
「キャハハハッ」
奥からスタッフどもの嬌声が聞こえた。仲良しで結構だがなんちゅうバカ笑いをしとるんか。大病院や町医者と違って命に係わらないからそういうバカ笑いが平気で出きるんだろうな。
私はまだ治療も手術もしてないウチから憂鬱である。自分でも顔つきが強張ってるのがわかる。ディスプレイにインプラントとはどういうものかという解説が繰り返し流れていてその文言に、「インプラント手術を受けた患者様にお話を聞いてみたら、皆さん眠ってる間に終わってたと仰っています。手術中の痛みは感じません」とある。
ホントかなぁ。
実際ホントだった。痛みは術後に襲ってきたのである。

「〇〇さんこんにちは」
「???」
いつものガリガリじゃなく初めて見る衛生士さんだった。いつものガリガリお嬢も傍らにいたが、私の隣で待ってたバアさんの名前を呼んで別室に消えてった。
今日の衛生士さんは若いがベテランらしい。いつものガリガリは新人ぽいから、いざ手術当日の今日、ベテランと交替したって訳だな。
私の素人質問に上手く答えてくれるんです。私は上着をハンガーにかけながら、
「今更ここまで来てジタバタしてもしょーがねーけどさ・・・」
「笑」
顔の筋肉だけで満面の作り笑いをしてるぞ。
「痛むのかな」
「いえ、静脈麻酔を入れるので眠ってる間に終わりますよ」
「眠ってる?」
「お口開けてくださ~いってお声を掛けて反応できる程度の麻酔ですね。でもお目覚めになるともう覚えてらっしゃらないくらいなので。ちゃんと麻酔専門のお医者さんがやりますから大丈夫ですよ」
私は麻酔医専門のお医者さんというのがよくわからないのだがそれは後述します。私は診察台に寝ながら、
「インプラントってのはボルトを何本埋め込むんだ?」
「1本です」
そこからよく覚えてないのだが、家を作る柱の基礎部分のような説明をされたな。メディアを賑わしてるどっかのマンションの杭打ち・・・とかバカなジョークを言ったような気がするが。
「歯茎を切って・・・(私はここでイヤな顔をしたら微笑まれた)・・・中にインプラントを埋め込んで、顎の部分の骨とくっつける何とかを入れるんですよ」
「では術後に目が覚めたら今は何もない歯茎の部分にボルトが1本、ニョキッと生えてるって訳か?」
「また歯茎を縫って塞ぐんです」
「縫って塞ぐぅ?」
「ハイ」
「じゃぁ今日は歯そのものはおっ被せないの?」
「今日は被せないです。それはインプラントが骨と固まってからですね」
「だいたいどれくらいかかるのさ?」
「3ヶ月後くらいですね。それくらいすると歯型が決まりますから」
「さ、3ヶ月?」
「ハイ」
「年を越すんかい?」
「え、ええ、そうなりますね」
私はウンザリした顔をした。そこを宥めるようにニッコリ微笑まれた。
読者の皆さんどう思います?この会話を聞いたジャン妻も呆れてましたよ。「そういう説明って無かったの?」って。インプラントは住宅建設の柱の基礎のような説明はあったよ。でも縫って塞いで歯をおっ被せるのにまた3ヶ月後って説明は無かったぜ。その歯型ってはまた別途高額費用なんだろうか。
患者さんの不安を取り除くように懇親丁寧なのがモットーらしいが、私のような素人質問には訊かなきゃ答えてくれないのです。30数年振りに歯医者に来た私は何をどう質問していいかわからないんだからさ。
私の上着.jpg診察台.jpg
「今、麻酔の先生が準備していますので、その前にクリーニングしますね」
クリーニングが始まった。
マジメな私はガリガリ娘の言い付けを守って朝夕丁寧に3分~5分磨いているんだよ。その効果あってか今日のクリーニングはいつものガリガリグキグキではなく、カリカリカリカリ。
そのウチ、糸みたいのを歯間に入れて左右にしごき出したぞ。新たな獲物か。
「今のは何です?タコ糸か?」
「フロスです」
ふろす?
見せてくれた。ホルダーから糸が伸びている。
デンタルフロスですね。これも歯間ブラシと同じだね。「こうやって必要なだけ糸を出して切ってお家でもできますよ。〇〇さん(私のこと)の場合、歯と歯の間が狭いので、歯間ブラシだと歯茎を傷つけてしまうので」
歯と歯の間が狭いから歯間ブラシだと歯茎を傷つけるだと?
前回、ガリガリお嬢はそういう説明しなかったぞ。「これでちょっと磨いてみたください」って歯間ブラシを渡され、私の不器用さに呆れたのか、歯茎にブッ刺すように磨かれたからね。

クリーニングが終わった。
「ではこの後で手術に入ります。先に抗生剤を1錠飲んでください」
バナンという抗生物質だった。
「麻酔が切れるまでお休みしていただく時間と併せまして、だいたい夕方の5時か6時までには退院できます」
「うん。半休取って来たから大丈夫だよ」
「先にお手洗い済ませてください」
「来る前に済ませたが・・・」
「でも、長いお時間かかりますので・・・」
私はWCが遠いんだよ。行き付けの酒場でもWCの場所すら知らない店もあるしね。
WCを済ませたら院内の最も奥にある術室に案内された。そこに若い男性がいて、私が2ヶ月待たされた麻酔専門医さんだという。
麻酔医専門医さんは白衣を着ていなかった。白衣は相手を緊張させるから敬遠するドクターも増えている。
診察台に座った私の前に血圧計と脈拍数がモニター表示されている。歯科でそんなん必要なのかと訝しんだ。そしたら自己紹介の後で問診が始まったんです。
「今日はお風邪とか大丈夫ですか?」
「平気ですよ」
「体重は何Kgぐらいですか?」
「〇〇kg」
内科ならともかく歯科で体重を聞かれるとは思わなかったな。麻酔専門医さんはかなりの好青年で、如何にも美人揃いのこの歯科医とツーカーといったいい雰囲気である。(いい意味でですよ。)
「今日はお薬は飲まれましたか?」
「あっ、忘れたな」
「えっ、お忘れになりましたか?」
麻酔専門医さんは驚いたような声を出した。
「よくお忘れですか?」
「いや、1週間に1日くらいスッぽかす程度」
たかが歯医者の一見患者の服薬コンプライアンスにしては細かいね。麻酔中に血圧が変動するので、なるべく安定させるんですと言われた。
モニターには上が138、下が88となっている。私は自分で言った。
「まぁまぁじゃない?」
「そうですね。静脈麻酔のご経験はありますか?」
私は大腸ポリープ検査とレーザー治療で経験あります。その時の麻酔注射はヘタクソな看護婦だったのだよ。(後述します)
まさかそこの大病院さんから派遣されて来たのかと思って訊いてみたの。「何処の病院から来られたんですか?」って。
〇大病院だという。名刺もいただいた。私がお世話になった大病院ではなかった。
「では麻酔薬を注入する前に採血をします」
採血?
何でそういうことをするのかワカラン。血を抜いてそれを細胞膜にするとか何とか言ってたが。小さい注射器2本分抜いてましたよ。後述するヘッタクソな大病院の看護師みたいに腕が痣になるくらいにブスブスやられたらタマラン。
手の甲の静脈にプスッ。。。
そのプスッで採血が終わり、プスッの先を追いかけたら点滴のような袋に繋がってる。
「もう痛いのはこれで終わりですからね」
「ってことは、もう麻酔始まってるの?」
「あ、これは栄養剤です」
栄養剤?ソリター何号とかいう輸液パックかね。
私はこの時は軽く考えている。さっさとやって眠らせて、さっさと終わらせてくれないかって思ってる。2ヶ月も待たせやがってってね。前金60万支払って麻酔専門医の予約待ち2ヶ月で今日である。長かった。

「麻酔専門医って数が足りないのよ」(ジャン妻)
「???」
よくわからないけど私也に説明しませぅ。何故2ヶ月も待たされたのかというと、近隣に麻酔専門医というそれだけを大きく看板にしたクリニックはあまり見た記憶がないが、「あの外科の先生は麻酔医でもあるから」というのは聞いたことがある。「あの先生は麻酔をお持ちです」とも言う。
私は過去に内視鏡検査で静脈麻酔を確か3回か4回経験していずれも大腸ポリープの検査と切除。名前は伏せますが、さる大病院で美人だけどヘッタクソな看護婦さんが左右の腕にブスブスとブッ刺しまくっていつも痣だらけになるんです。
近所のスーパーのオヤジが私の痣を見て、「それ何処の病院だよ。俺もあっちこっち切ってるけどそんなに痣になったことないよ。相当ヘタだぜそこ」と呆れられたからね。
その時の静脈注射麻酔は検査とレーザー治療切除のレベルなのでグーグー爆睡してしまうほどの大袈裟な全身麻酔ではなかった。一応は薄っすらと意識はあったんです。問診表に「酒に弱くないので麻酔が効き難い」と書いたくらいです。
私は歯医者に通い出して、麻酔専門医さんの予約が2ヶ月後なので・・・と言われたのにやや閉口し、だったら何で歯医者さん自身や看護婦さんが麻酔をやらないのか疑問だったのだが、麻酔専門医は絶対数がかなり少ないらしい。少ない麻酔専門医をチームに加えるのはその分だけお金もかかるのだが、その代わりに術前術後も含めて安心の度合いが高いそうである。
私はこれまで麻酔というものは手術を受ける際に眠らせてくれる、痛みも感じさせない、知らないウチに目が覚めたら終わってた、そういう便利なものとばかり思ってたが、実は麻酔とは日頃の睡眠ではなく麻酔薬の作用で無理やり眠らせる訳でリスクが伴う。麻酔薬の強弱により神経、呼吸、循環器などの働きが抑制されかねない。大袈裟でなくても生命維持に関わるのである。
私の前にいる若造・・・失礼、麻酔専門医の若先生は、麻酔を注入して手術中に意識の無い私をその間に全身に血液が循環するよう血圧を整えたり、血液量を適切に維持する全身管理をしてくれるらしいのだ。防御してくれる訳ですよ。
おそらく私はこの麻酔医さんとは一期一会で目が覚めたらハイサヨナラだとは思うが、これが命に係わる大手術だと術後の麻酔管理が加わる。相当な激務で麻酔医の数が極端に少ないのもそのせいだとか。
私が前払いした60万は高いが、それはインプラントの材料費、オーダー費だけではなく、数が極端に少ない麻酔医さんへの派遣料、バイト料も少なからず占めるのである。
「ここへ今日は幾らで来てるんですか?」とはさすがに訊けなかったが、
「麻酔のお医者さんって数が少ないんでしょ?」
「全国で2000人、茨城県では〇人しかいません」
一桁だったんです。数が極端に少ないので、たかがインプラント手術程度で麻酔専門医なんてのは贅沢極まりないのかも知れない。

ふとモニターを見たら血圧の上が118に下がっている。
「先生、下がってるよ」
「ああ、いい数字ですね。では今から麻酔を入れますね」
「・・・」
手の甲に刺したままの状態で、バイパスのように途中から別の注射器の管を接続した。
膝に毛布をかけられ診察台が倒された。
そこで意識が無くなったんです。ブッツリ途切れた。

気付いたら目に布がかぶされていて眩しいぞ。
それとウルサいの。もう終わりに近づいてるんだろうけど私語なんですよ。院長と麻酔医さんとスタッフ2人で何やら声高にくっ喋ってるの。そりゃこういう手術に慣れてるんだろうけどさ。私が意識が無いのをいいことに術中術後に患者の頭上で何をくっ喋ってやがるんだ。
無意識に左奥歯茎を舌で触ったら何やらザラザラする。縫った糸らしい。
そのうち院長とスタッフは他へ行っちゃって私は麻酔医さんと2人で取り残された。麻酔が切れるまで休ませるということ。麻酔医さんは私の様子を慮りながら片付けを始めている。
以下、うろ覚えですが、目覚めた直後の麻酔医さんとの会話。
「ご気分はどうですか?」
「う~ん。ボーッとしてるな」
時刻は17時だった。2時間分の意識が無い。
「途中で暑くなられたようで、靴下脱ぎますか?って声掛けしたの覚えておられますか?」
「覚えてない」
なるほど両方の靴下が脱げて裸足になっていた。
「自分で脱いだんか?」
「いえ、私が」
「ああ、それは御手間をおかけしましたな」
「いえいえ、インプラントは左側ですが、〇〇さん右に横になって寝るクセがついてます?寝返りを打とうとされるので何回か声をかけたんですよ」
「ふ~ん。いや覚えてないですよ。暑かったのかも。それよりも何だか最後の方はウルサかったぞ。皆で声高に喋ってなかったか?笑い声で目が覚めたんだよ」
「・・・すみません・・・言っときます」
私は診察台から起き上がり立ち上がろうとしたが、足元がフワフワするのだ。「無理しないでください」と抑えられるように座った。
「麻酔がまだ残ってますので、もう少しお休みになってからお帰りください」
「麻酔の量を増やした」とも言っていたので、暴れたか唸ったかしたのかも知れない。
「今日はくるまの運転はなさらないでくださいね」これは口頭で何回も言われた。
「しないよ。帰社しないでこのまま帰ります」
「なるべく座って帰ってくださいね」
「座れたらね」

それきり麻酔医さんとどう別れたのか記憶がない。さっきの衛生士さんが来て注意書きの紙を渡された。そこにはいろいろ書いてあったが、概ね自己管理、自己責任に任せるかのようなニュアンスであったがどうもこれだけだと心許ない気がする。
他を調べてみたら当日の飲酒は厳禁、それはわかるが、術後もしばらくは激しい運動、熱い入浴もNGだったり、食事なんかも術後数日はヨーグルト、栄養剤ゼリー、お粥、スープなど、咬まなくて栄養価が高いものを摂取して、徐々にやわらかいものから普通食へと上げていってくださいとか、細かいことを挙げてある。用は最初にインプラントの土台が固まるかどうかが大事なんだろう。
30分ほどしたら別のケバっぽい衛生士さんが様子を見に来たので、
「今日は何も喰っちゃいけないんだよね?」
「お食事ですか?普通に摂れますよ」
あっけらかんとしてそう言う。もちろん今日の夜にいつものように酒飲んで食らうほど私もバカじゃないですよ。
「さっき、歯をおっ被せるのは3ヶ月後くらいだって聞いたけど、その時も今日みたいに?」
「いえ、その時は静脈麻酔はしません」
「ってことは、これか?」
私は右手で注射器(麻酔)を歯に刺す真似をした。
衛生士さんはニッコリ微笑んだ。
私はイヤ~な顔をした。

会計すべく待合に歩いたら廊下に段差があってそこでグラッと来た。診察券と保険証を返されて受け取る時、床に落としてしまった。拾い上げたらクラッとした。受付嬢は、「そちらでお休みなさって・・・」と待合椅子を指したが、どうももう院内に患者はいないようであちこちで掃除機の音がする。診療時間も終わりに近づいているし週末だし、スタッフも早くあがって遊びに行きたいだろう。
「お気を付けて」
「ホームの端を歩かないようにするよ」

ジャン妻にメールした。「終わった。先に帰る」って。月初の締め作業で大残業になって遅い帰宅になった。
東海道線は混むので横須賀線に乗った。ラッキーなことに武蔵小杉駅で座れたのでそのまま爆睡。
その晩は痛み止めが切れて歯茎が痛みだした。一晩明けたら左頬がプクッと腫れているんです。昨夜は断酒。今宵も断酒。久々の休肝日である。
今日の朝飯です。昨夜の帰宅途中で買ったの。写真撮り忘れたが昨夜はコーンポタージュスープだった。
今朝の朝飯.jpg
さっきの昼飯です。
ソーセージがゴロン.jpg
「ソーセージを切ってくれよっ」
「あっ、切った方がよかった?右の歯で噛み切れない?」
「・・・」
しばし睨みつけて・・・
「切れ」
「・・・ワカリマシタ」
「状態見りゃ切るだろ普通は」
「冷凍のソーセージだったから切らなくっていいかなっと」
「・・・」
切って貰ったよ.jpg
私の左頬は膨れている。
次回は抜糸である。
コメント(5) 

歯磨きレクチャー [歯医者]

1ヶ月以上予約待ちのインプラント手術の日が近づいてきましたが、その前にクリーニングで歯医者に来ました。
予約は9時半で、9時10分に直行した。
「早いけど、出社したら掴まりそうだから」
「ハイ、クリーニングですね」
出社したら掴まりそうだなんて大嘘、ミエである。私は社内で行政廻りを任されていて、全て自分で立てたスケジュールで期日(30日以内)までに終わらせているが、会社は私に丸投げする代わりに自分の裁量で決済できるので、会議なんかもう3年くらい出ていないしそういう立場でもない。ミーティングすら出ていない。それが幸いして勤務の合間にチョイチョイ歯医者に来ているが、会社中枢にいた40代半ばだったら歯医者なんか来れなかったと思う。

もう奥歯が無い状態にも慣れた。私はオヤシラズが4本生えきっているので、抜いた奥歯の側はそのオヤシラズが頑張って食い物をすり潰している。この状態でもさほど不自由しないし、60万も前払いしたのもったいなかったかなと思わないでもないが。

インプラント手術は30日を切った。その前のクリーニングです。
受付嬢は私の診察券と保険証を受け取ったら奥に引っ込んだ。そしたら奥でスタッフの嬌声が聞こえる。耳障りったらありゃしない。診療開始は9時半~でまだ間があるが、待合までキャッキャキャッキャ嬌声が聞こえるのもどうかと思うね。
オフィス街のクリニックは9:30~ってのが多いね。9時30分きっかりに私語、嬌声が止み、2名の受付嬢が再度、登場し、衛生士さん?技工士さんが迎えに来た。待合には私を含めて4人いたが、私も含めて次から次へと呼ばれて診察室に消えていきましたね。ってことは最低でも4室、4人同時に稼働しているわけか。
「〇〇さんこんにちは」
「ああ、どーも。お世話になります」
私相手にはいつものガリガリお嬢が登場した。ガリガリに痩せてる訳ではないこの子はクリニック内の力関係では最も後輩か、もしかしたら新人ぽいのだが、ボールペンくらいの長さの両端に釣り針みたいなのが付いた獲物を片手に持ち、予備校生の如くクルクル廻しながら私の歯石をガリガリ削るんです。
この子のエラいところは、ちゃんとマスクを外して挨拶すること。
病院でも薬局でもスタッフへの感染予防を前提に「マスクを着用しております」・・・これを「接客接遇としては相手に対して失礼」という意見もある。私もそう思う。私はもう現場を引退しているが、迎える時はマスクをハズすようにしていたものです。もっとも私の場合、マスクしてコンビニに行ったら警戒されるだけである。

「調子はどうですか?」
「奥歯が無い状態に慣れたよ」
ただ、奥歯が無いと、タンメンや野菜炒めなんかを喰う際に、抜いた奥歯の歯茎にキャベツやモヤシが挟まることがあるんだな。その時は違和感を感じる。
クリーニング(ガリガリ)が始まった。
歯茎に浸みるぞ。今日まで1ヶ月弱の間にまた歯石が付着したのか。長い時間をかけてガリガリグキグキ削っているんです。
私は目をつむっている。時折目を開けると、ガリガリお嬢がキレイな両目を見開いて私の口の中を見据えてるのが見える。まことキレイな目だが、魚眼レンズというかマグロの目ん玉みたいに見える。
片手に獲物を持っていて、削る場所によってクルクル回転させる仕草はまるでくの一のようである。削る切っ先を使い分けているんだね。
目の前に先の尖った獲物を見てるのはゾッとするので目を瞑る。そのうち疲れて口を閉じかけたりした。

なかなか終わらない。業を煮やしたのかガリガリお嬢は私の唇端に何かの器具をひっかけ、口が横に半開きの状態で固定した。その状態でガリガリグキグキ。大人しい可愛い子だが、内心ではイラついているようでもある。
ガリガリお嬢は私の右側に立っている。削る小道具は左側にある。時折、私のアタマの後ろ側に立って私の口中を縦に覗き込んだり、手を伸ばして道具を取ろうとすると、お嬢の胸が私のアタマ、頭頂部にブニュッと触れたりする。私も木石ではないので、これって何かのサービスか?と不届きに思ったりした。
「そういう風に思うってことはオヤジだよ」(ジャン妻)

「うがいしてください」、「倒しますね」、ガリガリ、これを1時間内で3回繰り返したら、
「〇〇さんお疲れ様でした。今日はここまでですが・・・あの・・・オペまでにもう1回、来ていただくことって可能ですか?」
「いいけど。何でさ?」
「歯石が多くて取り切れなかったんですぅ」
「ええっ!!」
そりゃ37年分だからな。いや、そういう理由でもないらしい。1ヶ月前にも今日と全く同じようにガリガリグキグキ削っている。その間にまた付着してしまったのか。
ガリガリは私に質問してきた。
「普段、どうやって歯を磨いてらっしゃいますか?」
「???」
「ちょっとこれで磨いてみていただけますか?」と言いながら、小さい歯ブラシを私に手渡した。
「普段、やってるようにか?」
「ハイ」
「こんな感じだよ」
そう言われてみて気付いた。私は歯の表はともかく、「裏はあまりリキ入れて磨いてねぇな」と言いながら、下、上、前、裏、左右奥、と磨いてみせた。
ここからガリガリお嬢の歯磨き指南が始まった。ガリガリお嬢は歯ブラシを自分の指(カバーしてある)を歯になぞらえ、「このくらいでいいんですよ」
要は力で押しつけるのではなく、毛先を歯の面にあてるだけでいいという。毛先を歯と歯茎、歯肉ですね。それと歯と歯の境目や歯間に垂直にあてるんだと。
「力で強くやっちゃうとこうなります」
ガリガリお嬢は歯ブラシを自分の指に強く押し当てた。なるほど力で強く押すとブラシ全体が曲がって広がってしまい、研磨になっていない。
「軽くこう動かすんです」
強く押し当てるのではなく、歯をマッサージするように軽い力で動かした。見てると毛先が広がらない。歯ブラシを小刻みにチョコチョコ動かした。
「全体ではなくて1本ずつ磨くんです」
37年間歯医者知らずだった私だが、歯並びはデコボコで美しくない。1本1本磨くんだね。

「次に裏を磨いてみてください」
私は自分の歯の裏に歯ブラシをあて斜めに磨いてみせたの。
そうじゃないらしい。「裏も歯ブラシをこう立てて・・・」垂直に磨くよう指南を受けた。
娘に説教くらってるようでもなく、得意満面というのでもなく、ガリガリは困ったような、心細いような、もう1回来させて悪いような、この人はこのトシまでこんな磨き方だったのを哀しむような複雑な表情ではあったよ。
「お忙しいでしょうけど。鏡を見ながら5分くらいかけて磨いてください」
「5分!!」
「ハイ」
「朝の5分は大きいな」
「朝は軽くでもいいです。でも夜は時間をかけて丁寧に磨いてください」
私は頷き、身体を起こしながら、
「歯石が付き易い歯質なのかな」
ガリガリは返事に困ったような表情をした。
私は上着に袖を通しながら、
「歯石が付かないようにするにはどーすりゃいいんだ。何かいい方あるのかな」
「やはりきちんと磨かないと」
私はこれまできちんと磨いてなかったってことだね。だけどインプラント手術てのはそんなにキレイに歯石を取らなきゃいけないのかい。埋め込む場所が決まってるんだからその周辺だけでいいんじゃないのか。それだけだと歯医者の使命感に触れるのだろうか。
私は上着を着ながら、「もう1回来るのは構わないけどさ。オペまでまだ3週間チョイある。その間にまた歯石が付いちゃって、次回来て削った後でまたもう1回来てくださいってことにならないか」
「それは大丈夫です」
「そうか。喰わなきゃいいんだな」
「いえ、それじゃぁ・・・」
ガリガリは困った表情をした。
処理済~左がガリガリガール.jpg
待合に戻って会計待ちしてたらガリガリが受付嬢に耳打ちしてる。
「もう1回」「全部は」、とか聞こえたから何を耳打ちしてるのかはわかったよ。「歯石が多くて全部は取り切れなかったからオペの前にもう1回来ていただくことになりました」ってか。
受付嬢は予約台帳をペラペラめくりだした。空きがあるかしら?という感じである。空きが無かろうが、ガリガリがもう1回来てくれって言ったんだから、私は自分の歯の手入れの雑さを棚に上げて、受付嬢が何て言おうと意地でももう1回、予約を押さえる気になっている。
ガリガリお嬢はマスクを外して次の患者さんの名前を呼び、診察室に消えてった。
待合は私だけになり、名前を呼ばれたので受付に歩み寄り、
「前回の会計が未払いだったろ。それと次回はXデーの予定だったが、さっきのガリガリ・・・ねーさんが、それまでにもう1回、来てくれって」
「ガリガリねーさん?」
受付嬢は診察室の方を見た。
「ああ、ガリガリって。ププッ(笑)アハハハハ(笑)」
ウケてしまったよ。昼休みか午後診の前に私がガリガリ呼ばわりしてることは本人に伝わったかも知れない。
「前回の会計は?」
インプラント注文費?予約金?60万前払いした日、混んだのと受付嬢まで診察室に駆り出されたので、「次回でいいですか?」と言われたので支払ってないのである。私の未収金、売掛金は月を跨いでしまった。
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2015-09-17
ガリガリ呼ばわりを笑い終わった受付嬢が言うには、
「今日のお会計は〇〇〇〇円です。ええっと、前回の分は無料で」
私はツッコまなかったが、何かオカシイな。前回は無料だって?
前回は一眼レフやCTで撮影してるから検査点数みたいなのが発生してる筈だぞ。今日は取り切れなかったとはいえ、診察台に寝っ転がってガリガリ削っただけだから、無料なのはむしろ今日ではないのか。

私もマジメなので、その日の夜から今日まで時間をかけて磨いてはいる。
「そういうところはマジメなのは知ってるけど。でも5分もかかってないよ」(ジャン妻)
「・・・」
「それでも4分は磨いたぞ。夜は時間かけても朝は軽くでいいって言ってたぞ」
ジャン妻はそれもどうかと言う。寝ている間は唾液の分泌が少なくなるので口の中に歯石ができやすい筈だと。だから朝も時間をかけて磨かないとイカンというのである。
要は寝てる間は自浄作用が低下して、口の中の細菌が増殖しやすい状態なんだろうな。だから虫歯になる訳でさ。
だけど齢50を過ぎて自分の娘っ子みたいなねーちゃんから歯磨き指南を受けるとはな。ガリガリに習ったように、歯ブラシを斜めにあてないで垂直にあて、ブラシを潰さないように1本1本を細かに磨いてはいるよ。
だけど1本1本を磨いてると、下唇から歯磨き粉の混じった唾液や水がダラダラ溢れ出し、顎まで垂れ流しになるんです。カニが泡吹いたようになるのだ。鏡に移る己の表情が見苦しいったらありゃしない。
間違った磨き方を日頃している人が多いらしいが、私も50年生きて間違った磨き方をしていたという訳である。その現実を突き付けられた私はマジメなので、ガリガリに言われたような磨き方に替えた。で、もう1回、クリーニングに来たんですよ。その時、ガリガリお嬢に言ったの。
「5分も歯磨きしてたらさ。口ん中から唾液と水と歯磨きがダラダラ流れ出してさ。アゴがベチョベチョになるのよ。まるでカニが泡吹いたみてぇでさ」
「ええっと・・・最初は歯磨き粉無しで磨いて、最後の方で歯磨きつければいいんですよ」
「あ、そーか」
それだけのことか。
「では歯石取りますね。お口開けてください。浸みたら腕を上げて合図してくださいね」
またガリガリが始まった。
ガリガリお嬢は「キレイになってますね」と言ってくれたが、前回取り切れなかった上の葉や、上下4本生えきったオヤシラズまでガリガリ削りやがった。時折歯茎に鋭い痛みが走るのと、キュィーンって音のするヤツ、これが歯でガラスを引っ掻くような不快な振動で脳天に響くんだな。
細いバキューム管みたいなのも入れてる。これで削り落とした歯石を吸い取ってるのだろうか。時折口の中や舌にバキュームが吸いついたりする。
1時間くらい削ってましたね。この子はよほど歯を削るのが好きなんだな。
「お口ゆすいでください」
血が混じってやがる。
「血が滲んでるな」
「歯茎はどーしても出血するんですよ」
ああそうかい。もう終わりかなと思ったがさにあらず。ガリガリお嬢はまたヘンな小道具、獲物を出してきたぞ。
「こういうの使ったことありますか?」
歯間ブラシである。
ライオン.jpg
「これでちょっと磨いてみてください」
っていうかどうやって使うんだい?
「針金みたいだ。歯茎に刺さらないか?」
「歯と歯の間に入れるんです。鏡を見ながらやってみて下さい」
鏡を見ながらやってみたが意外と上手くいかないのである。歯間ブラシなんて使ったことないんだよ俺は。歯茎にブスッと刺さりそう。
よほど不器用なヤツと思ったのか、ガリガリがフォローしてくれた。歯と歯と歯茎の間の隙間に針金が刺さってるように見える。間は当然狭いのであまりいい気持ちではない。デカい魚の骨が挟まったような不快感。歯か歯茎の肉が削れそうである。
「受付でも売ってますよ」って。今度は商売かよ。

会計時に受付嬢に言われた。
「いよいよ次回はオペですねっ」[わーい(嬉しい顔)]
何をウレシそうに言いやがるか。
「当日に何か気を付けた方がいいことってあるの?食べちゃいけないものとか」
「その日はお酒とか、刺激の強いものは避けてください」
「ええっと、何時からだっけか?」
午後からになっている。半日休になりそうである。
コメント(6) 

ガリガリガール [歯医者]

某日、「歯医者は何時だっけ?」(ジャン妻)
「〇〇時半かな。支払頼むゼ」
62万だからね。私は高収入ではない。必然家計からの持ち出しになる。ウチの家計管理はジャン妻である。歯医者へジャン妻も同行した。(稀にメンテナンスで来てるみたい)
今日は私のインプラント代金を前払いしに来たのである。
「まさか支払いは現金?」
「カードよ」

2人で来た私らを見て2名の受付嬢は一瞬、怪訝そうな表情だったので、私は前回貰った計算書(見積書)を受付嬢に見せた。
「ウチの大蔵省を連れて来たから」
「あ、今日お支払ですね。」
途端に表情が明るくなるのは何故だ。
「カードで?」
「私のカードじゃない。こっち」(ジャン妻を指差す)
「ええっと、奥様のカードで?」
悪かったな俺じゃなくて。
「私はこのトシまでカード持ったことないし持たせてくれねぇんだ」って悪態ついたら、受付嬢はリアクションに困ったようだった。
「だからといって現金たくさん持ってるわけじゃないよ」
別に私は笑いを取ろうとしてるんじゃない。正直に言っただけだ。受付嬢はちょっとだけ仕方なく笑った。
受付嬢の1人が待合椅子で待つ私にカードリーダーを持って来た。
「私じゃない。こっち(ジャン妻を指差す)」
「あ、ハイ、奥様お支払は1回で?」
ジャン妻は頷く。
「恐れ入りますが暗証頑号を」「ご署名を」とかやってましたね。このトシでカードを持っていない私は何をやっているのかチンプンカンプンである。

支払い中のジャン妻。↓
処理済~支払い中.jpg
支払いが終わった。
「アタシは社に戻るよ。アナタは?」
「ええっと、今日は支払いだけか?私も帰っていいのかな?」
「いえ、ご主人はクリーニングと・・・」
クリーニング?
歯石取りか?前回、やっただだろうに。今日は何をするんだろう。イヤな予感がした。
今日は月曜だから週初日なんです。今は閑職の私だが、今月は祭日が3日もあるのと、30日までしかないので平日が少ない月です。この私ですらタイトなスケジュールになているので早く業務に復帰したかったのだが。
また短くない時間を拘束されるんだろうか。

いつもの女性スタッフ(歯科技工士?衛生士?)が登場した。
診察室に案内され、「〇〇さんこんにちは」
「ああ、お世話になります」
またこの子か。
前回、私の歯石をガリガリ削った子である。私は「釣り針小娘」、もしくはタイトルのガリガリガールと呼んでいる。
「こんにちは」って挨拶されたのは初めてですね。数十万を前払いしたから途端に愛想がよくなったかな。
「今日は歯石削りますね」
またかよ。
前回も釣り針みたいなのでガリガリ削ったじゃないか。取り切れなかったのだろうか。

「お口開けてください」
ガリガリ削り始めた。力任せに上に思いきり引っ張ったりしてる。時折、脳天にグキッ、ガリッって響く。釣りをやらせたらさぞかし上手そうだ。
前回同様にUPPER、LOWWER、表と裏、グルッと半周ずつ、時間をかけてガリガリ削ってる。この子は歯石を削るのが好きなのかな。
後でジャン妻が言うには、「37年も歯医者と縁が無かったから1回じゃ取り切らなかったんじゃないの?」

ガリガリグキグキの途中で「診察台起こします。軽くゆすいでください」、「診察台倒しますね。楽にしてください」、そしてまたガリガリグキグキを繰り返すが、ゆすいでいる間にそのガリガリガールは何処か他の診察室へ消えてしまう時があるんです。残された私は待ち時間が長く感じた。
戻って来たガリガリガールはまた歯石を削りにかかる。そしてどっか別の診察室へ消える、また戻って来るの繰り返しである。
どうも混んでるらしい。
月初の月曜だから混むのだろうか。この後で支払いの時、受付嬢が待合で待ってる患者さんに、「すみません〇時からでしたね。今日は混んでオペが長引いて・・・」と言い訳していたから、私だけが待たされているのではないらしい。
今日はすぐには帰社できそうにないな。

読者の皆さんにお聞きしたいのですが、歯科医さんの治療やメンテナンスって、当日でも次回予約の時でも、「お時間どれくらいかかります」っていう説明をしないものなんですかね?
私はそういう事前説明を受けたことないんです。診察治療が終わってから、今日は結構時間がかかったな~って思うのです。
複数の患者さんを同時進行ですすめているようだね。37年前の歯医者さんは個人開業で、こんなに診察室もスタッフも複数いなかった。
現代の歯科に通い慣れてる人はいいけど、こちとら37年振りなのでわからないことだらけ。現代の歯科技術はもちろんだが、全体の工程や、その日の診療時間、拘束時間がワカランのです。
私も分野は違うが医療業界の人間なので月初、月末、週初め、平日の中休み明けが混むのは理解できるが、途中で長引いたなら長引いたで、「今日はお時間大丈夫ですか?」ぐらいは聞いてもよかろうに。
予約の時に、「次回はどれくらいかかりますか?」と聞いたら答えてくれるのだろうか。
私は閑職だからいいようなものを、40台半ば頃だったらこんなに頻繁に歯医者に来れなかったと思う。来てみたら1時間か2時間も拘束されるなんてさ。
もしかして、今日は診察前にインプラントの前払いを済ませたので、私を前払いだけで帰すわけにもいかず、せめて歯石でも取ってあげましょうということなのかな。

歯石を取り終わったのになかなか帰してくれない。
ガリガリガールが「お口の中の写真を撮らせてください」
手術前の準備写真らしい。もう好きにしてくれ。ところが持って来たカメラはデジカメではなく、内視鏡のような小さい細いカメラでもなく、デカいNIKONのカメラだった。(一眼レフのようなもの?)そんなんで撮るんかい。
それとまたヘンなプラスチック器具を2つ持ってきた。同じ形のが2つで、それを口の両端にひっかけて左右に引っ張るんです。その状態で撮影するんだと。
「ご自分で持って左右に引っ張ってくださいね」
自分でやんのか。ああ、そうか。ガリガリガールはそのデカいカメラを両手で持ってるからね。
私は器具を唇の左右両端に引っ掛けてグィーッって左右横に引っ張った。ガキの頃に女の子をからかったような表情になった筈である。
「鏡を入れますね」
まだ何か入れるのかと思ったら、手鏡の小さいヤツを口の中に押し込まれた。
「鏡をベロで抑えてくださいね」
私は私は自分の口を左右にグイーッって引っ張りながら、四角い手鏡をベロで支えている。スタッフは私の右に立り、カメラを持って撮影しようと身構えている。私は傍から見たらどんな表情をしてるんだろう。
私の右肘がスタッフの腰回りに触れてしまった。ブニュ。

カメラは大口開いた私の口の上にある。
早く撮れよ、口が疲れるじゃないか。ガリガリガールもカメラを持つ両腕が重たそうである。うっかり落っことすなよ。落としたら前歯が欠けるは必定である。
デジカメならともかく、NIKONの一眼レフ操作に慣れてないんだな。そのうち、カシャ、もう1枚、カシャ、もう1枚、カシャ、終わったかと思いきや、こんど上下に引っ張るんです。自分でするんです。ホント、どんなツラしてるのか自分でも見てみたいぜ。
ところが上手く撮れないらしく、ガリガリガールは先輩格の女性を連れて来た。アシストさせながら2人がかりで撮影にかかった。左右に引っ張り、上下に引っ張り、やり直しである。
「もうちょっとお口開けますか?」
途中で口が疲れて閉じかけたらしい。
カシャ、カシャ、カシャ、3回のシャッター音が鳴ってようやくにして一眼レフでの撮影終わり。
でもまだ帰してくれないのだ。インプラントの位置を決める為の半透明のプラスチックをクワエさせられた。
「インプラントの位置を決めます。この状態でCTを撮らせてください」
ガリガリガールは私をレントゲン室に連れてった。電気椅子のようなものに座らされた。
「背中付けてください」
「顎を載せてください」
「そのまま動かないでくださいね」
部屋のドアが閉まった。

そっからが時間が長い。いつまで経っても稼働しない。ムズ痒くなって身体を顔を動かしてしまった。
そしたらピーッという音がして、CTがウィーンと唸って稼働したのである。私の顔を1回転している。
レントゲン室から解放され、診察室で寝て待っていたら、ガリガリガールが来て困ったように言う。
「すみません。CTがブレちゃって・・・」
「???」
「もう1回撮っていいですか?」
「いいけど」
もう1回やり直しになりました。このヘタめって思った。CTがブレたのは私がソワソワ落ち着きが無い挙動をしてたせいだろうか。
再度、レントゲン室に入った。
「動かないでくださいね」
「でもずっと動かないってのはツライな。ドアを閉めてから、ハイ、撮りますって合図でもあったっけ?ピーッってホイッスルのような音がしたが。そこから不動のままでいればいいのかな」
「ハイ」
ガリガリガールはやや生返事である。この子はわかってるのかな。

診察室に戻った。今度は上手くいったらしい。だが、私の中には先刻、口に入れられたインプラント位置を決める半透明の軟化物が入ったままなのだ。
さすがに言ったよ。
「あのさ、いつまでこのヘンなのをクワエてなきゃならんのだ?」
「あ!!」
ガリガリガールは慌てたように、忘れてたのを思い出したように、私の口の中から取り出した。
「外すの忘れてただろっ!!」
「ご、ごめんなさい」
消え入りそうな声を出した。

「〇〇さん今日はお疲れ様でした。本日はこれで終わります」
「いよいよ次回はXデーだな」
「ハイ」
「当日、どれくらい時間かかるんだ?」
「少々お待ちください」
ガリガリガールは答えられないのである。また先輩に聞いてる。もしかして新人なのかなぁ。
「2時間くらい」だという。
この子何かアヤしいぞ。受付嬢に再度聞いてみよう。待合室に戻ったら2名いる受付嬢が1名しかいなかった。1人は診察室に応援で引っ張られたらしい。やはり混んでるんだね。名前を呼ばれた私は受付嬢に聞いた。
「オペ当日は時間どれくらいかかるんだ?」
「午前からでも午後からでもいいのですが、仮に午後2時半からとして、夕方には退院できます」
「ざっと半日か」
「ハイ。麻酔が切れるまで安静にしていただくので」
「ってことは半休取るしかないな」
そういうのを事前に言わないんです。事前に知らずに来て半日も拘束されたら会社に対して無断欠勤とまでは言わないが職場放棄になってしまうじゃないか。その辺りが大量の患者対応に慣れている為の病院側の悪い慣れの部分というもの。こっちから聞かないと何も答えない、教えないってことだよね。私は37年ぶりの歯医者なので、何をどう質問していいのかわからないのだからさ。
「で、オペは最短で今月のいつです?」
「今月(9月)は祭日もあるのと、麻酔医の先生のスケジュールがいっぱいなんです。その前にクリーニングで来ていただいて」
「えっ?次回がオペじゃないの?」
「もう1回、クリーニンングに来ていただいてからになります」
またかよ。37年分の歯石が未だ残ってるってことだろうか?またガリガリやるのかい?
「クリーニングはオペの1週間前くらいでいいのか?」
「いえ、半月前で大丈夫なんです。オペは次回のクリーニングの次です」
そんなに間が空くのか。私は面倒くさくなり、「ではオペは最短でいつなんです?そこから逆算しましょうよ」
受付嬢はカレンダーと予約台帳を捲った。予約台帳は紙で手書きの表みたいになってた。上大岡焼き鳥屋の予約メモみたいだった。
「10月の某日はどうでしょうか?」
「う~ん。その辺りは出張なんだよなぁ」
出張というか、実は蕎麦宿なんだけどね。
「その次は?」
結果、11月の初旬になってしまったです。2ヶ月もないが、45日後といっていい。その半月前にクリーニングで、オペして、1週間後に抜歯だって。
抜歯か。縫うのね。
ちょっと寒気がした。

だけどちょっと待てよって言いたい。
私は今日、支払を済ませている。(ジャン妻のカードですが)、前払いを済ませて45日も先ってのは何も今日無理して支払わなくてもよかったのではないのか。最初に指定された10月某日がダメなのはこっちの都合とはいえ、既に前金で支払ったんだぞ。オペまで間が空き過ぎである。
「麻酔専門医のスケジュールが変わったらまた連絡します」(受付嬢)
そうならないことを願う気持ちが半分、もう年内に終わればいやの気持ちも半分である。ここで強く「俺は前払いで支払ったんだから、確実に麻酔医を抑えろ!!」と言ってもよかったのだが、やはり私も同じ業界の人間なのでそれ以上強く言うのは憚られた。
「で、今日の支払いは?」
「あの、実は計算に時間がかかるのと、混んでるので、次回でもいいですか?」
「???」
計算できないのかこの子。次回でいいったって10月ですよ。未収金が月を跨ぐのです。そういうのは台帳で管理してるんだろうけどさ。
最初に62万も支払ったからそれを補償金代わりと思ったかな。

私はインプラントオペが麻酔専門医のスケジュール次第なのに若干驚いた。
それってお医者さんと歯医者さんとの力関係ではないかと思ってしまった。このBlogの読者に歯科医関係者さんがいたら申し訳ないですが、私はかなり以前に知ってる内科のドクターから、「彼は医者の息子なのに医者にならなかったんだよね」と言われたことがある。
彼、というのは、私の地元の若い歯医者さんです。親が内科か泌尿器科の医者だが、親の後を継がなかったから歯科医で新規開業するしかない。そこらにコンビニ並に歯医者さんの数が多いのは他にも理由があるのだが、私が言われたのは、「歯科は医者じゃない」と言っているようなもの。
このガリガリの翌週、かかりつけの内科(女医)さんに、「何かお変わりありますか?」と訊かれ、「最近、インプラント治療に入っています」と答えたのだが、女医さんはそれを無視。黙殺された。
一般人から見たら歯科医も白衣着てるから医者でしょうと思うのだが、穿った見方ではなく医者と歯医者は違うのです。わかりやすく極端に言えば、医者が歯の治療をしてもいいけど、歯医者は内科の診療はできない。アタリマエである。
逆も然りで、歯の治療に内科に行く人はいないでしょう。

歯医者の後、この日の昼です。
味噌バター.jpg
どうも歯医者に行くと、肉や魚や定食類を喰う気にならない。
拡大.jpg
熱々.jpg
歯茎に浸みやがる。歯石の取り過ぎた。
このラーメン屋は前に載せたことがあります。しばらく疎遠になっていたのだが、歯科医に通うようになってから復活した。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-09-24

「11月!!」(ジャン妻)
「麻酔専門医のスケジュール次第らしい」
「ああ、そういうお医者さんって少ないのかもね」
現在のところまだ変更の連絡は来ていません。でも支払って45日も空くのは如何なものだろうかね。
私は奥歯が無い状態が続いている。
「大丈夫よ奥歯ひとつ無くたって。歯茎って盛り上がって強くなるからさ。ウチの祖父さんなんか奥歯で噛んでたよ」(ジャン妻)
「・・・」
かくして、私のインプラントは未だ見ぬ麻酔専門医さんのスケジュールに委ねられることになった。
コメント(4) 

!!! [歯医者]

歯医者通いが続いている。
「今日は歯石を取りますね」
「・・・」
「倒しますね」
「・・・」
ライトが点いた。
「お口開けてください」
「・・・」
「べろの力抜いてください」
「アゥ」
「痛かったら右腕を上げてください」
「アゥ」
私は歯科医の診察台で大口を開けている。
歯科技工士?衛生士のねーちゃんは、おそらく私と親子ほど年齢差があるだろう。マスクをしてるのでルックスは全部わからないが、如何にも育ち良さげなお嬢様といった感じである。
その子が釣針みたいなので私の歯の表裏をガリガリ削ってやがる。ガリガリ、グキグキする。
UPPER、LOWWER、表と裏、グルッと半周ずつ時間をかけてガリガリ削ってる。
歯と歯茎の境目なんか、時折刺さるのか、痛むぞ。
チクッ!!
「イデッ」
「痛かったですか?」
「アゥ」
痛いって。なかなか終わらない。歯石削り嬢は若くて美人で大人しげだが、意地でも全部削り取る気迫を感じた。仕事とはいえ他人の口の中をいじりまくるってのは気分悪くならないのかな。
かなり長い時間がかかった。アゴが疲れて来た。
「ゆすいでください」
血が滲んだ。僅かな出血だが私は己の血を見るのがイヤなのだ。
ゆすぐコップ.jpg
院長が来たぞ。説明が始まった。ディスプレイには私の歯が写ってる。あまり美しい歯並びではない。
水平にカットした図、断面図を見せられた。「ここに歯茎があって、神経が通って、ここにこうこうしてインプラントを載せます云々・・・」の後で、
「本当に過去に治療した形跡がないんですよね」
だって言ったじゃん。37年ぶりだってさ。次にカラーグラフを見せられた。
「○○さん(私のこと)の場合、このとおりインプラントに適した骨と歯茎です。(地盤が)軟弱でもないし、岩盤のように固くもないし」
もちろんブリッジの説明も簡単に受けたけど、歯茎と骨がインプラントに適してるってぇ?要はインプラントをススめて儲けたいんだなって勘ぐったよ。
私の歯.jpg
次に工法の説明。画面にボルトみたいなのが写ってる。それが私の歯茎に埋まってる。
「こういうのを埋め込んでその上にインプラントを載せます」
「基礎になるボルトみたいなもの?」
「ネジですね」
「基礎工事をして、その上に家を建てるようなイメージ?」
「そうですそうです」
「それって痛いのかな?」
「神経麻酔を注入するので寝てる間に終わります。ただ、やはり麻酔なのでその日は忘れっぽくなるんですよ。なので大事な会議とかご契約とか、そういうのが無い日が望ましいのですが」
今の私は社内でそんな重大事項に関わってないよ。
「忘れっぽくなる?そんなん日頃からしょっちゅうですよ」
「いやいやそんな。お仕事に差し支えないとも限らないので。くるまの運転とかも避けていただきたいんですよね」
どうも説明不足は否めない。麻酔が覚めるまで安静にしなきゃならないので半日ツブれると思った方がよさそうです。
そこで見積もりを提示された。
見積もり.jpg
!!!
ろくじゅうにまんえん!!!
その内訳はというと。
静脈内●●(麻酔専門医) 70000円 (●は判読できない箇所)
インプラント埋入手術(2次オペ含む)10年保証 250000円
骨造成(GBR) 100000円
インプラント上部構造(ジルコニア) 160000円
小計 580000円
消費税8% 46500円
合計 626400円!!
高ぇなぁ!!
しかも所定開始日迄にご入金くださいとある。
「10年保証ってありますね?」
「私の経験上で不良品といいますか、過去に2000個中5個ぐらいはあったんです。その期間内でしたら無償で」
10年保証期間が長いのか短いのか私にはわからない。内心ブットンだのだがもう仕方がない。やるっきゃない。
「お願いします」
「では今日は形取り(カタドリ)をさせてください」
形取りとは冷たいヒンヤリした粘土みてぇなのをUPPER、LOWWERに被せて形を取るのだが、その粘土は安っぽい歯磨きみたいな匂いがするんです。LOWWERはそうでもないんだけど、UPPERは匂いが鼻に直接入って「オエッ」ってなるんですよ。唾液も貯まるし、時々ティッシュで拭いたが前掛けがヨダレだらけになった。
最初は軟らかい粘土がだんだん固まっていく。そうか。歯石をガリガリ取ってたのは形取りをする為だったんだな。
無理矢理かまされた冷たい粘土が気持ち悪い。粘土には針金みたいな取っ手が点いていて、手榴弾のピンのように口先から飛び出している。
技工士?衛生士のねーちゃんはその取っ手を掴んで軽く引っ張る。
「もうちょっとですね」
「アゥ」
「軽く噛んでください」
「アィ」
しばらくしたらねーちゃんは取っ手をグイグイ引いた。私の前歯を折ろうとしてるのかと。次に上下にガクガク揺らしてベリッって力任せに引きはがした。
それをUPPER、LOWWER各2回ずつ、ものを変えて1回ずつ形取った。
「下の歯(LOWWER)の方が楽ですよ」
確かにそうだった。下の歯は歯磨きの臭いが鼻に入らない。アタリマエである。UPPERと違ってLOWWERは粘土が裏返しになってるからである。
無機質な診察室内.jpg
「お支払いはカードで?」
「恥ずかしい限りだが・・・」
「???」
「私はこのトシまでクレジットカードを持ったことがないのだよ」と白状するハメになった。
「では現金で?」
ケロッと簡単に言うなぁコイツ。受付嬢は内心で驚いたのではないか。37年歯医者に行ったことがないワ、齢50過ぎてもクレジットカードを持ってないワってのはどういう人なのかってね。口に出してないが私は30万円以上の現金を財布で持ち歩いた経験すらないのだ。至って小市民なんだよ。
「次回はまだオペじゃないんだよね?先払いって訳か」
「ハイ。オペはその次になりますが、その前の次回お支払いただきたいのです。材料などを発注しなくてはならないので」
まぁそうだよな。歯の形なんてバラバラだし。既製品の在庫なんかあるわけないって思った。
(ここで私は勘違いをしている。インプラントとは歯型ではなくボルトのことらしいのだ。)
受付嬢は恐縮した表情(演技?)だったが、内心では儲かる客だと思ってるに違いない。
(いちいち悪意に受け取る私もどうかと思うが。)
「カードと現金どっちにしようかなぁ。家内に相談する。支払は心配しなくていいから」
「ハイ」
も財布の紐は握られてると言ったようなものである。
ご入金予定日もしっかり記入されていた。ご入金日は空欄のままである。

時刻を見たら13:30になろうとしていた。この界隈、ランチタイムが終わろうとする頃である。
腹が減ったが歯茎がスースーする。あまり固いものをガッツリ喰おうという気分ではない。
最近、あまりラーメンは食べないようにしているのだが。
醬油バター&もやし.jpg
スープ.jpg
麺を引き摺り出す.jpg
醬油ラーメンの汁が歯茎に浸みやがる。味が濃いので余計に浸みやがる。
歯石の摂り過ぎではないか。

喰いながら思った。あの金額はジャン母には言えないな。
ジャン母は私が37年前にかかった歯医者を知っている。ジャン父(故人)の大学の同窓だったのである。ジャン母自身も齢80になった現在でも全部自分の歯なので、インプラントというものに疎い。
ジャン実家で奥歯を治療してる話をしたら「入歯にするんでしょ?」と言いやがったからね。
「インプラントだよ」
「それって幾らするの?」
その時は「50万くらいかな」って答えたのね。そしたら呆れたように「たかが歯1本で50万なんてもったいない。入歯にすればいい」って言いやがった。

ジャン妻に見積もり(計算書)を見せたらさすがに一瞬、固まったが、
「次回、払うのね。会計の時に連絡くれれば」
「・・・」
最初っから私にカードも現ナマも預けるつもりはないらしいぞ。
高い買い物だぜ。暮れの賞与はトンだ。
コメント(6) 

タフな奥歯 [歯医者]

この記事を書きながら、右奥歯跡がジワジワ熱を持っているのに気付いた。
薬が切れたな。出がけに1錠飲まないと。(痛み止め&抗生物質)

「今日だっけ?」(ジャン妻)
「そう」
「これまで抜いたことってある?」
「ない・・・と思う」
「乳歯も?」
「うん」
「前歯と違うからねぇ。奥歯だからタイヘンだと思うよ。まっ何事も経験だよ」
「・・・」
脅かすなよ。
抜くのも痛かろうが、歯茎に何本麻酔注射打つんだろう。そこからもう気が重い。

行ったら受付嬢の満面の作り笑い(笑み)で迎えられた。受付嬢はインカムで、「12時にお見えの〇〇様・・・」
すぐ診察室に案内され、院長といつもの助手さん(女性、ギャル)が登場。
「今日は奥歯を抜きますね。その前に麻酔を打ってセメントを取ります」
黙って頷く私のアタマん中では、「抜かなきゃいけないのかな、やっぱ抜かなきゃいけないのかな、それって痛いのかな、抜いた痕って浸みるのかな、食事する時に痛くないのかな」・・・
昔の4コマ漫画か何かで、1日に1本でも歯を抜かないとストレスが溜まる歯科医さんがいて、「抜きたい抜きたい抜きたい・・・・うわぁ~っやったぁ~っ抜けるぞぉ~」
そういうネタになるくらいだから抜くのが好きな人種なんだろうと思ってた。

診察台が仰向けに倒された。
大口開けて、抜く側の歯茎に表面麻酔の軟膏をヌリヌリ塗られた後、麻酔注射を3本ほど打たれた。
プスッ!!
チクッ!!
スッ!!
最初の1本は痛かったけど2本めと3本めは痛みを感じなかった。効いてきてるに違いない。
「セメントを取りますね」
ガリガリ始まったぞ。麻酔が効いて痛まない。唇の左半分がマヒしてきた。
セメントを取り終えたら一旦、診察台が起こされ、院長は他へ診察に行った。
その間に訊いてみたのだが、
「私みたいに30数年歯医者にかかったことないヤツっています?」
「たま~にいますねぇ」
ふぅ~ん。37年の伝説が崩壊する時がやってきた。院長が戻ってからさぁ本番である。
「では奥歯を抜きますね」
「・・・」
私は黙って頷いた。麻酔で唇がマヒして喋れなかったのもある。30数年歯医者と縁の無かった私にはこれからのう治療は未知の世界である。

診察台が再度、仰向けに倒された。まな板の上状態である。ここから時間が長く感じた。口の中に何やら器具を突っ込んで、ヒューヒュー、ジュルジュル、プシュープシュー、グイグイ、ガキガキ、いじくりまわされてるのを感じる。痛みはそうない。
「舌の力を抜いてくださ~い」
そう言われても舌の力を抜くとは?抜いた状態とは?よくわからないのだ。
ガリガリグイグイいじられてる間、私はずーっと目をつむっている。
時間にしてどれだけ経っただろう。かなり長く感じたが実際はそうでもなかったのかも知れない。この世に生を受けてジャン母から賜った身体の一部を体外に摘出される時がやってきた。ふと目を開けたら、血に染まった歯の一部が取れたのが目に写ったのです。
でも、全部取れたのかと思ったらそうではなく、
「半分くらい抜けましたので」
まだ半分かよ。
診察室.jpg
これまではじーっと待ってる時間の方が長かったが今日はさすがに治療時間の方が長い。院長は殆ど私につきっきりになってる。
さては他の午前の受付患者さんは終了して院内、私だけになったらしい。
院長は残り半分?を取りにかかった。私も奥歯と歯茎に違和感を感じるようになってきたぞ。
私は口の中で鳴りまくる音、ウインウインプシュープシューガリガリクイックイッツ、イヤになるような金属音をずーっと聞いてなきゃならない。
「痛かったら右手を上げて意思表示してくださいね」
「アゥ」
「痛かったら麻酔追加しますからね」
「アォ」
ハッキリ喋れないのだ。グイグイ押したり曲げたり。上唇に器具が押し付けられたり、マンパワー状態である。

それでもなかなか取れないね。何しろこちとら齢80になっても未だにALL自歯を揃えて虫歯無し、ジャン母の遺伝子を継いでるからね。その遺伝子が仇となったか、院長も助手もかなりてこずってるように思った。いつまで経っても治療が終わらないのである。
しまいに別室からもう1名女性スタッフが駆けつけ、院長と助手ともう1人の助手、3人体制で私の口を引き裂きにかかったものである。
「痛いですか?」
「アィ」
ハイって言ったつもりがハガハガして言葉にならないのだ。

ここまで痛まなかったのは、私の記憶違いでなければ30数年前に詰めた歯医者さんは神経を抜いてるんです。細いミミズみたいなのを見た記憶がある。
その時も麻酔打った筈だが。
芯の部分に来たらしい。そこで「痛みますか?」「アゥ」の会話ともいえない遣り取りの後で、
「麻酔追加しますね」
えっ!!
またかよ。追加2本打たれた。
局所麻酔とはいえこれだけ打つと多少は眠くなってくるようで。気付かないうちに自然と口が閉じかかったらしい。
「お口開けてくださ~い」
「舌の力を抜いてくださ~い」
ハッと我に返る。まだ終わらないのか。まだかかるのか。もういいよこれぐらいでと思う。でもここまで来て途中で諦められても困る。
歯医者さんは冷静である。私だったらブツクサ言いそうである。チッとか舌打ちしたりして。
でもおそらく院長も内心では、「クソッ、何だこの奥歯は、頑固で取れやしねぇ」って思ってるに違いないさ。
ウワァ~ッもう勘弁しろよって言いたくなった途端に、頭上の灯りがフッと消えた。
「ゆすいでくささい」
先生は言い置いて出てっちゃった。診察台が起き上がった。アタマに上った血が下がるのを感じた。抜いた(抜けた?)みたいです。
「お疲れさまでした。今日はここまでです。次回から経過を見て云々・・・」
「・・・次回って来週のいつ頃を予約すればいいんです?」
「来週のいつでも」
ああそう。いいや。取り敢えずここを出よう。でないと皆さん昼休憩に入れない。

やれやれ。放心状態な私の傍らで助手さんが片付けにかかった。私は起き上がる。時刻を見たら13:30を過ぎていた。1時間ガリガリグイグイやっていた訳か。
廊下に出たら院長がいた。スタッフも幾人か廊下に出たり、診察室を掃除したり。どうも歯医者さんの昼休みの時間帯に突入してしまったようです。スタッフは診察室内を片付け掃除をして、コンビニにお昼を買いに行く態勢ミエミエである。お腹減っただろうな。ウチの業界も同じようなものだからね。
院長もマスク外した。素顔を初めて見たぞ。マスクを外したことで緊張感が薄れ、1個の人間対人間に戻った気がする。
「手こずらせてすみませんねぇ」
先生は、「イエイエ」と言いながら額の汗を拭ぐってる。ホントは手こずったに違いない。
廊下で一緒になったのを幸い聞いてみたの。
「今後はどれくらいかかるモンなんですかね。秋口までに終わるんだろうか?」
「インプラントだったら・・・云々・・・隣の歯を削ってよろしいのでしたらブリッジで云々・・・」
よくわからないが後でジャン妻に聞いたら「インプラントは高い。30万くらいする。ブリッジでいい」と言う。
「では年内かかりますね」
「4か月くらいです。でもメンテナンスは1ヶ月に1回くらい来ていただければ・・・」
そんなにかかるのか。でも幸い、年内の転勤はないだろう。私を上州に1年トバしたのを会社は後悔してるみたいだからね。
「今日この後、食事は?」
「フツーに摂っていただいていいんですが刺激物は避けてください。辛いのとか」
「歯磨きはどーすれば?」
「これもフツーに磨いていいんですが、今日奥歯を取った跡の部分は触らないでください」
私は手でクイッと酒を呑む仕草をした。
「これは?飲んじゃいけない?」
「う~ん・・・。まぁそこはご自身のご判断で(笑)」
口頭で何も説明してくれないから質問攻めした訳ですが、この歯医者さんの名誉の為に言うと、私が院長に質問した内容は、会計で渡された紙に全部書いてありました。

会計を済ませた。安くはなかったですよ。帰りのエレベーターで、私の奥歯を抜いた助手の小娘(失礼)と一緒になってしまった。手にお財布を握ってる。さてはコンビニに行くんだな。白衣で買い物に行くなよ。

帰社した。抜いたのは誰にも言わなかった。抜いた跡から血の滲んだ唾液が止まらない。私は多感な頃に誰かにブン殴られて口の中を切ったことはあるが、歯は取れなかったからね。
これから浦和方面へ外出しなきゃならないのだ。
「安静にしてたら?」(ジャン妻)
「もう午後〇時に約束しちゃったんだ」
外出先で公用を済ませて浦和駅で東海道線上野東京ラインに乗ったら歯茎の麻酔効果か爆睡してしまい、起きたら横浜駅だった。そのまんま直帰した。

超獣.jpg
2001年2月、不沈艦スタン・ハンセンの談話で、現役時にタッグを組んでいたブルーザー・ブロディが、ジャンボ鶴田のことを、
「非常にタフで強い男だ。鶴田との試合は抜けない歯を強引に抜かれるような気分だ」
ブロディも鶴田も故人です。ブロディは奥歯を抜いたことがあるのかも。抜けない歯とは奥歯に違いない。
コメント(4) 

歯茎に麻酔注射 [歯医者]

昨日金曜日のこと。昼メスを喰い損ね、仕方なくそこらで買ったサンドイッチを会社の一室でマズそうにモグモグ噛んでたら、奥歯の詰め物、セメントが取れやがった。
マジかよ。昨日詰め直したばかりなのに。

月曜日に初診で、木曜に高崎のCafeオーナーうさぎ女史によく似た歯科技工士さんに詰め直して貰ってるんですよ。なのに木曜の金曜でもう取れるかよ。
固いものを奥歯で齧ったりしてないです。今は咀嚼する際、もう片方の奥歯だけで噛んでる。片側に食い物が偏って軽い火傷して薄皮が1枚めくれたからね。
歯医者に電話した。
「昨日詰めて貰ったばかりのセメントが取れたんだけど」
「えっ!!取れたんですか?」
「舌で触ると、山が削れてサイドが剥がれかかってるね」
「そうですか。ええっと・・・今日はもう予約がいっぱいでして。週明けの〇曜日にご予約されてますよね。それまでモタなそうですか?」
「モタないと思うよ」
受付嬢はやや焦ってる。この受付嬢も技工士か衛生士さんの助手をして、私の詰め物に立ち会っているんです。私は別に責めた口調で言った訳ではないが、傍らにいたことで若干の責任感じてるみたい。
「ちょっとお待ちください・・・」
受付嬢は保留を押さないまま、船山温泉のようなインカムで院長に確認してるのがわかった。
私が行き出した歯科は院長の趣味なのか、女性スタッフが若くて美人揃い。だからって許さないですよ。私は心中で罵ってもいる。このヘタクソめって。
「本日、何時頃なら来れますか?」
「いつでも」
「では17時にお出でください。何とかなりそうです」
急患扱いになった。

「歯医者行かれるんですか?」(同じシマの女性)
「うん?・・・ああ、話聞いててわかった?」
「あそこの歯医者さんですよね。前に○○部長と〇〇部長と〇〇部長がよく行ってましたよ。女の子が美人揃いでかわいいからって」
「部長が3人も?そういう理由でか」
「実際どうなんですか?」
「さぁなぁ。皆マスクしてるから女の子の素顔をマジマジ見たわけじゃないが。(接遇の)感じはいい方だと思うよ」
どうも女性は私もそういう理由でその歯科を選んだと思ってるようである。そうじゃなくてジャン妻が定期的にメンテナンスで通ってる歯医者で彼女に紹介して貰ったんだよっ。
私はマジメに答えた。
「〇〇(ジャン妻)さんはいい歯医者だって言うんだけど、私は歯医者に行くのが30数年ぶりだから、歯医者の良し悪しってわからないのだよ」
医療業界ってやはりビジュアル的な女性を優先する傾向はあるんですよね。

夕方に行ったの。今週月曜が初診でもう3回めですよ。受付嬢とも顔馴染になって来た。
「17時から急患の○○さんお見えになりました」
すぐ案内された。またどんな娘っ子が対応するのかと思いきや、さすがに院長自ら出張って来ましたね。
デカデカと口を開いて中を覗きこまれ。
「歯の残った部分が欠けてますね。欠けてる部分を取ってしまいましょう」
ってことは、詰め物が取れただけではなく、残った歯の部分も欠けたのね。どうせなら欠けてる部分だけではなく今日全部取っちゃえばいいのにさ。
「それって次回予約日にするのを今からやるんですよね。今日、全部取っちゃうったらどーなります?」
「全部取りますか?」
できないこともないらしい。
「今日は週末ですから。平日の方がいいと思いますよ」
あっ、そうか。歯を抜いたらその晩は断酒だよね。今宵は時間が未定だけど、河より低いBARでラビットドラゴンさんと飲むんだっけ。
一度で済むところを二度三度と来させて基本料稼ぐんじゃねぇよと思わないでもないが、そこは院長の考慮と判断。お任せした。
「麻酔使うから先に塗っといてください」
助手さんに言い置いて院長は他の患者室に向かった。忙しい歯医者だね。
「歯茎に麻酔だって?注射打つの?」
「ハイ」
「それって痛むのか?」
「細い針だから痛くないですよぉ」
嘘こけ。痛くない注射なんかあるもんか。
「打つ前に塗りますね」
何か塗り塗りしてる。その部位が熱くなってきた。
「少しそのままお待ちくださいね」

待ってる間、ジャン妻にメール。「全部じゃないけど欠けた歯を抜くんだって」・・・絵文字に注射器。
その返信は、「あら。頑張って」
これだけであった。
診察台.jpg
無理矢理割り込んだとはいえ待ってる時間が長いな。
待ってる間、隙を見て2枚撮ってしまった。診察台右にはPCのディスプレイがあって、私の奥歯や頭蓋骨全体のレントゲン写真が写ってるんです。撮ろうと思えば撮れたけどグロいので止めた。
某小児科のドクターから聞いた話ですが、ママさんが自分の子供、乳児、幼児の予防接種で、注射する際にⅰ―Phoneで撮影するママがいるんだって。
その写真を投稿するのかどうか。育児の記録かも知れない。ドクターは「診察室内ではハッキリお断りします」って言ってたが、何でいけないんですか?って喰ってかかるママもいるらしいですよ。
この歯科さんも院内に「携帯の使用はご遠慮ください」は貼ってあったけど、撮影禁止とは貼って無かったな。
診察室.jpg
10分ほどしたら院長が戻って来て、
「では麻酔打ちますよぉ」
チクッ!!
(痛っ!!)
しばらくしてもう1回、チクッ!!、歯茎の外側内側に打たれた。
「ハイ取れました。跡を丸く削りますね」
「・・・」
院長の説明を受けた。次回予約日に奥歯は残さないで取る事になるという。保険適用になるようにああだこうだ説明されて、口の中をCT撮影して終わった。
「抜いてその後どうなるんです?」
「インプラントか、義歯か、ブリッジか、来週詳しくご説明しますね」
「・・・」
私の知らない世界である。

戻ったら待合に誰もいない。受付嬢がヒマそうにしてた。
「こういう時って喰っちゃいけないモノってあんのか?」
「いやぁ。そういうのは無いですけど。ガムとか。キャラメルとかは避けてください」
「ガム?キャラメル?子供じゃねぇんだからそんなん喰わんですよ。骨付きカルビとか?」
「笑:そうそう。固いものを避けていただければ」
ってことは噛み応えのある肉は避けた方がいいな。河より低いBARにその旨、メールしよっと。
会計済ませたら受付嬢が私にこう言った。
「次回、いよいよ抜かれるんですね」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
何をウレシそうに笑ってやがるか。カワイイ顔立ちなのに言うことがキツいな。
「ハイ。楽しみです」
「お待ちしておりますお大事に。。。」
コメント(2) 

37年振りに歯医者へ [歯医者]

今日は私が37年振りに歯医者に行ったお話。日曜日の朝、珍しくジャン妻が朝飯を作ってくれたので(別に珍しくはないっ!!Byジャン妻)貪るようにガッついてたら、口中でガリッという音がした。
「何だ?」
口の中から石ころみたいなのが出て来たぞ。
「あっ!!」
「もしかして?」
昔昔、大昔、私がまだ多感な高校生だった頃、どっかの歯医者で奥歯に詰めたヤツだった。

私は最後に歯医者に行ったのが高校1年生でそれ以来30数年間も歯医者に行っていないのです。その最後の治療時、奥歯の虫歯を撤去、治療して詰めた(被せた?)のがボロッと剥がれたのである。劣化したみたい。
平日ならまだしも何故、日曜の朝にトレるかな~。そこだけスースーして気持ちが悪いぞ。舌でなめたら陥没してやがる。
ジャン妻はニヤニヤ笑ってやがる。何故かウレシそう。自分は歯医者に行ってるのにこいつ(私のこと)は30年以上歯医者に行ってないって威張ってたツケがやっと来たかって。
「これを機会にメンテナンスしてもらった方がいいよ」(ジャン妻)
「・・・」
「歯茎にいかないウチにね。アタシが行ってる歯医者、紹介してあげるよ」
その歯医者は東京本社のすぐ近くにある。
「アナタ歯医者行ってるの?」
「行ってるよ定期的に。前月は奥歯を治療したの。アタシはコーヒー毎朝昼飲むからその前から歯をメンテナンスして貰ってるんだよね」
「や~れやれ。ついに歯医者に行かにゃならんのか」
「37年間も歯医者に行ってないのがオカシイよ。このトシになったら定期的に通ってメンテナンスしないと。アタシの友達に歯科技工士がいるけど、歯医者に行かない人って過信してるから、老人になってからボロボロ抜けるって・・・」
脅かすようなことを言う。
「痛むの?」
「傷まない。30数年前、神経を抜いた記憶がある」
「何処の歯医者さん?」
「忘れた。もう鬼籍に入ってる筈。あの頃は町医者だったけど。今は30数年前と違って今は技も進歩してるんだろうな」
「そりゃそーよ。アタシの行ってる歯医者は先生も技工士も数人抱えてるんだよね」

翌朝、出社したらすぐジャン妻がそのデンタルクリニックに電話してくれた。「ウチの主人が・・・」紹介ですね。
「本人と替わります」
説明した。最後に歯医者に行ったのが37年前で、その時の詰め物が今頃突然とれたって。
「その詰め物はお持ちですか?」
「いや、今日は持ってきてない」
歯医者もクラシックな詰め物に興味津々らしいのが後でわかった。
「奥歯がカルデラみたいになってるんだ」
「かる・・・何ですか?」
「カルデラだよ。火山の外輪山のようになってる」
これで通じた。電話向こうでは私の37年ぶりにややオドロいてたフシはある。昼の時間帯に無理矢理割り込んだ。その界隈はオフィス街だけに至るところに歯医者があってコンビニより数が多いぞ。
月曜だけに行ったら混んでました。オフィス街の歯医者さんだから複数の診察室があり、歯科医さんと歯科技工さんも複数いた。ギャルばっかり。
初診です。内科よりアンケート項目が多いの。でも過去の歯科治療について聞かれても、何せ37年前なのでよう覚えとらんのだよ。
普段服用してる薬を訊かれ、酒を飲む飲まないを訊かれた。喫煙の有無を訊かれたので「外見と違って吸わない」って書いたら、受付も助手もドクターもおおウケだった。
名前を呼ばれて診察室に入ったら慣れないだけに普段の内科よりやや緊張した。歯のレントゲン撮影なんかトータルリコールのように顔を両側と頭上から挟み込まれ、口の中に光るものをクワエさせられ、ジーッって音が鳴って、光るものが口の中を左右に照らしてる。
「SF映画かよ」
「笑」

そして問診になった。画面に私の頭蓋骨が写っている。キモっ!!
私より若い院長から詰め物が取れた奥歯の状況を聞いたが、深刻でもない代わりに楽観もできないらしい。詰め物が取れた後に若干の虫歯があって、そこを取る為に、歯茎や骨にちょっと影響を及ぼすとか。
「確かに他は治療した形跡がないですね」
「・・・」
だから37年間一度も歯医者に来てないんだって。
「どんな詰め物でしたか?」
「小さい石みたいだった」
院長は37年前のクラシックな詰め物に興味あるみたいだね。この日は持って来なかったが次回は持って来よう。
今後の治療方針について説明を受けたがチンプンカンプンである。長くかかるらしいぞ。私は内心で、儲けたいが為に通わせるんじゃないかって疑った。歯医者って一度で済まないのだ。
無理矢理割り込んだ初診なので、初日はセメントを詰め、データ採取に終始した。

次に高崎椿町のうさぎCafeオーナー、うさこみたいな若いねーちゃんが登場したぞ。
「歯を計ります。開いてくださ~い」
口を思いっきり左右上下に引っ張られ、歯茎にツンツン突き刺すような痛みが走るのだ。
「痛いですか?」
痛いに決まってるだろ。そう聞かれても私は喋れないんだ。内心でこのヘタクソめって罵った。
「歯を全部計るの?」
「そうで~す。開いてくださ~い」
もの言いがうさこにソックリである。
「次に歯の揺れを確認します」
今度はペンチみたいなので挟んでグイグイ捻じ曲げようとする。
「まさかバキッって折れないだろうな」
「大丈夫でぇす。はぁい開いてくださぁい」

トータルで1時間45分かかりましたよ。
「今日はここまででぇす。セメントを詰めたので、お昼は30分経ってからにしてください」
「30分?」
翌週に予約をして出て公用に戻った。
その後で小田急線に乗り、喉が渇いたので止せばいいのに自販機で炭酸飲料を購入して飲んだら奥歯のセメント辺りでジュワ~ッと溶けた気配がしたぞ。
1枚、セメントがペロッと剥がれやがった。口の中からマネキンの皮膚みたいなのが出てきた。セメントというから工事現場によくある灰色のセメントを想像してたんだがそういうものではないらしいな。
だけど週明けまでモタないかも。クリニックに電話した。
「セメントが1枚剥がれたが来週までモタないかもしれない。今週どっか空いてない?」
「ええっと・・・今週は・・・」
かなり一杯らしい。
「セメントを詰めるだけでしたら今週〇曜日の〇時でしたら大丈夫ですが・・・(途中省略)・・・ではお出でください。先生でなくて歯科技工士さんの治療になると思いますが・・・」
「それでいいよ。何を喰っちゃいけないとか、ビールやコーラ飲んじゃいけないとかあるの?」
「いえ、そういうのは全く大丈夫です。固いもの、例えばキャラメルとか、ガム噛んだりしないでください」
ガムにキャラメル?子供じゃねーって。
ランチ1.jpg
その日のランチです。卵とトマトの炒めもの。歯を気にして柔らかいものをチョイス。
固いものを採るなと言われたので肉が無いでしょう。日ごろだったらこんなのまず絶対に喰わないもの。
ランチ2.jpg
熱々です。片側だけで咀嚼した。口の中は歯も歯茎も舌も片側だけ熱いぞ。
このトロリ玉子を飯の上に載せて玉子丼にしたら美味かったぜ。

ジャン妻は昨日もその歯医者に行ってます。歯医者はそんなに楽しいかね。
「詰め物が取れたのは、これを機会に全部をメンテナンスしろってことよ」
「・・・」
「そういえば、お義母さん(ジャン母)って・・・」
そう。ジャン母は今年80歳になったが、今でもALL自分の歯なんです。上部な歯云々で市か県から表彰されたことがある。それも昔からある町の歯医者に通ってメンテナンスしてのこと。
「37年行かなかったからといって過信しないように」
「・・・」
その自信過信、伝説が脆くも崩れたんだよ。せめて40年、後3年・・・
「歯医者にかかったことがないから人の痛みがわからないのよ」
「!!!」
コメント(4) 
歯医者 ブログトップ