So-net無料ブログ作成
検索選択

2016年がそこまで来ている [居酒屋]

仕事納め1.jpg
仕事納め2.jpg
まだ薄明るい1.jpg
まだ薄明るい2.jpg
居酒屋を予約するのってめんどくさいよね。
予約無しでフラッと入れればイチバンいいのだが座れる確率がトテモ低いので、殆ど必ず電話で予約するようにしている。ただ、行く時間が早くなった。以前、社の中枢部門にいた時は夜遅い時間帯、21時半か22時以降に来ていたが、群馬から戻ってからは私は閑職なのと(笑)行政担当を任されていると結局は17時までが勝負なので、逆に早い時間帯に来れるようになったのは幸い。
この店は「予約電話するのがめんどくさい」タイプの人はおそらく常連になれないような気がする。
「17時に1人入れるかな?」
「大丈夫です。20時半まででもよろしいでしょうか?」
年末なので混んでいる模様。もう忘年会シーズンは過ぎているが、そういうイベントではなく気の知れた者同士の打ち上げ、締めの小宴客が立て込んでいる気配。だけど17時に入って20時半までいたら泥酔するじゃないか。
「そんなに長居しませんよ。18時半には切り上げるから・・・」
真の常連客はサッと腰を上げるのが粋なのさ。実は19時以降はジャン妻と河より低い某BARで待ち合わせることになっているのだよ。
だが行ったら、サイドオーダー、本日の美味が貼りだしてないのだ。
「今日はまだ貼ってないの?」
「貼ってないというか・・・お出しするものがないんです」(差配師のMさんという男性)
「えっ?そうなの?」
「すぅみませぇん・・・(消え入りそうな声)」
「おやまぁ」
「昨日で終わっちゃって・・・」
魚河岸がかい?別に魚でなくてもいいけど他も何も考えて用意しなかったんじゃないか。
「まぁ仕方がないな。では何があります?」
「野菜系なら・・・なの花のおひたし・・・と・・・トマトとか、ポテサラとか・・・」
紙に書いて貼りだすまでもない。もう覚えた。おひたしは後でオーダーしよう。
「あっ、牡蠣が1串だけあります」
最初の膳.jpg
年内最後の牡蠣2.jpg
「牡蠣が一串!!」
「いきます?」
「じゃぁ他に取られる前に、知られる前にそれください。それとなの花・・・(小声になる私)少~しだけマヨネーズくれるかな」
「ハイ。では別皿で少しだけ」
(ホントに少しだった。)
バイトの子が出勤して来たら、「今日、お客さまに、本日の美味は?って言われたら・・・」
言われたら?とは私みたいな客のことだな。
「なの花のおひたし、ポテトサラダ、トマト、三浦大根のタクアン・・・ぐらいなんだよね」とミーティングの中に、今年はないのかな?とずっと気になってたのが、
「三浦大根のタクアンあるの?」
本日の美味1.jpg
本日の美味2.jpg
本日の美味3.jpg
本日の美味4.jpg
「これじゃぁまるで昭和の居酒屋だね」
「そうですねぇ・・・たくあん・・・おひたし・・・」
後から後から入店してくるお客に「今日串焼き以外他にできますものは・・・サラダ系と・・・」と説明しているのを見て太田和彦さんの著書を思い出したよ。神田「みますや」の紹介で、昔は店の小僧が「本日できますものは・・・」と肴を口上で読み上げていたというもの。
鳥佳巻き.jpg
アスパラ.jpg
「またひとつトシを取っちゃうよ・・・」(マスター
「そりゃぁ・・・まぁ・・・誰でも公平に齢を重ねるものですよ」
「この店は皆さんお若いからいいけど、ウチの社で40直前の女性社員に、来年の給与明細から介護保険料引かれるよって言うとムッとされますね」
「40ってちょうど折り返し地点だかね」
「20、40ってデリケートな数字みたいですよ。過ぎちゃえば何でもないんだけどね」
マスターとの会話はこれだけ。後は若い衆との会話も途切れ、店のオペレーションチェックになってしまった。テイクアウトがガンガン入るのである。
何時にレバ14本とか。おそらくこの日、店でイチバン人気のレバは早くヤマになったのではないか。
私の串も焼き上がるのにいつもより時間がかかった。しまいに私に向かって、「〇〇さん(私のこと)お急ぎですか?お時間ございます」とも訊かれたからね。時間制限しておきながらよく言うよな。「急いでないけど」と答えたからテイクアウトを優先したに違いない。
「〇〇さんもうすぐトンテキ焼き上がります。ホラ、いいタレの香り・・・」(Mさん)
「違うよ。〇〇さんのトンテキじゃなくてお持ち帰り用のだよ・・・」(焼き方)
私は2階にあげられてハシゴを外されたようなものじゃないか。でもさすがにすぐフォローが入った。
「〇〇さんお待たせしてすみません。この後ですぐ焼けますから・・・」(焼き方)
私の目の前、冷蔵ケースの上にテイクアウトの焼き物がどんどん積まれていくぞ。
トンテキ1.jpg
トンテキ2.jpg
ポテサラ.jpg
厚揚げ.jpg
予約客、予約してない客、1名様、2名様、4名様、左暖簾、裏の離れ、テイクアウト、やや喧噪状態で何か小トラブルもあった気配である。
18時台では、「19時まで・・・」だったのが、18時半前になって予約無しのお客はお断りするか、4号店に廻してましたね。
例えば18時半までの時間指定されたお客2名様が最後にテイクアウト数本オーダーしたとしますよね。店で喰った分はお会計が済んでるんだけど、テイクアウトが焼きあがらないと店を出ないじゃないですか。
そしたら18時半から予約した筈のご新規2名のお客様をお待たせしてしまうことになった。
この辺りの差配も難しそう。店の会計が済んだからといって、テイクアウトが焼き上がるまで外で待たせる訳にもいかないしね。
忙しそうだったので訊けなかったけど、消費税の軽減税率が適用されたとして、店内で焼き鳥を喰ったら10%で、テイクアウトは8%になるのだろうか。
皮カリカリ1.jpg
皮カリカリ2.jpg
混んで来た。それでも辛うじて滑り込めるお客もいる。
「1席空いてました、どーぞ」
私も1人客が来たら出るつもりだったので、「私は18時半には出るよ」これは回転率を上げて、誰かに譲る気持ちで言ったのだが、店側は私が機嫌を害したとでも思ったのか、「大丈夫です。ごゆっくりなさってください」とは言われたものの、ジャン妻と石川町で19時に待ち合わせなのだよ。
「では次回は2人で・・・予約入ってるよね」
「大丈夫ですお待ちしています。お嫁さんとですよね?」
「お嫁さん??」
「あ、奥様・・・」
大昔はお嫁さんだったからマチガイじゃねぇけどさ。
今年最後の店灯り.jpg

ジャン妻と石川町駅で合流する。
「先頭車両の改札だよね?」
「そうだよっ」
いい加減に覚えろよ。私は上大岡からブルーラインで関内へ。JRに乗り換える際に「今から行きます」のメールをしたが、Gさんから返信が来ないのだ。まさかまた急に閉めたかどっか他へ行っちゃったんじゃないだろなってマジで心配したよ。
電話した。「営ってます」って。
「奥様ですよね?」
「そうだよ」
他に誰もいないよ。
カーヴ3.jpg
カーブ2.jpg
カーヴ1.jpg
フードメニューボード.jpg
Gさん.jpg
店内1.jpg
店内2.jpg
店内3.jpg
店内4.jpg
店内5.jpg
タコマリネ.jpg
ストーブ蒸.jpg
グラタン.jpg
パン.jpg
今日はGさんともう1人、元町のシェフさんが応援者。コラボレーション日だった。お店がお休みだからここへバイトに来たのかな。バイト料幾らなんだろう?
「まさかそんなこと聞かないよね?」
「・・・」
「アタシは食べてない」(ジャン妻)
自分も満腹ではない。
「アナタは食べて来たんでしょっ?」
「本日の美味(おススメ)が皆無だったんだよ。なの花とたくあん、ポテサラしかなかった」
「じゃぁ焼き物だけ?」
「モツ煮を喰い忘れたな」
モツ煮を喰えば、後半、小ご飯にぶっかけてミニ丼にするから腹がふくれてたかも。BARなんだけどフレンチレストランみたいになってしまった。
いただいたのは、タコマリネ。
神奈川地野菜のストーブ蒸し。「これ、おススメです」(Gさん)
カキとジャガイモのグラタン。
蝦夷鹿モモ肉のロースト。「あっさりしています」(Gさん)
鹿肉は船山で喰って以来ですな。あっさりしてるけど旨味もほどほどにありましたぞ。
前に来た時、「コラボシェフよりGさんの作るB級グルメの方が美味いや」って悪態を放ったことがある。
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2015-09-27
今日の料理はなかなかのお味でござったよ。
シカ1.jpg
シカ2.jpg
赤ワイン.jpg
白ワイン.jpg
カクテル.jpg
「あっ、メールいただいてたんですね」(Gさん)
「そうですよ。返信来ないからまたどっか恵比寿とかに行っちゃったのかと思った」
お出迎え.jpg
さて、大晦日です。新年はそこまで来ています。
ちょっとヒネクってみます。この時期、デフォルトなら、「良い新年をお迎えください」が定型文だが、新年が良いか否かは現時点ではわからないじゃないか。
「良い新年にしてください」・・・???
悪くはない。受け身でなく自分でするんです。構築するのです。でも運命を変えられる人などそういないし、人間の努力なんて限界がある。私は後で後悔しないほど頑張れるくらい強くない。
どんなに頑張ってもいい結果に繋がらない場合だってある。運不運や人智を超えたもの、取り巻く環境にも影響されるだろう。前半が良くても後半がイマイチだったり、その逆だたり。
となると、やはり「良い新年をお迎えください」でしかないのかな。。。
コメント(2) 

上大岡を彷徨う [居酒屋]

向こう側から.jpg
最近この店ではマスターと会話するより若い連中と会話するのが多くなった。
居酒屋で働く以上は若い衆も酔客相手にTalkしなきゃならないし、そういうのに慣れ、引き出しを増やしていかなくてはならないし。
私も店スタッフに対してなるべくゾンザイな口調はしない。私の部下じゃないんだし、きちんと1人人間として接するようにしている。
「早いですね」
「こっち方面で上がったの」
「お仕事、何をなさってるんですか?」
「ええっと・・・」
鋭いこと聞くね。私がちゃんと働いてるか疑われた気がしたので無難に解説した。要は行政相手なのであがろうと思えば17時にはあがれるのです。
「そういうお仕事をなさってるんですか~」
「だから早い時間帯に来れるのよ。前は夜遅い時間しか来れなかったからね」
最初の膳.jpg
珍しいメニューがあった。漬け丼。
「ご飯ものですが入れちゃっていいですか?」
「うん」
「それと鳥佳巻きを・・・塩とタレ1本ずつ」
鳥佳巻塩.jpg
まず塩です。
次にタレの筈だが。
「うん?これは塩か?塩はさっき出たぞ」
「いやタレなんです。食べてみてください」
鳥佳巻タレ.jpg
「ホントだ。タレだね」
巻いた中からタレがジワ~っと出て来たのだ。そして漬け丼が登場しました。マグロとカジキマグロです。
漬け丼1.jpg
「もしかしてお昼抜いたとか?」
「いや、そうではないけど。11時すぐ早い時間に喰っちゃったの。自分は行政回りだから12時の時間帯は移動に充ててるんだよね。12時になると窓口に人がいなかったり、場所によっては受付を休むところもあるから」
自分なんかの身上報告を嫌がらずに聞いてくれるもんだからついベラベラ喋ってしまったが、自分ってこんなに店で喋る人間だったのかって思ったりする。
喋ったり食べたり、口を忙しくしてたらあっという間に平らげてしまった。
ただ、この丼もの、ご飯がやや冷めていたのです。「刺身を熱々の飯の上に載せると刺身が不味くなるから別々がいい」って仰ったのは今は引退された私の師匠、番頭さんだったかな。海鮮丼ものは冷めた飯がいいのか、炊き立てでなくても熱々の方がいいのか、これは異論が分れるかも知れない。
腹がややクチたところで、
「トンテキって何です?」
「豚です」
それはわかっている。
「あ、味噌ダレに浸けてあるんです」
トンテキ.jpg
トンテキ、豚のステーキなんだろうね。
「このキャベツ美味いな~」
「でしょう?タレが浸みついて美味しいんですよ。でもそのキャベツ、残すお客さんが多いんですよねぇ」
「残すぅ?食べないのかキャベツ。その客はキャベツが嫌いなのか、生姜焼き定食なんかでも添えられてるキャベツの千切りを残すんだろうね。タレに浸けて喰うのが美味いのにさ」
厚揚げと熱燗.jpg
「今日は群馬泉ある?」
私はカウjンター左端にいる。前回無かった群馬泉がちゃんとあるのを見てわざと言っている。
「ありますあります。すみませんでした前回キラしちゃって」
厚揚げ.jpg
煮込みと熱燗.jpg
煮込みぶっかけ.jpg
ダメ押しの鳥皮.jpg
鶏皮.jpg
「そうそう、決まった?年末年始営業?」
「決まりました。31日1日と休んで、2日から開けます」
さすがに31日1日は従業員からブーイングが出たのかな。でも営るだけエライ。どっかの居酒屋なんか26日から4日まで10連休も取りやがってからに。
休み過ぎの店.jpg
10連休も取るな.jpg
「そ、そんなに休む店があるんですか?」
「普段から(土)(日)(祭日)休みなのに10連休なんて飲食店で普通ありえない。この店はエライと思うよ。正月って朝昼から呑むし。三ヶ日ここだけ営ってるとお客さん来るんじゃないの?」
「前回は社員だけで3時から開けたんですが・・・さすがにすぐにはお客さん来なかったですよ~」
テイクアウトのお客さんも多いのではないかい?」
「それも微妙で。お持ち帰り優先にするとお店で出すものが無くなってしまうし。難しいんですよね~」
「その時だけのメニューなんでしょ。レバとか無理だしね」
「ギリギリに仕入れて。出せるものをお出しします」
お正月だから・・・餅を焼くとか?」
「う~ん。。。それだとご家庭と同じになってしまうんじゃないでしょうか」
「炭火で焼く餅もいいんじゃないかい?」
まさぁオーブンでチンじゃないよね。だけど串で刺して焼いた餅だったら幾らで出すんだろうか?
そういえば前回の正月は卵焼きとか、普段出ないものが出されたね。
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2015-01-09
で、年内最後にもう1回行って来たのですが。
その前に上大岡の彷徨い写真集を。。。
路地から.jpg
ライバル1.jpg
ライバル2.jpg
店1.jpg
店2.jpg
店3.jpg
店4.jpg
店5.jpg
店6.jpg
店7.jpg
店8.jpg
店9.jpg
店10.jpg
店11.jpg
店12.jpg
店13.jpg
店14.jpg
店15.jpg
店16.jpg
店17.jpg
店18.jpg
店19.jpg
こんなどーでもいい写真ばっかり並べるから容量がすぐマンタンになる!!
「有料プランに変えたら?」(ジャン妻)
コメント(0) 

優しい朝 [さらの木]

優しい水音(給湯)に目覚める。
部屋に差し込む一条の陽射し。
さらで迎える朝は、日常の忙しさや喧噪さとは無縁で、生活音すら感じない静かで優しい朝。
朝のさら1.jpg
朝の湯1.jpg
朝の湯2.jpg
朝の湯3.jpg
窓の外には.jpg
コケてる.jpg
根性ねぇな.jpg
眠気覚まし.jpg
サラダ.jpg
サラダUp.jpg
パン.jpg
スープ1.jpg
スープ2.jpg
プレート1.jpg
オムレツ.jpg
パンプキン.jpg
また朝から焼き鳥と豚肉か。
「熱川ポークのソテーです」
「熱川ポーク?そんな豚がいるの?」
「ハイ」
Mさんは肉が好きらしいね。
焼鳥と熱川ポーク.jpg
ウムム。。。.jpg
デザート.jpg
なかなかいいカップ.jpg
次回予約中.jpg
朝のさら2.jpg
青空に映えるさら。
平成27年は、この宿の訪問回数は船山温泉を抜いた。船山3回、さら4回でした。
コメント(2) 

和洋折衷&肉肉しいディナーフォト [さらの木]

前菜1.jpg
さらの料理は私の拙い文章など不要ですね。
「何処で料理習ったのさ?」
「それがですねぇ。何処でも習ったことないんです」
「自己流ですか?」
「まぁそうです。これって美味しそうだなって思って自分でやってみるだけなんで」
自己流で、お客に出せるまでに昇華させるなんて凄いなぁ。
「基本、お料理は毎回変えるようにしているんです」
「ウチラは、ここに来ればこれが食べられるっていうのでいいのよ」(ジャン妻)
「サーモンのたたきとか、イカの塩辛とか、ローストビーフステーキ、これがあればいいや」
前菜2.jpg前菜3.jpg
前菜4(大好物).jpg前菜5.jpg
前菜6.jpg前菜7.jpg
刺身盛り.jpg
エビ1.jpgエビ2.jpg
ホタテグラタン.jpgホタテグラタン2.jpg
当然、和食に切り替わったりする。
和に切り替わる.jpg
和~台のもの.jpg
和~マンボウの酢味噌.jpg和~塩辛.jpg
和~牡蠣.jpg和~海老と里芋.jpg
和~柿の何とか.jpg和~山芋の何とか.jpg
飲んだ数々.jpg
次にメインディッシュの肉&肉。。。
ローストビーフ1.jpg
ローストビーフ2.jpg
ローストビーフ3.jpg
ステーキ1.jpg
ステーキ2.jpg
ステーキ3.jpg
皿の隅に残る1枚.jpg夜のおとも.jpg
甘いなぁ.jpg紅茶.jpg
私はこれに未練がある。
骨に未練が.jpg
何か言いかけようとした私をジャン妻が制止した。
「止めなさい」
「・・・」
「そのまま下げてもらいなさい」
「でも鳥〇(上大岡の焼鳥屋)は、俺が喰った秋刀魚の残り骨をじーっと見てたら揚げましょうかって向こうから声掛けしてくれたぞ」
「止めなさいっ」
「・・・」
「ここは居酒屋じゃないんだから」
「・・・」
窓の外には.jpg
夜の風呂.jpg
夜の湯守.jpg
夜のさら.jpg
コメント(4) 

初冬のさら [さらの木]

さら1.jpg
伊豆八幡野の宿へ行く日の未明、暴風雨の音で目が覚めてしまった。
「雨降ってるね・・・」(ジャン妻)
「うん・・・」
「風も強いね・・・」
「昼には止むよ」←根拠があって言った訳ではなく希望的観測です。
ジャン妻は二度寝したようだが、私は起きてしまった。
PCの電源入れて天気予報を見る。天気図、雨雲の動き、アメダス、雨雲ズームレーダー、1時間毎の予想を追っかける。等圧線の幅が狭い低気圧が日本列島を西から東へ抜けようとしているところ。
(昼には止むな。。。)
窓の外は白んで来たが風雨が収まらない。
そのウチ、ジャン妻もゴソゴソと、冬眠から目覚めたクマのように起きてきた。
「何時に出るの?10時くらい?」
「(13時チェックインの)船山温泉じゃあるまいし。15時インなんだから11時でも早いくらいだよ」
ウチから伊豆八幡野までは100kmちょいなので渋滞さえしなければ2時間と少しで着く。冬場に差し掛かるこの時期はそれほど渋滞しないし、15時チェックインだから急いで出る必要もない。
「朝兼昼でよければ家で何か食べてから行く?」
えっ?家で?旅行の朝に?どーいう風の吹き回しだ。
八幡野まで行く日は朝昼兼で、大抵この店か・・・
周玉.jpg
この店か・・・
松月.jpg
この店で済ませてから行くのに。
ぐみはん.jpg
家で?珍しいこともあるものである。
「いいの?」
「何が?」
「家で喰っていいの?作ってくれるの?どうしたんだ?珍しい?」
「失礼なっ。いいじゃないの」
出された質素な朝兼昼がこれです。
旅立ち前の粗食.jpg
卵以外に動物性蛋白質が皆無ですっ!!
「お昼は抜きでいいよね?」
(出たよ。。。)
「いいよ」
「ウエルカムケーキがあるし」
「・・・」
甘いものが苦手な私はそういうのにソソらないけどね。
朝兼昼を喰い終えてもまだ時間がある。13時チェックインの船山温泉ならもうとっくに出てるけど。15時チェックインの伊豆なら今の時期だと早く着いてしまう。
洗濯しよっと」
これまた珍しい。
山のような1週間分の洗濯ものが半分くらいになった。

12時前に雨は止んだ。風は相変わらず強い。
イヤな予感がする。もしかしてと思って関東近郊の道路状況を見たら、ありゃりゃのりゃ、海沿いの道が真っ黒ではないの。西湘バイパスが高波の為に通行止めになってやがる。
通行止め.jpg
「海沿いが通行止め」
「えぇ~っ。アタシ海が見たいんだけど。海沿いの道がいいな」
青い空、青い海の状態で、波が激しく打ち寄せるのが見たいらしい。
「そんなこと言ったって通行できないんだからさ。西湘バイパスは海辺との高低差があまりないからね。前に崩落したこともあるし」
「伊豆の山を走るの?山道はヤダ」
我が儘を言いやがる。自分は運転しねぇクセにさ。
「伊豆多賀辺りまでいけば崖の上をウネウネ走るし、内海(湾)だから大丈夫だろう」
結局、東名横浜町田IC~沼津IC~伊豆縦貫自動車道~伊豆中央道で南下、大仁中央IC~宇佐美大仁道路(19号)~亀石峠越~不気味な宇佐美観音に見下ろされながら宇佐美の海沿いへ向かった。
西へ向かえば向かうほど晴れてきたが風が強かった。
さら2.jpg
さら3.jpgフロント.jpg
食堂.jpg
階段.jpg湯から見た風景.jpg
室内1.jpg
室内2.jpg室内3.jpg
甘いなぁ.jpg
宿に着いても風が強くなかなか収まらない。
内湯の洗い場に枯葉が入り込む。葉を1枚2枚拾って外にポイしたぐらいじゃ追いつかない。
「閉めといたら?」(ジャン妻)
「暑いから開けとく~」
この日は南風で暑いくらいだった。初冬とは思えない温かさ。三重県伊勢で真夏日25℃を記録したそうです。
暑いので夕餉の後で扇風機を出すハメになった。
ジャン妻はi―padminiで読書している。私は持ち込んだ紙の書籍。さらは部屋の中央に灯りが無いし、ベッドの枕元にも灯りが無いから読み難いのだ。
ゴロ寝2.jpgゴロ寝1.jpg
給湯の音が止んだ。
ディナーの用意ができたから下りてきての合図である。
前菜1.jpg
コメント(4) 

年末年始10連休の居酒屋 [居酒屋]

皆さまクリスマスイブ(24日)とクリスマス(25日)は如何にしてお過ごしでしたか?自分の大事な人と過ごされましたか?
私は24日イヴは社のおエラいさん抜きの有志忘年会だったんです。
どーせ24日だから人数少ないだろうとタカを括ってたら20人近く集まりやがった。ある店の小上がりというか、小座敷を借り切って開催されたのですが、イヴに客が来るような店じゃないので、客は私らだけだった。フロアは誰も客いなかったですね。
20人も集まったので、「皆さんクリスマスイヴに何か恨みでもあるんですか?」って。
そして25日は年内ラスト営業日のこの店へ。
今年最後の夜.jpg
生意気に年末年始10連休も取るんですよこの店。
普段だって(土)(日)(祭)休みなのにさ。オフィス街だから確かに(土)(日)は殆ど人通りが無いとはいえ、この記事Upした今日26日(土)から年明け4日(月)まで休むんです。
「休み過ぎだ。世間は4日からだよ」
「でもその日はまだ河岸(魚河岸)が営ってないし・・・」(店主)
「魚のせいにしたな。肉と野菜だけで充分営れるでしょうよ」
「・・・」
お正月限定メニューで営るって手もあるわよ」(ジャン妻)
「そうそう。チェーン店じゃなくて、専門店でそういう店があったな」
(上大岡の焼鳥屋のことです。)
「この界隈は(オフィス街だから)・・・4日に開けてもお客さん来ますかねぇ」(店主)
それは開けたことないからだろ。開けてもいないのに何を言ってるか。来るかどうか開けてみなきゃわからないじゃないか。憤懣やるかたない私は10連休を揶揄する暴言を吐きまくった。
「稼働日数が少な過ぎだ。飲食店でこんなに休む店は珍しい」
「GWやお盆も休みまくってからに。よく営っていけるよな。そんなに儲かってんのか?」
「(静岡の)紀尾井なんか店主が今年はもう半月くらいあるといいな~って言ってただろ。あれは予約が少なくて売上が足りないからだよ。この店の連中に紀尾井や上大岡(正月2日から営業)の爪の垢でも煎じて飲ませたいぜ」
「ちょっとっ・・・」(制止するジャン妻)
「10連休も休むなんて飲食店で有り得ない。営業日数が少ないからその分だけ客単価にはね上がって来るんだ。この店CP悪いよ」そこまで言ったからね。
スタッフに、「10連休中、どっか他でバイトするんだろ?」って言ったら、「マックバイトしようかと・・・」
年内最後のお品書き.jpg
最初の膳.jpg
おとおしはワカサギワンタンの皮包み揚げ.jpg
「お仕事いつまで?」(ママ)
こういう飛んで火に入る夏の虫(冬だけど)みたいな質問をするなよ。
「29日までだよ」
「ま、そんなに・・・」
「銀行は30日まで営ってるよっ」
「・・・お・・・お休みは何処か行かれるんですか?」(ママ)
「実家に顔出すくらい」
「駅伝とか観に行かれます?」
話題を逸らそうとしてるのがミエミエである。
「近所に選手が襷を渡す場所があるけど観には行かないな~。空をヘリが飛んでると、あっ来るなってわかるけどね」(ジャン妻)
「この店の半分(5日)しか休まないから何処にも行かねぇよ。あっ正月に営ってる店に行くかも。エラい店だよな」
「・・・」
ではあまりイジメてばかりいても気の毒なので料理を誉めましょう。
ポテサラ1.jpg
豚ひき肉と菜の花のポテトサラダ。実は揚げガーリック添えでいいアクセントになってるんだけど、数枚、生のガーリックスライスが混ざってましたね。
ポテサラ2.jpg
ポテサラ3.jpg
メジマグロのねぎとろユッケ海苔巻。
ホホウ。ねぎとろとレタスを軍艦巻きにしてある逸品。
さてはメジマグロを全部、一掃しなきゃならないから刺身単品以外にネギトロにしたな。
ネギトロ海苔巻1.jpg
ネギトロ海苔巻2.jpg
ネギトロ海苔巻3.jpg
ネギトロ海苔巻4.jpg
昆布〆平目と蕪の塩昆布和え。
「これはお酒だな」
「そうね」
「昆布〆か・・・。どうせ残り物だろ。余った刺身を一掃しようとしてるんだよ。明日っから10連休だからさ」
「・・・」
ヒラメ昆布〆と蕪と塩昆布.jpg

牡蠣1.jpg
三陸産カキの昆布醬油焼。これはシンプルに美味いね。
「昆布は食べちゃダメよ」
「何でさ?」
「手が真っ黒になる」
「ふぅ~ん」
牡蠣は日本酒に合う。今日の日本酒・・・何て銘柄か忘れたけど(栃木の姿・・・だったかな。)にはオリジナルラベルが貼ってあった。この店の外観です。
オリジナルラベル1.jpgかたくち.jpg
「でもこのラベル、明日からお休みすますって書いてないねぇ」
「・・・」
オリジナルラベル2.jpg
牡蠣2.jpg
三陸産カキと白菜の生姜焼。
生姜焼きというかオイスターソース炒めでしたね。
「見ろよ。白菜の芯ばっか。野菜も一掃しようとしてるんだよ」
(それには答えず)「揚げも入ってるんだね」
「揚げって京ネギとわけぎのさっと炒め(あっさり味の炒め物)に入ってるヤツだよな。そっちが出ないから急遽混ぜたんじゃねぇの」

つくねふろふき大根1.jpg
きのこ入鶏つくねと大根のふろふき柚子風味。
10連休ネタで暴言吐きまくりの私だが、その合間合間に「美味い」を連発。ハズれ無し。
つくねふろふき大根2.jpg
〆に信州野沢菜炒飯。
炒飯.jpg
散々言い尽くしてお会計して店を出る時、
カウンター○番さん、生お代わりとハイボールいただきましたぁ」(スタッフ)
「なんだって?明日から10日間、お休みいただきましたぁって???」
ちょっと言い過ぎの最終夜でした。
繁華街.jpg
SL広場.jpg
「年内最終営業日なのに店頭に年末年始の告知すらしていなかったよな」
「WCに貼り紙があったよ」
「WCに?」
私はWCが遠いのでこの店のWCは滅多に利用しないのだが、それじゃWCを利用しようとした客にしか伝わらないじゃないか。
「店頭に出すとそんなに休むのかって文句言う人がいるからだよ。誰かみたいに誰かみたいに」
その案内には今日の「26日(土)から1月4日(月)までお休みします」ではなくて、「28日(月)~お休みします」になっていたという。
「もともと(土)(日)休みだから、26日(土)と27日(日)は書かなくていいんじゃないってなったんだって」
「姑息なことを。サバを読みやがって」
「ちょっと違うと思うけど・・・」
本年度の写真フォルダを見たらこの店で飲んだ回数は24回だった。月に2回ペース。
コメント(0) 

船山さん?ジャン妻さん? [居酒屋]

出張が急遽入りました。上州ではなく駿州です。
私は嬉しさに飛びあがりそうになった。駿州を廻った夜は年内最後の「紀尾井」に行こうと目論んだのは言うまでもない言うまでもない言うまでもない。。。
看板.jpg
私の住まいは神奈川県なので自家用車持ち出しで出かけた。都内某所にある社用車を利用するとまた返しに行かなきゃならないからね。
ジャン妻は後から新幹線ひかりでやってくる。後で聞いたら静岡に停車する新幹線ダイヤは意外と少ない。
「1時間に1本ぐらい?」
「3本くらい。ひかりだと1時間、こだまだと通過待ちがあるからもっとかかる」
オーク1.jpg
静岡ICで下りて市内で渋滞にハマったが、昭和通りにあるホテルオークにチェックインして寝てた。
オークは市内で有名な居酒屋、鹿島屋の真ん前にある。フロントも客室も無機質で薄暗い地味地味なホテル。外観はコンンクリ打ちっ放しみたいで殆どスケルトン状態。客室にも窓が殆ど無く、蟄居閉門になった気分で寛げます。
オーク2.jpg
この鹿島屋という店は静岡市内でも有名な店らしい。
私らも1度だけ行った。それは紀尾井がいっとき休業してしまった時に行った。カツオの刺身がブ厚かったのを覚えているが、フツーの店でしたよ。1度きりで終わっている。(他、昨日も書いたが、清水の新生丸、かねだ食堂へ行った。)
鹿島屋.jpg
ジャン妻を乗せたタクシーがオーク前に停車、私は乗り込んだ。
「宮ヶ崎町の紀尾井」
「???」
(やはりな・・・)
運ちゃんは言い訳をする。
「自分、あまり有名な店知らないんですよ。同僚にも知らないのかよって言われるんで」
(有名な店?)
まぁマニアの中では有名ではあるが。。。
10数年来てますが(途中休業も含む)、紀尾井を一発で通じた運転手は過去に1人しかいなかった。(女性でした。)いつも道筋を説明するハメになる。一通の宮ヶ崎商店街を浅間大社側から入ってひとつめを右折すると・・・
バンが停まっている.jpg
うん?何か停まってるな。
「そこの無気味な店ですよ」
「・・・」
前はそういう比喩、表現をするのはよくないと思ってたのだが最近は気にしなくなった。案の定、運ちゃんは店に見えない、いや、営業中に見えないらしく、本当にここでいいのですか?と怪訝そうである。
「ここに(店が)あったんですねぇ。。。」
「店はボロだけど食い物が美味いんだよ」
この台詞、毎回毎回言わなきゃならないのか。タクシーは去っていった。
電光看板が消えてる.jpg
「何だこのバンは?また何処か故障したのか?」
「酒屋さんだよ」
私は電気工事の業者かと思ったのである。
紀尾井主人もご自分で仰っていたが、「老朽化した店で。。。」を裏付けるように看板の電気が消えている。また壊れたのかな。
この文章を書いてる夜のツイートにもクリスマスイブ前なのにオーブンが故障したとかありましたね。
まるで・・・.jpg
店の前に立つといつも思うのだが、いつ来ても店の入口辺りは・・・こう言っちゃぁ何だが、営業してますお気軽にどうぞと言える構えじゃないですねぇ。
燃えない粗大〇〇収集場のようになっていて暖簾が出ていなければ居酒屋、料理屋に見えない。
タクシー運ちゃんが紀尾井を知らないのも無理ないかも知れない。
誰もいない1.jpg
店主の12月16日のツイートにはこうある。
「ご予約ゼロの一週間も三日目になりました。 仕込みは捗る不安は募る、スリル満点な毎日であります。本日は豚の角煮、カニクリームコロッケ、牡蠣の燻製、鯖の燻製などを仕込みました。お待ちしております。」
予約が無い??
イコール年々忘年会が減ってるそうである。
カウンターも小上がりも誰もいなかった最初はね。だが、この後30分後には満席になったのである。
その中に、カウンター右端に2組の気になるお客様がおったのだよ。
誰もいない2.jpg
誰もいない3.jpg
鶏肉のハム。
最初の膳.jpg
鶏肉のハム.jpg
マグロ赤身と天然ブリ刺身。
刺身2種-1.jpg
刺身2種-2.jpg
いつものカルパッチョ。
カルパッチョ.jpg
その間にお客がどんどん入って来られた。カウンターが私らと2人×3組。小上がり3人と、2人が3人になって4人になって最終的には5人になった。
それと愛猫。
うさ1.jpgうさ2.jpg
うさ3.jpgうさ4.jpg
店主は接客、注文、調理、酒を出す、その合間に店主のジョークが挿入され、TVには何でかわからんが帝都物語2が流れている。
電話が鳴った。「お世話になります紀尾井です。誠にすみませんが今宵はご予約のお客様で満席でございます」って断ってたからね。
「断ったの初めて見た・・・」
「な、何を仰いますっ。いつもの光景だし昔はこの店、自分を入れて3人で営ってたんですよっ。このトシでひとりで営ってる俺って凄~い」
自分を奮い立たせるように言っていた。確かに凄い。
ローストビーフ&サーモンの燻製
ローストビーフと燻製.jpg
ポテサラ&絶品タルタルソース。
ポテサラ&タルタル.jpg
「大きいカキが無くてカキフライはございませんが、タルタルソースを丼いっぱい作っちゃった」
「あっ」
「いいじゃねぇかよ。今年の締めさ」
ポテサラ.jpg
タルタル.jpg
お座敷からカニクリームコロッケが入った。
「カニクリームコロッケできます。見てびっくり食べてガッカリですけど」
そしたら気持ち、店主の口数が少なくなる。真ん中の常連さんが言うには口が回ってる時は絶好調で、黙り込むとテンパってるらしい。
少し寡黙になった状態で供されたカニクリームコロッケは・・・。
カニコロ1.jpg
カニコロ2.jpg
焦げてないかい?
でも中身はいつもの味。触感。
割ってみる.jpg
一度、やってみたかったのだが、カニコロにタルタルを浸けてみた。
タルタルを加える.jpg
タルタルを載せて摘まむ.jpg
グチャグチャ状態.jpg
牡蠣の燻製を焼きつけたもの。なるほど小さい牡蠣だがらフライには向いてないですね。でもその分、旨味が凝縮されて美味しい。
牡蠣の燻製をソテー.jpg
自家製のシウマイ。
自家製シウマイ.jpg
さて、前述の気になるお客様ですが。
あまりお客様のことをあれこれ書くのもよくないのですが、男性も女性も以前、お見かけしたことがある方でした。長年の地元の常連さんでしょう。
女性の方、カウンターで飲んでたと思えばカウンターの向こう側に入り、お店を手伝うというかグラスやジョッキをゴシゴシ洗っておられた。
手伝うと気持ち会計が安くなるのかな、だったらウチのジャン妻にも洗い物させようかなと思ったりする。
グラスとジョッキ.jpg
ジャン妻はジョッキを洗ってる女性を、店主のツイートに登場される謎の女性、Tねーさんだと思ったという。
洗いものが済んでカウンター席に戻られた。
そろそろ腹がクチてきたけど、背後の小上がり、カウンター中のお客様からラーメン(無い時もあります)が入ったのである。
「ラーメン?まるちゃんがいいですか?日清?」
まるちゃんか日清かわからないけど、私らも便乗して注文した。
前回は締めにカレーでしたね。かなり以前に炒飯も喰ったことがある。でも店主は長年の職業病か不摂生か、左手の痺れがあるそうで炒飯はキツいらしい。
ラーメン1.jpg
スープ.jpg
メンマ.jpg
炙りたてのチャーシュー.jpg
麺を引き摺り出す.jpg
お湯を沸かす時間をしばし要してから見た目は濃そうだが実はアッサリ中華そば系の醤油ラーメンが供される。
それを腹中に収めてから、私の背後の3名様が帰られた。
カウンター中央の2人男女の常連さんも帰られ空いたその席に、調理がひと段落して一服モードで店主が座った。ロックグラスを持っている。
私らはカウンター左端にいる。私は2階を支える命の柱にだらしなく寄りかかって斜に構えている。この柱が折れたら2階が崩れてホントの廃屋になってしまうは必定である。
斜に構えているので中央に座った店主はもちろん、くだんの右端の常連さんも視界に入る。カウンターに座られるお客同士の場合、「前にもお会いになったような」、「お見かけしたような」・・・が少なくない。酔っていてうろ覚えとはいえ、そういう場合、私らが「見たことあるな?」って思うからには、お相手だって私らのことを、「前にもいたな」と意識するもの。切り出しはよく覚えてないのだが、「よくお見えになりますね」、みたいになったんだろうか。
ジャン妻に聞いたら、店主にこう言ったという。
「洗い場に立たれたから、もしかしてツイートに登場されるTねーさん??」
そしたらカウンターで軽くロックを舐め飲みしてた店主が誰に聞こえるように言うとでもなくこう呟いたものである。
「ふな・・・ふな・・・やま・・・」
私は店主が耄碌してうわ言を呟き始めたかと訝しんだのだが、ふな・・・ふな・・・やま・・・とは私のことではないか。あっ、私の素姓をリークしたな。向こうの女性から、
「船山さん???」
「!!!」
私は固まった。思わず座敷を振り向いた。誰もいなかったのを確認したうえで私は頷くしかない。
「ジャン妻さんですか?」
「笑」
その女性、私の記事をよくご覧になっているようで、「前回はお一人で?」、「いや、ひとりだったのは前々回です。前回は2人で」、
女性は画面をスクロールしながら、「インプラントインプラント・・・」
「インプラント!!」
そこまでご存じなの?カテゴリ歯医者はカテゴリ人間ドラマともいえるので、居酒屋、ラーメン屋の記事だけではなく、私の様々なドタバタサイドストーリーもお読みになって下さってるのだろうか。
その後の会話はよく覚えていないのだが、
「現物を見てガッカリされたでしょう」とは言ったな。
帰り際に、「年内、またお見えになりますか?」と言われて、「いえ、年内はもう・・・年明け後半に出張が入っていて、その時は私1人で・・・」と言ったような。
振り返る.jpg
これは帰りに振り向いて撮影した紀尾井ですが。草に埋もれている。店を後にして、大通りを渡ってオークまで戻る途中で、
「やっちゃったね。締めのラーメン」
「・・・」
「でも美味しかった」
「・・・」
「???」
「それよりもさ・・・」
「???」
「正体がバレちまった」
「ああ、ブックマークに入ってるって言ってたよ」
「ブックマークとは何だ?」
「お気に入りのウェブページへのショートカットのことよ」
「・・・」
では、いつもご訪問下さってありがとうございますと言うべきだったな。この場で改めまして御礼申し上げます。
「バレちまった」と言いながら自分は自意識過剰なとこもあるので、これからもきちんとした服装で行かないといけないかななんて思ったものである。
まてよ。2012年6月にもこういうことがあったぞ。当時の呟きⅠで店主からいただいたコメントには、
『遠い所からのご来店有難う御座いました。もう少し長閑な営業状態でしたらもっとお話も出来たのにと残念に思いました。あっ、チョット面白いことがありました。船山様がお帰りになった後、カウンターのお客様が不意に「いまのお客様、船山のブログを書いている方でしょ?」と問うではないですか。何故判るの?何故知ってるの?そのお客様のお話によりますと、以前、船山温泉を訪れたことがあり、その際の下調べで船山様のブログを知り、以後、読者になり、紀尾井もブログで背中を押されて来店され、その後、常連になられたとのことでした。恐るべし、船山ブログです。それにしても、なぜ顔が判ったのだろう?聞き忘れました。今度伺っておきます』
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11
2012年の方と、今回の方とは別人かと思われますが。。。

「ショウさんも〇〇ビで、旅人の惑星ですよね?って声掛けされたそうだが。。。」
「そうなの?」
「〇〇ビのママは(引退)こういう世界は知らないし、説明するのに苦慮したらしいぞ」
「まぁ普通は自分の店が紹介されてるなんて知らないだろうしね」
「何で私が船山だって知ってたんだろ?」
「そりゃぁマスターが前から話してたんじゃない?向こうは地元の常連さんでしょう。お皿洗うお手伝いされるくらいだし。それと東京の紀尾井ならともかく静岡の紀尾井なんてそうそうわからないし、検索したら(アナタの記事が)あがって来るでしょう。ああ、載ってるぅって会話になってるよ」
後で店主のツイートには、
『良い夜でした。ほんとうに良い夜でした。 嬉しぃから少し呑んでいます。 肴は頂戴した〇〇〇・・・。なんでこんなに嬉しぃのか判らないけどまあいいや。61歳、師走の夜。』
確かにいい夜だった。でもあの店には知人友人同僚誰も連れていかないことにした。
でも年明け1月末に私はひとりで来る予定だし、来年は上州だけでなく駿州の出張も増えそうなのだ。
コメント(2) 

宇都宮ギター酒場 [居酒屋]

JR宇都宮駅.jpg
駅前餃子1.jpg
駅前餃子2.jpg
ロータリーへ.jpg
雨の大通り.jpg
不夜城.jpg
宮の橋1.jpg
宮の橋2.jpg
二荒山神社.jpg
庄助1.jpg
店名不明1.jpg
店名不明2.jpg
しゃも.jpg
みやしろ.jpg
私がこの世界に入ったのは某温泉サイトで船山温泉を知ってからだが、それ以前は太田和彦さんの著書を見ながら著名居酒屋を飲み歩いていた。
地方担当で出張も多かった。都内の他、地方都市では、
紀尾井、鹿島屋(静岡
新生丸、金田食堂(ともに清水)
貴田乃瀬(浜松)
千里十里、銀平(和歌山)
麦とろ、籠太(会津若松)
金盃、矢島食堂(神戸三宮)
案山子(新潟)
一心(仙台)
あんぽん(札幌
井筒(酒田)
そして宇都宮のこの店。
蔵元.jpg
電飾看板.jpg
暖簾がたなびく.jpg
店内1.jpg
店内2.jpg
貼り紙1.jpg
貼り紙2.jpg
貼り紙3.jpg
料理のお品書き.jpg
5年振りです。
マスターは私のことを覚えていなかった。それまで年に2回くらいは来てたんだがな~。
「ここでしか手に入らない筈の錫のグラス、マスターを通して注文して今でも家で重宝しているんですよ」
写真を見せたの。
「あっ、ホントだ。これはもう売ってないんですけど。そうでしたかぁ。いやぁ覚えてないなぁ。すみませんねぇ」
錫の小さいヤツ.jpg
錫の盃.jpg
過去記事です。
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2010-11-24-1
5年の空白、歳月は短くないが。意地になった私はメニューを見ないでオーダーしまくった。
おとおし.jpg
牛タタキ!!
牛タタキ.jpg
牛タタキUP.jpg
牛タタキを摘まむ.jpg
野菜も.jpg
キャベクラ!!
キャベクラ.jpg
キャベクラUP.jpg
キャベクラ味噌.jpg
ピカイチもつ煮!!
モツ煮1.jpg
モツ煮2.jpg
モツ煮3.jpg
モツ煮4.jpg
至福の卵焼き!!
卵焼き1.jpg
卵焼き2.jpg
「中にチーズでも入ってるの?」
「入ってないの。黄身がトロットロでしょう?」
卵焼きの中はトロトロ.jpg
ヒレカツ!!
ヒレカツ1.jpg
ヒレカツ2.jpg
ヒレカツのマヨ.jpg
ヒレカツのやわらかさ.jpg
しもつかれ!!
しもつかれ.jpg
栃木県の郷土料理。鮭の頭、大根、人参その他の野菜の屑、残り物を大根おろしと混ぜて酒粕で煮込むんです。調味料は一切用いない。
ただ、香が独特なので、好き嫌いが分れます。この店では冷えた状態で出された。
上州にもあったかどうか。。。
おとおしアンコール.jpg
辛子大根。前はこれがおとおしだったんだけど。
辛子大根.jpg
辻善兵衛.jpg
19時に入店して22時まで、私ひとりの貸切でした。
マスターのギターの腕の冴え、美声も相変わらずである。5年前にも聴いた弾き語り。
時代遅れのレーザーディスクカラオケも昔のまま。その中の1枚にスペイン民謡があって、それがあるから新しい通信に替えられないんだって。
「だから新機種に変えられないんだ」
「そうなの。新しいのに替えちゃうともう聴けなくなっちゃうから」
弾き語り.jpg
マスターは私を覚えていなかった。
ママがいたら、ジャン妻と2人だったら思い出してくれただろうか。
この店との関係、ゼロから構築し直しだな。
再訪はいつか.jpg
コメント(0) 

久佑 [居酒屋]

開店は17時半.jpg
外のボード.jpg
お品書き.jpg
外はもう暗く、早い呑みでも罪悪感が全くない私は17時半の開店一番に入店。
「大丈夫かい?」
「あ、どーぞ。上着は後ろにお掛けください」(若旦那)
上着をハンガーに掛けながら、「早かったかな?」
「いえ、大丈夫ですよ。5時半からですから」
「琥珀・・・」
「ハイ」
「椎茸とツクネのヤツ」
「ハイ。うずらの卵をお付けしてよろしいですか?」
この台詞毎回訊かれるのよ。卵アレルギーじゃない私は頷くだけ。
椎茸ツクネで琥珀を飲み干しながら、「カキのグラタン
この店のグラタンは、牡蠣をフライパンで焼きつけてパン粉をまぶし、マッシュポテトを添えてチンする。
「グラタン、少なめの方がいいですか?」
「そうだね」
ははぁん、そう言って来たのはボリューム少なめで種類を多くオーダーしてくださいってことだろ。
L字型に隣接してる酒屋からママが登場した。私を見て「あら?」と軽く微笑む。私も頷く。
カレー味.jpg
椎茸ツクネ.jpg
ママがカキを焼き付けてる。レンジに移したタイミングで、店のTVでは羽生結弦さんがショートプログラムで106.33という最高得点を出してた。
ママはTVを見ている。ママの顔が私の真ん前にあるんです。でもママの視線はTVを向いている。
羽生さんはキレイな顔だね。オバさま受けするルックスだね。
牡蠣グラタン2.jpg
琥珀から熱燗に移行してたらひとりの女性客がフラッと来られてカウンター端に座られた。常連さんのようでママと親しげに談笑している。
今日の私はどちらかと言うと放っといて欲しい気分モードだったので知らん顔していた。そういう気分だから上大岡には行かなかった。最近あの店は若い衆が私の一挙一動をじーっとて見てる視線を感じる。サイドオーダーをバカバカ取るので期待感が凄いのよ。お客さん相手のTALKの練習台になっちゃう時もあるんだよね。
牡蠣グラタン1.jpg
電話が鳴って19時から6名様の予約が入った。
カウンター11席しかないこの店で6名様ってのは反則じゃないのかい?横にズラ~ッと並ぶか、L字の角を挟んで3人3人に配置するのかね。ひとりの私は長居するつもりはない。こういう店はサッと飲んでサッと出るのが粋なんだよ。
19時から6名様ともうそこでキャパがいっぱいいっぱいになるし、他にも1組、予約客が控えているらしい。まだ18時過ぎで早い時間だから空いてるだろうと引戸を開けたフラリ客が割を喰った。
「2名なんだけど」
「19時から満席なんで、45分でヨロシければ」
確かに時刻を見たら18:15である。19時まで残り45分である。私は19時には出るつもりだったのだが、その2名客は興を削いだらしく出て行かれた。
「ママ、俺は19時には出るよ」
私は19時以降は1人の席が空くよと気を遣ったつもりなのですが。
「いいのよいいのよ。どうせ19時には満席になるんだから」
私は苦笑した。私も満員御礼に含まれているらしいが、「45分でよろしければ」って言うくらいなら最初っから断っちゃった方がいいのではないかなか。
そしたらまた別の一人客が引き戸を開いて、
「穴子チラシ持ち帰りある?」
「もう終わりです」
私はこの店の名物?穴子チラシを喰ってませんが、お外にお持ち帰り云々の貼り紙があるのですよ。でも、もう終わりです・・・そういう表示はないのだ。
穴子ちらし寿司?.jpg
「今日は穴子チラシ無いの?」と言ったのは隅にいる常連さん。
「ごめんなさぁい。今日は無いのよぉ」
随分と声のトーンが違うなぁ。
「昨日は全然出なかったんだけどね~」と若旦那。
「そうなのよ。昨日一昨日とぜんぜんお客さん来なかったのよ。お客さんって皆、同じこと考えるのかしら」って言いながら私の顔を見る。昨日一昨日とお店がヒマだったのは私のせいじゃないですよ。
栃尾揚げ.jpg
栃尾揚げと熱燗.jpg
秋刀魚.jpg
秋刀魚と熱燗.jpg
お惣菜2.jpg
お惣菜1.jpg
カウンター向こうマッシュポテトの隣に見えるお惣菜が気になったので、
「あれは何?」
ヒジキに見えたんだよね。でもママは、「ダメよ」という風にクビを横に振った。
「???」
「これ辛いのよ。アナタ血圧高いでしょ。お止めになったら?」
「よ、よくわかりますね。低くはないけどさ」
「ウチの主人もそうなのよ」
私は「うぅ~っ」って唸った。
「じゃぁ少しだけね」
ちょっとにしときなさい.jpg
ホントに少しだぁ!!
仏壇の仏さんにお供えする器か、蝋燭に火を点した直後のマッチ棒を置く受け皿じゃないのこれ?
口に含んでみたらぜんぜん辛くもしょっぱくないのよ。
このままだ引き上げたら私の負けなので、「ママ、じゃぁそこの(指さす)大根の煮物は?」
「いいわよぉ(笑)」[わーい(嬉しい顔)]
「・・・」
「大根はいいわよ。食べて食べて食べて(笑)」[わーい(嬉しい顔)]
あのねぇ。私は苦笑するしかなかったよ。
そぼろ大根.jpg
大根と熱燗.jpg
このネタをジャン妻に話したら、「家庭的なお店ねぇ」なんて言ってたけど、どうもこの微妙な緊張感、距離感、「ダメよ血圧高そうだから」のお節介、「無いです」とピシャッと言い切る辺り、どれも、ビミョー、ビミョー、ビミョーの連続でしてね。何ともまぁ独特の雰囲気なんですよ。前にも書いたけどひとりで行かれるなら心に屈託があって構われたくない時がおススメです。
ここでは襟を立てて飲み、酔っぱらう前にシャンとした状態で出るのが粋かな。
浮かび上がる.jpg
コメント(0) 

こだわり [居酒屋]

久々です.jpg
くの一.jpg
「お・久・し・ぶ・り・で・す・ねっ」
くのいちみたいなカッコした女将がニコニコしながらイヤミを言う。
いつ以来だったか。確か7月末に部署で小宴会して以来だと思う。見つけ難い裏路地にある穴場だった店はブレイクしたようで夜毎この界隈のオフィスサラリーマンのたまり場になっている。
「2回ほど満席で断念したの覚えてないのかな」(ジャン妻)
「なんだって?」
私自身も忘れていたのだが、そうなると言い返したくなるじゃないか。
「ご無沙汰しています」と板長。
「2回ほど満席で断念したんだってさ」
「えっ!!」
私はさも自分が覚えているかのように言い切っているが実は覚えていない。もしかしたら私抜きでジャン妻が部署の誰かと入店しようとしたら満席で断念したのかも知れない。
「いやぁ・・・それはすみませんでした」
いかつい風貌の店主はアタマをかきながら厨房に引っ込んじゃった。
「いいのよ。私ってすぐ人のせいにしたがるので」
これも少なからずイヤミ。さて、例によって作り立てに拘る店なので若干提供が遅い傾向にある。
前にも書いたがこの店には幾つかの拘りがあって以下「」は女将の言い分ですが、、まず、「当店は居酒屋ではなく小料理屋です」と言い切る。
だけどこの店の席配置やお客さんを見てると居酒屋えはないかなぁ。忘年会シーズンに突入しているから小上がりはまぁ賑やかなこと。小料理屋という雰囲気ではないな。
でも居酒屋よりは料理のレベルが高い。最初に出されるものからして拘りがある。
「おとおしとは言わずつきだしといいます」
「おとおししでその店の姿勢が分かります。まず最初に口にする料理ですからとても大切なもの・・・」
おとおし・・・いや、つきだしといえども、「コースメニューと同様にちゃんとした一品料理としてご用意します」
それがこれ。
最初の膳.jpg
おとおしの域を超えている.jpg
おとおし・・・の域を超えている。
この店の近所の某居酒屋や、上州高崎通町の某一文字ラッキーセブン居酒屋のつきだし・・・いや、おとおしで何回ガッカリさせられたことか。そこらにあるものや前夜の残り物を小鉢に入れ取りあえず出しとけみたいな居酒屋が多いからね。
私もこの店のおとおしは毎回楽しみにしている。料理への期待をかきたてられる。
これはシマアジ。
縞鯵.jpg
グラスではなく猪口(ちょこ)と呼んでね」
グラス・・・で出す店もある。冷やである。逆に言えば大衆酒が廃れ、何とか純米大吟醸とやらがはびこりだして燗をしなくなったからではないかな。燗をする店が少なくなったか、燗をできない、知らない若い人が増えたからでもある。湯煎なんて少なくなったね。電子レンジでチンの方が多い。
この店の熱燗は徳利を湯煎している。
熱燗.jpg
栃尾油揚げと大根のおでん。
栃尾揚げと大根のおでん.jpg
栃尾揚げ.jpg
焼き魚も煮魚もオーダー受けてから焼いて煮て作り置きはしない(角煮以外)主義である。
「お時間をいただきます」
文章にすると文きり口上だが、お店では「お待たせしちゃうかも・・・」店が混んで来たので板長自ら持って来たりもする。
冷凍ものは扱わない。旬ものしか扱わないと豪語するこの店のカキフライ。デカいです。
デカいけど。。。
カキフライ1.jpg
何で3個なんだっ。
俺らは2人だよ。餌の奪い合いにいなるじゃないか。
カキフライ2.jpg
「いいわよ1個食べて」
カキフライの端っこにある薄黄色いドロッとしたものは?
端にあるのは?.jpg
タルタル.jpg
タルタルソースじゃないかっ。
いいんですかぁ。いただいちゃってぇ。
「貸して・・・」(ジャン妻)
「イヤだ。これは俺んだ」
久々なのでベットリ浸けてやったよ。
カキフライ4.jpg
ベッチョリ.jpg
でもこの店でどっかの店のようにタルタスソースをつきだしお替りするのは止めた。
「この店はあっちにある(店の方向を指を)何でもかんでもタルタルソースOKの節操のない店とは違うのよ」(ジャン妻)
「大河で群馬初代県令楫取素彦を演じた大沢たかおさんがタルタルソース好きなんだって。エビフライはタルタルソースを食べるための棒と仰ったそうだぜ」
「・・・」
玉葱とろとろ煮込みベーコン入1.jpg
いつも必ずオーダーする玉葱トロトロ煮。
クリームスープ、シチューのような味わいで、ベーコン入り。
「あっ、ベーコンが下の方からもう1枚でてきた」
得した気分である。
ベーコンがもう1枚.jpg
女将の拘り、続く。
「居酒屋慣れしていると慣れ親しんだ料理を御注文する傾向にあります」
これは、他所の店にもあるでしょうの料理を取り敢えずオーダーされるのを残念に思っているらしい。別にいいじゃんかよな。メニューに載ってるんだからさ。
まだある。食べる前から醤油を掛けてしまう方を残念に思うそうである。
女将のBlogには、「出汁巻玉子や栃尾の油揚げにいきなり醬油をかけないで、まずはそのまま食べてくださいね」とあった。
卓上に醬油あるんだからかけちゃってもいいんだけどね。
粗い大根おろし。最初はそのまま。次に醤油をかける。
大根荒おろし1.jpg
何でこんなのを料理にして金を取るのかって?この粗挽き食感はイケますよ。
「家でも粗いおろし金にしようか?」
「いいよ。ここで喰うから」
「・・・」
大根荒おろし2.jpg
ラストオーダー。蕪の南蛮味噌。
蕪南蛮味噌.jpg
「これってニンニク味噌かなぁ」
「さぁね。あっ、全部舐めたわねっ!!
舐めてしまった.jpg
カウンターから見上げる.jpg
この店で部署の宴会を催ったことがある。幹事は私。
「あの店、高くないですか?」とウチの女性社員。
安い個室居酒屋ばっかで飲んでっからだよ。
「ノミホじゃないですよね」
「俺はノミホは嫌いなんだよ」
ノミホは幹事としては楽だけどね。私は女性社員の難色を無視して自分のプライドを優先してこの店で強引に開催した。安くは無かった。もちろん私は多く出したよ。
この店にも拘りがあるように私にも拘りがある。難色示すのなら私に幹事なんかやらせるんじゃないって。
1年前か半年前までは穴場だったのに。ブレイクしやがってからに。
コメント(0) 

いきつけ年内備忘録③ [居酒屋]

ジャン妻が2泊出張で不在。2日連続して同じ店に行くのも芸が無いので、2日めは新規開拓せんと、鎌倉市役所の帰途に大船駅で途中下車したんですよ。そしたら。。。
新規開拓せんと.jpg
連休いたします.jpg
やれやれ。
臨時休業でやんの。
よくあたるのです。滅多に行けない場所の新規店を狙って行ったら休みのパターン。
魚屋さんが直営するこの食堂は11:30~20:30の通し営業で、基本は魚しかないらしい。
また機会を改めますか。
さてこの後どーしようか。とのやまは一人だと割高だしなぁ。
またの機会に.jpg
点いてる1.jpg
点いてる2.jpg
何処にしようか考えたり他へ行くのがめんどくさくなっちゃったんだよね。JR戸塚駅からブルーラインに乗り換えて上大岡まで来ちゃった。芸が無いな私も。
2日連続。昨夜と比べてサイドメニューが少ないのだ。
「2日続いて来ていただいたのに今日は少なくて・・・」
「少ねぇな」
「スミマセン」
「帰ろうかと思ったよ。冗談だよっ。誰かが昨日秋刀魚を3匹も喰うからだよな
他のお客さんが食べる分が無くなって早い時間にヤマになっちゃったかも知れない。
「ヒイカの天ぷら」
ヒイカ、ホタルイカより大きいけど体調5~6cm~10~15cmか15cmの小さいイカ。
ゲソ天ぷら1.jpg
ゲソ天ぷら2.jpg
焼き物は鳥佳巻(エリンギとネギを巻いてある)、チーズ巻(ささみと紫蘇の葉)、火傷しそうなトマト巻。
トマト巻はブシュッと中汁が飛び出して火傷したりしたが、最近は学習して、楊枝や他の串先でツンツンして中の温度をチェックするようにしている。
最初の膳.jpg
チーズ巻.jpg
トマト巻.jpg
鳥佳巻2.jpg
今日は鴨ロース肉のたたきがあるじゃないか。
「いきます?」
「うん」
合鴨タタキ1.jpg
合鴨タタキ1と熱燗.jpg
赤身ですね。クセもなくやわらかい。山葵を付け過ぎると鼻にツーンとする。
「これって昨日もあった?」
「ありました」
そうか。気が付かなかったな。
タタキって生なんですかね。私は職務がら保健所にもよく出向くのだが、そこに行くと窓口に必ず、「生食を避けて加熱して食べましょう」のポスターがあります。肉はもちろんだが魚までも。まさか日本の食文化から魚の刺身が無くなるってことはないと思うけど。
問題は肉です。最近私の知る限りで肉類の生食は、馬刺、鹿刺、何処で食べたんだっけか鶏のタタキ(大山鶏)・・・。これかの食文化継承は大丈夫なのだろうか。
保健所の指導、言うこともわからなくはないが、このままだと馬刺や鹿刺も禁止されかねない。タタキ程度なら出す店の加熱処理を信用して自己責任でいただくようにしている。
私はまだ抵抗力があるが、控えた方がいいのはお年寄りや子供ではないかな。
行政に聞いたら「ダメです」って言うに決まってるからね。そんな野暮なことを考えながら、「いつもの」右手の親指人差し指で猪口を摘まむ仕草をした。熱燗のサイン。
ところが。。。
この日は群馬泉が無かったのである。
カウンター入口側にあるストッカーにも無いし、奥へ見に行ったねーさんも困った表情で人差し指でバツを作った。
「もしかして無いのかい?」
私は苦笑いしながらわざと目つきだけ険しくしてやったよ。
「無いんかい?」
私が昨日、多少は飲んだけど、他のお客さんにも群馬泉が出ていたからね。
「すみません・・・キラしてます・・・」
「えぇ~っ・・・ではそれに近いのは?」
京都丹後の玉川.jpg
出されたのがこれ。木下酒蔵の玉川。京都府丹後のお酒です。
京都のお酒だけに上品なお味ですね。
木下酒蔵.jpg
皮カリカリ.jpg
ピーマンシナシナ.jpg
鶏皮はカリカリ、ピーマンしんなり。
鶏皮をオーダーするとジャン妻は目を引ん剥くが、脂を落としてカリカリにして貰うのだ。
ピーマンはかなり前に一部分が殆ど生だったことがあってね。それ以来、焼き加減を言うようにしています。
ピーマンがあって鶏つくね焼があるんだから、ピーマン肉詰めなんてのもできそうだが。
ピーマンと熱燗.jpg
ポテサラ.jpg
ムツ刺身だったかな.jpg
合鴨タタキ2.jpg
鴨たたきをもう1皿追加したらまぁ厨房の若いののウレシそうなこと。
「これは蕎麦汁のようなもの?」
「いえ、出汁を冷やしたんです」
添えてあるネギも美味いのだ。
焼きネギの浸し.jpg
「このネギって焼いてすぐに浸すの?」
「昨夜のうちに焼いて浸しておくんですよ」
昨夜のうちに?ということはやはり昨日もこれあったらしい。昨夜は秋刀魚・秋刀魚・秋刀魚に目がいって気が付かなかった。
さすがに3皿めは止めた。
昨夜のなめろうでも今宵のたたきでも若人に食べて次世代に継承して欲しいものです。
久々に焼きお握り.jpg
今年の年末年始は休日が少ない。
正月ボケも少なく社会復帰できるかも知れない。この店は2015年の正月は元旦から開けたが2016年の正月はどーするんだろう。
マスターに聞こえないように小声で話した。
「年末は何日まで?年明けは?」
「う~ん。まだ決まってないんですが・・・」
「また今年みたいに正月も営るの?」
「う~ん。まだ正式には決まっていないんですが」
他スタッフにも聞こえないように会話した。マスターに聞こえて、「営ります」って言ったらその場で決定だしね。
私は今年正月休み中にジャン妻と来ている。通常メニューではなく正月メニューでレバは無かった。
「年内は30日まで、31日1日休んで2日、3日開けようかと・・・」
営ることは営るらしい。マスターに聞こえないように小声で話すスタッフであった。
バスがじゃまだな.jpg
早いかな.jpg
まだ19時過ぎかよ!!
この後の夜を如何に過ごすべきか。。。
コメント(0) 

いきつけ年内備忘録② [居酒屋]

蒼白い看板.jpg
11月に、上州高崎の小料理屋(フグをウリにしている蒼い看板の店)の大将が言うには、
「今年はいい秋刀魚(サンマ)がまだ1回も入って来てないんです。市場にあってもウチみたいな小さい料理屋では高くて仕入れられない~」
大将のボヤキはいつものことなのだが、日本の秋刀魚獲量が年々減少傾向にあるのは事実らしい。NHKの報道番組か何かで報道されてた。日本近海で獲れないというのである。
秋刀魚は冬が近づいて海水温度が下がると北から南下して来る。だから島国の日本は本来は時期が来れば近海で獲れる筈なのだが、地球温暖化のせいで海水温度が上昇して秋刀魚が南下しないという
秋刀魚が来なけりゃ漁師さんは遠くまで漁に向かわなくてはならないので燃料費がかかる。だから漁獲量、水揚量が減っている。
秋刀魚が日本近海で獲れない理由がもうひとつあって、それは公海(※)での海外漁船による秋刀魚漁が激増し、秋刀魚が日本近海に廻ってこないこと。お隣さんの大きい国や小さい島国の漁船たちが日本近海に来る前のサンマを先取り(撮り)しているという訳。
(※)領海(自国領域で他国船は許可なく入れない)、排他的経済水域(他国船も許可を得れば入れるが漁や油田掘削のような経済活動は出来ない)、公海(どの国でも入れる。通れる。自由に経済活動ができる)ではなかったかな。間違ってたらゴメンナサイ。
日本近海.jpg
公海で秋刀魚をする海外船は日本の漁船より全長や総排水量も大きく、設備も巨大で、数十mのアームで100mのデカい網で一網打尽にする。
水揚げされた秋刀魚を貯蔵する巨大な冷凍庫を備え、大漁だからとすぐに帰港するのではなく、別途運搬船が送られ、冷凍秋刀魚を回収する。秋刀魚漁を発展産業と位置付けで後方からも支援している。これによりコストが抑て操業を継続できる。船の数も多い。
公海で秋刀魚を最も多く獲っている国は台湾だそうだが、それほど大きくない島国なので台湾国内での消費だけでなく、中国他へ年間4万トン以上を輸出するまでになっている。日本は抜かれた。
台湾ではサンマは1匹40円か50円で買える。日本と違って安定している。
日本は公海まで出向いて秋刀魚漁をする船は少なく、漁獲量も1000トン程度だとか。それはもともと近海に面した島国で豊かな漁場があるため小型船での漁しかしていない。わざわざ遠い海へ秋刀魚を獲りに行く必要が無かったのである。
ではもっともっと行けばいいじゃないかって?燃料代などを考えると採算が合わないのです。
焦った我が日本は、このままだと秋刀魚資源の枯渇になりかねないと何とかいう国際協定委員会を発足させたがおそらく対立するは必定。日本は公海での秋刀魚漁獲量上限を決めたい=自国近海での秋刀魚漁を守りたい訳だが、外国からすると自国の漁獲量を抑制されることに繋がるから。
日本も漁獲量に上限を設けている。誰が決めているのか知らないが2015年は26.4万トンに設定した。昨年より26%減だそうである。過去最低だって。
おっと余談が長引いた。別に難しい政治の話をする記事ではないです。そういう世界は政治家さんに任せるしかない。この店で一晩で秋刀魚を3匹も喰ってしまったというお話。
点いてないぞ1.jpg
点いてないぞ2.jpg
「電気が点いてないぞ」
「あっ、それってマズイです」
マスターが公休日だから多少、気が緩んでやがるな。
最初の膳.jpg
鳥佳巻1.jpg
牡蠣1.jpg
牡蠣と熱燗.jpg
店の規模にしては日によってサイドオーダーが充実傾向にあるが、何処から安く仕入れたのか、秋刀魚の刺身、なめろう、炭火焼と3種類の料理がUpされていたので、焼き鳥の類の串焼きは二の次さんの次にして喰いまくった。
まずはなめろう。板場でトントントントン叩く音がする。
若い女性スタッフは何でなめろうという名前なのか知らないようである。揺れる船上で考案された漁師料理。醤油は倒れるから味噌で味付け。
秋刀魚なめろう.jpg
TBS噂の東京マガジン、やってTryを見てると、アジ、サンマ、イワシ、サバの区別がつかない若い女性がよく出てくる。アジをタタキ潰し、アジの干物でアジフライを揚げて、イワシのツミレはタタミイワシを水に戻したり。
骨に未練が.jpg
この骨に未練がタラタラ。
尻尾の先っちょを摘まんでじーっと見てたら焼き場の若いリーダーに私の意図が通じたよ。
「骨とアタマ、揚げましょうか?」
「うんうん。そうしてくれないかな」
よくわかったな。私の他にもそういうお客さんがいたんだろうね。
骨煎餅1.jpg
で、こうなる訳ですよ。カリカリッ。

塩焼きと熱燗.jpg
前に鰯のなめろうを2杯喰ったが次は塩焼きにした。これが案外と時間がかかったな。焼き加減を見極めるのに慣れてないのかな。
「秋刀魚、お好きですか?」
「私ぐらいの年齢の日本人で秋刀魚嫌いなヤツなんているのか?笑」
「前は鰯も」
「なめろうを2杯喰ったね。青魚(鯵、鰯、鯖、秋刀魚)が好きなのよ」
キレイに食べました.jpg
ジャン妻は家で秋刀魚を焼きたがらない。何も昔みたいに団扇でバタバタしながら七輪で焼けて言ってんじゃないのに家で焼いた秋刀魚が出されたことはない。
「買ってくれば焼くわよ」
細長いから焼き難いんだろうか。
炭火薬の秋刀魚に熱燗はいい組み合わせである。焼いた秋刀魚が出される家ならカミさんに、「何でいつも家で出せるものを金払って注文するの?」ってなるだろうけどね。
秋刀魚刺身UP.jpg
「次は刺身」
まだ行きます?っていう驚きの視線と、そう来ると思ったっていう満足度の笑みが半々だったな。
厨房の板さん自ら持って来てくれた。
秋刀魚刺身と熱燗.jpg
この骨にも未練があるのよ。
「揚げます?」
「うん」
当然だよね。
この骨にも未練が.jpg
骨煎餅2.jpg
骨煎餅2と熱燗.jpg
ダメ押しに煮込み。
赤いの(唐辛子)は無しです。
煮込みと熱燗.jpg
今年最初で最後の秋刀魚喰いは終わった。
公休日のマスターは台湾辺りへ旅に出ているらしい。40円か50円の安い秋刀魚を食べに行ったのかな。
そして翌日。。。
赤信号.jpg青信号.jpg
コメント(2) 

Reunited [居酒屋]

ピンボケのお品書き。
今宵お連れするのは大事なお客と言ってあったので、いつもより小さめのフォントでおススメがギッシリ書いてある。
お品書き4.jpg
最初の膳4.jpg
おとおし4.jpg
お連れしたのは着物姿のT嬢。サラリーマンばかりの店内で一際目立つその艶姿はお店のママのようであった。
「今回の転勤は急でしたね」(私)
「会社内での玉突き・・・のようなものなんですよ」
「玉突きね。よくある話だ。誰か辞めたとか?」
「まぁ・・・そういうようなものです」
玉突きとは当人の意志に関係無く(異動なんてそんなモンだが)誰かが辞めたから仕方なく動かさなきゃならない急な人事異動、転勤のこと。
こういうのはA箇所→B箇所への単純異動だけでは済まないケースが多い。A箇所から動いた後の補充も必要だからそこへも誰かが動いた筈。下手したら3方国替えなんてことにもなりかねない。
人事異動なんてこっちの都合如何に関係無くろくすっぽ知らない第三者のせいで動かされたりするからね。
「こっちに来るまで〇梨では一人事務所だったんだよね?1人で業務するってのは凄いや。俺なんか自分一人だけだったら怠けてロクに仕事しないだろうな。で、〇梨へまた誰かが異動して来ると?」
「主人の後輩が・・・。せっかく1年かけて開拓したのにそれを渡して出て来たんです」
「でも東京に異動ってことは旦那さん優秀なんだよ」(ジャン妻)
「俺は優秀じゃないみたいに聞こえたぞ」
「アナタは・・・〇〇でしょ。さぁ最近家でのキメの台詞を言って・・・」
「隠居したんだなぁって」
私はこの「隠居したんだなぁ」がクセになっている。これは清左衛門残実録で清左役の仲代達也さんが町奉行の佐伯(財津一郎さん)に言った台詞。(梅咲く頃)
「朝田(家老)が不快?そう言われても何も感じぬ。それよりこの梅の花がいつまでの命かと思うと切ない・・・」
私は隠居ではなく現役だがもう経営部や中枢からは完全に退いてるし、部下もいないし上司も殆どいないようなもので、気楽ではある。
「結局自分らの転勤ってあの1年(群馬)だけで終わるかも知れないな。こっちに来るまで○梨に1年いました?」
「いましたよ。1年と数ヶ月いました」
「せっかく馴染んだのにね。あまり目まぐるしく転勤や異動ばっかりだとイヤんなっちゃうよな。でもいつかは〇馬に還るんでしょ」
「おじいちゃんもいるし。いつかは・・・。〇〇さんたちは・・・(〇〇と私の本名で呼ぶようお願いしてあったのですが、後半は店の喧噪のなかで、ジャン・・・って出てましたね。)・・・群馬に戻るというか、終の棲家にお考えですか?」
「アタシは・・・ないな群馬は。選択肢にはないね。寒いからね群馬は。会津ならまだしも・・・」(ジャン妻)
「会津だって相当寒いぞ。私は選択肢にあるね。今でも帰りたいくらいだよ。会津もいいけどさ。群馬の後で会津に行くと、会津の人ってこんなに口が重かったかなぁ、警戒するのかなぁって思うよ」
「そうなんですか?よくあの・・・温泉に行かれてますよね?」
蕎麦宿1.jpg
蕎麦宿ね。あそこの主人は慣れたからベラベラよく喋るけど若は口数少ない。
「(会津人は)最初は喋らねぇんだもん。群馬の方が人懐こい。七や和が家なんかでも向こうから隣から話しかけてくるからな」
「この人、前は居酒屋なんかでも話できなかったんですよ」
私は決して人見知りではないが、40代の頃は毎日毎日人関係のゴタゴタに巻き込まれていたのでせめて夜は「放っといてくれ」状態で酒場では喋らなかったのだ。
「群馬に行ってからそうじゃなくなった。前に言ったかな?群馬に行ってから知らない人に挨拶するのに抵抗なくなったって」
「あ、聞いたことあります」
「東京神奈川なんか人が多過ぎるからイチイチ挨拶してたらヘンに見られるけどね」
「〇梨なんかどうですか?そこもよく行かれてますよね?」
それは船山温泉のこと。
「船山温泉は〇梨とは言ってもかなり静岡寄りだから・・・信玄ネタで退屈しないだろうけどね」
春の船山館.jpg
「東京って人が多いでしょう」
「多いです」
「人も店も電車も多いけど物価も高いからね。この店なんか特にバカ高いからさ」ってママに聞こえるように言ったつもりだが、店側は誰も聞いていなかった。
皮ハギ。
また皮ハギ.jpg
生ハムと燻製卵のマカロニサラダ。
生ハム燻製卵のマカロニサラダ.jpg
チエ嬢は栃尾油揚げのツナマヨ焼に見入っている。
「揚げの生地が厚いんですね」
「スーパーなんかで売ってる薄い揚げだとどうかな。具に負けちゃうかもな」
「家でも作れるんじゃない?」
栃尾揚げツナマヨ焼.jpg
タイ風エビマヨ。
タイ風海老マヨ.jpg
ビーフコロッケゴルゴンゾーラ
ビーフコロケゴルゴンゾーラ.jpg
炙りバグロと蕪のシーザーサラダ
炙りマグロと蕪のシーザーサラダ.jpg
豚肉と根菜のピーナツバター炒め。
豚カルビ根菜ピーナツバター.jpg
キノコガーリック炒め
ベーコンキノコガーリック炒め.jpg
ポテサラ。
ポテサラ.jpg
さつま揚げ。
さつま揚げ.jpg
「人気のあるお店ですねぇ。殆ど満席じゃないですか」
「混むのよ生意気にもさ。ママが悪質なキャッチですぐ引っ張り込むからさ」
4人テーブル席で3人だから1人分の席が空いている。私らのカバンが置いてある。
「ママ、ホントはそこの席(空いてる1席)にもお客さんがいたらいいなって思ってんだろ?1人分の売上が無いわけだからさ・・・」
「そ、そんなこと思ってないわよっ」
チエ嬢は、この店で最も高いメニュー、塩だけのおむすび420円に驚愕のマナザシだった。

チエ様はこの店に興味津々のようで。
上大岡.jpg
「この店は右(カウンター)と左(テーブル)とは全く別ものの店だよ」
3人は無理かと。平日の早い時間帯なら可能かも知れないけど。

「この店の創作料理も美味いが、藤沢のSHOWなんかこの比じゃないよ。田舎娘さんがお身内の誰かと行くって言ってたな」
藤沢.jpg

その他のネタは。高崎の名酒場だった〇〇レで何が起きたかとか。
梅ふくが懐かしいとか。
「月輪は行ってます?」、「いや、最近は行ってない」とか。
ご無沙汰.jpg
ショウさんに聞いたら移転先の克は仮営業らしいとか。
最もよく行く酒場は
「七かな。意外と群馬八幡の和が家も少なからず行ってるね」
「普段、〇馬にどれくらい行かれてます?」
「前は月に2回は行ってたけど、最近は〇馬以外の地方出張が増えって来たから〇馬だけって訳にはいかなくなってきて。新潟とかね。〇馬とセットで行くようにしているから回数は減るだろうな」
「いいわよね。1人であっちこっちに(行けてさ)」
私は遊びに行ってんじゃないぞ。
通町.jpg
群馬八幡.jpg

お会計して店を出て、近所のおススメの店をご案内したが、覚えておられるかどうか。
永谷園のカウンター.jpg
はせがわ.jpg
最寄駅にお送りする後姿。
私らは地上駅へ。チエ嬢は地下駅へ。
「SUICAとお財布、頸にブラ下げてなかったね」(ジャン妻)
「ひったくられらぁ」
ジャン妻&チエ嬢.jpg
無事に帰れるか.jpg
「無事に帰れるかな?」
「さぁな」
何か無くしたり、落としたり、乗り過ごしたりしないか。そういうので期待を裏切らない人だからな。
(奇跡的にも大丈夫だったらしい。)
もうすぐ師走.jpg
この後、ジャン妻はこの店のランチに行っている。
「先日のお連れ様はステキな人でしたね」と言われたそうです。「お友達」とだけ言って、〇馬の人とは言っていないらしい。
「いつもあのお姿なの?」
「着物で着慣れてる人だよ。ウチの旦那(私のこと)が彼女に着物で来てよってリクエストしたって言っといたから。ママはアタシなんか小学校以来着たことないって。どうやってWC行くのかしらなんて言ってたわね」
店をOPENする前、ママは作務衣を着てたそうである。
「マスターが、お店で着物を着て欲しいって言ったこともあるんだって」
「何で着ないのさ。あ、そうか、着物だと脱兎の如く走れないからだ。お客をキャッチできないもんな。走ったら裾からげて転んじゃうだろう」
「苦笑、ガニ股では歩けないよって言っといたけどね」
コメント(6) 

いきつけ年内備忘録① [居酒屋]

インプラント手術の抜糸の後は僅か1週間だけ断酒したのです。
そこだけ奥歯が無い状態で’(現在は仮の義歯を被せてあります。)抜糸しても歯茎の表面が完全に塞がるまで固いものは避けなくてはならないし、極力抜いた側で咀嚼するのを避けて、「もう片側で噛んでください」と言われた。
意識して固くないものを選ぶ。野菜なんかでも固いのは避けるようにしている。
抜糸後、さぁ解禁と相成ったが、飲みに行って何を喰うかに気を遣う。
お品書き1.jpg
最初の膳1.jpg
おとおしは・・・。
味噌汁???
1週間の断酒明けだから悪酔い防止かな。蕪の菜っ葉が入ってた。
おとおし1.jpg
燻製卵と生ハムのポテサラ。
燻製卵と生ハムポテサラ.jpg
いい味です。でも別に燻製にしなくてもいいけどな。燻した香がトンじゃってるし。
程良い塩気。上州の某ママ社員が、「ウチはポテサラに砂糖を入れるんだよ」って言ってたけど、砂糖を入れるのは私は好まない。ポテサラって多少の塩気が必要だよね。
次にベーコンポテトとアボガドのチーズ焼き。
この店はアボガドとかゴーヤとかをよく出すのだ。ゴーヤチャンプルとかアボガドの串カツとか、ヘンなのを出したりする。
ベーコンポテトアボガドチーズ焼き.jpg
お出汁で炊いた里芋のコロッケ。
う~ん・・・出汁で炊いたからどうってことはないな~。私って里芋を揚げたのって触感がダメみたい。
お出汁で炊いた里芋挽肉コロッケ.jpg
生シラスを載せた冷奴。後日、近所の魚屋で生シラスがあったのでやってみた。
生シラス冷奴.jpg
「酸っぱいの苦手でしたよね?南蛮浸けは大丈夫?」
「平気だよ。そんなに酸っぱくなければ」
お品書きを見たら真鯛と泥ネギの南蛮浸け。真鯛でなくても泥ネギでなくてもいいけどね。南蛮漬けをススメられたのはさては在庫処理ではないか?
真鯛と泥葱南蛮浸.jpg
どうも自然と歯や歯茎に優しい食感のものしかオーダーできないですね。
「でも手術したんでしょ?」(ママ)
ママはもう全て終わった、完治したと思っている。
「したけどボルトを埋め込んだだけですよ」
「ボルト?」
「インプラントってのは・・・」
ここでまたまたインプラントが如何に高額かの話題になったが、私もあちこちで聞かれて答えてるし説明はめんどくさくなってきている。
「痛かった?」
「意識が無いし。目が覚めたら終わってた。静脈麻酔だからね」
高いけど、「その中には麻酔医さんの派遣料も含まれてると思うんだよね」
「麻酔医さんって少ないし。何処かの地方病院で年収3000万円で募集してるって聞いたよ」
マスターは口あんぐりになった。「さ、さんぜんまんえん!!」、自分らの売上と比べちゃぁ虚しいだけだよ。
この時は私も断酒明けだったのもあって軽くしといた。そして数日後、これはさる日のランチタイム。店外に行列ができています。
ランチの行列.jpg
よう並ぶよなぁ。
ご飯が釜で炊いてるからとはいえおかずはいつも同じような内容で(4種類)、釜炊きのご飯でなくてもいいおかずばっかりなのね。
私はご飯なんか別に釜炊きでなくてもいい。電気ジャーでいいよ。この店、釜で炊くが為に夜のメニューのお握りなんか1個420円もするんですよ。先日ご一緒した某ブロ友がビックリしてたモン。
この店のランチはすぐヤマになっちゃうしそんなに並ぶほどのものかって白い眼で見ながら私は立ち去った。別の店へ行った。
ところがこの日、ジャン妻はこの店のランチに行ったそうである。
「往ったのか?並んでただろ?」
「早い時間に行ったの」
「ランチったっていつも同じものばっかじゃんか。鶏つくねとかピリ辛煮込みとか、イワシのフライとかだろ?」
「小鉢にマカロニサラダが出たよ」
「なにっ!!」
私は居酒屋で野菜サラダなんてのはまず喰わない。カッコ悪いモン。居酒屋でオーダーするサラダはポテサラ、マカロニサラダ、スパサラぐらい。
カウンターで小皿や小鉢に盛ったポテサラ、マカロニサラは合うけど、グリーンサラダだけってのはカウンターに似合わない。ひとりでいる時は特にそう思う。
ランチに喰う分にはOK。夜もアジフライやカキフライの付け合せで、キャベツの千切りその他が付いて来るのはいいのよ。
私はこの店の夜のメニューで黒板のお品書きTOPにあるポテサラは高評価している。程よい塩気があってビールや酒に合うの。ポテサラってその店独自の味だからね。
ジャン妻は前から「マカロニサラダなんかあるとお客増えるよ~サラリーマンってそういうの好きだから~」とアドバイスはしてたんだよね。そんな難しいものじゃないでしょ。この店のポテサラは燻製卵、生ハム、ゴーヤ、パクチー、野沢菜、アンチョビ、ヘンなアクセントを入れるのですが、マカロニサラダなんてのは奇を衒わないでフツーに出しゃいいんだ。
「ママが行ってたよ。マカロニサラダあるから夜どーぞって」
「・・・」
私は鼻白んだ。
商売熱心で結構だが、また昼間っから悪質なキャッチをしやがってって思ったの。でもそう言われたら行くしかないじゃないか。幸い午後遅く帰社してそっから定時過ぎまで内勤だったので、では行ってみましょうと。結局は挑発に乗ってしまったのだ。
ジャン妻が店に電話した。「カウンター2人は入れる?マカロニサラダある?」
しばしの間があって、「えっ、無くなったの?」
「何ぃ?無くなったってかぁ?」
「ランチで全部出ちゃったんだ・・・どーする?」
「だったら行かねぇ」
「またにするって・・・え?ちょっと待って」
「やっぱ電話までしちゃったんだから行く」
たかがマカロニサラダが無いくらいでキャンセルするのも漢として潔く無いと思ったのよ。もちろん入店早々に言いましたよ。ホントは最初っから無かったんだろ、引っ掛ける罠に俺をハメやがったな、悪質キャッチめって。
「ち、違うわよっ。お昼で全部出ちゃったのよっ。まだどんだけ出るかわからないからさ」
お品書き2.jpg
最初の膳2.jpg
おとおしは刻んだタコとキュウリに変なジュレがかかっていた。イマイチ。
芝海老と明太子のポテサラ.jpg
芝海老と明太子のポテトサラダ。芝海老の唐揚げが載っている。
悪くないが、ポテサラに唐揚げが載ってるってのはねぇ。
「さては昨夜か昼の刺身定食の残りだろ」
「・・・」
マカロニサラダを外されたので多少悪意のこもったジョークを放つ私。
白魚と牛蒡のかき揚げ.jpg
白魚と牛蒡のかき揚げ。
牛蒡はサクサクして美味しいけど白魚が何処にあるのかどれが白魚なのかワカランぞ~?
酒盗に浸け込んだ鶏唐揚げ.jpg
酒盗に浸け込んだ鶏の唐揚げ。
酒盗に浸けたからってもねぇ。普通の唐揚げでしたよ。衣がブ厚い。もうちょっとカリッと揚げて欲しいな。
牛バラ肉と舞茸オイスターソース炒め.jpg
牛バラ肉と舞茸のオイスターソース炒め。
これは美味。中華料理みたい。でももう日本酒に移行してらぁ。あれば紹興酒の方が合うかもね。
料理人2人.jpg
「マカロニサラダがあったから昼はあんなに並んでたのかな?」
「マカロニは小鉢だからねぇ」
どうも消化不良の感がある2回でしたが。ちょっとデータ集計で私がジャン妻に助けられた日があって、お礼の気持ちもあって私の奢りで行くことになった。
お品書き3.jpg
行ったら、「マカロニあるわよっ」、ママがニッコリ。
初登場生ハムとゴーヤのポテサラ。
生ハムゴーヤマカロニサラダ.jpg
いざ出されてみたら見ためは何のことはない普通のマカロニサラダですよ。でもそれでいいの。
野沢菜ちりめんとアンチョビのポテサラ。舌を噛みそうになったぜ。
野沢菜ちりめんアンチョビポテサラ.jpg
豚肉と平茸のトマト卵炒め。
中華料理にありがちなものだが、惜しむらくは肉がブ厚くてね。
豚肉平茸トマト炒め.jpg
京イモとズワイガニのチーズ焼き。京イモ(エビイモ)ってのは里芋の仲間らしいな。
京イモとズワイガニチーズ焼.jpg
皮ハギの季節になりました。
皮ハギ.jpg
チーズ入りメンチカツ。おう!!これはいいね。
チーズメンチカツ.jpg
さつま揚げ。干しエビとチーズが入ったフワフワしたヤツ。
さつま揚げ(干しエビチーズ).jpg
マカロニサラダちょっとだけアンコール。
「好きねぇ」
「この間あるって言って呼び込んどいて無かったからだっ」
「!!!」
アンコール.jpg
さて、この店で大事なお客を迎えねばならない。その方は上州から〇州へ転勤され、何の因果か今度は東京都内に転居するという。
都内の物価にオドロくのではないか。
「いついつの〇日、〇時から3人で予約きるかな」
「3人?大丈夫よ」
「じゃぁゴルゴンゾーラのコロッケと栃尾揚げツナマヨをお願いします。大事なお客さんが来るのさ」
「???」
大事なお客とは??
コメント(2) 

インプラント手術後あれこれ [歯医者]

師走に向けて飲み喰い記事、宿記事をUPする前に、インプラント手術以降の模様を纏めて綴ります。
手術後1週間は断酒でした。抜糸予定日の3日前に私の携帯が鳴って出たら歯医者の受付嬢だった。
「あれからどうですか?」と訊かれた。
「どうだろ。特に出血もしてないようだが。あ、治療した奥歯じゃなくって前の歯茎に何か黒いカサブタのようなものがくっついてるんだよな」
「オペした奥歯ではなく前歯ですか?どの位置でしょう」
「下の前歯の奥から、ええっと3番目かな。歯茎に黒いカサブタが付いてる」
「痛みますか?」
「いや、痛まない。だんだん小さくなってるような気はするけどな」
私はその前歯のカサブタはオペ途中に傷つけたと思い込んでいる。
「そうですか。大丈夫だと思いますが、院長に聞いてからまたお電話致します」
しばらくして再度、着信があって、
「院長に聞いたところ、おそらく何か傷が付いてしまったのではないかとのことでしたが、出血も痛みもないようでしたら大丈夫で、次回、来られた時に診てみますとのことでした。今週末に抜糸でお見えになるんですよね?」
「そうですよ。その時でいいやって自分も思ってたんで。診察台で暴れたかな私?」
意識が戻った後で麻酔医さんが、「○○さんって右横に寝るクセがありませんか?寝返りうとうとするんですよ」って言ってたからな。
「笑」
「さては何か覚えがあって電話して来たんだろ」
歯科医の受付嬢に随分と伝法な口調で返してしまったが、「い、いえっ、インプラント手術をした方には術後にお電話で様子を聞くことにしているんです」
「ああ、そうなの」
その前歯の歯茎のカサブタは抜糸に出向いた日には溶けてなくなってしまっていた。

インプラント手術からおよそ1週間、手術址には何やら糸のようなものがピロピロ生えていて舌で触れるとヘン。
「抜糸って痛いのか?」
痛みに弱いオヤジだと思っただろうな。
「いえ、ちょっとだけチクッとするかもですが」(受付嬢)
「チクッと・・・」
私はイヤ~な顔をした。
名前を呼ばれ、診察台に寝かされ、若い女性の衛生士さんが私の口中を覗き込んでいる。
「院長呼んできますね」
そこからの待ち時間が長い。だったら最初っから院長を呼んで来いって。
院長は目に小さい双眼鏡のようなレンズを装着して現れた。特殊部隊が暗闇でも敵を補足できるスコープみたいなもの。これで細部を拡大するらしい。
「では抜糸しますね」
「アイ」
先の尖ったハサミのようなものを口中に突っ込んで、プチプチ切り始めた。ピンセットで取り出してる。時折チクッとする。糸を抜く時のひっかかりだと思う。
プチプチしてた時間はそう長くないが、2針や3針程度じゃないようである。静脈麻酔で眠ってたから全く記憶にないのだ。
起き上がった。
「何針縫ったんですか?」
「ええっと、八針です」
「ハ、ハチハリ?」
「埋め込んだ巾は小さいんですが、だいたい2mmから3mm間隔で細かく縫いましたんで」
「ふぅ~ん」
「これからしばらく様子を見て、2~3ヶ月経ったら義歯をどうこう・・・」
「2~3ヶ月ね」
「そうですね。まだインプラントを入れたばかりなのでアゴの骨に馴染んでいませんから。完全にくっつくまでは・・・」
私は歯の無い状態で年を越すわけか。

若い女性の衛生士さんが私の歯石をガリガリ削り出した。時折超音波で磨く。何ともイヤな感じ。歯を擦る音と振動が脳天を突き抜ける。ブルルルッと震えた。
「大丈夫ですか?」
「背筋にガラスを爪で引っ掻いたような寒気が走るんだよな」
「ああ、そうですよね。笑、あの、○○さんって歯間ブラシお使いになってますか?」
「前回もそうススメられたけどまだ使っていない」
「鏡を見ながら磨いてみていただけますか?」
またかよ。前回やったじゃんか。
「歯茎にブッ刺さりそうでイヤなんだけど」
「○○さんの場合、歯と歯の隙間が小さい箇所があるので、入るところだけでいいんですよ」
鏡で見たら歯茎に針金がブッ刺さってるようにしか見えない。
「受付にも置いてあるので使ってみていただけませんか?」
「・・・」
買えってかい。不承不承頷いたら次に何か小さいメジャーホルダーみたいなのを出してそっから糸を引き出し、歯と歯の隙間に入れて擦り始めた。デンタルフロスである。
衛生士のねえーさんはまた怪訝そうにに言う。
「こういうのをお使いになったことってありませんか?」
「ある訳ないじゃん。40年近く歯医者と縁が無かったんだよ。そういう商品があるってことすらここへ来て初めて知ったんだもん」
実は半分はウソである。ウチの現場にだってK製薬か何かの歯間ブラシやデンタルフロスは売っているよ。
「1日に何回くらい磨いてますか?」
何回磨こうと大きなお世話である。この衛生士さん若いけど古株らしく指導口調になってきた。
「2回か3回。会社にいる時は昼も磨くけどね」
「15分は磨いてください」
「ジュウゴフン!!」
「ハイ」
そりゃ現実的じゃないな。
「この間の子(ガリガリ娘)から5分磨いてくれとは言われたが、5分でも長ぇのにその3倍??」
「1日に何回も磨くよりも、1回で長く丁寧に磨いた方がいいんですよ」
「ふぅ~ん。朝の15分ってのは大きいな」
「朝は簡単でもいいです。夜寝る前に15分磨いて下さい」
この後も、歯間ブラシやデンタルフロスをお使いにならないと歯垢が完全に取れない、そうするとインプラントを埋め込んだ周囲から腫れてどうこうなる可能性云々というお説教じゃないけど講和が始まった。私はだんだんウルサくなって来た。別に説教聴きに来てんじゃねぇって。
「○○さんの場合、唾液の質によるものかと思うんですが、それとオヤシラズが全部生えきっているせいか奥までなかなか届かないと思いますが、歯ブラシの先が小さいものがあるのでそれを使って奥まで完全に磨いてください」
要求が細かい。決めつけるように言われたよ。15分丁寧に磨かないと許さないと言わんばかりである。仕方がない。ハリガネの歯間ブラシと毛先の小さい歯ブラシ、2種類の小道具を購入するハメになった。(デンタルフロスは買ってない。)
小道具.jpg
洗面台にあるもの.jpg
終わって起き上がり、上着に袖を通しながら、
「院長さんは2~3ヶ月って言ってたね。このままの状態で年を越す訳か」
「そうですね。歯の骨と歯茎と完全に馴染むまでは」
私はその説教じみた衛生士さんと受付に向かって歩いた。衛生士さんは受付嬢に「次回、2週間以内にもう一度」とか耳打ちしてる。
「朝の15分は長ぇよ」
「夜がありますよ」
ピシャッと言い切って奥に引っ込んでしまった。

この時は抜糸だけで歯茎ムキ出しのまま帰宅している。その10日後にメンテナンスに来た時、院長が現れてまたまた暗視スコープのようなメガネを装着して口中を覗いて言うには、
「まだ歯茎の表面上が完全に塞がっていませんね」
歯茎というものは抜いてしまうと自然と盛り上がって来るとジャン妻が言っていたが。「ウチのお爺さんなんか歯茎だけで噛んでたからね」
では自然治癒の進行が遅いのだろうか。
「今日は仮の義歯を被せましょう。そのうえで向こう2~3ヶ月は治療した側の奥歯だけで噛んで治療した側の奥歯では固いものは噛まないでください」
仮の義歯を被せる?
あくまで仮の義歯である。どうやって被せるんだろう。
「また切るのですか?」
「いや、切りません。インプラントの蓋の部分をこう取って(ネジを回すような仕草)、そこに義歯をこうやって(ネジを回して埋め込むような仕草)入れるんです」
院長は私の歯茎に埋め込んだネジ、いや、インプラントのネジをクルクル回している。次に今度が逆回転で仮の義歯をクルクル廻して埋め込んだ。
これはすぐに終わった。ネジ込む時に歯茎に響くとかそういうことは全く無かった。で、固いものは噛むなってか。
「ビーフジャーキーとかスルメとか、そういうのを齧らなければいいんだね」
「そうですそうです」
「そんなの喰わないから大丈夫だけど。野菜とかもダメなの?」
「野菜は大丈夫です。固いものは避けてください」
この後はお決まりのガリガリコースに入るのだが、前回、私に説教じみた講和を聞かせてくれた古株女ではなかった。もっとホンワカした穏やかな子だった。手術の日に傍らにいたな。
「調子はどうですか?」
「隙間にキャベツの芯やら白菜の芯とか、モヤシやニンジンがすっぽりハマって取れなくなることがある」
「笑」
舌で触ってみたらなるほど仮の義歯が被さってた。でもこっち側では噛まないようにしないといけない。それだと仮義歯とはいえ何の為に被せたって思うよね。
私は起き上がって上着に袖を通しながら、「これから鍋の季節だから、片側だけ噛んで鍋を喰ってると片側の上顎を火傷するんだよな」ってブツクサ。
「院長は固いものは避けろって。野菜は構わないらしいが、スティックサラダなんかもダメなのかな?」
「スティック?」
「キュウリとかニンジンとか」
「固いものは避けてください。固くなければいいです」
衛生士さんも私の幼稚な質問に答えるのがバカバカしくなって来たようである。

それにしてもインプラントって金も時間もかかる治療法ではある。今日のネタを読まれて、何故、仮の義歯を入れるのか、仮ではなくホントの義歯を被せないのかと思われたでしょう。私も「何で仮なんだ?」って思ったモン。
歯科医さんがあまり教えてくれないので自分で調べてみた。まず歯を抜いた痕の治療は3種類あって、義歯(取り外し可能なもの)、ブリッジ、そしてインプラント治療とある。
私は取り外し可能な義歯は選択しなかったと思う。これってホントの入歯ですからね。
義歯.jpg
ブリッジも最初は考えた。この場合は保険が効くそうである。でもブリッジは残っている歯を傷つける手法だし、私の場合はブリッジの奥向こうがオヤシラズなので躊躇したのもある。(私はオヤシラズが上下左右4本完全に生えきっているんです。抜かなかった。原始人といっていい。)
ブリッジ.jpg
インプラント治療の利点はネジでもって義歯をしっかりと固定できること、残っている歯に負担をかけないことが挙げられる。
義歯.jpg
ただ、金と時間がかかる。
工程についてようやくわかりかけて来たのだが、①インプラント埋め込み手術、②メインテナンスを兼ねてインプラントが顎骨に結合するのを待つ、③義歯の作製と装着、④メインテナンスと続く。
チタン合金でできているインプラント(ネジ)が顎骨にくっついて安定するまでは上顎だと4~6ヶ月、下顎では2~3ヶ月の期間を要するという。
私の世話になってる歯科医院はそういう説明がなく、ただ、「2~3ヶ月経ったら・・・」なんですよ。
だがまだ歯科医に聞いてないことがある。インプラント治療は1回法と2回法とあるらしいのだ。1回法だとインプラント顎骨に埋めた後に、インプラントの上部が歯茎の粘膜の上に露出する。何か金属製のものが突きだしているのである。
私の場合はそんなものは突きだしていない。歯茎の粘膜云々と言っていたし、何か消毒するゲル状のものを塗ったくっていた。
どうも2回法らしい。既に私はインプラントを顎骨に埋めたが、その上を粘膜で完全に覆い、私の場合は下顎だから2~3ヶ月かかるのですが、おそらく後半になってから形取りをして義歯を作成する筈。そしてインプラント上部の粘膜を再度切開してその上に装着するのだと思う。
その後も定期的にメインテナンスの為に通う。
まだまだ長くなりそうである。私は歯医者さんが儲けられる上客ではないかい?
受付嬢に次回の予約、おそらく年内最後になると思いますが、その予約を入れて会計に入ろうとしたら、
「計算にお時間かかるので次回でいいですか?」
「いいけど」
どうも院長が突然思い立って「仮の義歯を入れましょう」なんて言い出したから計算に時間がかかるらしい。未払いはこれで2回めですよ。もしかしてインプラントって保険適用外の自由診療だから受付嬢の裁量で値段を決められないってことではないかなぁ。
私の場合奥歯1個60万でもう先払い済みだが、ジャン母は80歳にして全てが自分の歯で、壮年期の頃には県か市から表彰を受けたことがある。だから愚息が60万もかけて歯1本インプラントで治療しているのが理解できないらしい。「もったいない」って。
「たかが歯1本にそんな高いお金」って吐き捨てるように言う。「何でそんなにかかるの?」とも言われた。
そのクセにジャン母は愚息がそういう治療をしているのをネタに知人に吹聴して廻った。そしたらさる知人が、「3本のインプラント治療で120万かけたって言ってたわよ」
その知人さんも相当なおトシなので、4本めからは止めてしまったそうである。
3本で120万ってことは1本あたり40万か。私より安いね。ではインプラントの相場って幾らなんだろう。
聞いた話ですが、インプラントでなくブリッジだと、隣同士を傷つけるから3本分の歯の治療になる。聞いた話だと歯に被せる自由診療の場合、歯1本10万円という相場でスタートしたので、それをインプラントにすると約30万円~になる。
自由診療だし、歯科医さんは自分の技術に自信があればあるほど高い価格を設定する訳だな。やれやれ。
で、年内ラストに行った時は。。。
「では見てみましょう」
暗視スコープを装着した院長が私の口ん中を覗き込んでいうには、
「順調ですね」
それで終わりである。3秒か5秒。またまたメンテナンス、クリーニングに入った。
以前よりは歯磨き時間を増やしているのでさすがに前ほどガリガリグキグキではないが、ガリッ、ガリッ、プチッと引っ掛けるように削っている。
ガリッ、ガリッ、プシュ~が30分ほど続いた。
衛生士のねーさん(15分磨けと説教口調で言った古株ではなく、手術時に私の傍らにいたホンワカした女性だった)がアタマの上から覗き込むと彼女の胸が私のアタマにブニュブニュあたるんだよな。これは何かのサービスかい?
時折、置きあがって口中をゆすぐ。
「では歯磨きの指導をしますね」
またかよ。またお説教口調じゃないだろうな。最初の質問は、
「○○さん、歯間ブラシってお使いになってますか?」
「普段は家で何分磨いてますか?」って聞かれたら、「15分って言われたけど15分なんて磨けるかよ現実的じゃない」って言い返してやろうかと思ってたんだが。
「前々回ここで買ったよ。これは(リールから糸が出てくるヤツ)他で買ったな」
「お家でやってるんですね?」
「いやそれがさ。歯間ブラシはまだしも、この糸がビーッって出てくるヤツは操作が難しくって。これって糸を適当な長さに切るんだよね」
「そうです。ここにカッターがあって・・・ここでピッってあてれば切れます」
「カッター?」
「ハイ」
見たら小さいカッターが装着されてるじゃないか。
「そうとは知らずに私はハサミで切ってたよ」
「笑、その状態で糸を中指に巻きつけて、親指で抑えて、ピンと張って・・・」
それを口の中で自分の歯に直角にあてるのが上手くいかない。大口開けても私の親指と人差し指が太く、手先指先も不器用なので、フロスをピンと張った状態で口の中に入らないのだ。
「難しいな」
衛生士ガールも内心で、「コイツはブキだな。無理だわ」と思ったに違いない。別の小道具を出してきた。ホルダータイプです。
「ええ。ではこういうのはどうですか?」
小さい小さいくまでの柄の先がサスマタみたいに2つに分かれていて、その先に糸、フロスが張ってある。
「これなら」
やってみたらこれなら割と簡単に歯間に入るのだ。
デンタルフロス.jpg
「これは受付で売ってるの?」
「いや、このタイプは受付には置いてません。薬局さんにあります。使い捨てタイプで数が多いのがあると思います」
「こう言っちゃ悪いけどさ。どうせ1ヶ月に最低1回来なきゃならんのだから、そん時に削ってもらえばいいやって思ったりもするよ」
「でも・・・お家でもきちんと磨かないと・・・今は歯が無い状態での仮歯ですから。その隙間に炎症が起きてしまうとまずいので・・・」
年内最後のクリーニングが終わった。受付で領収書ともう1枚紙を渡された。
お会計して領収書を見たら初・再診料が45点、さっきの歯磨き指導とこのお手紙で医学管理等190点、口中を覗き込んだ程度の目視検査で400点、歯石削りで処置100点、総計735点、7350円の3割で2210円とある。
領収書.jpg
フゥ~ン。まぁ金額はいいです。次にもう1枚の紙っぺらは「口腔ケア」とあって、歯の磨き方が女の子文字で書いてあった。
レクチャー.jpg
何だこれは?
私は固まった。「口腔ケア指導」とある。
「歯間ブラシは左右の歯の根本にあてて磨きましょう。
指巻タイプのフロスは人差し指または中指に巻きつけましょう。
ホルダータイプの方が磨き易いかもしれません」
私は受付で目つきが険しくなった。
会計のねーさんがおそるおそる私を見ている視線を額に感じる。
しばし眺めて、「年寄りに説教しやがって」って呟いてしまった。
「あ、いえ、ちゃんと磨いてくださいねって・・・笑」
「わかってますよ」
「もう年末です。早いですね」
ムッとした私の気を逸らしやがったな。
もうすぐ師走.jpg
8月末に歯科医に30数年ぶりに歯科医に来るようになってから早や4ヶ月経った。
歳月が早くなったような気もする。
コメント(2) 

Wander [風景]

彷徨い1.jpg
彷徨い48.jpg
彷徨い49.jpg
彷徨い50.jpg
彷徨い51.jpg
彷徨い40.jpg
彷徨い42.jpg
彷徨い43.jpg
彷徨い14.jpg
彷徨い7.jpg
彷徨い11.jpg
彷徨い19.jpg
彷徨い3.jpg
彷徨い21.jpg
彷徨い6.jpg
彷徨い18.jpg
彷徨い8.jpg
彷徨い47.jpg
彷徨い41.jpg
彷徨い15.jpg
彷徨い9.jpg
彷徨い5.jpg
彷徨い4.jpg
彷徨い10.jpg
彷徨い20.jpg
彷徨い31.jpg
彷徨い32.jpg
アーケード.jpg
生まれ変わった.jpg
彷徨い33.jpg
彷徨い34.jpg
彷徨い35.jpg
彷徨い36.jpg
彷徨い37.jpg
彷徨い38.jpg
彷徨い39.jpg
彷徨い52.jpg
彷徨い53.jpg
灯り屋2.jpg
彷徨い2.jpg
彷徨い12.jpg
彷徨い13.jpg
彷徨い16.jpg
彷徨い17.jpg
彷徨い44.jpg
彷徨い45.jpg
彷徨いB.jpg
カンベ.jpg
彷徨い7.jpg
彷徨い54.jpg
彷徨い41.jpg
彷徨い46.jpg
再訪時1.jpg
彷徨いEND.jpg
一連の写真は私が愛した上州玄関口の夜の光景です。
平成27年最後の出張を終えて帰京する前に、私は現地社員のリーダー格3人に言った。
「私と知り合ってから来春でまる4年だぞ。いつまでも何でもかんでも私に言って来るんじゃない」
「えぇ~・・・でもぉ~・・・」
「取り敢えず私に言えばいいやって思ってるだろ?」
「う・・・うん」
かわいい連中だよ。今後も何かあったら誰よりも私が助けてあげたいさ。でもそれを続けるとコイツら成長しない。都内神奈川他の連中と差がついてしまう。
私は少しだけ心を鬼にした。
「う・・・うんじゃないのっ。今までホイホイ受けてた私もマズかった。もう来年からは何か事が起きたらその問題の内容を吟味して、自分らで解決できることは解決しなさい。内容によって何処の部署の誰に言えばいいか考えてからその部署に廻しなさい」
「・・・」
「今のままだと私と知り合った4年前と変わらないじゃないか」
これが効いた。連中は不承不承頷いた。
言ってしまったな~。これで来年以降は上州へ来る回数は減るな~。連中の為とはいえ、私も一抹の寂寥感は拭えない。
でも上州が、この街が、自分の第二の故郷であることに変わりはない。
故郷はたまに戻ってくればいいのさと、振り切るように帰京した。
コメント(0) 

椿町Night Food Photos [Cafe]

灯り屋2.jpg
灯り屋4.jpg
メニュー1.jpg
メニュー2.jpg
おとおし1.jpg
うさぎとフロア客.jpgうさぎの後姿.jpg
カレーをこねるうさぎ1.jpgカレーをこねるうさぎ2.jpg
カレードリア1.jpg
カレードリア2.jpg
カレードリア3.jpg
うさぎ&H君の後姿.jpg
おとおし2.jpg
ピザトースト.jpg
おまけ.jpg
おとおし3-1.jpgおとおし3-2.jpg
調理中のうさこ.jpg
スパ1.jpg
スパ2.jpg
スパ3.jpg
スパ4.jpg
ナッツ.jpg
おとおし4-1.jpgおとおし4-2.jpg
マカロニグラタン1.jpg
マカロニグラタン2.jpg
マカロニグラタン3.jpg
白菜浸け.jpg
今週は多忙で手抜き記事とさせていただきます。
この店のフードは冷凍ストックとその場の手作りの混合でしてね。前のCafeからそうだった。
カレードリア。
ピザトースト。
ミートソーススパ。
マカロニグラタンとあって、最後のサンドはサバサンドです。
サバの塩焼きがバケットに挟んである。
サバ塩焼きは、
骨を完全に取り去るのが絶対条件ですね。ご飯とサバだったら多少の骨は取り出せばいいけど、パン、サンドにカブリついて骨が出て来たらシャレにならない。
北陸金沢某有名居酒屋のサバサンドは、シメサバをトーストで挟んであったね。歯応えのあるバケットで挟むのは如何なものかなぁ。もうちょいやわらかいパンで出してよ。
サバサンド1.jpg
サバサンド2.jpg
サバ.jpg
うさぎの箸置き.jpg
灯り屋5.jpg

コメント(0) 

今宵の背中は直江兼続 [居酒屋]

私は夜に横浜駅西口や新橋の繁華街を歩いていても呼び込みには声を掛けられないのだが、高崎中央銀座アーケードを歩いてると呼び込みのアンちゃんに声をかけられる。
「どーですか?」
「いや、この先に約束があるんだ」
と言ってかわします。
約束なんかないです。この路地に入り込むだけです。
誘う行燈.jpg
営業中.jpg
「いらっしゃい。あれ?今日は妊婦さんみたいだね」
「???」
「あっ妊婦さんじゃなくって神父さんね」
入店早々にアホなことを言われた。この日の私はボタン無しの黒い上着で、襟が垂直にピンと立っているタイプの上着だったんです。
「こういうデザインなのよ」
大分酔っ払ってますね。この時間帯だとこうでなくちゃね。この時間帯(20:30)だとマスター(モーちゃん)は酔っ払ってるから揚げ物は無理です。17:30開店~19時30分まではアジフライやカツもOKですが、酔っ払ってないとツマンナイんだよね。
滅多に来れない私は他で飲み食いしてから来るようにしている。酔いどれBARみたいなものです。
カウンター右端から.jpg
いつものポテサラに熱燗。ポテサラはやや塩気が足りないな。
ポテサラと熱燗.jpg
ポテサラ拡大.jpg
(多分)自家製の支那竹です。メンマとは呼ばない。シナチク。
支那竹と熱燗.jpg
支那竹拡大.jpg
マカロニサラダの残りもの。ポテサラに混ぜて一皿にしてしまった。
マカロニ残りと熱燗.jpg
マカロニ残り拡大.jpg
ポテサラと混ぜちゃった.jpg
ポテサラと混ぜたマカロニ拡大.jpg
いくらおろし和え。
イクラおろし.jpg
月曜が赤くない.jpg
(日)(月)休みなのに12月のカレンダー、月曜の日付が赤く塗ってないぞ。
「これから塗るの?」
「12月は月曜も営るの。マジメに営るの」
「ははぁん。さては11月の売上が少なくてノルマ達成しなかったんでしょ?」
「ううんそうじゃなくって。11月の売上は順調にうすいしてたの。あ、うすい(碓氷)は峠だ。すいい(推移)してたの。だから12月も真面目に営るの」
「いつも真面目に営ればいいのにね」
「えっ??えっ??何でそういうこと言うの?俺いつもマジメに営ってるよっ。今日は・・・そう・・・たまたま酔っぱらってるけどさ・・・えっ?えっ?何その顔?いつもだって?だって酒飲んだら誰だって酔っぱらうでしょっ・・・」
「マスターの場合はいつも酔って・・・」(常連さん)
「よっちゃん?酔ってなくてもよっちゃん?あ、もーちゃんね。俺ね俺?」
「マスターっ!!お座敷のおでんはっ??」(ママ)
ママ.jpg
50代のご夫婦が来られてカウンターに座られた。
「奥様はウチ初めてだよね?スミマセンねこんなヘンな店で。新妻?」
「なぁに言ってんだっ。新妻のわけねぇじゃねぇかよぉ」
「ああそう。拾ってきた?上等ものだね」
(上もの・・・苦笑)
「お店は何時まで営ってるんですか?」(その方の奥様)
「だいたい10時くらいかな。トイレは朝まで営ってるけどね」
つもり違い十ヶ条.jpg
「新橋に下りたら蒸気機関車が置いてあったけど。あれって走るの?」
「SL広場でしょ。レールの上に鎮座してるだけで走るわけない・・・新橋で飲んだんですか?」
「夜に焼き鳥屋へ行ったんだけどそこのレバーが生焼きだったの。俺レバーの生は嫌いなんだよね」
東京へえ飲みにだけに行ったの?」
「昼間は品川の水族館へ行ったの。水族館の水って水じゃなくて酔っ払った酔ね」
直江兼続.jpg
今宵のマスター(もーちゃん)の背中です。直江山城守兼続の兜の前立てです。
愛情の愛ではなく、愛染明王説と愛宕信仰説とあったと思う。
「米沢へ行ったのですか?」
「行ってない行ってない。お客さんが買って来てくれたの。サイズはMね」
観光地の土産物売り場でTシャツを見つけるとこの店を思い出すよ」
「いつも思い出してくれてるの?こんなヘンな店なのに?」
「いつもじゃないですよ。背中に文字の入ったTシャツを見た時だけね」
「サイズはMね。Lじゃないよ。Mね」
「わかりましたよ」

TVでは例によってNHKの歌番組が流れてる。
家でTVを点けて、歌謡演歌番組が映るとこの店を思い出すの。私は見入るのではなく、「この歌手もトシとったな~」という視点でしばし見る時がある。すると、「梅ふくじゃないんだからチャンネル変えようよ」って言われるのよ。Tシャツと歌番組で思い出すんだよねこの店」
ママはニッコリ微笑んだ。
また来年.jpg
コメント(0) 

さらば田じま食堂 [居酒屋]

高崎の中央銀座アーケードに創業60数年を誇る名食堂??があった。
田じま食堂1.jpg
この食堂を知ったのは、「来春東京に戻るからね」と当時ソリの合わなかった上役に言われて脳天ガーンと打たれる衝撃を受けた2012年の暮れだったと思う。その年の暮れは、「正月来ないで」、「新年来ないで」、「時間よ止まれ」、「帰りたくない」、ジタバタ無駄にあがいてたのだが時は止まってくれない。無情な新年を迎えてからこの食堂を知った。もっと早く知ればよかったって思った。
私好みのB級グルメ、定食がズラリ並んだ食堂で、昼間っから呑めます。川崎の丸大ホール食堂の小型バージョンと位置づけ、限られた日々で急いで喰いまくった。
店内は地元の会社員や学生さんはともかくも、ご高齢の年長者たちがいつも決まった席(TVの見える側)に陣取っては昼間っから酒を喰らっていた。老齢でお体が不自由だったり、如何にもご病気を抱えた方もいて、酒をガバガバ煙草をスパスパ、大丈夫なんかと思ったよ。
若くて清楚なひとり女性は向いてないね。若い女性でもちょっとスレた人(失礼)、水商売っ気の女性、度胸のある女性でないとムリだろうな。
その後、平成27年の春頃クローズした。
おや?.jpg
閉めちゃったのかと残念に思ってたのが、アーケードの八百屋さんから聞いた話ではどうも近隣に移転、息子さん夫婦が継承するらしいことを知った。
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2015-03-02
田じま.jpg
ランチボード.jpg
群馬出身の某ブロ友さんからも情報をいただき、貼ってあったURLを見たら、小さいながらも海鮮もの中心の小洒落た居酒屋に生まれ変わったようである。
「これってあの店ですかね?」
「う~ん。。。」
イコール行ってみて下さいの依頼と受け取ったが、なかなかご縁が無かったのは関東北部や東海地方の出張も増えて上州だけ出張という訳にいかなくなり、新規開拓よりは馴染のある店を優先になってしまったのもある。
11月に行ったら臨時休業だった。年内ラスト出張で現場でのミィーティング(というより私の説教、来年からは取り敢えず俺に甘えるんじゃないというもの)が長引いて高崎入りが遅くなり、行き付けは混んでるだろうと。取り敢えず1軒めの店と狙ってやって来たら。。。
アーケード.jpg
生まれ変わった.jpg
ボード1.jpg
ボード2.jpg
店内ガラガラだった。
店内.jpg
若夫婦で営っていた。
細長い店でカウンター3席しかない。移転前のまる飛もそうだった。1人客向きじゃないなぁ。
カウンター3席.jpg
前はこの店、ラーメン屋で、入って右側に厨房があり、奥に伸びたカウンター席だけだったのが、奥に厨房とカウンター3席だけ作って、右側はテーブル席と小上がりになっていた。
カウンターにおすすめメニュー、定番のメニュー冊子、パウチされたお酒のメニューが無造作にバサバサ置かれているので散らかってる。慌てて片付ける辺りはまだお客受け入れモード(戦闘態勢)になってない感がした。
おススメ.jpg
最初の膳.jpg
キンピラ.jpg
クジラ刺.jpg
若夫婦はまだまだ商売慣れしてないね。最初にオーダーしたクジラ刺身はニンニク、ショウガ、別々の醤油受け皿を出してくれたのだが、
「醤油が無いぞ」
「あっ」
若女将はテーブルフロアにパタパタ歩いていき、
「すみませんランチの後、一か所にまとめて片付けたままでした」
ランチの後の片付け状態のまま?
もう20時になろうとしているよ。持って来た醬油はボトルサイズでデンと置かれた。
風情はないが、まぁいいか。醤油も生き物だし、鮮度を保つには移し替えない方がいいともいえるしね。
デン.jpg
「アジフライって・・・」
ここでイヤな予感がした。デカそうなのである。
「どれくらいの大きさ?」
「大きいですよ。これくらいです」
「えっ、そんなんあんのか?」
ホッケの半分くらいの大きさを形作ったのである。それを2枚らしい。
「1枚ってできる?」
「ハイできますよ。そういうお客様もいらっしゃいます」
大アジフライ1.jpg
「デカっ!!」
「大きいでしょう」
「これってアジじゃないんじゃないの?」
「大鯵なんですよ~」
このデカさ.jpg
別角度から.jpg
添えられた野菜を片付けてたら、フライを載せた網がズルズル滑るんです。フライに野菜の水分を触れさせない配慮なんだろうけど。
皮ハギが登場.jpg
皮ハギ。
「肝醤油でどうぞ」
「それはいいけど、ワサビちょちょだけくれないかな」
「あっスミマセン」
皮ハギUP.jpg
肝ぉ~.jpg
やはりまだまだ商売慣れしてない感じで、座敷席のグループ客から、「灰皿ないの?」って声が飛んでたし、「すみませぇん」って声が飛んだ時は奥の厨房に2人とも見えなくなっちゃって、出て来た若女将に私が、「座敷の連中、何か注文してるよ」ってサポートするハメになった。若女将は座敷にトンでいって、「お呼びだそうで・・・」
あのさ。それじゃぁ私が仲介したのがバレちゃうじゃないか。
熱燗.jpg
「前に、平成25年に何回か利用したよ」
「え、そうなんですか?」
「1年間だけいたんだがこの店を知ったのは転勤が解ける直前でね。昼にトンカツ、焼きそば、炒め物とか喰ったな。今は出張でたまに来るんだけど、今年のいつだったか、あれ?閉めちゃったんだって」
「ええ。自分、〇代目なんですけど。あっち(前の場所)で営ってる間にここで営ってたラーメン屋さんが出て行かれたので、ここに移ったんです」
「そのラーメン屋さんは今はあっち(柳川町方面を指す私)で営ってる?」
「そうですそうです。柳川町に移転したんです」
てっちゃんと言う店です。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-09-07
「カツ丼と野菜炒め、なんて組み合わせでオーダーしたら、厨房から、何っ?カツ丼と野菜炒め定食っ?違うよっ。野菜炒め単品だよっ、定食じゃなぇのか?追加だよっって言い合いが聞こえてさ。ケンカしてんのかと思ったからさ。ああゴメン俺の注文の仕方が悪かったよって言ったことがある」
「・・・苦笑・・・それって私の父だと思うんですけど・・・」
「あれってケンカじゃないんでしょ?」
「ケンカじゃないです。どっちかが耳が遠いんですよ」
「常連さんで高齢者で、昼間っから呑んでたよね。ここは私の場所よ、みたいにいつも同じ席に陣取ってTV見てる年寄り客がいたな~」
「えぇ。昼からお酒出してましたからねぇ。今はランチもやってますが食事だけなんです。あの頃のお客は他で飲まれてるみたいです」
そうか。そのお客たちの嘆きが聞こえるよ。おそらくは、「息子さんになってから変わった、飲めなくなった」ってボヤいてるかもな。
今はメニューはガラリ変わったな。おススメ以外にも、「焼きそばは無いけど、昔のメニューも若干はありますよ」と言う。でも私はその定番メニューを見なかった。もうあの店ではないし懐古しても仕方がないし、これからの次世代が盛り上げていくんだと割り切った。
田じま2.jpg
若夫婦はまだまだ素人っぽい。年季は浅い。貫目は無いし、切り回しも上手くは無い。でもさわやかでトテモあの古びた食堂の後継者とは思えん。店内を流れる風、空気はいい意味で全く違う。アタリマエか。別の店だもんね。若者向きです。ただ、カウンター3席ってのはどうかな~。
会計を済ませて出る際に言った。
「いい意味で、さらば田じま食堂だな・・・」
「・・・ありがとうございますっ。またお出でくださいっ」
若女将に見送られて出た。物語の終わりは新しい幕開けでもあるってことか。
コメント(0) 

あってりめん特濃鶏白湯そば×2 [ラーメン]

安中市某所を走行中に、行こうと思ってた山形屋という蕎麦屋さんが定休日でランチ難民になりかけた。
ラーメンという気分ではなかったのだが、もういいやここでと思って滑り込んだ。
店構え1.jpg
今日の限定.jpg
曜日限定メニュー.jpg
表題の麺は日替わり麺の木曜日です。
店内のレイアウトが変わった。テーブル席が無くなってカウンターだけになっています。
私はいつもカウンター席だが、店の真ん中がそこだけ空間になっていて、壁際窓際に椅子が並べてあった。
「あれ?テーブル席全部取っ払っちゃったのか?」
「そうなんですよ~。グルメ本に載っちゃったら混んじゃって」
私は苦笑した。そりゃ本に載ったら混むでしょうよ。だったら載せなきゃいいのにさ。その結果随分と思いきったことをしたね。
こんなのにも載ってたしさ。
http://www.fmgunma.com/ramen/?p=1659
この記事で主催者(DJのパーソナリティーの方)が、「おおっ!店内レトロでオシャレなバーみたいですね!」
どこがだよっ。昔は喫茶店かスナックだった面影はあるけど現在はお世辞にもお洒落な店内じゃないよ。
こんな感じですよ。病院の待合みたい。
待合になってる.jpg
もともと省エネ照明だったの、テーブル席が無くなったので無駄に広く感じたね。
カウンターにのっそり座って私は日替わりを指した。
そしたらジュニアがニコッと笑ったのです。滅多に行けないけどもうすっかり顔を覚えられてる私ですが、その笑顔の意味は後で明らかになる。
先払い制になったので釣銭が要らないよう小銭で支払った。
省エネ厨房でラーメン茹でるのを2食限度にしてたのが(麺を均一正確に茹でる為とも)茹でるのを1食限度にしてたね。1杯1杯交替で茹でてた。一人客ばかりだからかな。途中で替え玉とか入ると食べてる人を優先で替え玉茹でるから以前よりは待たされます。でも麺が細いから茹で時間そのものはそれほど長くない。
1人先客がいて2つめの丼に喰らいついてた。傍らに空いた丼がそのまま置いてあるから1杯では足りなくて、あえってりめん(油そばのようなもの)を追加したみたいです。よう喰うな。
2回めはルックスがちょっと違うな.jpg
2回めも麺は細麺.jpg
可愛らしい丼だね。
チャーシューはレアですね。
レア?.jpg
凝縮され過ぎた一杯だね。まるで天下一品みたいだぞ。
これがノーマルなラーメンだったらもう少し量が欲しいところだが、何しろボタボタドロドロのスープ?和えそばの一歩手前なのでこれぐらいでいいやって思った。血液ドロドロになりそうだなぁ。
ドロドロッ.jpg
3種類のチャーシュー.jpg
お品書き1.jpg
お品書き2.jpg
後から来られた2人組の男性、ジュニアの知り合いみたい。
「あってりめん塩」
「ゴメン、塩をコボしちゃって」
「ええっ!!」
「ダサいよね~。醬油なら・・・」
ってことは俺が喰ったのは塩湯ではなく醬油なんだね。まぁいいや。だからボタボタの天下一品みたいになったんだな。
喰い終わってカウンター上に丼をゴトッと置いた。
「ごっそさん」
「前回も同じものを食べられましたよね」
「えっ???」
「木曜でしたし」
「そ、そーだったかな・・・う~ん。覚えとらんなぁ・・・」
「笑、自分の方が覚えててすみません」
コイツめ。私を年寄り扱いしたな。ジュニアの記憶違いと思い込んでたのだが、帰宅して前回のデータをチェックしてみたらジュニアの言うとおりだったのである。木曜日だった。
でもそのルックスは確かに塩だね。白いし。
特濃鶏白湯塩そば1.jpg
ドロッとしたスープ、というかルゥみたい。
レンゲですくうと、ドロ~ンとした液体が、ポタ、ポタ、ポタ・・・。
ドロッ.jpg
ポタポタポタ.jpg
麺は細麺.jpg
ササミ?.jpg
バラ?.jpg
夜だけ味噌.jpg
店構え2.jpg
もう年内は行けないが、次回行くなら火曜日か水曜日にしようにしたいな。
安中市の公用を済ませたら、
あっこんなところにあった.jpg
あっ、こんなところにあったっ!!
コメント(0) 

群馬の大河 [コラム雑記帳]

花燃ゆ14.jpg
「なんだいこのいかにも視聴率を稼ごうとミエミエのサブタイトルは?」
「観ようよ」
「観るの?」
「アタシ、大沢たかおさん好きなんだよ」
「俺も井上真央さん嫌いじゃない」
「大沢さんってちょっとクセのある役どころが多いし」
「何かこの人スキャンダル無かったっけ」
「さぁ」
・・・(途中省略)・・・
「江守さんも老けたねぇ」
ドラマ中では最初は対立してたらしいよ」
「ふぅん」
「どうもあまり深い脚本、ストーリー展開じゃないねぇ。(観るの)止めようか」
「観てるんだけど・・・」
「・・・」
「でもいつ富岡製糸場の危機になるのかな?」
花燃ゆ1.jpg
花燃ゆ12.jpg
花燃ゆ13.jpg
花燃ゆ2.jpg
花燃ゆ3.jpg
花燃ゆ4.jpg
花燃ゆ5.jpg
花燃ゆ6.jpg
花燃ゆ7.jpg
花燃ゆ8.jpg
花燃ゆ9.jpg
花燃ゆ10.jpg
花燃ゆ11.jpg
是非当分据置カレン事.jpg
「これって大河か?」
「さぁねぇ・・・(苦笑)」
「朝の連ドラで充分じゃないか?」
「う~ん」
まぁ群馬だからいいか。最終回も群馬で大団円?
コメント(0) 

古河街道沿 反町館 生品神社 はじめちゃん [隠れ郷土史]

今日は複合記事です。最初は固いです。
晩秋に伊勢崎市と太田市を古河街道で往復、ウロついてた時のネタ。
太田市の古河街道沿いは、郷土の英雄、新田義貞の新田〇〇町という町名がやたらと多いのですが、新田反町にこんなのを発見しました。
反町館1.jpg
反町館2.jpg
故・新田次郎さん著の「新田義貞」文庫本上巻、「陸奥の春」の冒頭で、新田荘村田の新館が落成した場面があります。
その新館の規模は大きく、周囲を濠で囲まれ濠の土が盛土として使われ、鎌倉に建てられている武家屋敷の構造を取り入れ広大で立派なものであると。
新田反町の反町館はデカいです。そこは広くて深そうな水濠に囲まれている。小説中の新館とはこの館かもしれない。
濠1.jpg
濠4.jpg
中央部は神社の境内になっていた。
凄い濠である。
深さはどれくらいあるのだろう。うっかり子供が落ちたりしないか。
濠3.jpg
濠2.jpg
濠5.jpg
義貞は鎌倉幕府の御家人なので、これだけの館を造成する以上は着工前に幕府に届け出る。落成なった暁に、検分の名目で視察にやって来たのが黒沼という人物。
この黒沼という人物は、中央から地方へ検分に来た役人だが、権力を笠に着て横柄ら野郎で、新田荘に滞在中は連日の接待、宴、遊女に飽きたらず、寡夫となった武家の女を枕頭に差し出させたり、昔の話とはそういうものなのですかね。
散々、接待させるだけさせた黒沼は鎌倉に戻って、「新田小太郎義貞には不釣り合いな大きな館であり、新田荘は裕福である」と北条得宗家に報告したものだから、「新田は金を持っている」と思われ、上州新田から遠い遠い津軽の安東氏の騒乱鎮圧に出兵させられた。
土居1.jpg
土居2.jpg
鎌倉幕府の屋台骨がグラつき始める。
後醍醐天皇や護良親王が義貞他、各地の豪族へ打倒北条氏の綸旨、密書を送りまくるのだが、どうも義貞の挙兵の理由には、それだけではなく別の側面があるようである。というのは、鎌倉幕府でいうところの幕末に起こった元弘の乱の後、前述の黒沼という役人が再度、新田荘にやってくるのだ。今度は徴税にやってきた。
この頃の情勢は、千早城に籠って頑張る楠木正成の他、播磨の赤松則村が挙兵、足利尊氏、義貞他の東国武士に幕府打倒の綸旨が出回っていた・・・としておく。
幕府は楠木正成・赤松則村他、反乱軍の討伐で膨大な戦費が必要となり、戦費調達のため徴税を強化する。新田荘へ徴税使としてやってきた黒沼は、例によって新田武士を田舎者と小馬鹿にしながら初回検分時と同様の接待を強要し、幕府の要求として銭6万貫文もの戦費徴用を言い付けた。
単純計算だが、銭1貫を米1石として6万石、新田荘を10万石としたら年収の半分だが、領民の分もあるから半々としても2年以上に相当する。
この莫大な戦費を僅か5日で差し出せと。こんな無理無体な要求に応えるには領民の保有米や村々の備蓄米も差し出しても足りるかどうか。
もっとも幕府から見たら、どうも新田荘には寺の門前町が少なくないので、そこに富裕な商人が多かったと見られてたようである。

鎌倉期~南北朝の様相推理は現代版の小説で充分で、故・吉川英治さんの「私本太平記」、「新田帖~触れ不動」では、義貞の実弟、脇屋義助が応対し、「無いものは無い」と。そしたら黒沼一行は、鎌倉から随行して来た供回りに命令して、領内商家や米倉を開けて強制的な徴収を強行した。強盗まがいである。義貞は戦費を収めなければ朝廷側(後醍醐天皇、護良親王)に付いたとみなされる。追い詰められた。
http://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2015-10-18の江田館でも述べたが、義貞の配下が黒沼を殺害する。「新田義貞」では黒沼が殺害され、「私本太平記」では黒沼とともにやってきた明石出雲介親連という者が殺害され、黒沼は義貞の執事、船田入道の縁者ということで生かされている。どちらでもいいが、小説から離れると、実は新田家は所領を切り売りするほどの窮状で、それらを北條得宗家が買っていた。だから黒沼と明石は新田家が北条得宗家に売った所領から徴税するために派遣されたという。だったら元の領主義貞は口出しできなかった筈。
義貞の挙兵の本当の理由は単に金が無かったからではないだろうか。

幕府の徴税使を殺害した以上この地で黙ってればいずれ誅されるは必定なので、朝廷からの綸旨、密勅、そういう大義名分とは別に、「そっちがそこまでするならこちらから起ってやる」となった。
一族一門を結集させて決起した場所がこれ。生品神社境内。
生品神社1.jpg
生品神社2.jpg
解説板.jpg
演じた根津甚八さんは最近は見ないですね。引退されたのかな。
1991年のドラマだから根津さんが40代半ばぐらい。実際の義貞は後年、燈明寺畷で戦死した時は40代前半だったらしい。
太平記1.jpg
太平記5.jpg
太平記4.jpg
新田挙兵.jpg
挙兵伝説地.jpg
次に新田〇〇町から古河街道2号線を走って伊勢崎市へ向かう途中で見つけた店。
古河街道と謳っていますが、ストレートに古河(茨城県)までは行けない。前橋市と館林市を結ぶだけの道です。
この時も薄い鉛色のような曇り雨でやや気鬱だった。私が上州に関わってからまる4年になろうとしているがついに退職者が出そうなのである。その子はちょっと問題児なので別に辞めても大勢に影響はないのだが、今まで私が担当してたのもあって力不足を痛感している。
その子を残留させる為の条件をクリアできそうにない。傍観して自分自身が後悔するのがイヤなのでギリギリまで慰留しますが、私が上州に関わってからもう4年になるので、もう4年経ったんだから仕方がないかなと半ば諦めながら、やや暗い気分で伊勢崎市に差し掛かる辺りを真っ直ぐ走ってたら。。。
縦看板.jpg
は・じ・め・ちゃ・ん??
ダダっ広い駐車場でした。大型車も余裕で入れます。敷地内はこの店ともうひとつクローズしてしまった和食店、蕎麦店があって、広い駐車場を共用していた模様です。
道路向かいには常勝軒伊勢崎総本店?というのがある。そっちに押されてる感もある。
古河街道.jpg
お店の外観1.jpg
店のボディはやや塗装が剥がれているが、別にボロではない。
めし
定食
うまい
安い
四角く囲って斜めってる。
道路際に堂々と屹立する大看板には縦書きで、「うまい 安い ランチ サービス 味処 はじめちゃん」
その看板の根っこの部分に小看板があって、
うまい 安い
ランチサービス
ロースカツ
カキフライ
しょうが焼
丼類
鳥めし
焼き魚
ラーメン
そば
アハハハと笑ってしまいそうになった。何がウリなんだろう。
うまい安い.jpg
くるまはもう停めちゃっているし、ここから先に飲食店があるかどうかも心もとない。ダメもとでここにしようと決めた。
暖簾は出てるし街燈も点いてるけど営ってるのかな。上州って準備中なのに暖簾が出ていたり、営業中の札がブラ下がっている店ってあるのよ。
あれ?時刻を見たら10時20分過ぎか。早いかな。でも電光掲示板では、「めし」って光ってるから多分営ってるんだろう。
引戸を開けたら、この店を営ってるご夫婦が、知人とおぼしき方と談笑中だった。
「大丈夫?」
「ハイ大丈夫ですよどーぞ~」
座敷の照明が点いた。TVもONされた。
無難に生姜焼きをオーダーして時刻を見たらやはり10時30分にもなっちゃぁいない。
お客さん(私のこと)が入って来たから仕方なく開けたって感がある。
店内は広いです。座敷は10卓ぐらいあったかも。
かなり広い1.jpg
かなり広い2.jpg
お品書き1.jpg
お品書き2.jpg
メニューを見たら、こういう一般道のロードサイドにありがちな、昼は定食、夜は裏メニューを見れば酒の肴もありますよというスタイル
いつかこれも.jpg
生姜焼1.jpg
生姜焼2.jpg
生姜焼き、美味しかったと思います。
味噌汁も熱々で、小鉢の和え物もなかなかです。
美味しかった青物.jpg
プラス50円のミニラーメンは、チャーシューとかの具は無いです。50円だから文句は言えないけど、だまはよくないですねぇ。ちゃんとほぐさなきゃ。
ミニラーメンが付いても味噌汁は付いてくるらしい。すると汁物がダブりますね。
ダマ.jpg
お店の外観2.jpg
お店の外観3.jpg
さて、再訪があるかどうか。
この先は国道17号とクロス、北関東自動車道に繋がるのですが、それは真新しいバイパスなのでそっちにくるまが多く流れてこの界隈は寂れちゃってるのかも知れない。
でも新しい幹線道路沿いよりもこういう旧街道沿いの方が店は古くても味わい深いレストがあるものなのですよ。
コメント(0) 

大鳥物(捕物) [コラム雑記帳]

和が家1.jpg
この店の大将が、
「先日、お休みに上野動物園に行って来たんですよ」
「上野まで?わざわざ?(群馬)サファリパークがあるじゃないスか」
「やはり動物の数というか種類が違うんですよね~。お目当ての動物、目玉はやはり他所の動物園の方が多いんですよ」
「ふぅ~ん」
「その前は東武の方へ行って白い虎を観に行ったし」
「ああ、ホワイトタイガーね。ああいう白いのは目立つから野生では生きていきないかもね」
私は動物園に行ったことは殆どない。檻や柵に囲われた動物を見ても他のことを考えてしまう。
動物の世話ってタイヘンなんだろうな、維持費ってどれくらいかかるのかな?飼育する係員って動物が好きとはいえ給料どれくらいなのかな?入園数の増減に左右されるのかな?太田藪塚のスネークセンターは蛇の研究施設も兼ねてると国の補助が出るのかな?・・・
動物とは逸れて他のことを考えてしまうのだ。
檻の中に囲われてる分にはいいけど、脱走してその辺を歩いてたのに出くわしたら。
そんな騒動がありましたね。高崎市のエミュー騒動です。エミューはダチョウと同じく飛べない鳥で、飛べない代わりに時速50kmで走る鳥走類。このエミューが11月中頃に高崎市内や安中市内で目撃され、25日に大捕物になっているのを上州で知り合ったブロ友さんから聞いた。
群馬サファリパークでもエミューは飼育されているが、サファリの職員はパークからの脱走を否定。市内の個人宅(経営する会社敷地内)で飼育されていた3羽のエミューを11月22日に他へ移送しようとしたら逃走したというもの。
飼い主の言い分がふるっている。「逃げ出したら追ってもダメだからそのまま放ったらかしにした」???
逃げたうちの2羽はその日のうちに通行人に目撃され警察に通報され、署員がさすまたや楯を使って追い込み捕獲して飼い主の男性に返却したが、残る1羽が高崎市、安中市を徘徊してちょっとした騒ぎになった。

目撃情報が警察に寄せられる。
22日に安中市大谷の貯水池付近の山道で目撃され安中署の署員が駆けつけて捕獲を試みたが、道を走って逃げていき、周囲の山林に姿を消したという。
23日も見つからず。
24日に高崎市乗附町でエミューが目撃された。乗附町・・・懐かしいですね。私もくるまで徘徊したことがあります。寺尾五城で最大の難城、乗附城がある山林。
過去記事。http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-02-17
乗附町は住宅地ではありますが町内に広大な山林を有している町でもある。私は乗附城の山林の麓をウロつき廻ったが登城口は発見できず、どうもその筋のサイトを見たら草木が枯れる晩秋から冬場に道なき藪を直登して辿りついても遺構はイマイチで、撮影にすら向いていないというものだった。
下の写真は乗附城推定の山。
冬の乗附城推定値.jpg
去って行く地元のオッさん.jpg
上の写真も乗附町で、道路進行方向左は住宅地で、右が鬱蒼とした山林なんです。背を向けてる人はたまたま麓にいた地元の人で、その方に聞いたら、
「そんな城は知らないなぁ」
「この山に入った人っていないと思うよ」
「熊は出ないけど猪やタヌキは出るらしいよ」
市内なのに、「誰も入った人っていないよ」
私はハッキリそう聞いたのだがそういう山林なんてあるのか。乗附町には難城乗附城の他に、富岡製糸場の蒸気機関の燃料だった亜炭を産出する高崎炭田他、幾つかの炭鉱があった場所でもある。エミューはその山林に逃げ込んだ。
25日午前、乗附町の道路をノソノソ歩いているエミューが地元の主婦に目撃され警察に通報される。
「庭から道を見たら黒っぽい大きな鳥が歩いて森の中に入って行った」
同日に乗附町隣の寺尾町にある知的障害者総合施設、のぞみの園でも目撃され、同園職員と高崎市職員、高崎署員、サファリパークからの応援職員約10名が午後から捕獲を試みた。
犬や猫、タヌキやアライグマとかを捕まえる道具はあっても、まさか大型鳥走類のエミューを捕える道具などないので、市農林課からポールの先にワイヤがついた道具(長頸や脚に引っ掛ける)や網で捕獲を試みた。
2時間以上に及ぶ追跡の末、午後4時前にサファリの職員さんが捕まえたそうです。お疲れさまでした。
エミュー1.jpg
捕獲されたエミュー.jpg
捕獲されたエミュー2.jpg
エミューはオーストラリア原産の大型鳥で、拝借した写真を見たらなるほど成人の身長くらいあるじゃないか。野生の大きいもので2m近いのもいるそうです。
でも性格は繁殖期以外は大人しい。人懐こくもある。何処の動物園か忘れたが、園児たちが飼いならされたエミューと直接触れ合っているのも見たぞ。
人間に危害を加えることは滅多にないが警戒心も強いそうです。ガッシリした体格で体重が60g近くあり、足指に3本の爪が生えていて、90度の角度で蹴りを見舞って自衛の為に攻撃する。
退化した翼は深い羽毛に埋もれているので殆ど見えなくなっている。
時速50kmで走れるのと、身長が成人男性くらいあるので、街中や道端でヌッと遭遇したらギョッとはするだろう。
エミューは大人の背丈くらいはある。上には上がいる。
チビタランチュラがロッククライミングする私の自室の書棚にはこんなコーナーがあって、
UMAの本1.jpg
UMAの本2.jpg
UMA、 Unidentified Mysterious Animal 、未確認動物のこと。私は湖の水面下に棲む怪物に興味があるのだが、他にも海棲獣、人間のように二足歩行するもの、怪鳥類も載っていて、その中にエミューより遥かに巨大な走鳥類でモアというのが載っていた。
モア?.jpg
オーストラリアやニュージーランドにいたこの巨鳥は足先から頭頂までの高さが4m以上、胴体はラクダほどもあり、足も丸木のように太い。エミューの2倍以上といっていい。
モアは現在はいない。エミューと同じく気性の穏やかな鳥で原住民(マオリ族)の乱獲に遭って絶滅したという定説になっている。
1769年にニュージーランドに(キャプテン)ジェームズ・クックが来島してから英国人他、ヨーロッパ人の移民が増え、彼らはモアという巨鳥の存在を知ることになる。だがマオリ族は文字を持たない民族だったので、モアの存在は昔語りの口頭伝達で知り得たものや、狩猟場にあったモアの骨や化石からだった。それらから推測して復元した人形や、想像図でしか後世に住む私らは知ることができない。
エミューはモアほどデカくないが、檻に囲われてこその鑑賞野生動物が巷に出たら驚くに決まっている。今回の珍事件を知ったウチの本社の東京連中で、「群馬ってそういう場所なの?」と妙な誤解をしたヤツが数人いたので私は訂正するハメになった。「そういうのが飼える土地なの?」とも言われた。
上州のガタイのいい女性社員に、「お前が町中をドタドタ走り回ったらエミューに間違われる」と言い放ったらヒンシュクをかったよ。全然ウケなかった。
他にも聞いてみたの。
笑ふ女(主婦)・・・
「ウチの近所でもエミューを飼ってる人はいましたよ」
「アナタの家で?食用かい?」
「ぶふふっ(笑)ウチじゃないですよっ」
「前に馬を飼ってたよね?」
「ぶふっ(笑)、馬を飼ってたのだって私が小さいころですよっ」
放牧の馬でも農耕馬でもなく、どうも高崎市にあった競馬場に関連する競走馬で、誰かのを預かっていたらしんだな。次に聖なる酔っ払い女・・・
「エミューって・・・焼き鳥何本分ですかねぇ」
そういう発想しかないのか。(--;)
年内最後.jpg検索中のうさこ.jpg
先日、年内最後の出張でうさ子のCafeへ行った時、土間のお客さんがⅰ―Phoneで検索しながら言うには、
「また脱走したみたい」
「ええっ?あれって捕まったんじゃないの?」(うさ子)
うさこも検索しだした。「ホントだぁ」
「同じ飼い主かな?」と私。
「そうじゃないかな~」とうさ子。
実際そうらしい。また搬送しようとして逃げたんだと。同じ轍を踏んだわけさ。そのエミューは捕獲されたらショックで死んでしまったとか。可哀そうにな。
「東京で、そういうのが飼える土地柄なんだって聞かれてさ。訂正しといたから」
「ヘンな風評・・・被害?じゃないけどぉ。ここ(群馬)ってそういうところだってオモシロおかしく噂されるのかなぁ」
「さぁな・・・どうだろ・・・」
でもエミューが徘徊する街なんて牧歌的で長閑でいいじゃないかい?私はTBS噂の東京マガジン噂の現場で紹介されてた前橋市内赤城山麓の野犬の群の方がヤバいと思うよ。
コメント(0) 

無人自販機ドライブインが語るもの [日常の情景]

最近、群馬以外にも出張が増えたのですが、私は初めての場所へ出向く前に現地の地図を見る習慣がある。
地図を見てると、「へぇ。こんなところにも高速道路が通ったんだ~」と思う時が多々ある。首都圏を中心にして放射状に伸びている高速道路や並行する第2東名の建設の他に、放物線に繋ぐ環状線、縦貫道のような道路がどんどんできているんですね。(円周方向、あるいは縦に結ぶ道路です。)
高速道路建設は利用者たるマイカー国民の利便性を謳ってはいる。ウチの社もくるまでの地方出張が当然暗黙のルールになってきた。それを「くるま出張は渋滞・事故というリスクが伴う」、「公共交通機関を利用して何故悪い。疲れる運転を社員に強いるんじゃない」と言い張ってるのは私だけ。

高速道路建設は税金投入の無駄使いと言われようとも、予算の許す限り高速道路を延々造り続けるしかない。官僚・政治家さんの性ともいえる。
大きな視点で見れば高速道路は活性化に繋がる部分が大きい。
工事を受注した工事業者は潤うし道路完成の暁には流通業界が喜ぶ。地方の農産物、鮮魚、特産物が早い時間で首都圏に運ばれるので、大都市圏向けの出荷が増大する。産業振興効果である。
これまで遠かった観光地へ行けるし、観光客が観光地へお金を落とす。外国人が地方観光地へ出かけるケースも増えた。

でも高速道路開通の陰の部分が必ずある。
首都圏へ消費に出て地元消費が減ってしまう。消費が地元に還元されなくなる。1時間も車を走らせれば都市部の巨大百貨店に行けるから地元商店街では消費しなくなる。駅前商店街が寂れ、郊外のロードサイドの量販店や複合商業施設に流れるのと一緒。
そこへ行けばランチもディナーも含めてあちこち行かずに1箇所で複数の買い物や休日家族サービスが可能だからです。
高速道路の開通により観光客は増加するが、日帰り観光客が増えて宿泊しなくなってしまうこともある。例えばこれは高速道路の例ではないが、甲子道路の開通で観光客増大を期待した湯野上温泉だが結局は大内宿に流れてしまい、思ったほど宿泊客が増えていない。

大きな期待を背負って完成した高速道路が皮肉にも地域経済にとってマイナス効果をもたらす。何の為に多額の税金投資をして高速道路を整備したのかわからなくなってしまう。
おっと、別に私は政治談議をしようというのではないです。
安中市を東西に結ぶ国道18号線沿い、郷原というところにこんなドライブインがある。
大看板.jpg
表面が茶色に錆びた大看板には「歓迎 自動販売」とあって、殆ど剥げ文字で辛うじて、「ピーパック安中 飯島屋」とある。
コイン洗車の看板が比較的新しいだけに際立っている。
辛うじて読める.jpg
建屋を見たら何だか曲がっている。
屋根がボロボロ。何か人工的な力でも加わったのだろうか。引き裂かれたように割れているんです。屋根だけど軒になっていない。ウルトラセブンに登場するギエロン星獣の角みたいだ。
年季を通り越して.jpg
裂けた屋根1.jpg
裂けた屋根2.jpg
裂けた屋根3.jpg
最初は廃業した店舗かと思ったが、敷地内でひとりのドライバーが洗車をしていたので現役だとわかった。
そのうち、もう1人ドライバーが来て、ドライブインの屋内で煙草を吸い始めた。
更にもう1台、今度は若い男女が来られてその先客と談笑を始めた。待ち合わせだろうか。
近づいてみる.jpg
紙オムツ捨てるな1.jpg
中に入ってみようと歩み寄ったらガラスには注意書きがやたらと多いのだ。
無断駐車禁止(運転者不在)
紙おむつ捨てるな!
【持ち帰れ】
親の顔が見てみたい
ゴミだけ捨てるのはお断りします
無断ごみの持ち込み禁止
親の顔が見たくなるほどヒドイ出来事が過去にあったのかね。ドックフードを捨てるななんてのもあったね。
紙オムツ捨てるな2.jpg
屋根もそうだが建物全体がウネウネ波打っているようでサッシ窓もヒン曲がっていた。長年の風雪に耐えかねて湾曲したか地盤が緩いのだろうか。群馬は地震に強い土地柄の筈だが。
単に見学の対象物として見るだけだと罪悪感を感じるくらいの年季を通り越した妙な威圧感。ディープな意味で脱線・倒錯・分裂気味の聖域のような雰囲気を感じた。「ここは神聖な場所だ、何か文句があるか」と言わんばかりなのである。「気に入らないなら他へ行け」というようなもの。
外のCocaCola自販機で爽健美茶を買いましたよ。それを片手に中に入ってみたの。爽健美茶1本でも気が持ち直したからね。
店内自販機1.jpg
薄暗い店内は無人で自販機が並んでいる。
自販機は飲料系だけではなく、スナック類、カップラーメンがあった。スナックはまだしも、カップラーメンは稼働しているのかどうかわからなかった。
自販機にも「窃盗犯逮捕」のステッカーが貼ってある。
店内自販機2.jpg
店内も防犯ステッカーがあちこちにあって、
「防犯カメ設置店 当店は24時間ビデオ録画中です。
お知らせ 当店において不法行為をした場合公表致します。」
こういうステッカーが貼ってあった。
ステッカー2.jpg
このドライブインにいる自分は容疑者ではないけど、人間が誰しも持っている悪い部分という意味での窃盗容疑可能性対象者に見られてるような錯覚に陥る。もちろん写真を撮ってる私は防犯カメラに写っているに違いない。
妙に緊張感があり、常に監視カメラで撮影されていると思うと落ち着いて休憩できないが、先客は平然と休憩して煙草を吸っていた。灰皿は何と峠の釜めしの器だった。
灰皿は釜飯の器.jpg
逮捕1.jpg
ただ事ならぬ記事が窓に貼ってある。
逮捕
「・・・安中市の無人ドライブインで清涼飲料水などの自動販売機五台から計約●●万円を盗んだ疑い・・・(途中省略)・・・防犯カメラの映像などから発覚した・・・」
逮捕2.jpg
これは検挙、逮捕に至った事例だが、未検挙の窃盗犯への告示もあった。
窃盗犯へ 告
2012年5月31日22時24分
当店駐車場の草花を盗んで制止を振り切り逃げた市内在住の女へ
今後当店への入場を禁止します。
軽自動車 レッド ●●●○○○ ××―××
警告文.jpg
何だか自分もそういう目で監視され、事件性に繋がる可能性の範疇に立っているんだなと意識せざるを得ない。
外に出たら「屋外の水道水 飲用には適しません 飲まないで下さい」
脅されてるようだが飲んだらどうなるのか。
飲用に適せず.jpg
オーナー側に立って考えてみる。
私は医療業界にいるが小売業界も兼ねている。ドリンク仕入や販売もしている。このドライブインで窃盗する怪しからぬ輩は「たかがドリンク数十本くらい」「売上金○○○円程度」とタカを括ってるのだろうが、盗んだ額だけの利益を得る為にはその何倍を売ればいいのか私は知ってるつもり。
それと自販機ってのは修理金額がバカにならない。保証期間内ならいいが、その間代替え機が無いと売上が無くなるのである。
店内にいろいろ貼られた注意書き、警告文は、理不尽なことを書いてあるのではなく至極当然のこと。経営者はおそらく飯島さんという人だと思いますが、その方の防犯意識の強さであり、無人であるが為のドライブインを狙う犯罪数の多さを嘆き、無人だからといってナメるんじゃないという憤り、人間誰しもが持っている哀しいくらいの悪い性や業に向き合い、注意書きや警告を掲示しなくてはならない現現代の哀しさ、高速道の完成に伴って取り残された一般道サイドの現在の姿、いろんなものが凝縮されているのです。ルールやマナーを守らない輩が増え、無人だけに被害に遭い易いが為のささやかな自衛手段である。
凄い外観である.jpg
現在はこのような姿だが、高速道が完成してSAやPAが設置され、一般道ですら「道の駅」がやたらとできるまではもっともっと交通量があり人が利用したと思うのです。当然その頃は無人ではなかった筈である。
このドライブインは現役です。廃墟では決してないです。WCもあるようだが確認していません。高い買い物はないので見学されるなら何かを購入してお入り下さい。
コメント(0) 

和が家のカナガシラ [居酒屋]

和が家1.jpg
和が家2.jpg
私は「生ビール」って言ったのに、何故かママが間違えて最初っから「船尾瀧」を出して来たの。「アラごめんなさい」なんて言ってたけど、督促してやっと出された生ビールとダブルドリンクになってしまった。
最初からダブル.jpg
ヅケ.jpg
カワハギ肝和え。
肝和え1.jpg
肝和え2.jpg
必ずオーダーする竹輪磯辺揚げ。
必ずオーダー竹輪の磯辺揚げ.jpg
必ずオーダー竹輪の磯辺揚げ2.jpg
何かを揚げてる大将の手。。。
骨を揚げてるとこ.jpg
揚げ物が続きます。金頭の唐揚げ。
カナガシラ1.jpg
故・藤沢周平著、「三屋清左衛門残日録」が金曜時代劇で放映された時、「草いきれ」で夏風邪をひいた清左衛門が、それまで食欲が無かったのに、見舞いに来た大塚平八と、夢に出て来た吉井彦四郎の話になって俄かに勢いづき、息子の嫁、里江に、「カナガシラの味噌汁を持って参れ」と言い付ける場面がある。
カナガシラとは何だ?
金頭はホウボウに似ている。30cmほど。
頭部が硬い骨で覆われているから金頭(カナガシラ)。口が大きく、エビ、カニといった甲殻類や小魚を捕食する。グルメな魚である。
味噌汁にすると美味しいのだろうか。この魚が、何故か群馬八幡の和が家にあるぞ。
「カナガシラとか八角とかヤガラとか、珍しい魚を出すんですね?」
「仕入れに行く時にちょっと珍しいものがあると、それだけ置きたくなるんですよ~」
カナガシラ2.jpg
そんな怖ぇ顔して睨むなよ。
ウルトラマンのツィンテールの如く、胴体と尻尾をピンと立ててみた。
カナガシラ3.jpg
無冠帝.jpg
「ホント、〇〇さんと料理がカブリますね」
「???」
「微妙に同じ系統を頼まれますよ」
「ああ、そうか」
それはお互いの記事写真を見ているからだろうな。どちらともなく美味そうだなって思ってるのかも。だがそうは言えなしね。
「前も言ったけどこの店、揚げ物は早いよね。揚げ物だけはね?」
「ガハハハ(笑)家でするのと違ってこういうのがあると楽なんですよ」
シロートでもできると言わんばかりである。

「〇〇さん、また走られるそうですよ」
これは県民マラソンの前のネタです。
「らしいね。私なんかここ2~30年以上も走ろうと思ったことないけどね。1日にどれくらい走るものなのかな」
「3kmくらい・・・トラック1周が400mですからねぇ」
「私は300mも走らないけどね」
「自分は30mも(笑)。それも10Cmくらいしか脚が上がってないし。ハッハッハッ」
「自分では足を上げて除けたつもりなのに、実際は足が全然上がってないことってあるよな。ガードレールを跨ごうとして蹴飛ばしたりとか」
「笑」
「ああいうアスリートってのはジョギングじゃないでしょ。箱根駅伝なんか見ると全力疾走じゃん」
「凄いですよねぇ。実際目で見ると目の前をピューッとアッという間に走り去って行かれるんで。駅伝とか見られるんですか?」
「私はスポーツって結果しか見ないのよ。駅伝は正月に家内(ジャン妻)がかじりついて見てますよ。繰り上げスタートだと相手選手に同期して無念がってる」
ウチの近く・・・でもないけど区間が変わる場所があって、上空をヘリが飛んでると「あっ来た」って。でもナマで見たことないのです。
「走らないとどーなるんだろう。身体の調子が悪くなるのかな?」
「走るのが生活リズムになってるんじゃないですかね。」
というような会話をしたのですよゴメンナサイ。
白菜漬け1.jpg
白菜漬け2.jpg
いんげんの胡麻和え.jpg
お帰りなさい箸1.jpg
うっかり箸を落としてしまった。
この店のカウンターはやや手前に斜めってるんだよね。拾おうとしたら新しい箸を引いてくれって。そしたら箸の先に赤いのが付いていたのです。
「何か先っぽが赤くなってるぞ」
「アタリですね?」(ママ)
「アタリぃ?」
「オメデトウございます」
「ああ、当たると何かいいことあるんですか?」
1杯無料になるらしい。
「アタリなんかあったんだ。ホントは無いんじゃないかって思ってた」
「ありますよぉ」(ママ)
「じゃぁ次から次へと箸を床に落としてったらいつかはアタルのかな」
「ア~ッハッハッハ。それいいですね。やってみます?」(大将)
当たらなかったらその分、1杯ずつ加算されるって。
和が家3.jpg
群馬八幡駅への夜道.jpg
群馬八幡駅.jpg
終電が来た1.jpg
終電が来た2.jpg
終電が来た3.jpg
ガラガラ.jpg
高崎方面、上り最終電車です。
首都圏の終電とは全然違う車内光景がそこにあった。
私はどうしてこの店を知ったのかきっかけを覚えていないのです。住んでた頃、日昼に店の前の道はよく走ったのですが。
コメント(2) 

店は違えど群馬でタルタル再会 [居酒屋]

彷徨い20.jpg
中央銀座アーケードのある店を目指したのですが。
行ったら.jpg
休みでやんの.jpg
臨時休業かい!!
う~ん残念。まだご縁が無いこの店。仕方がない。通町へ行くか。
仕方がないな.jpg
お品書き1.jpg
お品書き2.jpg
お品書き3.jpg
最初の膳.jpg
めんどくさいおとおし.jpg
まためんどくさいおとおしを出しやがったな。
何かの魚のアラ。骨から身をほぐすのがめんどくさいんだよ~。出汁は美味しいけどね。
めんどくさいおとおしでテンション下がったけどいつものことです。少ない品数ですがこれから盛り返します。
キンメとヒラメ.jpg
「忙がしいスか?」
「全然」
「笑」
「忙しかったら群馬に来ないよ」
「笑 奥さんはお元気ですか?」
「ちょうどメールが来た。マスターにヨロシクって。私なんかより向こうの方が内勤で忙しい」
「じゃぁ全然ご一緒には来れません?」
「仕事ではね。向こうは仕事で来れる私を羨ましがってるフシはあるなぁ」
何処からかジャン妻の声が聞こえる。いいわねアナタはひとりでフラフラ遊んでられて。
キンメUP.jpg
ヒラメと熱燗.jpg
追加のワサビ.jpgまた山葵が無くなった.jpg
「マスター、悪いけどワサビが足りなくなった」
「あ、摺ります」
「キンメが凄い脂乗ってるからさ」
マスターは他のお客に出すキンメをさばきながら、
「ホントだ。凄い脂っスねこれ!!」
あのね。私に指摘されて気付くなよ。キンメの脂が強いので山葵を多めに付けてたら無くなっちゃったのだが、キンメにつける山葵の量をそのまんまヒラメに載せて口に運んで、シマッタと思ったのだが。。。
辛くないのだ。
小さく切ってある白身のヒラメにワサビを多く付けても全然辛くない。鼻にツーンどころか、ピリッとも来ない。要はワサビが効いてないのだ。マスターと一緒だね。さすがにもう1回、ワサビを所望するのは控えた。
磯辺揚げと熱燗.jpg
帆立大和芋磯辺揚げ。おっ、美味いよ。
帆立大和芋磯辺揚げ.jpg
磯辺揚げUP.jpg
「鶏とキノコのタルタルって何さ?」
「鶏を蒸し焼きにして、キノコのバターソテーを添えて、タルタルソースでグッチャグチャに混ぜるんです」
マスターは手でかき混ぜる仕草をしながら、「思いっきり混ぜちゃってください」
9月半ば以来3ヶ月ぶりのタルタルソースとの再会である。いいよね構わないよね、ここは東京じゃないし。マスターは私が東京ではタルタル御禁制にしたっての知らないし。
鶏茸タルタル.jpg
鶏茸タルタルUP.jpg
刻んだキュウリが入った独自のオリジナルソースであった。
そのまんま口に運んだり。
久々のタルタル.jpg
グチャグチャに混ぜる.jpg
パンに載せたり。
パン.jpgパンに載せる.jpg
私はカウンター入口側の端の席、右に2席あいて1人男性、2人男女、1人女性客。私以外の4人は声だかに談笑している。この店で知り得た常連同士のようですがまぁ声のデカいこと。
私はこんな小さい店でそんなにデェぇ声で喋り笑わんでもって憮然としてたのだが、会話を聞いてると、聞き耳立てなくても嫌がおうにも耳に入ってしまうのだけど、この店の常連さんって聞いてるこっちがジーンとなるくらいに群馬愛、郷土愛に満ち溢れた方が多いのよ。
地元の人気(ヒトケ)の無さを嘆いたり、都会を羨んだり、それでいてやはり群馬がいいってなったり。転勤族にも優しいの。私の1席空いた隣の男性は24年の大雪の時に転勤して来て3年めに入った。群馬の平野部では40年ぶりの大雪だったのだが、群馬って雪国なんだって思ったそう。
3年めか。羨ましいこって。
途中からカンター男性が、私を見たことがあるって言うので私も会話に巻き込まれた。私なんか1年で帰れって言われたんですよってコボすハメにはなったがの。
「大雪の時は私ここに来てましたよ。店の前を通ったらここ閉まってたしさ」(私)
「そうだよぉ。お店休んじゃってさぁ」(常連さん)
「いや、だって、お客来ないだろうと思ったし」(マスター)
「週末は混みますね。この店って何曜日が混むんですか?」(まだ慣れてない常連さん)
「金曜土曜かな」
金曜土曜で混まない店なんてあるのか。
「混んでないですよ」
「マスターは混んでても口では混んでない混んでないって言うんだよね」
「そ、そんな、昨日なんかお客さんひとりだけだよ。来てくれた〇〇さんありがとうって思ったし」
「狙いめは火曜日か水曜日かな」
それプラス、2階に電気の点いてない時は空いてるかも。
「23日は営るの?」
「(他で)バイトです」
「だったらここ開ければいいじゃないっ」
「頼まれたんで・・・」
こうして皆さんの会話に混ざるとそれまで「うるせぇなぁ」って思ってたのが気にならなくなるんだよな。
クリームチーズ干柿.jpg
「家で話してたの。そろそろあの店は柿とクリームチーズの季節だなって」
「実はこれ出すの昨日からなんですよ」
干しがイマイチ足りないが、それはそれで生っぽくてよかった。
彷徨い16.jpg
勘定しながら、「○○レの後継者は君だな。この店だな」
「そ、そんなっ、まだまだっスよ」
それはわかってる。「別に店ん中で尺八吹けってんじゃないよ」
「そういえば〇〇さん・・・」
・・・の後はちょっと書けない。内緒です。
「また何処かで営るんじゃないの?料理人は料理でしか喰っていけないと思うよ」
常連さんはまだまだ盛り上がっている。店を出る時「またこの店で会おうねぇ」と常連さんが手を振るのに見送られた。
コメント(2) 

メヒカリの意味は? [居酒屋]

蒼白い看板.jpg
「すみません今日は天然の日で、笑」(大将)
天然とは魚ではなく今日は天然スタッフAさんの日です。しっかり者のBさんが半引退されたようで「アタシは養殖じゃありません」と言うAさんが今日は大将をサポート
入店前に外から覗いたらAさんはお客さんが一人だけなのをいいことに、カウンター奥で何やら書きものをしていた。
扉を開けても気付かないので、「オッホン」と咳払いをしたら慌てて立ち上がった。
気付かないぞ.jpg
最初の膳.jpg
タケノコ.jpg
メニューが少ないな1.jpg
メニューが少ないな2.jpg
「メニュー少なくない?」
「ちょっと不漁なんです。キンメも入って来ないんですスミマセン」
「では何がいいかな」
「カツオ・・・と、ヒラメかな」
「じゃぁそれ」
そしたらAさんが親の仇のようにニンニクと生姜をガリガリ摺り始めた。
「ニンニクもショウガも少なめでいいですよ」って言ったら、パタッと摺る音が止まった。
カツオとヒラメ.jpg
ブ厚いカツオの刺身。
カツオUP1.jpg
カツオUP2.jpg
カツオUP3.jpg
次に何にしようかメニューを眺めてたら、手書きメニューのフォントがいつもと違うな。これは天然Aさんの文字ではないな。しかも誤字を2つ見つけてしまったよ。
マスター、これ字が違ってない?」
「え??」
誤字1.jpg
えび新じょ??
海老真薯ですよ。新じゃないよ。真はともかくも薯なんて漢字は私も書けないけどね。ジネンジョ(自然薯)って山芋のことでしょう。
「平仮名でいいのに。新しいの新じゃないよね。もうひとつこれこれ。山芋磯部揚??
磯部揚??
誤字2.jpg
「これは磯部温泉の磯部でしょうよ」
「ホントだ!!」
「辺ですよ辺」
山芋でも竹輪でも磯辺揚げは衣に海苔をまぶす場合が多いですよね。浜辺や磯部に打ち上げられたワカメ、海藻類を連想させるから磯辺揚げなんですよ。
群馬だから磯部にしたのかな。通じるけどね。Aさんが書いたの?」
「ア・タ・シじゃありませんっ。新しい若い子ですっ」
「そうだよな。字が違うモン。今はどういう態勢になってるんですか?Bさん(しっかり者)は?」
「月水金がアタシ。それ以外はもう1人入った新しい子。Bさんは宴会が入った時だけサポートに来るんです」
私は未だその新しい子を知らない。

これも必ずオーダーする銀鱈(あぶらぼうず)西京焼。
西京焼.jpg
さて、いつものボヤキが始まったぞ。
「今年は秋刀魚が高くってね。原価が1000円近くするからウチみたいな店は仕入れられないんです。大量に仕入れて出す大きい店には到底敵わない」
「量販店には敵わないかもですね。お昼の弁当は未だ続けてるの?」
「昼の弁当はギリギリ続けてますけど、どうにもいかなくなってお断りするともうそれきりだし。止めるに止められないんです。お客さんは今まで出していた値段と内容じゃないと納得しないし。見てると今の時代はものの良し悪しがわからない消費者が増えてると思いますよ。魚なんか特にそうです」
フグ料理という強い武器があるじゃないですか。
「ウチのメインのフグなんかも以前よりは仕入れが高くなってますね。定期的に来て下さるご宴会のお客さまはご理解いただいてるんですが」
「増税の影響?」
「それもあります」
「消費税が8%になったって消費者側の収入が8%増えた訳じゃないしね」
「そうっ。そうなんですよっ」
「今の安部さんの政治は国民に強くなれって言ってるようなものだからね」
「そうです。ウチみたいな弱い個人の店はついていけない。置いてかれます。ウチなんかどんどんトシいっちゃって来てるしいつまで商売できるか。大手と違って自分なんか名前だけで商売できないし、最近だんだん目が見えなくなってくるのと年取ると舌がどんどんいい加減になってくるからウチのオバちゃん連中に味見させるんですよ」
Aさんは、「ウチのオバちゃんて誰よ」という目をしながら、ジジィって逆襲した。
メヒカリの唐揚げ1.jpg
メヒカリの唐揚げ2.jpg
メヒカリ(目光)の唐揚げ。
水深200~600mの海域に生息している準深海魚。表面がカリッ、身はフワッとしています。脂もほど良くある。いい味だね。
「目が光るんですか?」(Aさん)
「そう!!」(大将)
「そうなの?」(私)
「ホントです」(大将)
目が大きい魚ですが目から光を発する訳じゃないです。光を反射すると光って見えるとか。
「そうなんだ。今のはいつものAさんのボケかと思った」
「ア~ッハッハッハ(笑)A子NICE!!」
大将は親指でグッドしながら厨房に入った。
「アタシのこと普段どういうキャラだと思ってるんですかぁっ」(Aさん)
牛しぐれ煮1.jpg
牛しぐれ煮と熱燗.jpg
ご飯も.jpg
振り返る.jpg
だけど天然呼ばわりされて「アタシは養殖じゃありません」と否定するのもオカシイですよね。魚の天然もの養殖ものに例えてるのではないです。「アタシの性格は天然(ボケ)じゃありません」と返すべきでしょうよ。(笑)それでも大将の片腕なんです。
コメント(2) 

箕輪の出城 [隠れ郷土史]

住吉城地図2.jpg
高崎市郊外にある八幡霊園に至る県道を下って北へ走り、町屋橋で烏川を渡るとすぐ先にもうひとつ榛名白川を渡る橋が見えます。その川はすぐ近くで烏川と分岐した川です。
その橋を渡らないで右折、土手沿いに走ると白木の家?スナックがあって、敷地内にデカい碑がある。
スナックの敷地内.jpg
立派な碑が.jpg
「???」
土手にくるまを停めて碑を眺める。碑には花を挿すコップ(ワンカップのような瓶)がコケていた。榛名おろし(強風)で倒れたらしい。
スナックのドアが開いている。店のママとおぼしき女性が店内を片付け掃除している。じーっと見てたら目が合ったので「どーも」と軽くアタマを下げ、碑を指して「これは何です?」とサインを送ったらママが出てきた。
「何ですこれ?」
「ああここはね。ミノワの出城だったのよ」
ミノワ=箕輪です。箕輪城の支城です。ママはハッキリと「出城」という専門用語を言った。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-07-17
幟がはためく.jpg
「裏にいわれがあるわよ」(ママ)
尖った葉っぱを除けないと碑文全文が読めないのだが、そこにはこうあった。
「此の城別名仲村城。あつま道の烏川渡河店に備えたる要害なり。永禄四年甲州勢来襲町屋阿弥陀堂を焼く時長野信濃守業政清水小内内記藤原正智を城主としてこれを守らしむ。上杉輝虎、小幡安中の奪還を謀り同八年七月兵を発す。箕輪勢先鋒となって武田信玄の殿分に肉迫。大いに若田の原に戦う。住吉城その拠点たり。爾来四百廿年城背の長野堰錚々往昔を伝う」
要は、この地(町屋)に武田信玄率いる甲州軍団がやって来て阿弥陀堂を焼くという暴挙をやらかし、迎撃した箕輪城(現在の箕郷町)の長野業政の先鋒となった場所だということです。
碑の裏側に.jpg
碑文にある若田の原とは、このスナックのすぐ南に望遠される丘一帯、八幡霊園と若田浄水場のある辺りを若田町というので、おそらくその辺り一帯かと推定されます。
碑文を読む.jpg
戦国期の上州は北条、武田、長尾の草刈り場の様相を呈してしまったのは、彼らのような突出した大名が現れなかったから。
それでも従わずに抵抗する勢力はいて、箕郷町にある巨城、箕輪城に上州一揆衆の盟主、長野業政がいて、甲州軍の侵略に徹底抗戦。勝てないまでも生涯負けなかった人。
地図で見たら、この碑の立つスナック前を流れる榛名白川を上流に遡るとそのまま箕輪城の西の外郭に辿りつく。ここは安中方面から迫って来た甲州軍を迎え撃つ最前線基地だったというのです。
高崎方面.jpg
晩秋の榛名山.jpg
私は群馬県民に成りすまして言った。
「箕輪の出城だったんだ。ママのご先祖様が?」
「ううん(首を横に振る)アタシはここを借りてるだけよ」
「この土地地主さんが立てたのかな」
「この石は近くにあるYF建設さんの社長さんが造ったのよ」
それにしても「甲州勢来襲町屋阿弥陀堂を焼く・・・」
武田信玄が上州に攻め入って領内を荒らしまわり、自分に従わない寺社仏閣を焼き払った故事は高崎市吉井町でも見たよ。よくやらかすんです。神奈川県でも三増峠の戦いを終えて引き上げる時も社をブッ壊して火にくべて暖を取ったりしてるからね。
碑文には永禄四年(1561年)とあるから川中島の前後でしょうか。
近づいてみる.jpg
「敷地内にこんなのあってジャマじゃない?」
「笑、まぁウチはこのまま借りてるけどね」
「こうやって訪ねてくる人います?」
「どうだろうねぇ。アタシは昼間はいないからねぇ。でも見に来る人っているんじゃない?今日はたまたま明るい今のウチに片付けちゃおうと思って来たんだけど。夜のお客さんで気にする人もいるけどね」
ママは碑の前に置いてあった水の瓶を立てて水を容れた。私が立ち去った後で花を活けたかもしれない。
かつての出城は500年経った今、スナックのママが城代を勤めている??
コメント(2) 

田所商店 [ラーメン]

昨日の記事の空とはうってかわって、上州の澄んだ青空に映える大看板。
田所商店です。高崎市から前橋市に向かう17号線沿いにある。
青空に映える.jpg
蔵出し味噌.jpg
グランド1.jpg
グランド2.jpg
田所商店の社長さんは東北白河の老舗味噌屋の出だそうです。だからメニューは味噌だけ。醬油、塩は無いです。
店のグランドメニューを見ると、信州味噌(やや濃口)、北海道味噌(濃口)、九州味噌(甘口)となっていて、前回初めて入った時の九州味噌にさつま揚げが入ってたのに「!!!」したものです。
味噌味にさつま揚げは合うけどさ。麺類に練り物が具で入ってるのはイマイチピンと来なかったのだ。いっそ麺を無くしてアタマだけ(具だけ)、さつま揚げ、がんもどき、つみれ、大根でも入れてみたら麺無しの全然違う料理にバケそうである。
それでいてどの味噌もデフォでチャーシューが無いのですよ。1枚120円だって。では3枚で360円かというとそうではなく320円。
オーダー取りに来た体育会系っぽいねーちゃんに、
「さつま揚げが入ってないのはどれさ?」
わざとそう言ってやった。さつま揚げは嫌いだと言ったようなものだが別に嫌いではないよ。
「こちらの信州味噌と北海道味噌ですね。信州は山菜、北海道はフライドポテトが入っています」
信州は山菜ですか。まさか信州で採ってないよね。で、フライドポテトぉ?
ここでまた面食らった。ラーメンにジャガイモかよ。また奇を衒ったような具を。この店はフツーの味噌ラーメンを何故出さないのだろうか。
「北海道の野菜らーめん、トッピングにバター、コーン、チャーシュー1枚」
「以上でよろしいでしょうか?チャーシュー1枚入ります。北海道野菜、バター、コーン・・・」
チャーシューを先に声高に告げていた。オペレーションは見えない。
私1人だったのが、後から1人、1人、1人、2人とお客が入ってくる。私以外は皆、麺大盛りだった。いずれも「チャーシュー何枚入ります」を先に厨房へ声掛けしていますね。
サイド1.jpg
サイド2.jpg
気になるサイドメニューがあった。
「ちょっといいかな」とねーちゃんを呼んだ。
「ハイ」
「この味噌野菜炒めって量どれくらい?」
出張に来ると野菜不足になりがちなので聞いてみたのだが、野菜炒めも味噌味だという。そこまで拘るか。
「量はこれくらいかな?」
私は両手の親指人差し指で小さめに丸く形作ってみた。
「いえ、もっとあります。結構大きいですよ。これくらいですかね」
店のねーちゃんは大き目の皿を形作った。
「そんなにあるのか。う~ん・・・」
ちょっと無理そうだったので、
「やっぱ次回にするワ」
「よろしいですか?」
「うん」
次回も1人で来たら腹中に収まり切らない。2人くらいで来ないと味噌野菜炒めはオーダーできないかな。
待ってる間に他のメニューを見る。前回あった伊勢味噌は無くなり、江戸味噌つけ麺なんてのがあった。
江戸味噌?.jpg
九条ネギ?安中市のヘンテコなラーメン屋の店主が「九条ネギが入荷し難い」ということでトッピングから全部とっ外してしまったが。やはり個人商店より株式会社の方が仕入れ力が強いんだね。
九条ネギ?.jpg
着丼しました。
ルックス.jpg
以下あくまで個人的な感想ですよ。まずスープ、見た目も味も濃いです。濃いけどしょっぱさ、くどさはさほど無いのだ。こういうのをあっさりした味噌というのだろうか。コクもあります。デカい缶からに入った業務用味噌を使ったその辺の街角大衆中華の味噌ラーメンとは全く違いますね。
コーン.jpg
やはりフライドポテトは無くてもいいなぁ。
追加トッピングの1枚チャーシューも何だかなぁ。肉の周囲に脂皮のようなもので巻かれているように見える。
何故にフライドポテト.jpg
チャーシュー.jpg
溶けないバター.jpg
バターが溶けないのはどういうことだい。バターがデカいのか。スープが温いのか。でもとかくスーパーで品薄になりがちなバターがデッカいのは高評価。
野菜がイマイチ少ないんですよ。ぐみはんの味噌ラーメンの方が多いぜ。
挽肉と揚げネギ(チップ)もちょっとくどい感じがした。加えて北海道だからフライドポテト、コーン、バター、いっそ、鮭でも入れたら???(笑)
ミンチ?.jpg
器が小さ過ぎる。大盛りにしないと大きい器を使わないのは仕方がないけど箸の摩擦係数が良くない。何だかわからないがツルツル滑るんです。抵抗力が無いのに加えて味噌スープの粘度が濃いめなので麺をツマミ難い。
野菜.jpg
麺を引きずり出す.jpg
レンゲも使い難い。ユリゲラーがひん曲げたようにヘンに曲がってるので、小さい器から麺をまとめてゴソッと引きずり出すとレンゲがオーバーザトップロープの如く丼の外に飛び出すんだよね。
見えないスープの底に.jpg
結構スープを飲んでしまったのはコーンのせいです。このスープ底にコーンがまだ残ってる筈。それに未練が残る。穴の空いたレンゲでもあればいいのに。
拡大.jpg
結局この店、私に言わせりゃ特筆するのはスープだけなんです。田舎味噌をそのまんまブッ込んだような他ではない味噌スープは他にないもの。だからさつま揚げだの山菜だのフライドポテトだのそういう具を入れないオーソドックスなスタイルはないのだろうか。
そうだ、次回はそういうの抜きにしてもらおうっと。(笑)
コメント(2)